- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004312680
作品紹介・あらすじ
『アメリカのデモクラシー』『アンシァン・レジームとフランス革命』で知られるフランスの思想家アレクシス・ド・トクヴィル(一八〇五‐五九)。デモクラシーのもとで生じる社会と政治の変容に透徹したまなざしを向ける彼は、人間の未来をどう考えていたのか。生涯いだいていた憂鬱な感情を手がかりにして、今に生きるその思想を読み解く。
感想・レビュー・書評
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まず驚くのが1950年生まれの著者がトクヴィルを知ったのは大学院に入ってからという事である。つまり、1960年代までは日本では殆ど知られていない存在だったという事だろう。という意味で、本書において興味深いのは終章で述べられる明治以降におけるトクヴィルの日本での受容過程である。そもそもトクヴィルは日本人なんか眼中になく、全く無視して民主主義を語っているのだが、その日本人がトクヴィルから学べるものはなんなのか?その問いに対する答えは明確ではなく、封建制や一君万民等々を持ち出して、日本と欧米との類似性を列挙し、適用可能性に触れるに留まっている。トクヴィルに限らず、日本人が西洋思想を学ぶ意味や意義や方法について考えさせられる。
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深い深い本であった。
現代の憂鬱の起源を探る本だから、簡単であったはずはないのだが。
最初、結社の必要性を説いたフレーズを探してしまったのだが、そんなに簡単なものではなかった。
でも、なんとか読みこなすことができて、良かったと思う。 -
セカイ系的な感覚(人間一般と個人があり、その中間がない)はデモクラシーにその萌芽があったのではないか
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トクヴィルという人物に寄り添うように、彼の旅とともに思想を追っていく、知的好奇心をそそる一作。新書にするのはもったいない。トクヴィルの後世への影響をもうすこし詳細に論じてほしかった。なぜなら彼の指摘は、現代こそ活きるのであるから。
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大学の講義を聴いているみたいな本だなあ。と思ったら大学の講義がもとになった本だった(あとがきに書いてある)。
そして大学の講義のようだ、ということは必然的に次のような性格を持つと思われる。
まずテーマとなっている「トクヴィル」についてある程度の関心と知識を既に持っていることが前提となるということ。具体的にはフランス革命前後のフランス開拓時代のアメリカ、民主主義成立などについて歴史的な見通しが既にあることなどがこの本を読む前提になります。
言い換えれば文系で難関国公立大学に合格するくらいの知識的前提がないと読むのは難しいということになります。
従って本書はトクヴィルについての入門書、ではなく解説書と言えます。
だから僕には少々難しい本でした。別の入門書を読んでからならもっとおもしろく読めたように思います。 -
貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784004312680 -
トクヴィル個人の伝記ではなく、
トクヴィルの思想を順を追って紹介する一冊。
向き不向きがあるのか、内容が難解で、
正直言ってあまり理解できなかったが、
「平等」に関する記載は多少興味がそそられた。