鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022516312

作品紹介・あらすじ

2019年11月NHK「あさイチ」でも紹介され話題 AERA dot.連載は累計5000万PV突破!

「学校のグループで最下層扱い、本当の友達が欲しいです」(17歳・女性)、
「4歳の娘が可愛くありません」(41歳・女性)、
「田舎に帰ってきた鬱の妹を家族が病院へ行かせません」(38歳・男性)、
「就職活動がうまくいかず絶望的な気持ちです」(30歳・男性)、
「結局女は容姿でしょうか」(25歳・女性)、
「個性的な服を着た帰国子女の娘がいじめられそうです」(38歳・女性)、
「恋は連敗。モテるにはどうしたらいいですか」(27歳・男性)
……など、寄せられたさまざまな投稿に、鴻上尚史さんが毎回語りかけるように丁寧に回答。

「電車で読んでたら思わず泣いてしまった」
「相談者に寄り添ってる、なんて優しい回答。何回も読み直した」
「素晴らしすぎる、神回答! 」などとtwitterでも毎回話題沸騰!
書き下ろし回答も収録した一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 鴻上さんの回答がいちいち心に沁みます。
    相談者さん達のお悩みが良い方に向かわれますように。

    悩みというのは、モヤモヤグルグルしているものを、言語で丁寧に解きほぐして行かないと、にっちもさっちもいかなくなってしまう、と感じました。

    それを先送りしていると自分の人生が自分の人生じゃなくなっちゃう。

    やはり言語化能力というのは大事なんだなと思いました。

  • 28の悩みについて著者が回答する。
    以下は、その一例。

    ・夫とは価値観が合わず、毎日一緒にいたいと思いません。結婚の意味ってなんですか?
    ・個性的な服を着た帰国子女の娘がいじめられそうです。普通の洋服を買うべきですか?
    ・小3から好きだったKちゃんと同窓会で再会。火鉢の底で赤く燃える炭のような私の思いは続いています
    ・鬱になった妹が田舎に帰ってきましたが、世間体を気にする家族が、病院に通わせようとしません
    ・友達と元カレが付き合いだしました。友達が許せないし、彼のことも忘れられません
    ・兄が継いだ実家の酒蔵がうまくいかず、田舎に帰って手伝うよう迫られ、断る決断ができません
    ・専業主婦の妻が、突然働きたいと言いだしました。突然の方向転換はルール違反じゃないでしょうか?
    ・そこそこのスペックだと思うのに、恋は連敗。モテるにはどうしたらいいですか?
    ・10キロ太ったら周囲の男性の態度が変わりました。結局女は容姿が10割でしょうか?
    ・学校のグループ内で私は最下層扱い。本当の友達がほしいです
    ・4歳の娘が可愛くありません
    ・就職活動がうまくいかず絶望的な気持ちです

    世の中の理不尽に泣くもの、自分のふがいなさに歯噛みするもの、親兄弟との軋轢に消耗するもの、
    様々な悩みが提示されている。
    この目次だけ眺めていても、人生を生きるというのは大変な事だなあ、と思ってしまう。
    内容を読むと、それぞれに真剣に懊悩する想いが相談の文章からうかがえてしまう。

    数年前まで読売新聞を購読していて、その人生相談の欄を愛読していた。
    人生の悩みは、健康、家族、金、職業、人間関係の5つに集約される(そりゃそうだ)
    過去の悔悟、将来への不安、現在の窮地など様々ななかで、一番心に響いたのは
    「やらなかった後悔より、やった後悔」アクションこそが人生を拓くきっかけになる。
    仮に失敗したり恥をかいたとしても人生は0or100ではない。
    58点や36点の時もあれば95点の時もある。
    晴れた日も雨の日も生きて行く。雨の日は傘を差せばいいし、何だったら出かけなければいい。
    まあ、そんな風に思えれば悩む事も無いんだけどね。

    自分なりに悩みを解決するとしたら:
    ・アクション
    ・寛容と諦念
    ・違う視点の探求
    ・仮説と検証
    ・自省、自律、自尊
    といったところか。

  • どういうわけか、「人生相談」が大好きである。好きな回答者をあげれば、お叱り型の佐藤愛子さんや上野千鶴子さん、分析型の岡田斗司夫さんや橋本治さん、文学型(とでも呼ぶしかない)車谷長吉さん、無頼型の西原理恵子さんなどが思いつくが、鴻上尚史さんもそこに加えたい。

    この方は何型と言えばいいのだろう。とにかく相談者に寄りそう姿勢がとても温かい。上から折伏する感じが全くなくて、噛んで含めるように相談者に説いている。自分とはまったく関係のない悩みの内容であっても、読んでいるだけで気持ちがほぐれていく気がする。2も読もう。

  • 何度も読み返したくなる人生相談なんてそうそう出会えるものじゃありません。鴻上さんの視点はやさしく、決して相談者を上から見たり叱り飛ばしたりすることなく、良い意味で客観的かつ具体的です。シリーズで読みたいなあ。

  • 本書に書かれる相談・回答内容も学びになるが、何より鴻上さんの物事の捉え方や視点から、大人としての生き方を勉強させていただいた。

    ・物事を極端に捉えないこと
    ・相手の話がどんなに非常識であっても、頭ごなしに否定せず、まずは傾聴・共感すること
    ・既存の価値観に縛られず、自分と対話・対峙することの重要性

    これらのスキルを身につけるだけでも今よりずっと生きやすくなる気がする。

    温かさと厳しさ
    理性と感情

    バランスのとれた素敵な方だなぁ。

  • それぞれの悩みを通して、自分を客観視出来ます。自分自身のアイデンティティを再確認しながら読み進められる不思議な本です。読後心が軽くなりますよ。

  • 実行できるアドバイスなのは、ご本人が言う芝居の現場の経験からなのだとおもう。言っても仕方がない精神論はない。あと、メンタル医療に任せる姿勢も好感が持てる。何しろ疾患なら医者にかかる方が真っ当だから。引き止めて自分の人生訓を垂れるのを目的にしてないことがそこからも分かる。

  • 【観念的ではなく、理想論でもなく、精神論だけでもなく、具体的で、実行可能な、だけど小さなアドバイスをずっと探してきた】
    帯の通り!
    悩み相談の回答は、理想論・精神論が多くて、正論だけど、それが出来るなら悩まないんだよね、って思ってしまうことが多いのだけど、一味違ったな。
    最初は自分の悩みと似てる相談があって、そこから読んでみたけど、回答に、優しい気持ちになったり、勉強になるな、と思うことがあって、
    結局、最初から最後まで、自分には全然関係ないようなものも、全部読んだ。

  • 世間体を気にして鬱病なのに病院に行けない話やいじめを受けた小学生の話が特に考えさせられた。背景に潜む同調圧力について、日本の宿痾(長い間治らない病気)とし、解説している内容が非常に面白かった。

  • 読んでいて気持ちが良い。「こういう角度で物事を捉えるのか!」と毎度毎度感心します。

    鴻上さんが色々な経験をされてきているからこその回答だと思いますが、理路整然としているようで愛情や人情味も溢れていて、温かい気持ちになります。

    スラスラと読みやすくてバイブルにしたい本です。

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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