百けん先生月を踏む

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022501868

感想・レビュー・書評

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  • おもしろい。おもしろい。ふるくない。

  • 内容紹介<blockquote>「私ハ、イツ死ヌノダロウ。<ちごいねるわいぜん>ヲ聴キナガラ、ソレバカリ考エル。」久世光彦の中心的な仕事として位置づけられている、敬愛する作家をモチーフにした作品群――『一九三四年冬――乱歩』(江戸川乱歩)、『謎の母』(太宰治)、『蕭々館日録』(芥川龍之介)に連なる、最後の長編小説。著者急逝のため未完となった、内田百けんへのオマージュにあふれる傑作。絶筆。未完。</blockquote>「世の中に 人のくるこそ嬉しけれ とは言ふものの おまへではなし」 P176果林小坊主とのやりとり味。[private]大分県立図書館で。[/private]

  • よくわからない、と思いながらも、引き込まれた。

    地に足のつかない感じ。この感じ、好きと思う。

    あとから知ったけど、これが遺作とのことで、
    最後の『未完』の文字に、ずんとした重みを感じる。

    話の中では、先生も果林もそこにいるのに。
    ぷつりと途切れてしまった。


    死ヌトイウコトハ、青ニ溶ケルトイウコトナノダロウカ。

    よかった◎

  • ボストンバッグと身一つで小田原の山寺に転がり込んできた作家・百間先生と、寺の小坊主・果林がまなざす、ちょっと(かなり)おかしい百間的日常。

  • 百間小説を久世が解説しており興味深い内容だ.

  • 内田百聞。名前はしってるのよね〜っと思いつつ・・・。しかし読み方ひゃくぶんだっけ?ひゃっけんだっけ?などと首をかしげてるあたり、恥ずかしいかぎり。が、読んでみるとおもしろい!これは内田百聞の本よみたくなる。そしてこの表紙の色に後で納得。うーんきいろい。めくるめく世界、とユー感じ。先生は夢をそのままかいているのだ。確かにあの不条理さは夢のよう。しかもまとめることもなくずんずん先にいってしまう。異様な魅力のある世界。ずばずばいいたいこといって、面倒見のいい果林と臆病でわがままで愛すべき百聞先生のコンビがいい。

  • 未完。
    最後、どう終わらせるつもりだったのでしょうね。

  • Y君お勧め。面白かった。乱歩の時もよかったけれど、描かれた作家の作品と重層的に響き渡る感じがして深い。愛すべき百間先生。図書館借用。

  • 内田百?を主人公にした批評的メタフィクション。時期的には百?が「サラサーテの盤」を執筆していた時期に当たるのだが、読んでいくうちに奇妙な違和感を覚える。作中で百?が描くのは「冥途」や「旅順入場式」のような幻想的掌編ばかりなのである。どうやら、本作の百?はパラレルな世界の住人であるらしい。では、そのパラレルな世界とはどういう世界なのか、というのはここでは云わぬが花でしょう。未完に終わったのが惜しまれます。

  • 現実にはありえない設定なんだけど、二次創作を読む感じで楽しめました。
    未完なのが残念です。
    読み終わったら無性に『旅順入城式』が読みたくなった。(09.02.11)

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    図書館
    タイトルを見て即借りました。(09.01.28)

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著者プロフィール

久世光彦

一九三五(昭和十)年、東京生まれ。東京大学文学部美術史学科卒。TBSを経て、テレビ番組制作会社を設立、ドラマの演出を手がける。九三年『蝶とヒットラー』でドゥマゴ文学賞、九四年『一九三四年冬――乱歩』で山本周五郎賞、九七年『聖なる春』で芸術選奨文部大臣賞、二〇〇〇年『蕭々館日録』で泉鏡花賞を受賞。一九九八年紫綬褒章受章。他の著書に『早く昔になればいい』『卑弥呼』『謎の母』『曠吉の恋――昭和人情馬鹿物語』など多数。二〇〇六年(平成十八)三月、死去。

「2022年 『蕭々館日録 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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