- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004301653
作品紹介・あらすじ
合衆国総人口の約十二パーセント、三千万人以上を占める黒人たち。人間としての、市民としての平等を求める彼らの闘いは、どのようなものであったのか。合衆国独立前から南北戦争を経て公民権運動へ、さらに真の解放を目指す現在までの長い苦闘の歩みを歴史的発展とともにたどる。旧版以後二十七年の変化を見据え、大幅に書き改めた。
感想・レビュー・書評
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1964年に刊行された書籍を1991年に増補したもの。枠組みとしては、黒人奴隷制の歴史を米国資本主義の発展に即して説明する方法がとられており、マルクス経済学の影響が垣間見られるが、個々の具体的叙述があくまでも史実に徹してなされていることが、ロングセラーたる所以なのだろう。自分の黒人奴隷についての知識が断片的なものに過ぎなかったことを思い知らされた1冊だった。
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黒人差別に関して学ぼうと思い、手に取った。
ビギナーなので非常に勉強になった。概観するには良い書なのだと思う。学び続けよう。 -
1600年くらいから現代まで続く歴史を一冊の本で網羅するのは対象を絞ったとしてもやはり難しく、大筋をなぞるので精一杯な感がある。もう少し詳しく時代別にでも読んでみたい。
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(『世界史読書案内』津野田興一著 の紹介より)
「アメリカ合衆国の発展は奴隷制度と共に歩み始めた。奴隷制の廃止が一つの焦点となった南北戦争、その後の南部での差別との闘い、公民権運動など、あのアメリカ合衆国で、わずか40年ほど前まで、黒人と白人が同じ学校に通うことすらできなかった州がたくさんあったなんて、想像できるだろうか。」
「合衆国総人口の約十二パーセント、三千万人以上を占める黒人たち。人間としての、市民としての平等を求める彼らの闘いは、どのようなものであったのか。合衆国独立前から南北戦争を経て公民権運動へ、さらに真の解放を目指す現在までの長い苦闘の歩みを歴史的発展とともにたどる。旧版以後二十七年の変化を見据え、大幅に書き改めた。」
目次
プロローグ アメリカ黒人とは
1 植民地時代の奴隷制度
2 独立革命
3 南部の綿花王国
4 奴隷制廃止運動
5 南北戦争
6 南部の再建と黒人差別制度
7 近代黒人解放運動
8 公民権闘争の開幕
9 黒人革命
10 アメリカ黒人の現在
著者等紹介
本田創造[ホンダソウゾウ]
1924年‐2001年。1949年東京大学経済学部卒業。専攻はアメリカ社会・経済史 -
「地域研究論(アメリカ)」伊達雅彦先生 参考図書
https://library.shobi-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=00081240 -
イギリス植民地時代から現代(1990年頃)までの、アメリカにおける黒人の歴史を振り返る本。30年ほど前に出版された本ではあるが、概略をつかむにはもってこいの好著である。
民主主義を標榜する国家として知られるアメリカであるが、その歴史のなかでは黒人や先住民族に対する迫害が際立っている。キング牧師死去以降、黒人の権利にかんする法制度は整備されてきたが、結局のところ実情は悪いままであるようだ。白人に比べ、経済状況は悪化しており、黒人内での格差も拡大している傾向にある。 -
アメリカという国を理解するためには必要不可欠な本。これを読んでいるといないとでは、アメリカに対する考え方が変わる。映画を見るにあたり、本書を読んでいると、さらに一歩深まった理解ができると思う
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アメリカ黒人の歴史を丁寧に描いていて、世界史の下地がない私でも非常に面白く興味深く読むことができた。
出来事の点と点を繋いで歴史の大きな流れを把握することが出来たところがよかった。
印象に残ったところ
・歴史は常に勝者・強者によって紡がれるものだという指摘に、確かに黒人の偉人はあまり歴史の教科書に登場しないなとハッとした。
・南北戦争で奴隷解放した後でも、資本主義の安い労働力として黒人が低い地位であった方が資本家にとって得であり、差別はなくならなかったという話になるほどなと思った。
・黒人が人権や参政権を得るまでの道のりの険しさを知り、今の自分があたりまえに政治に参加できることのありがたみを感じた。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705184 -
今、アメリカで起きていることの源泉を理解できた。オバマ大統領誕生からその後を書いた続編を読みたい。