鴻上尚史のなにがなんでもほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022518545

作品紹介・あらすじ

「ステキな回答!」「神回答!」と大好評のAERA dot.連載書籍化第4弾! 「毒親の呪縛から逃れられない」「部屋を片付けられない」「息子の学歴を恥ずかしく思ってしまう」など尽きない投稿者の悩みに、鴻上尚史さんが真正面から答えます!

感想・レビュー・書評

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  • ほからか人生相談・第4弾!
    親子関係、結婚・家族関係、子育てに悩む人には特に一読してほしい1冊。

    語り口は柔らか、だけど内容はとてもわかりやすく鋭い。
    相談者さんに寄り添うばかりではなく、時には相談者さんご自身が見ぬふりをしていること、まったくおかしいとおもっていないことに気がつけるように…というおもいから、柔らかくも厳しい助言が書かれている。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    この本は特に、「愛」という名のもとに、毒親に苦しめられているお子さんにこそ、読んでほしい本だ。

    今回も毒親(←ただし自分では気がついていない)自身からの相談、毒親に苦しめられているお子さん自身からの相談があり、胸が痛んだ。
    鴻上さんは両者に、とても的確な回答をされていたけれど、きっと毒親には届かないのではないかな…とおもう。
    なぜならそのアドバイスを受け止める、ということは、親にとっては自分が毒親だと認めることになるからだ。

    自分で自分が毒親だと認められれば、まだ改善の余地はある。
    けれどきっと自分のまずいところをズバッと言われて受け止められるくらいなら、毒親なんてとうに脱出しているはずなのだ。

    それに、毒親から毒が抜けるのを待っていられないくらい、窮地に立たされている子どものほうが、むしろ心配だ。
    だから自分に向けられている親の愛は実は「毒愛」であること、毒親の毒々しい思考回路を知り、そこからどうやって逃げるかということを、この本から今すぐに教えてもらってほしい。

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    親子関係、結婚・家族関係に悩む人に、特に強く強く強く猛プッシュしたい1冊である。

  • 今回も悩み満載。鴻上さんの回答、深いです。
    私では思いつかないとこがどんどん出て来ます。
    「人間は変われます。人間は変われると思った人だけ変われます」

  • 人生相談を読むのが大好き。全然参考にならなかったり、面白くもない回答がしばしばあるなかで、ここのところのお気に入りが、上野千鶴子さんと鴻上尚史さん。回答の傾向はかなり違うけど、なるほどねえと思うことが多い。

    今回一番心に残ったのは、鴻上さんがツイッターをはじめWeb上で発言するときに決めている「自分なりのルール」について書いていたところだ。ネットで情報を探り、つながりを求めていると、誹謗中傷の言葉は避けようがない。だからといってネットをやめてしまうのはあまりにもったいない。自分にはどうしても言いたいことがあるから発信は続けるが、なるべく炎上は避けたいので三つのルールを考えたという。

    一つ目は「目の前にいる人に言えないことは言わない」。ほんと、他では言えない汚い言葉を言い捨てる場みたいに使うのは、百害あって一利なしだと思う。

    二つ目「『世間』ではなく『社会』の人に向かって話す」。これは鴻上さんが一貫して述べている概念で、「世間」は身内の人、「社会」は自分と関係のない人。「SNSが希望になるのは『社会』の人と対話し、新たな関係性や情報を、自分の『世間』を越えて手に入れられた時だ」というのは、実にその通りだと思う。思うが、きわめて難しいことでもあって、自分がSNSに対して腰がひけてしまうのは、それは無理だよね~と思っているからだろう。

    三つ目「人に話しかける時は『です・ます体』を使う」。多くの人がそうしたなら、ネット上の殺伐とした雰囲気もずいぶん変わると思うけど、これまた難しいなあ。

  • やはり鴻上さんの回答内容ってすごい。私だったらなんて答えるかなぁ、答えられたら頑張れるかなぁの想像を超える

  • 第四弾!もう4冊目か。これだけ長く続くのは、やはり多くの人がこういう人生相談を求めているからだろうな。

    【人間は変われます。変われると思った人だけ、変われます。僕はずっとそう思っています。】
    本当にその通りなのだろうなあと思う。これだけ沢山、鴻上さんの回答を読んできて、その度に、自分と重なる相談もいくつもあって、涙したり、(厳しい回答に)うぐっとなったり、腹落ちして首がもげるほど頷いているのに、いまいち、自分が変われている実感がなく、成長している気がしないのは、どこかで変わるのは難しいと自分自身が思ってしまっているのだろう。

    それでも懲りずに、鴻上さんのこの人生相談への回答を楽しみに読んでしまう。そして必ず1つは自分と重なる相談を見つけて、相変わらず泣いたり頷いたりしているのだ。

  • ときに厳しくも、愛情溢れる建設的なアドバイスに、鴻上さんの人間性がよく表れているように感じた。
    相談内容は、ほがらかどころか、けっこうヘビーなものもあるが、鴻上さんの前向きなアドバイスがほがらかに感じるから、不思議だ。

    特に、相談10の毒親の呪縛や、相談21自己肯定感、相談23の模擬面接のトラウマは、読んでて涙が出てきそうになった。
    自己と大なり小なり似たような体験の相談を読むと、自分の過去の体験が簡単にフラッシュバックする。(具合が悪くなったりはしないけど、克服できたつもりで根が深いなと気付かされ苦笑する)
    しかし、最後の鴻上さんの言葉に励まされる。
    「人間は、変われます。人間は、変われると思った人だけ変われます。」

    また、待つ時間が時代と共にどんどん短くなってきていると言う話(P68)は、深く頷いた。
    我が子に、わからない言葉を辞書を使って調べるように言ったら、「時間のムダ!」と返され啞然とした。今は、音声認識でググれば簡単に調べられるから、本の辞書で調べることが時間のムダに思えるのか!と驚いた。
    一見面倒くさいことでも、本の辞書で、ページをめくりながら、他の言葉も読み、同音異義語や反対語等も読むことによって、語彙が増えるメリットがあるということをわかってもらうにはどうしたらいいのだろう?と悩み中。

    そんななか、鴻上さんは、本の中から私にもアドバイスをしてくれた。
    「子供は親の言う通りではなく、しているとおりに育つ」(P181)

  • 人生相談系の本を読むのが好きですが、これもとても良かったです!
    回答者である鴻上さんが、回答の文章の中で、質問者さん達の名前を繰り返し呼びかけるのがなんだかとてもよかった。読んでいてあたたかい気持ちになれます。

  • 14歳の女の子が「どう生きたらいいのかわからない」の悩み相談で、30になっても40になっても「どう生きたらいいのかわからない」と悩み、相談を寄せてくる人は多い、14歳のあなたがわからなくて当たり前、のところで、ほんまにそうやなぁと納得した。
    その悩みに対して、人から話を聞いたり、同じように悩んでる人の本をたくさん読むといい、と勧めており、私も鴻上さんが勧めてた本をさっそく図書館で予約。
    この本じゃなかったかもしれんが、自分を豊か?にしようとするならば、とにかく本を読め、と言っていた。舞台演出家の方やのに、本なんや、と意外。
    けれども、鴻上さんも言うように、映画や舞台は受け身でいいが、本は自分がボーっとすると頭に入らないから、また戻ったりする、本は集中力がいる、という話はまさに!!!
    たしかに、本の方が自分の中に染みていくような感覚がある。
    映像作品など、受け身でも情報を受け取れてしまうものは次の瞬間忘れてることが多いかもしれない。

  • ズバッと言ってくれる鴻上さんの回答が気持ちいい〜&ハッとさせられる回答と、「ああ、そうだ、これでいいんだ」と思えるような気付きがたくさん。迷いが出た時に戻ってきたい書籍シリーズ。鴻上さんの「わははははは」が好きです。笑

  • 鴻上さんの人生相談第四弾!!
    毎回感じる事は一つ、
    老若男女の相談者の悩みに
    真摯に向き合い寄り添い、
    丁寧で優しい言葉で語りかけてるので
    言ってることが私にも理解できる。
    (←毎回同じような事を書いてる)

    今回ん?って相談もあり
    ①息子の学歴を恥ずかしく思っている相談者
    ②小4の息子に「君はどうして成長しないの?」と聞いたという相談者。
    この相談には厳しい回答を。
    でも語りかける口調なので
    頭ごなしの言い方じゃない分、
    質問者が自分の何がいけないのか?考えらさるのでは…。

    本の帯に書かれてる言葉、
    その通りだと思う。

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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