- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000229593
感想・レビュー・書評
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高等教育機関ではマイナーな高専;高等専門学校について、統計がない現実を踏まえ、実態を調査し、高等教育のあり方を模索・提言した本。
国の統計は短大・高専のくくりで発表されるので、学生や卒業生の実態は圧倒的多数の短大生、短大卒性のデータに飲み込まれてしまいわからないところを、アンケート調査をもとに様々な事実を引き出しており、社会科学の調査研究はこういうものなのかと驚きを感じた。
私自身高専卒で、威張るつもりはないが高専を出たことは一つのステータスに感じているので「高専の使命は終えた」という考えを否定する結論は喜ばしいものがある。だが、私の母校は再編で「消滅」した。詳述は避けるが、資格はあくまで特定技能の証明であって、学歴とはちがう。学歴は、当人の遍歴に過ぎないと述べさせていただく。
さて、本書では、高専卒の職務に関する満足度と転職の流れで学習型社会を「発見」し、提言までもっていっている。高等教育を生涯教育、生涯学習主眼に持っていく考えは、大学経営の面でも必要とされている話である。生涯教育が人を豊かにすることに異論はないが、若年での教育はどうあるべきか、初等・中等教育を飛ばして高等教育に触れさせる機会をどこにおくのか、という考えを補強すべきだろう。
子供の興味は人類の発展に、大人の疑問は社会の回転に役立つものであろう。しかし、手当たり次第にナンデ?ドウシテ?では困る、そのための教育であり、形を残すための高等教育なのだから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架 377.3A/Y58k//K