- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784006033057
感想・レビュー・書評
-
戦後日本の知識が薄いのと、その時代に生きていなかったため、特に反発なく読み進めることができた。
内容も知らなかったことが多く、日本文化への理解が深まった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マイク・モラスキー『戦後日本のジャズ文化 映画・文学・アングラ』岩波現代文庫。
日本人より日本をよく知るマイク・モラスキーによる日本のジャズ文化の歴史を紐解くノンフィクション。如何にしてジャズが大衆文化として浸透して行き、いつの間にか大衆から切り離され、一部マニアの特異な音楽分野に変わったのか……
これまで読んだマイク・モラスキーの著作の中では本作が一番低い評価になる。
ジャズと映画と文学。確かに日本ジャズ文化の黎明期に於いては切っても切れない縁があるのかも知れないが、度々登場する石原裕次郎の『嵐を呼ぶ男』にジャズの匂いはしない。
何かジャズを大昔の民族音楽と勘違いしていないかと思うような記述が多く、そこがアメリカ人から見た日本文化の限界なのだろうかと偉そうに考えてしまった。
あとがきで東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町のジャズ喫茶『クイーン』に触れている。店主の佐々木賢一さんはその昔、盛岡市で『パモジャ』というジャズ喫茶を開き、度々大物ジャズマンを地方都市に招聘していたことを思い出す。
マイク・モラスキーと言えば、名著『呑めば、都』を読んだ時、自分が日本人であることに恥ずかしさを感じる程の日本の歴史・文化論、並の日本人を遥かに凌駕する語彙の豊富さ、論理的な展開と膨大な註釈による論理の補強と、日本人がお手本とすべき巧みな文章に驚かされたものだ。アメリカ生まれの早稲田大学国際教養学部教授を経験し、ジャズピアニストの顔を持つということを知れば、納得がいくのだが…… -
聴衆の変化、プレイヤーの変化
ジャズは日米関係の鏡。