ギガタウン 漫符図譜

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.79
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本棚登録 : 445
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022515124

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】『この世界の片隅に』のこうの史代が贈る、ほのぼのシュールな動物4コマ漫画! うさぎの家族と街の動物たちの日常を、鳥獣戯画へのオマージュを込め、ユーモアたっぷりに描く。また作中で使った漫画の記号表現「漫符」一つずつに解説が付されるユニークな仕掛けも。

感想・レビュー・書評

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  • 『夕凪の街、桜の国』の著者、漫画家のこうの史代さんが、『鳥獣人物戯画』で描かれるうさぎのみみちゃん、かえるのあおいくん、さるのきい子ちゃんを主要キャラクターとして、漫画特有の表現記号「漫符」の用例を4コマ漫画で説明した本。

    自分の母親を含めマンガを読めない人と縁があるというこうのさんは、漫符をわかりやすく説明したい、という思いをずっと抱えていたそうだ。そこそこ漫画を読む私はいつのまにか理解できるようになっていた漫符だが、漫画を読まない人にとっては、なぜこの記号が感情や動きを表すのか理解するのが難しいのかもしれない。
    本書は漫符の説明書ではあるが、こうのさんのほんわかした絵柄と、どこかなつかしくクスッと笑える内容で、単純に4コマ漫画としても楽しめる。夏バテで読書熱が高まらない時の箸休めとしておすすめである。

  • 面白かったです。

    マンガの読み方、表現の仕方を四コマ漫画と共に紹介してくれるマンガでした。

    昭和のマンガの様な典型的な表現で、最近ではあまりみないものも多いのかな。少し頭を使いながら読んでいる気がしました。

  • 4コマ漫画×『鳥獣戯画』のキャラクターのゆるく愉快な日常を通して学ぶ“漫符”図鑑。

    ひらめきの時、うきうきの時、怯えた時、ショックを受けた時……漫画やイラストのなかで使われている記号を「漫符」と呼ぶんですね。4コマ一つにつき一漫符。4コマには鳥獣戯画お馴染みのうさぎや蛙といった動物キャラクターが表情豊かに描かれ、4コマらしくしっかり最後のコマで“オチ”ています。4コマのストーリー自体もほっこりするばかりで十分楽しいのですが、過去類のない「漫符図鑑」として眺めても充実の情報量です。

    今となっては意識せずに漫符の意図を汲み、イラストやストーリーを楽しんでいる。そんな自分自身が不思議でなりません。(自転車に一度乗れたら転べない、と近しいものを感じます。…伝わります?笑)

  • 「この世界の片隅に」の作者の最新作。みみちゃんと動物たちのほのぼの漫画。こうの史代さんの漫画をもっと読みたいと思った。鳥獣戯画風の絵を見て絵がうまいなあとも。最初、題名を見たとき「ギガ」ってギガバイトのことだよなと思い不思議に思っていたがよく読んでみると「鳥獣戯画」の「戯画」ってわかって(なんて頭悪いんだよおまえ!)落ち込んでしまった。。。こうの先生すみません。。。

  • #3556ー173ー379

  • 鳥獣戯画調に描かれたほのぼの動物4コマが、そのまま「漫符(漫画特有の表現記号)」の用例集になっているという素敵なご本です。

    私は幼少期から漫画に親しんで育ったタイプなんですけど、漫符ってこんなにあったんだ(本書で取り上げられているものだけでも100種類以上)とびっくりすると共に、自分がその全ての意味を概ね正確に把握できていることも何だか不思議な感じ。
    ずっと昔から(それこそ「鳥獣人物戯画」の時代から)大勢の人々と同じものを共有しているのだ……と思うと、本当に感慨深いなあ。

    漫符事典として優れているだけでなく、お調子者のみみちゃんやクールなあおい君、頑張り屋のきい子ちゃんたちが織り成す日常がめちゃめちゃ楽しい!

  • 漫画の中で使われる「漫符」と呼ばれるものの解説を含めた4コマ漫画集です。
    例えば、「汗」を表現する(^^; のようなもの。
    それぞれの「漫符」の意味や(複数の意味をもつ漫符もありました)使い方を、鳥獣戯画のキャラクターにのせて(ウサギ、カエル、サル、など)紹介しています。

    漫画を読むことが苦手な人の中には、コマワリの順序がわからない、ということに加えて、これらの漫符の意味(約束事)がわからない、という原因もあると聞きます。
    『この世界の片隅に』の作者がやさしいタッチで描く漫画は、(その内容には若干の「古臭さ」のようなものがあるにせよ)ほっこりと癒しを提供してくれました。

  • ぼおるぺん古事記とかもそうだけど、こうのさんのチャレンジングな発想はほんとに楽しい。
    漫画に使われている記号=漫符の解説を、4コマ漫画で、しかもなぜか鳥獣戯画風で、って。
    でもたしかにこうのさんの絵は鳥獣戯画に合ってる気がする。
    天真爛漫な(?!)みみちゃんがカワイイ。
    ちょっと不憫だけど天然ぽい紺野先生もいいわ〜

  • 鳥獣戯画のウサギやカエルと共に漫画特有の表現をゆる〜く俯瞰する漫画です。普段当たり前に見られる表現もこうやって一冊になると面白いですね。こうの史代さんならではの温かいタッチとのほほんとしたキャラがよくマッチしています。面白かった。

  • これはいいものだなー!
    漫符の使用例と、鳥獣戯画風のイラストの可愛らしさ、そして四コマとしての面白さもきっちりあるから素晴らしい。
    借りて読んだものだけど、自分でも買いたい。

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著者プロフィール

こうの史代:1995年デビュー。広島市生まれ。代表作は「さんさん録」や、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞作「夕凪の街 桜の国」、アニメーション映画のヒットも記憶に新しい「この世界の片隅に」など。

「2022年 『ぴっぴら帳【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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