仏教のなかの男女観: 原始仏教から法華経に至るジェンダー平等の思想

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000246224

作品紹介・あらすじ

本書は、パーリ語、サンスクリット語で書かれた原始仏典の徹底的な読み込みを通して、釈尊の教えが、女性差別を当然視するバラモン教的な人間観を批判するなかから生まれ、本来、積極的に女性の宗教的救済を認める方向性をもっていたこと、真理への覚醒が誰に対しても開かれているとする平等主義の立場に立っていたことを明らかにする。著者はさらに、原始仏典と漢訳仏典とを比較しつつ仏教史の流れをたどり、釈尊入滅後、徐々にインド一般社会の男尊女卑的差別思想が仏教教団に浸透し、教団が保守化する中で、「三従五障説」に象徴されるような女性差別が定着し始めたこと、またそうした状況に対する批判として大乗仏教が起り、なかでも法華経が一仏乗の思想を標榜し、男女平等を説く新たな思想として誕生したことを論証する。米国仏教研究界で注目を集めた英文図書を大幅増補。

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著者プロフィール

植木 雅俊(うえき・まさとし):1951年、長崎県島原市生まれ。仏教思想研究家。九州大学卒。理学修士(九州大学)、文学修士(東洋大学)、人文科学博士(お茶の水女子大学)。東方学院で中村元氏からインド思想・仏教思想論、水野善文氏からサンスクリット語を学ぶ。著書『仏教、本当の教え』『法華経とは何か』(以上、中公新書)、『ほんとうの法華経』(橋爪大三郎氏との共著、ちくま新書)ほか。訳書『梵漢和対照・現代語訳 法華経』上・下巻(岩波書店、2008年、毎日出版文化賞受賞)、『梵漢和対照・現代語訳 維摩経』(岩波書店、2011年、パピルス賞受賞)ほか。

「2024年 『日蓮の思想 『御義口伝』を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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