- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022140265
感想・レビュー・書評
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1970年〜72年連載。
他の作品では控えめになってきたオールスター出演。
手塚キャラを使った手塚マンガの叙事詩的な意味合いとして、ライフワークという意義付けが手塚先生の中で固まってきたのかもしれない。 -
凄すぎる…
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ロビタ...。
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『火の鳥 復活編』
■背景……執筆時期;1970~71年/時代設定;2482年、2917年、3009年、3030年、3344年/舞台;東京、月面他。
■梗概……エアカーから放り出されたうえ地上に叩きつけられ、一旦は完全に死亡したレオナの肉体は身体の大部分(小脳全部と大脳の大半も)を人工物にとり替えられて生き返ることになる。そんなレオナにとってすべての生物は、無機物の結晶体のような奇怪な姿に見えてしまう。逆に機械や鉱物などは生き生きとした美しい生命体に見える。ある日レオナは街を行く結晶体の中にひとりの美しい少女を見つけ彼女にたちまち恋に落ちる。少女の名はチヒロ。しかし、彼女は人間の眼から見ればいかにもゴツゴツとした単なる事務用ロボットにすぎなかった。チヒロに対するレオナの想いは募りに募り、ついにレオナはチヒロを無理やりエアカーに押しこんで駈落ちをするまでにいたる。しかしそのまま日本を脱出し大陸にいたったところで、臓器売買を生業とするギャング団に遭遇し拉致されてしまう。レオナの体はそのギャング団の、余命いくばくも無いボスの若返り手術のために消費され、レオナは今度こそ完全に絶命にいたる。ただしレオナとチヒロの意識はそのとき同時に電子頭脳にインプットされその中でひとつに融けあう。その電子頭脳は引き続きロボットに移植される。そのロボットこそロビタ1号機であり、以降ロビタは複製されながら大量に製造されることになる。
■拷問……ロビタがアセチレン・ランプに宙づりにされて電気ショックにより拷問(ロボットなのに!)される。
■見どころ……脳の大部分が人工物に入れ替えられたレオナが見る人間たちの造形がおぞましくも素晴らしい。/物語は何百年単位で時系列が前後する。そのたび巨大な漆黒の砂時計が現れる。
■その他……月面でアセチレン・ランプを殺害したのがロビタの最後の一体。それはその後『未来編』の猿田博士に拾われて彼の助手となる。
■総評……レオナの事故はそもそも殺人事件で、火の鳥の生き血がからんだ陰謀であった……というエピソードはない方がいい。/人間と機械の境界を描こうとする意欲作。レオナから見た無機物のような人間の造形、そしてチヒロのキラキラにカワイイ容姿の落差が素晴らしい。 -
Perfumeの「コンピューター・シティ」という歌の「絶対故障だ ていうかありえない 僕が君の言葉で 悩むはずがない」というフレーズを聴くとこの作品を思い出すのです。
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僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。
日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様にうつるらしい。なぜ外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ。
1989年2月10日、手塚治虫が亡くなった翌日の朝日新聞・天声人語のこの一節を、彼のライフワークであった『火の鳥』を読み返すたびに思い出します。