おくのほそ道: 付 曾良旅日記 奥細道菅菰抄 (岩波文庫 黄 206-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003020623

感想・レビュー・書評

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  • 『奥の細道』は昔話をのぞけば初めて読んだ日本の古典だった。
    小学校入学の前に、祖母から「ふみはじめ」の本として教科書と違う本を1冊子供に選ぶように言われた父が選んでくれた。

    地図で「きょうはこのあたり」と言いながら読んだり、時刻表を見ながら「もし電車でいくとしたらこんな感じ」ときょうだいで想像したりと色々遊べたのも楽しかった。

    その記憶があるためか、古典の勉強が中高でもあまり苦にならなかったので、まさしく「読書始」にふさわしい本だったのだと思う。

  • 古典文学には紀行の名品が揃っているが、多くの人が第1に思い浮かべるのが『おくの細道』。芭蕉の旅の目的はおそらく一つではなかっただろうが、深く敬愛する西行の跡を辿ることによって、陸奥の歌枕の地に自ら立つことがその一つ。ただし、西行自身は当時の歌壇にあっては革新派だったが。そして、伝統に立脚しつつも、そこに新たな美を発見するということもあったに違いない。「月日は百代の過客にして…」と格調高く語りながらも、「もゝ引の破れをつゞる」のが俳である。極め付きが「蚤虱馬の尿する枕もと」。和歌的な美には絶対にない世界だ。

  • 東北旅行に行く前に読むとよい。
    松尾芭蕉もこの景色を見て涙を流したのかと考えると感慨深い。

  • 2020年度シラバス掲載図書より。映像化されただけでなく、ゲームソフト(DS)も発売されていたそうです。

  • 図書館で借りた。
    有名な松尾芭蕉の旅行記。
    私の経歴に関わった土地が多いので、個人的に楽しい。よく聞く「松島や あぁ松島や 松島や」は、やはりガセネタで、おくのほそ道には掲載されていないことを確認できた。
    福島に来て、左手に会津磐梯山、右手に相馬・いわき…というのは100km先だし嘘だろうと一瞬思ったが、江戸時代は福島から富士山が見えたと聞く。本当かもしれない、なんて思ったり。
    宮城では、「笠島は いづこさ月の ぬかり道」と詠んだり、平泉では「夏草や 兵どもが 夢の跡」など。
    北陸の旅も、私が知らない地名もあったり、船乗ったのね~、など楽しめた。

    芭蕉だから、と言うより旅日記ブログ的な楽しみ方をしてしまった気がする。

  • 昔の優れた人の跡を(そのまま)模倣するのでなく、その人が追求した本質を学び取れ。松尾芭蕉『許六離別詞』

    古池や 蛙飛びこむ 水の音(静寂・動・静寂)。▼夏草やつわものどもが夢の跡(悠久の自然vs儚い人間)。▼閑(しずけ)さや 岩にしみ入る 蝉(せみ)の声(音=動の中に静寂がある)。※立石寺りっしゃくじ、山形。▼やがて死ぬ けしきは見えず 蝉の声。▼命なり わづかの笠の 下涼み。▼この道を 行く人なしに 秋の暮(くれ)。▼もの言えば くちびる寒し 秋の風。▼木枯しや 竹に隠れて しづまりぬ。▼命二つの 中に生きたる さくらかな。松尾芭蕉『奥の細道』1702 みちのく陸奥

    松尾芭蕉『野ざらし紀行』

    ※芭蕉。伊賀の武士。

    ②元禄文化

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701790

  • 生涯を旅寝に費やした芭蕉が、東北と北陸を旅した時に綴った晩年の紀行文です。今よりはるかに難儀の多い旅路でも、美しい景色や人との一期一会の出会いに思いを馳せるのは、昔も今も同じ旅の魅力だと感じました。

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    ▼先生の推薦文はこちら
    https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18412

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN0024051X

  • [Overview]
    Emoooooootional.
    A sentimental giant of big vast large big big in Japanese literature.
    Tohoku calling, Hokuriku waiting.

    [Tag]
    Travel document. Haiku (俳句).

    [Plot]
    From Tokyo to Hokuriku via Tohoku in 1689.

    [Expression]
    While following them footsteps of the journey, enjoy the Haikus that appear occasionally.
    They show scenes implying loneliness and sadness. Good, good and good.
    This book is brief and concise. I appreciate them.

    [Memo]
    I wrote this review after reading the book which I have been given based on my select.


    -/-


    【印象】
    エッッッッッッッッッッッモ。
    日本文学に輝くクソデカセンチメンタル巨人。
    行くぜ東北、回るぜ北陸。

    【類別】
    紀行。俳句。

    【筋】
    東京から東北、そして北陸への道程。元禄2年。

    【表現】
    旅の足跡を辿りながら、時折に交ぜられる句を楽しむ。
    寂寥感を礎とする情景が浮かぶようでよきよきのよきです。
    簡潔に纏まった感覚もまたありがたい。

    【備忘】
    このレビューは、希望に基づいて贈られた本を鑑賞して書かれたものです。
    (以下、目を引いた句)
    ・あらたうと青葉若葉の日の光
    ・夏草や兵どもが夢の跡
    ・五月雨の降のこしてや光堂
    ・閑さや岩にしみ入蝉の声
    ・五月雨をあつめて早し最上川
    ・山中や菊はたおらぬ湯の匂

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著者プロフィール

江戸時代の俳人。1644~1694。


「2015年 『女声合唱とピアノのための おくのほそ道――みちのくへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松尾芭蕉の作品

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