当事者研究――等身大の〈わたし〉の発見と回復

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 200
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000063371

作品紹介・あらすじ

当事者研究とは、自分と似た仲間との共同研究を通じて、等身大の〈わたし〉を発見すること、そんな自分を受け容れるものへと社会を変化させることを通じて、回復へと導く実践である。当事者研究の誕生の背景と方法論を紹介し、自閉スペクトラム症研究を例に、知識や支援法の共同創造が始まりつつある現状を報告する。

感想・レビュー・書評

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  • 登録番号:0142445、請求記号:369.27/Ku33

  • ASD自閉症スペクトラムに関するこれからの方向性を示す本である。ASDに関する卒論を書く場合には避けて通れない本であろう。浦河のべてるの家なども出てきているので、 いままでの語りだけではなく、ちゃんとした論文や理論も紹介されているので、文献を探すためにも役立つであろう。
     ブクログのスマホのアプリからは全くこの本が検索できなかったのはなぜであろう。地方の出版社ではなく岩波という大手出版社なのに不思議である。

  • ーー当事者研究とは、自分と似た仲間との共同研究を通じて、等身大の〈わたし〉を発見すること、そんな自分を受け容れるものへと社会を変化させることを通じて、回復へと導く実践である。当事者研究の誕生の背景と方法論を紹介し、自閉スペクトラム症研究を例に、知識や支援法の共同創造が始まりつつある現状を報告する。ーー

    仮死状態で生まれ、脳性麻痺になった著者は苦労して東大医学部を卒業という経歴。車いす生活で自ら体験した差別を通じ、差別される弱者の視点で到達したのが「等身大」というキーワード。多数派によってデザインされた社会環境に無理して適応するのではなく、そのままでも生きられるように社会環境を変えていく「当事者運動」、己の可変性を過大にも過小にも評価せず、変えられない部分については信頼関係の中で複数の他者に支えてもらうという生き方を提唱。
    特に、スティグマという概念に注目した部分は読みごたえがある。(P180)

  • 東大の先生で自身が身体障害者という.丁寧な索引,膨大な文献.でも分かりやすく書いている.さすが…

  • 浦河ベテルの家で生まれた当事者研究。これは当事者運動由来の「力/未来/パターン」と依存症自助グループ由来の「無力/過去/物語」そして両者に共通する「共同性」という特徴を束ねる役割として「(当事者)研究」が登場した。「当事者も専門家も自分たちが継承してきた価値・知識・技術を普段に見直し続ける『研究者』になることが、置き去りにされ勝ちな周縁に置かれた人々を包摂する社会の条件として重要」ということを実際にASDを例に提示された。これまで当事者研究は、当事者の語りが中心で提示されていたが、様々な研究を結びつける学際的な研究として進んでいることが分かった。

  • 12月新着
    東京大学医学図書館の所蔵情報
    https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/?amode=2&kywd=4311487195

  • 今はうまく書けないけど、

  • 岩波書店のウェブページ(試し読みあり)
    http://iwnm.jp/006337

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著者プロフィール

熊谷晋一郎(くまがや・しんいちろう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授、小児科医。脳性マヒの電動車いすユーザー。専門は小児科学、当事者研究。著書に『リハビリの夜』(医学書院、2009年)、『みんなの当事者研究』(編著、金剛出版、2017年)、『当事者研究と専門知―生き延びるための知の再配置、2018年』(編著、金剛出版)、『当事者研究をはじめよう』(編著、金剛出版、2019年)など。

「2022年 『自由に生きるための知性とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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