ひこばえ (上)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022516718

感想・レビュー・書評

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  • 小学2年生のの時に家を出て行った父。
    自分の孫が生まれる直前にその父の死が伝わってくる。
    高齢者住宅の施設長を務める自分、高校の国語教師をしている息子。
    全く覚えていない父の姿が、少しずつ見えてくる。
    下巻が楽しみです。


    帯 裏面
    「「ひこばえ」とは木の切り株から若い芽が生えてくること。たとえ幹が倒れても、孫のような芽が生えるように、命は、親から子供を経て、孫の代へと続く。」

    メモ
    「これが命の色なんだ、と思う。体の内側から湧き出てくる赤なのだ。一生懸命、全身全霊、命懸けで赤くなっているのだ、赤ちゃんは。」

    「孫は遠くから見守ることが肝心。」

    「孫は来て良し、去んで良し。」

    「History(歴史)にはstory(物語)が潜んでいる」

    「どんな親だろうと、、、、親は、親だ。」

  • 親子…
    重松清の親子物はとりわけ父親と息子の作品が多いような印象です。
    そして今回の主人公も優しいけど優柔不断…
    いい人なんだけどちょっとイライラ( ̄▽ ̄)

    ほんと重松作品って不器用な父親、不器用な息子が
    モダモダするんだよね〜
    そして下巻で思いっきり泣かせにくるんだろうな笑


  • 父を知らない中年男性が
    父親像を獲得していく話。

    登場人物が魅力的。

    ちょっと長すぎて気分が乗りきらない所もあったが、
    温かみのある話に心を打たれる。

    家族って、やっぱり素敵だ。

  • ある日、姉からの電話で小学2年の時、家を出た父が亡くなったことを知る
    父が家を出て、48年、顔も思い出せない、父との思い出もほとんどない

    戸惑う洋一郎だったが、父の遺骨と向き合い、数少ない遺品を調べるうち、父がたった1冊だけの「自分史」を残そうとしていたことが分かる
    その意味は?
    誰に向けて?

    古いアパートの一室に残されていたカレンダーには、母と姉、自分の誕生日が記されている
    数少ない遺品の一つのガラケーの住所録には、これもまた母と姉、自分の名前が登録されている 番号欄は空白で

    物語は淡々と進んでいくが、家を出て行った父の48年間
    と残された家族である母と姉、洋一郎の48年間を想像すると胸がが締め付けられる

    父の足跡を辿りつつ、並行して洋一郎が施設長として勤める介護付き高齢者住宅のハーヴェスト多摩に入居している老人の様子も自分のこれからのことを考えるには十分だった

    洋一郎は、父の生き方を認めることができるのだろうか
    下巻に続く





  • THE、『重松清』。これぞ、『重松清』。親と子を描く天才ですな。どんな親でも親は、親。時を重ねて、子供だった自分も親の年になり、そして、親の年を越していく。血の繋がりがあるからこその、苦しみ、重み。ページの数だけ、どんどん、その『重み』が増していく。心して、下巻も読みたいな。

  • 上巻だけ読んでの感想です。

    小さい頃に離婚し、父親は行方知れずになっていました。ふとしたきっかけで、約50年ぶりに再会。しかし、父親は亡くなっていました。亡くなった父親の部屋を見てみると、色んな本が。さらに自分史の発刊の依頼をしていました。
    なぜ自分史を作ろうとしていたのか?

    小さい時の記憶しかない父親が、どのように過ごしていたのか、部屋の遺されたものや知人の証言から徐々にわかっていく様は、ページをめくるたびにちょっとした満足感がありました。果たして父親はどんな人だったのか、楽しみです。

    本作品では、様々な「親子」が登場します。年月が経つにつれて、なかなか親子と対等に話す機会は少なくなっていきます。登場する様々な親子を読んでいると、自分はどうだろうなと思ってしまいました。
    本作品では、老人ホームの描写がありますが、老いていても、どんな場所でも人とのコミュニケーションは大事であり、なおかつ慎重しなければいけないなと改めて教訓を得ました。

    父親の謎だけでなく、主人公が働く老人ホームのトラブルもどう展開していくのか、下巻が楽しみです。

  • 四十八年前に姿を消した父。
    四十八年後に再会した時には、骨壷の中にいた父。
    親と子。
    その関係性さえも、曖昧になってしまいそうなほど、記憶にない父の姿。
    本当の父の姿とは。
    どんな親でも、血が繋がっていれば本当の親なのか。
    親子の関係性を真摯に見つめた、重松清の真骨頂的作品。

  • 内容紹介
    世間が万博に沸き返る1970年、洋一郎の父は母と離婚後音信不通に。
    48年ぶりに再会した父は、既に骨壺に入っていた。
    遺された父の生の断片とともに、洋一郎は初めて自分と父親との関係に向き合おうとする。
    朝日新聞好評連載、待望の刊行!

  • 令和4年3月

    久しぶりに図書館に行ってみる。
    たまには重松さんの本でも読むかな~と。手にする。

    ひこばえ?はえ?どんなはなしよ。と思いつつ読み始まる。

    主人公が小学生の時に父と母が離婚し、母の故郷へ。
    55歳になったときに、姉から父が死んだと連絡が来る。
    骨となった父を抱き、記憶ない父を探す旅が始まる。が、そんなに旅はしない。

    自分史って楽しそうだね。自分の歴史を本にしてくれるんだ。そんな商売があったのね。もうちょっと年をとったら、やってみようかな。。

    でも、なにか足りないんだよな。。で☆3つ。

  • 図書館で借りて読んだものの、迷わず我が家の本棚に迎えた本。

    今までの人生とこれからの人生。
    生と死。
    親と子。

    わたしは一人では生きていかれない。
    たくさんの人に助けられて生きている。

    読み進める間も、読み終わってからも、考えた“ひこばえ”。

    この本の魅力を
    夫にも、娘にも、母にも、友人にも伝えた。

    たくさんの方に知って欲しい一冊。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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