- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000296168
作品紹介・あらすじ
原発事故の巨大さは事態の正視を妨げ、事故前にも事故後にも、ウソがまかりとおった。放射性物質や原発事故のリスクが一人一人の生活に上乗せされる時代に、信じるのではなく、ウソを見抜いて自ら考えていくための方法とは。事故後に放射性物質放出量の大きさをほぼ正確に捉えていた著者が語る、原発再稼働と健康被害の推定をめぐる実践的な思考の書。
感想・レビュー・書評
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福島第一原子力発電所の事故直後から公式情報にも混乱がある中、事故の規模や放射性物質の状況を高い精度で見通し、情報発信を行う科学者が東工大にいた。原発や放射性物質の専門家ではない彼が高校生にも理解可能な科学知識を用いて、どのようにそれを成し遂げたかの記録であり、改めて原発の問題を振り返るきっかけとなる。
(選定年度:2017~)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
原発事故後の放射性物質飛散などの量的な把握を、当時報道された数少ない情報より推計を試みたもの。また、事故当時の生々しい状況やら考えていたことを、著者が当時行っていた日記やらtwitterやらから描いている。量的な把握は科学が非常に得意な人(著者の輝かしい経歴を見れば明らか)だからできるのだろうなと感じたが、専門家が出す情報を一度は疑って見せる態度が必要なのだなと考えた。
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原発関係じゃない科学者が、科学的な考え方をどのように適用するかを見せてくれる。情報はほしいけど、その情報に対する偏った報道は必要なく、自分でその重要性を考えるべきなのだということを。
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絶妙なタイトル。フェルミ推定的な論理的思考、計算方法ができるようになるのが、本当の教育なのだろうな。非常に説得力のある本だった。と同時に自分も理工系の大学教育を受けていながら、科学的なリテラシーが身についてないことが身につまされた。
有事には政府がダメというだけでなく、専門家の言説ももう一度、検証しつつ確認する必要がある。 -
勉強になりました。
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一線級と思われる科学者が、文系人間でも読める程度の極力平易な表現で書いたフクイチ事故に関する諸々を書いた書籍。但し、事故とその影響については、現在進行中で状況が変わっていく傾向にあると思われるので決定版という訳にはいかないだろう。この問題はまだまだナマモノなのである(2013/11/12記)
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色々ともやもやしていた事がスッキリした。科学者も十人十色。