- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022598615
作品紹介・あらすじ
テロ対策特措法と有事法制の成立、自衛隊のイラク派遣はいかに実現したのか?いまや外交問題でも政策決定の主導権を握り、混迷する世界情勢のなかで迅速に政策を推進する内閣官房。「官邸」という権力の中枢は、いかなる組織をもち、どのような役割を果たしているのか。外交経験が少なく、党内の勢力基盤の弱い小泉首相の政治リーダーシップを支える政策過程とは?数多くの政策担当者へのインタビューなどで得た証言をもとに官邸主導外交の全貌を浮き彫りにし、その可能性を探る。
感想・レビュー・書評
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特に安全保障問題に関して官邸主導外交がいかに確立し、行われてきたかを、テロ特、有事法制、イラ特の成立過程などを追いながら肯定的に述べている。
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日本のような国でリーダーシップをとるシステムを作ったのは橋本だったのか。
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官邸主導の政治は中曽根さん時代に始まった。当時の官房長官後藤田さんの支援があったから。その後、竹下-小渕では官邸の力も落ちた。調整型の竹下さんだから仕方がないだろう。小泉-福田も中曽根さん並に官邸主導だった。福田さんは総理をするよりも官房長官向きだったのだ。
それにしても官房長官の地位を高めた後藤田さんは凄い。 -
内閣官房主導の外交政策への潮流を、省庁縦割りの非効率性、小泉の党内基盤の弱さ、世論の後押しなどを理由に解説。内容としてはあくまでもイラク特別措置法等の成立過程などをなぞっている。内閣官房副長官の重要性もといている。石原信雄、古川貞次郎ら。中曽根と小泉が似ているという指摘も良く聞かれるね。政策立案過程の研究に使えそうな一冊だが、それには内容が若干薄い。でも分かりやすくて面白かった。
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官邸外交は郵政改革と同様に「小泉政治」の象徴だ。その官邸主導の外交がどう展開され、それがどのような効果を及ぼしたかが詳細な取材によって明らかにされている。そこには確かに首相のリーダーシップがあった。日朝首脳会談や自衛隊のイラク派遣など、是非はともかく、小泉政権らしさが出た外交問題は少なくない。
06年9月で終わる任期を前に「ポスト小泉」も取り沙汰されている。それだけに、『政権交代などで違った理念を持つ首相が現れた場合、日本外交に首尾一貫性を欠くことになる可能性が強まる』という指摘は尤もだろう。だからと言って、野党第一党の代表が「外交の一貫性」を強調する必要もないと思うが。