- Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000237215
作品紹介・あらすじ
漱石の漢詩は、日本近代文学の比類ない独立峰。作家古井由吉が、漱石文学の精髄を、漢詩に突き止める。日本語の個性とその衰弱は、何に由来するのか。失われた日本語の可能性を照らし出す、漢詩のポエジーと象徴。死を前にして、解き放たれた漱石の想像力が、見えない世界の調べと映像を結晶させる。
感想・レビュー・書評
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漱石の漢詩を読むだなんて小難しいこと、私には無縁だと思っていましたし、なにより楽しめるはずがないと思っていたのですけど、古井さんの分かりやすい解説にぐいぐいひき込まれ、漢詩という嘆く人間の制限されたものから生まれる美しさを楽しむことが出来ました。漢詩からぼんやり浮かぶ情景を言葉の意味も含め丁寧に解説いてくださった古井さんに感謝です。
ぼんやりはうすぼんやりに変化し、ちょっとずつその姿を現しかけています。 -
漢詩に向き合うとき、深く意味を追求せず、まずは表層を浅く受け取るようにする、という教えはなかなか含蓄深いものがある。
にしても、さすがに最晩年の作は難解でどうにも歯が立ちそうにない。対して修善寺の大患時のものは生還できたことの喜びというか、すっきりと澄んだ気分が現れているようにも思う。
それにしてもこんな詩を作る漱石の知識量はとんでもないな。 -
カテゴリ:図書館企画展示
2017年度第6回図書館企画展示
「One Hundred and Fiftieth-近代漢学の系譜(その1)-
生誕150年 漱石の漢詩、子規の漢詩」
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2017年10月25日(水) ~ 2017年11月24日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース -
資料ID:W0149089
配架場所:1F電動書架C -
浅い読み、表面的な読み方をしてみるのが大事だという。
むずかしいところはむずかしいなりに、わからないところはわからないなりに、とりあえず読んでいく。下手に深読みしようとしないこと。
納得。 -
私のような者には絶対届かない知の世界で楽しみ、苦しみ、そして己の人生を全うした夏目漱石に改めて畏敬の念をおぼえます。
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国文学2009年3月号書評より