原発を考える50話 (岩波ジュニア新書 529)

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005005291

作品紹介・あらすじ

1999年のJCO、一昨年の美浜原発と、日本でも原発にかかわる悲惨な事故が起きたことは、記憶に新しいでしょう。しかしパソコン、携帯、ゲームなど、電気を使う機会は増える一方です。だから原発に頼るのもやむをえないのでしょうか?あのチェルノブイリ原発事故から20年にあたる今年、原発の危険な現状と電気の真実を新たに語り明かします。

感想・レビュー・書評

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  • 子供向けに書かれている本でわかりやすかった。
    3.11が起きる5年も前にこの本が書かれていたことに驚いた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「5年も前にこの本が」
      元は更に10年前、チェルノブイリ原発事故10年目の節目に出版された本です。
      これと併せて「原子力災害からいのちを守る...
      「5年も前にこの本が」
      元は更に10年前、チェルノブイリ原発事故10年目の節目に出版された本です。
      これと併せて「原子力災害からいのちを守る科学」(岩波ジュニア新書)も是非どうぞ、、、
      2013/05/29
  • 基本的に著者は原発反対派。  だから記述の多くが「反原発!」という立場で書かれています。  そうであるだけに、この著者のこの本だけで何かを考え、結論まで出しちゃうのは危険だけど、今回の福島原発の事故が発生するまで、考えたことも 否 考えようとしたことさえなかった多くの事を知ることができたように思います。  印象的だったのは2006年に第1刷が発行されたこの本に今まさに起こっていることがそのまま「見てきたこと」でもあるかのように描かれている・・・ということです。  その記述を読んだ時、KiKi はこれまで「知ろうとさえしなかったこと」に対する羞恥心でいっぱいになりました。  この本が発刊されたときに読んで、他の本や施設見学等々でもっと知識や関心を増やしてさえいれば、今、この時にここまでオタオタしなくても済んだのかもしれない(事故収束に向けて何かができる・・・ということではなく、この事態に対して自分なりの立ち位置がもっと明確に自覚できていたのかも)・・・・・と感じました。

    (全文はブログにて)

  • ふむ

  • 原発のことを基礎から改めて勉強したいと思って手に取った。

    原発の歴史や構造など、さすが岩波ジュニア新書という感じで、基本から易しくまとめてある。一方、親しみやすさを感じさせるための策なのか、章題が結論=著者の意見となっているため、目次を読んだだけでは、何について書かれた章なのかがわかりづらかった。

    基本的知識は得られたので、その中でも、現在の自分の特に関心がある分野がどこなのかがわかった。もう少し詳しい知識を仕入れてから読み直すと、新たな発見もありそう。

  • 課題図書。

    2006年初版ということで、東日本大震災以前に書かれた著書。
    岩波ジュニア新書だけど、小中学生がこれを読み切るには、なかなか集中力がいるなぁと思う。
    数字がきちんと挙げられてはいるけれど、ただの説明書であって、なんというか、筆者が読ませたい部分ってどこなんだろう?と感じたからだ。

    原発の仕組み、放射性廃棄物や構造など、知識のみが欲しい場合には良いかも。

    例えば末尾に、電気を使わない生活のススメのような文言が繰り返し出てくるけれど、およそ10年が経過した現在、電力制限のかけられるような生活には、ますますなっていないように思う。
    データもシステムもほとんどが機械やコンピュータ管理になって、一時的な節電ならば快く協力もしようが、恒常的な節電なんて、可能なのだろうか。
    相変わらず原発反対と原発復帰の利害が衝突する日本。

    ただ、癒えない傷はあって、そこを脱する視点を皆、望んでいるように思う。

    随分昔の本になるが、朝永振一郎の『プロメテウスの灯』を読んだ時、原子力導入の初期段階で、ほんとうに切迫した考えが述べられていて、ゾッとしたものだ。

    また、新潮文庫から出ているJCO臨海事故を描いた『朽ちていった命』というドキュメンタリーも、人間が崩れていく様子が生々しく描かれていて、眠れなくなるほど。

    ぜひ、外枠の話からもっと切実な恐怖に触れて欲しい。
    手前勝手なレビューになってしまった。

  • 原子力を小学生から高校生までの間に、「よいもの」として教育しようと政府や電力会社は躍起になってきたらしいですが、そういう、「原発推進」の教育だけでは公平じゃないですから、このような、反原発目線で書かれたわかりやすい本というものは大切だなと思いました。

  • 旧版が1996年4月、チェルノブイリ原子力発電所事故から10年目に書かれて、新版はさらに10年後の2006年2月に刊行されています。
    著者はこのところネットで中継されている原子力資料情報室の共同代表で、『はんげんぱつ新聞』編集長。
    私はこの本、多くの人が読めるようにネットブック化して欲しいと強く思います。西尾さんには印税は入らなくなりますが是非著作権フリー化して無料でみんなが読めるようになって欲しい。それくらい良い本です。
    books208

  • 20120623 今読むと予言の書のようだ。電力会社と政府はこの五十話に対してすべて回答するべきではないだろうか。子供達に読んでもらいたい。

  • いろいろな話題があって勉強になる。
    50話題があれば,いろいろ考えるきっかけになる。
    半分くらいはよく知らないことだった。

    省エネルギーはもっと突っ込んだ議論があるとよいと感じた。
    具体的なエネルギー効率の改善など,若い人が興味を持つ,前向きな話として展開するとよいかもしれない。

    原子力発電と太陽光発電,風力発電の技術として同じところと違うところの一覧があると分かりやすいかもしれない。
    原子力発電は一定出力であるのに対して,
    太陽光発電,風力発電は天候しだいで気まぐれなので、
    電池などの電気を蓄える技術の助けなくては有効利用できない。

    電気自動車などの電池を保持している機器が増えれば,より有効な展開ができるのではないだろうか。

  • 知るための第一歩は岩波ジュニア新書を読むことだ、とかいうような教師の言を思い出し、図書館で探した。15年前に出版され、5年前の改訂新版からまたすぐに、書き加えられなければならない災害が起きてしまった。その原子力発電のしくみがわかりやすく書かれている。原発反対の立場からデメリットが多く述べられているが、まず読み終えたわたし自身の考えをまとめたい。

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著者プロフィール

1947年、東京生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科中退。78年以来、反原発運動全国連絡会が発行する『はんげんぱつ新聞』の編集に従事。原子力資料情報室の共同代表でもある。『新版 原発を考える50話』(岩波ジュニア新書)、『エネルギーと環境の話をしよう』(七つ森書館)、『原発は地球にやさしいか』(緑風出版)など著書多数。

「2011年 『増補新版 脱原発しかない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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