ヒトラー 最期の12日間

  • 岩波書店
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000019347

作品紹介・あらすじ

第三帝国の崩壊は、ヒトラーの悪魔的な破滅への意志がもたらしたのか?ナチス・ドイツがはらんでいた構造的矛盾の結果なのか?ソ連軍によるベルリン進攻から陥落そして降伏まで、地下要塞にこもり自害を決意するにいたるヒトラーと、彼をとりまくナチス幹部たちの断末魔のあがきを活写。ひとつの国家が敗北し終焉するとはどういうことなのか?ドイツ歴史界の重鎮・フェストが人間ヒトラーを通して描く迫真の歴史ドキュメンタリー。

感想・レビュー・書評

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  • 日本で教えられた歴史が自虐史観で、白人支配の出来事をすっぽり史実から消去した内容になっているのだとしたら、我々は真実は自分で見つけ出し、自分で判断しなければならない。第二次世界大戦が勝者の歴史で塗り替えられたものならば、我々が知るナチスの事も、詳しく調べれば、違った見え方がするのだろうか。まして、ヒトラーその人は、本当はどのような人物だったのか。

    残念ながら、本著を読んでもヒトラーの人間性について、手ごたえを感じられはしなかった。全く、人間性というものを欠落させた人物だったのか。猿でさえ異質の猿を攻撃するというヒトラーの言葉に象徴されるよう、ヒトラーは、人類を至極原始的なものとして捉え、戦争を正義のために行うという装飾を重んじなかった。

    わからない。しかし、そのような独裁者を選んだのは、時代背景と国民なのである。

  • 2005年(原本2002年)刊。
    著者はドイツ近現代史を主フィールドにするドイツ人ジャーナリスト。

     ベルリン陥落時、ヒトラーが死に至る数日間を叙述する。既視聴の映画のネタ本か。

     結論としては読み飛ばしで十分か。けだし個人的にヒトラーの為人には殆ど関心がなく、歴史的な意味で見ても、政権掌握・独ソ不可侵条約締結・仏侵攻決定・独ソ開戦決定であれば兎も角、ドイツ第三帝国の崩壊過程期のヒトラーの死など、世界史的に見て何ら意味を持たない必然の過程でしかないからだ。またヒトラーがドイツ降伏の意思決定を行っていないことにも関わるかな。

     もっとも、死を自覚した時期に見られる姿がその人の本質であり、それは平和或いは絶頂期には幾許か粉飾・隠蔽されたとしても、従前の様々な意思決定に関わる要素だった。
     かような善解して初めて本書を読む意味を見出し得るくらいかな。

  • 2013年4月30日

    <DER UNTERGANG :Hitler und Endr des Dritten Reiches>
      
    カバー/映画『ヒトラー~最期の12日間~』より
    装丁/虎尾隆

  • 映画に合わせて買った。

  • ドイツ人はこれまで何年もの間、民主主義、法治国家、そして西欧的価値観に、無理やり適応させらてきた。それが今、少しは本来の自分に立ち返り、反抗的役割に戻ったのだろう。それは人々によれば、ドイツ人が太古の昔からヨーロッパで演じてきた役割なのだ。

    ヒトラーを歴史上、真に前代未聞の減少にしたもっとも大きな理由は彼が文明の理念を全く欠いていたことにある。

  • なんか、イメージ先行で、知っているつもりになっていたこの人。
    最期の12日を読む前に、それまでのうん十年を知っておかないとということを痛感。

  • アドルフを知る一つの要素

  • ヒトラー最後の数日間を詳細に描いている。
    そこに描かれたヒトラーは、ナチスの総裁であるというよりも、人間としてのヒトラーである。顔はやつれてどす黒くなり、足を引きずり壁を伝って移動する滑稽な姿。しかしそんなヒトラーに、歴戦の将軍たちも逆らうことは難しかった。

    万一勝利できないようなことがあれば、「その時は、われわれ自身が滅亡するだけでなく、世界の半分を滅亡の道連れにするだろう」
    そんな破壊への衝動にとりつかれた国。
    読み進めるうちに、目の前に瓦礫の荒野と、塵と火薬のにおいが広がる光景をみることができるだろう。

    ただ、本当にヒトラーの最後の数日だけを描いているため、ナチスやヒトラーについてある程度の知識を持っていなければつらいかと思う。まずは一般的なヒトラー・ナチスについての本を最初に読むことをお勧めする。

  •  05年夏に日本でも上映されたヒトラーものの映画のタネ本。戦後ドイツではじめてヒトラーの人間性に焦点を当てたとして話題にもなりました。お国柄、アメリカなどと違って考証がしっかりしている点も好感触。

  • 最終的目標は破壊・破滅である

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