- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000611923
感想・レビュー・書評
-
[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
私に取ってはガンダムを生み出した人物の一人としか認識していない安彦良和だが、本書を読むとアニメーターになる以前も中々に濃い人生を歩んでいたようだ。
ウクライナ侵攻よりも新型コロナよりも前に発刊された本書で安彦良和は繰り返し、何度も戦争へと進んでいるのではないかと懸念を示していたが、現在の世界情勢を考えると悪い方向に着実に進んでいるのではないかと感じている。
安保闘争や学生運動に関しては自分が生まれる以前の事で、一般的に語られる内容は暴力に関することばかりで安彦良和のように対話を主としていた人たちがいていたことには驚いた。また、大学進学率が現在よりも少なく一部の人だけが進学していたことは忘れないようにしないといけないだろうとも感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1968半世紀読書シリーズの流れで「革命とサブカル」を読もうとし、その前に「原点」読んでおいた方がいいと思い手に取りました。ガンダムのアニメーターとしても、「虹色のトロツキー」の漫画家とも認識はしていましたがアニメは見てもコミックには触れていなかったので、本書を「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」絡みの本と誤解することなく楽しみました。変わった構成で東奥日報の記者の取材パートとそれを受けての安彦の一人語りパートが繰り返されています。取材パートは新聞記者らしく現在の政治情勢へ視点も含んだものですが、そもそもこの企画が安彦発のものであることを考えるとそこも安彦視点といってもいいものだ、と受け取りました。北海道の小さな集落で育った男の子が、地方国立大学で全共闘のリーダーとなり、世界を席巻するアニメ作家になり、そして、歴史をテーマとする漫画家として物語を生み続けている、その流れが、日本という国の戦後の自画像にも感じました。そして、彼の「原点」は1969年1月の東大安田講堂なのではないか?自分もいたかもしれない場所への不在が彼のその後の人生を作っていったのではないか?ガンダムの当事者を非当事者化し、非当事者を当事者化していくのは作者にとってのリアルストーリーだったのだと…それにしても、あの時代を残しておきたいという作者の執念を感じます。「革命とサブカル」楽しみです。
-
予想していたものと違った。ポジティブな意味合いで裏切られたような感覚。なかなかの重さ。
-
【由来】
・
【期待したもの】
・
※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
・
【ノート】
・期限きたので返却だけど再読したい。ガンダム、あるいは「ORIGIN」の制作舞台裏を期待したのだが、安彦氏の来し方を、結構丹念に辿るという内容。ガンダムの舞台である戦争というものが、安彦氏の中でどのような位置付けなのかということを、彼の学生時代の学生運動についても明らかにしながら描いている。多分、この内容ではうけないだろうから、またすぐに借りられる状態になるだろう。
【目次】 -
宮﨑駿に会いたいと言ったら「そんな人は知らない」と断られた話とか、ベトナム反戦運動なんかやってたら懲役八ヶ月執行猶予三年になったとか、原点というか汚点も書かれていておもしろい
-
図書館で借りてもう少し読めるかなと思ってたのだけど、もひとつ食指が動かずほとんど読まないまま返す羽目に…。安彦良和というのはガンダム他で有名なアニメーターさんです!
-
ガンダムの作者の自慢話かな、そんなのを岩波書店が出すかなと訝しげに読んだが結果的にはとても面白かった。ワタシガンダムは観た事もないし安彦という名前も初めて知ったというようなレベルだけれど、この人がかかわったガンダム前のアニメはほとんど観ていたという個人的な事実も判明した。最も収穫だったのは、学生運動、東大紛争から赤軍に至る経過をリアルタイムに経験した人の記録であるということだった。