自分を育てる読書のために

  • 岩波書店
4.11
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000234900

作品紹介・あらすじ

「自分」を強く意識しはじめる思春期に、本は良きアドバイザーになってくれます。そんな力のある本を子どもたちに手渡すには、どうしたらいいのでしょう?本書では、公立中学校の司書による笑いと涙の奮闘レポートをもとに、手探りで編み出した読書支援の方法を具体的に紹介します。好評『読む力は生きる力』『物語が生きる力を育てる』の実践編。

感想・レビュー・書評

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  • 学校図書館に常に専門家がいることの意味。
    個人的には、もっと最近の本でもおもしろい(良質な)ものはあるし、漫画だって読むのに力が必要だと思うし、ただ、たのしいということにも価値があると思うけど。
    読書の力を信じて、子どもたちに併走しようとする姿には好感。その方法も参考になった。

  • 公立中学校の学校図書館の司書が、子どもと本の出会いの手助けに奮闘したレポートです。
    具体的なエピソードや子どもたちの反応が、生き生きと伝わってきます。

    まず「すごい!」と思ったのは、司書の小幡さんが岩波少年文庫や福音館書店の児童文学を中学生に読ませることに成功していること。
    最近の中学生は、ライトノベルやホラー要素が盛りだくさんで、見栄えのよいイラストで飾られたエンターテイメント性が高い本を手に取りがちなのですが…。

    子どもたちとの対話を通して「あなたにぴったりの1冊」を手渡していくことは、広い視点で見れば、司書と子どもの間の信頼関係の構築なのです。
    「自分を見ていてくれる大人がいる」という安心感も、不安定な思春期の子どもたちには大きな力になったことでしょう。
    特に双子の兄弟のエピソードが印象的で、大切なことを学ぶことができました。

    また、児童文学や本を読むことが持つパワーを再認識しました。
    誰もが生きていく上で様々な壁にぶつかりますが、その問題解決のための判断力や困難に立ち向かう力を与えてくれるのが、読書なのです。
    特に児童文学の主人公たちは数々の問題の前に、悩み、苦しみ、四苦八苦しながらも前に進んでいきます。
    その姿は私たちの"生きる力"を育んでくれるんですね!

  • 「「自分」を強く意識しはじめる思春期に、本は良きアドバイザーになってくれます。そんな力のある本を子どもたちに手渡すには、どうしたらいいのでしょう?本書では、公立中学校の司書による笑いと涙の奮闘レポートをもとに、手探りで編み出した読書支援の方法を具体的に紹介します。好評『読む力は生きる力』『物語が生きる力を育てる』の実践編。」

  • この本が発売されたのが2011年6月ということは著者の小幡氏が
    図書館に勤務されていたのは恐らく2000年代の前半。
    なお、参考までに
    『バトル・ロワイアル』・・・1999年発行
    『リアル鬼ごっこ』(初版)・・・2001年発行
    『Deep Love 〜アユの物語〜』・・・2002年発行
    『世界の中心で愛を叫ぶ』…2001年発行(100万部突破したのは2003年ごろ)
    上記の本は当時の中高生に大変人気があったと記憶している。
    それを踏まえると著者が現場で危機感を覚えるのも無理もなかったと思う。

    25Pで野球部の子に「ベーグルチームの作戦」を薦めているのを見て
    たいていの人だったらあさのあつこの「バッテリー」(1996年発行)を
    チョイスするだろうなあと思った。
    そういえば、この本で生徒に薦めた本て、新しめのものでも梨木里穂の
    「西の魔女が死んだ」(1994年発行)ぐらいで他のは下手すりゃ初版が
    戦前の古い本ばかり。当時でも日本の児童向けファンタジーなら勾玉三部作
    (1989年発行)とか「精霊の守り人」(1996年発行)とかあったはずなのに。

    84pで著者が棚から取り除いた本て、十中八九「ダレン・シャン」か
    「デルトラクエスト」じゃないかな……。
    この二つと「ハリー・ポッター」も当時小中学生にすごい人気だった。
    著者と師匠にあたる脇先生はどうやらこれらがお気に召さないようだけど。

  • 格調高いラインナップを薦めて、読んでくれるのだな。何事も信頼関係が全てやな。

  • 学生時代にこんなステキな司書の先生に会いたかった。素晴らしい一冊。
    この本に限っては、自己の体験から中学生限定で紹介しているが、人にはみな『君にぴったりの本』があるんだと思う。自分のために選んでくれる大人もセットで必要。
    探すためには、過去の読書経験、好みを聞く。
    なんか違う、を手がかりに、内容が合わなかったのか、読み進めに困難を感じたのか。

    朗読は、ときに物語の思ってもみなかった面白さに、気づかせてくれる、物語の一場面を朗読して聞かせる。その後の効果がある。

    自分の成長を、主人公に感情移入してともに問題を克服し、成長を喜べる、生きる力を上げて、自分を育ててくれる本を、と求めていける。

    本好きはそんな物語の楽しさや想像の楽しさ、知らない世界を知る事に喜びを感じているから。本が世界を平和に救えるはず。活字離れをなんとかしたい…

    カニグズバーグ、孤立の辛さに耐えながら自分という存在を確立していく姿、その過程で人との繋がりを見出していく姿を描く天才。

  • 子どもたちの読んでいる本や読みたい本と司書や大人が読んだらいいのにと思う本にはだいぶ大きな差がある。手軽な読みやすい流行りのエンターテイメントも楽しいかもしれないが、心の糧になるような一生残るような本との出会いを作ってあげるのは大人の役割。そういう本を手渡すためには日頃のコミュニケーションでその子のことをいかに考えて理解しようとしているか、子どもとの関係性が大事なんだと思う。あらすじを伝えて興味をもたせたり、付箋を貼ってハードルを下げたり、ヒントを与えて壁を乗り越えられるように手助けしたり、さまざまな工夫の方法があるんだなとも思った。司書が妥協してはダメだね。子どもたちの選ぶものも理解しつつ少し導いてあげること。これから個々の子たちと一歩ずつやっていってみたいと思う。難しいけど。

    朝 コーヒー

    昼 お弁当、ワンタンスープ、ヨーグルト

    おやつ チョコ、ミルク饅頭、コーヒー

    夜 唐揚げ、納豆、冷奴、肉まん、味噌汁

  • 自分が普段気にしている本ばかりで、ほっとしました
    沢山過ぎないところもいいです
    同じ本でも違う薦め方があるのがいいですね

    学校の読書タイムで読む本がわからなくて
    映画の原作本や、流行の本ばかり読んでしまうのは惜しいです

  • 1階閲覧室 019.2||ワ||3

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    2016年では48冊

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著者プロフィール

脇明子

「2018年 『ねこのオーランドー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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