路地裏人生論

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022512871

感想・レビュー・書評

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  • 1950年生まれの著者が過ごした大田区の風景を中心に、昔と今の風景や変化について綴ったエッセイ。朝日新聞に連載されていたものにプラスしたものが1冊になっている。写真家の路地裏写真も相まって、静かだけれど少し寂しさも混じっている。

    特に大事件が起きるわけでもなく、淡々とした筆致。そのおかげで「落ち着いて文字に向き合う」ことができたかもしれない。景色と私情の混じり合いがちゃんと読み物として成立する文章、書けたらいいなあ。

  •  平川克美さん、1950年生まれ、初読みの方です。「路地裏人生論」(2015.6)を読みました。戦後の昭和を生きた者には懐かしく、そして納得のエッセイです。戦後の荒廃から「効率と生産性」で繁栄を得た一方で、そうでないものは時代の背後に押しやられ忘れ去られ・・・。私たちが失ってしまったものへの著者の落ち着いたまなざしです。また、不便、不潔、粗野だが野性味と人情の溢れた時代が東京オリンピック(昭39)を契機に一変した。同感です。著者が住みたい町の条件は、旨いそば屋、落ち着いた喫茶店、本好きが経営してる書店とかw
     向田邦子は生活の微細なところを丹念に見つめるところから小説の世界を作り出した。人生のマイナス部分に意味を与えることのできる稀有な作家だった。 平川克美「路地裏人生論」、2015.6発行、再読。効率と生産性が繁栄をと信じ働いてきた。その一方で、効率的ではないもの、生産性の高くないものは徐々に背後に。しかし、本当に不要なものだったのか。本当は、人間の生活の根底を支えてきたのは非効率なものではなかったのか! いろいろなことを考えさせられたエッセイです。路地裏を熟知しているのは名前のない猫とかw。

  • 平川さんは、内田樹先生の幼なじみということで、お名前を知り、何冊か本を読んだ。これからもっと読んでいくと思う。トークイベントなどにも行きたいし、隣町珈琲にも是非行きたい。

    「病」は老いの側にあるのではなく、「若さへの執着」の側にある。 182ページ

  • 昭和も遠くなったなー。

  • あら、何ともおしゃれな本。たぶん本書はビジュアルに重点を置いていて、平川さんの考え方を知るための本、というわけにはいかないけど、その分いつもの本とはちょっと違った愛情が伝わってくる。このひとのこういう地に足の着いた考えというか、どうも好きなんですよねぇ。

  • 現在の自宅の隣町の大田区を中心に
    かかれてあるエッセー。
    久が原・雪谷・小山台・糀谷・下丸子
    御嶽山・蒲田と目蒲線・池上線
    大阪の実家とよく似た感じの商店街や路地裏。
    懐かしい感じです。
    老いや介護。同窓生。私にとってはもう少し先ですが
    (でも10年程度)身につまされるというか
    共感を感じる内容です。

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著者プロフィール

1950年、東京・蒲田生まれ。文筆家、「隣町珈琲」店主。早稲田大学理工学部機械工学科卒業後、翻訳を主業務とするアーバン・トランスレーションを設立。1999年、シリコンバレーのBusiness Cafe Inc.の設立に参加。2014年、東京・荏原中延に喫茶店「隣町珈琲」をオープン。著書に『小商いのすすめ』『「消費」をやめる』『21世紀の楕円幻想論』、『移行期的混乱』、『俺に似たひと』、『株式会社の世界史』、『共有地をつくる』『「答えは出さない」という見識』他多数。

「2024年 『ひとが詩人になるとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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