- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000226417
作品紹介・あらすじ
過激派組織「イスラム国」の攻勢を食い止めたことで、国際的な注目を集めるイラクのクルド自治区。しかし、イラク・トルコ・シリア・イラン各国で苛烈な弾圧を受けてきた「国家を持たない最大の民族」クルド人の歴史はほとんど知られていない。「国民的」老作家フセイン・アーリフと息子の通訳マツダ、マツダの親友でジャーナリストのヤヒヤ・バルザンジの語りを通して、自由と独立を求め続けるクルド人の歴史と今を生き生きと伝える。
感想・レビュー・書評
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クルド人は少数民族だって聞くので数百万程度だと思っていたが、三千万人ぐらいいて、トルコ・イラン・イラク・シリア(クルド人が多い順)の山岳地帯の民族だそうです。
それだけ人がいれば国があっても良いと考えるが、山を隔てて部族でまとまっていて、横のつながりもなければ、言葉も違うということで分断されていたから、国際的な発言権が小さかったんだって。
それを一つにまとめて一つの国にしようとしているのが彼らの要求らしいが、トルコ・イラン・イラク・シリアにしたら迷惑この上ない話だろう。
もともと統一していたのならわからないでもないが。
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クルド人の歴史や現状を、筆者の取材相手であるクルド人の老作家と息子、その友人らの視点で書いた本。複雑な歴史だが、人物のドキュメンタリーとして読めるのでとっつきやすかった。
老作家の、「グローバル化の時代は、逆によりどころになる何かを求めるようになる」という指摘が、現代的だと感じた。
自治区は経済的に好調で、戦争のことが風化しつつある。とあったが、つい最近もまたイランとアメリカの対立に巻き込まれているというニュースを見た。
国を持つことに対する思いが、将来どのように変化していくのか、注目したい。
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東2法経図・開架 316.8A/F84k//K