室町社会史論: 中世的世界の自律性

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000022354

作品紹介・あらすじ

日本中世、とりわけ室町期の社会は、各社会集団が自律的な「法」をもって対峙しあう多元性を特徴としていた。「自力救済社会」とも形容すべきその実像と、そこに生きた中世人の心性を、「習俗」への着目を通して解き明かすとともに、続く戦国期・近世への展望をも示す。法制史・社会史の視角を継承しつつ室町時代史研究を牽引してきた著者の、ここ二〇年間の研究成果を集成する。

感想・レビュー・書評

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  • 室町社会を法や習俗から見ていくというコンセプトでの学術論文集。一般向きの本が多かった清水克行のバッグボーンがわかる。
    室町社会の各集団の法の並列と自力救済社会は、すべてを公権力が一元的に掌握している近現代からは想像がつきにくい。
    この心性を文書に残る出来事から読み解いていくのは、推理小説のようで面白い。
    室町と江戸時代の間の変化は大きい。
    また、多国籍企業の巨大化、ネットによる小集団化が進む現代は、少しは中世化に向かっているのか?

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著者プロフィール

清水克行(しみず・かつゆき)
明治大学商学部教授。専門は日本中世史。 主な著書に『喧嘩両成敗の誕生』(講談社、2006年)、『戦国大名と分国法』(岩波書店、2018年)、『室町社会史論』(同、2021年)などがある。

「2022年 『村と民衆の戦国時代史 藤木久志の歴史学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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