聞き書 野中広務回顧録 (岩波現代文庫)

制作 : 御厨 貴  牧原 出 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784006033101

感想・レビュー・書評

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  • 政治家・野中広務氏の1951年町政参政から2003年国政・政界引退までの自身の政治活動をインタビュー形式、13章にまとめられた本。
    京都府という地方の政治活動を行ってから国政に携わったため、『地方の声=国民の生の声』をよく知る人だったのだな、と思った。また、北朝鮮や中国と太いパイプを持った人だった。
    いま現在のこの国の様子を見たら、野中氏は何と言うだろう…。

  • 研究者3名を聞き手とするオーラルヒストリー。内容の大半は中央政界入りしてからの政局や政治家評。ただし、ところどころで、沖縄や土建など、政治理念についての踏み込んだ発言もなされている。政局についての話はとても面白いのだけれど、理念についてももう少し突っ込んだことを聞いてみたくもある。

    一番残念なのは、京都時代についての話が20頁くらいしかなかったこと。政治家・野中広務の本質を理解する上では、もっと詳しい話が欲しかったなあ、というのが率直な感想。実際、野中自身も、京都での経験が中央政界でもとても役にたったと本書で度々語っている。

  • 野中さんとNTTの関係が深いことがわかった。野中さんはNTT東西を分離したことを悔やんでいることもわかった。1つの方がよかったのではないかと。
    野中さんが政治家として演説がうまくなったのが国鉄時代の講義というエピソードが面白い。

  • 日本の政治の裏話
    何だかんだ平和な時代。人事の話しに終始。
    結局、親分子分の関係でやってきたツケが、現代の体たらく
    日本国の滅びに向かって行くだけ

  • ふむ

  • 2008年6月13日から2010年10月21日の間に行われた聞き取りで、当時の政権は福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人です。野中広務さんは2018年に亡くなられています。

    野中さんの現役当時は私自身がいまよりもっと政治への意識が薄かったのですが、聞き取りのなかでもマスコミや対抗勢力にレッテルとして貼られた語る「守旧派」の大物政治家というイメージは持っていたと記憶しています。昨今の政治状況に思うところもあり、かつて政界の重鎮の地位を占めていた野中氏がどのような考えを持ち、当時の政治状況がどのようなものだったかを知りたいという思いで本書に当たりました。

    本書を読むことで野中氏への見方が刷新されました。
    以降はわたしが注目した野中氏の主張や人物評などを本書から引用して残します。

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    【政策・主張など】
    ・地方行政重視
    ・消費税反対
    ・小選挙区制に反対
     →中選挙区のように多様な国民の意思が反映されず、51%が反映され、49%が封殺される
     →世襲政治を長くしてしまう
    ・二世、三世議員が増えたことに
     「民意を汲む政治から遠い存在になった」
     「おかしな国になってしまう」
     「もっと地方のことを知った人間でなければいかん」
    ・政党助成金に反対
     「経団連に頭を下げて金をもらうというのは嫌いなほうだったから」
    ・天下り、収賄などへの批判、嫌悪感を示す

    【人物評】
    小沢一郎
    「アメリカ関係になると採決を逃げる」
    「独裁者だからね。あれは政策は知らないで、政略だけだということだ。」

    安倍晋太郎と安倍晋三
    「安倍晋太郎さんは「よく世間で俺は岸信介の息子みたいに言われるけど、俺の親父は反戦政治家として出た安倍寛なんだ」ということで胸を張っていた(中略)安倍晋三君にも申し上げたことも(中略)遺志を継いでくれなかったのかなと」

    宇野宗佑
    「続いていたら案外いい総理になったんじゃないですか」

    亀井静香
    「暴れん坊に映っているけど非常にいい人柄」

    小泉純一郎
    「私どもは初めから、小泉さんが出たら必ずこの国はおかしくなる。自民党もおかしくなると言ってきた」
    「正義の味方みたいに一人で振る舞っていながら裏では自分たちの利益に結び付くような規制緩和をやっていく」「あんなに恐がりで脅える人間」
    「応援演説に3000人も寄るような指導者が出たときは、必ずあとが駄目になってしまう(小泉氏のときにその怖ろしさを感じた)」

    竹中平蔵
    「(小泉内閣に)竹中平蔵なんかが入っていたから、これは困ったものだと思っただけです」
    「国をあやうくすると思っていました。またオリックス(宮内義彦)にも同じことを感じました」

  • 昭和から平成への政局が、野中の眼でみっちり語られる。オーラル・ヒストリーシリーズで言えば、後藤田の場合は、政治や国の有り様全体を俯瞰して話す第三者・客観的な視点のようなものを感じたが、野中の場合はもう少し地平に近い目線で当事者としての濃い感情も出ており、主観的。

  • 東2法経図・6F開架 B1/8-2/310/K

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