- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022512949
作品紹介・あらすじ
2011年3月11日。東京・錦糸町の錦糸ホールで新世界交響楽団のコンサートが開かれようとしていた。演目はマーラーの交響曲第五番。しかし、14時46分、東日本大震災が発生する。そんな中、3カ月前に離婚したばかりの八木雪乃、音楽評論家の永瀬光顕、アイドルおたくで今は楽団のヴァイオリニストのファンである堀毅、夫亡きあと、三田のワンルームマンションで暮らす川喜田すずらは会場に向かうが…。
感想・レビュー・書評
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3.11の日の夜に行われたクラシックコンサートの、観客や出演者、関係者の物語。マーラー五番という大曲の、それぞれの捉え方は異なるけれど、底辺はつながっている感じがしました。すず婆さんの、生き方好きです。周りが不幸だと言っても、本人は全く幸せに考え、今が一番充実していると感じている生き方は素晴らしい。堀くんもツーショット撮れて良かったね〜。
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2011.3.11
あの地震の日、開かれたオーケストラ会場に集まった数人の登場人物たちのサイドストーリーを描いた作品。テーマが重いのに対し、内容は少し薄く感じた。 -
オケについて、マラ5について、フィクションとは思えないほどのリアル感のある描写。複数の登場人物たちがマラ5を通して間接的に繋がる話で、それぞれの関係は希薄なので淡々と進んでいく感じ。フィクション要素(ご都合主義)を増やして、もう少しドラマチックに持っていってもよかったのでは?
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2016年1月24日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「音」。
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あの地震の日の夜にあった演奏会の物語。長く長く揺れるのが本当に怖かった当時の自分の気持ちと重なるところもあり、読むのも少し覚悟もいったけれど、マーラーの演奏の描写がよくてほっとした。
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あの日、本当ならいつものように過ぎて行くはずの日常が、現実とは思えないほど一瞬で消えさった。その3月11日に実際に行われたマーラーの第5番の演奏会をもとにして生まれた物語。
演奏会をめぐる、登場人物それぞれのエピソードが時間を追いながら平行して語られる。今までの人生で抱えてきたもの、震災による混乱、先の見えない不安が入り混じった中での音楽の思考は、マーラーの音楽が彼らに何かしらの光をもたらしたと感じるものだった。
再読する時は、音楽と一緒にぜひ読みたい。 -
さらっと読めば、淡々と綴られていくなんてことのない小説。
ただ、あの震災の日が書かれている、ということが、大きな背景になっている。
そこに通奏低音のように響く、マーラーの5番。
行間からあの重々しい複雑なメロディがたちのぼってきて、演奏会のシーンでは知らず涙が出た。
音楽には、それを聴いていなくても感情をこんなふうに揺さぶる力がある。
そして小説にも、文字から本来聴こえない音楽を、想起させる力がある。
確かに、敗軍のラッパが聴こえた。
改めて形のない二つの表現方法の力に、敬意をおぼえた。 -
事実を元にしたフィクションとのことだが、あの日本当に演奏会があったのね~。
錦糸町ということはあのオケかしら・・・