六文銭のマネージメントを皮切りに、シュガー・ベイブ、加藤和彦、竹内まりや、大貫妙子、「い・け・な・いルージュマジック」、「子どもたちを責めないで」、ノン・スタンダード、トラットリア&WITSと、まさに日本ポップスの王道を歩いてこられたご本人と、一緒に活動してきた方々(しかもアーティストは高野寛さんしか登場していません。全員バックヤードのスタッフです)しか語り得ない数々のエピソード。各年数ページしか割かれていないのがもったいなくて、アウトテイクを並べたら大著になるのではないかと思うほどです。
すべて牧村さんご自身が通ってきたところのみ言及されているし、何となくその作品背景などを知っていないと、理解しづらい部分もあるのは確かです。
しかし、本書はエピソード集ではありません。その通底には、音楽を生み出すということは音楽的な感性を磨き続けることである。止まってはいけないという牧村さんの強力なメッセージがあると感じました。
僕が牧村さんを最も尊敬しているのはその点です。もちろん、一人の人間にできることには限りはありますが、還暦を超えても貪欲に音楽に向かう姿勢には、背筋が伸びる思いがします。
特に最後にある相倉久人さんへのインタビュー……これは大変重たいです。お前はいったいどんな態度で音楽に臨んでいるのか? 今後、日本の音楽をどうしていきたいのか? まるでナイフを突きつけられたかのようにドキッとします。牧村さんは私たちに問い続けるでしょう。定形のあるものは、新しい音楽ではないと。

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ニッポン・ポップス・クロニクル 1969-1989 (SPACE SHOWER BOOks) 単行本 – 2013/3/27
牧村憲一
(著)
現役最高齢の音楽プロデューサー・牧村憲一が、
1969年から1989年までの日本のポップス史を1年ごと、時系列に執筆。
各年ごとにその年のポップス・シーンを語るにふさわしい音楽関係者をゲストに迎え、
彼らが実際に見て、聞いて、体感した事実だけでつづられる、ライブ感覚あふれるクロニクル!
「日本最古の──そして最も尖っていたフリー音楽プロデューサーの一大クロニクル。本書を読めば、高度に産業化する前の『音楽の現場』が、政治や社会との深い関わりなしには語れないことがよくわかる。いかにして日本のポピュラーミュージックが『J-POP』に変わっていったのか。本書には本邦初公開の貴重な証言がこれでもかとばかりに散りばめられており、3.11を経て変わるミュージシャンの意識と対照させて読むことで、新たな音楽ビジネスのヒントも見えてくるはずだ。すべてのミュージシャン、リスナー、そして何か新しいことを始めたいすべての『不良』たちに薦めたい、世界を変えるための『指南書』がここにある。」……津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
「ここに書かれているのは、CD以前、レコードの時代の話が大半で、若い世代にとっては初めて名前を聞くであろうアーティストも多数登場する。
だが、音楽が好きであれば世代を問わずに読みこなせる、ある意味で『日本のポップスの入門書』としての役割を果たすものにしたつもりだ。
(中略) 素晴らしい証言者を得て、本書はたくさんの『音楽の川』を書くことが出来た。
それと共に、その1本ずつの川が合流し、大きな河となって流れているのを知ることが出来るはずだ。
日本のポップスがいかに多くの人々の情熱や気概によって支えられ、紡がれてきたか。
この本を通じて、その一端でも感じ取っていただければ幸いである。」……牧村憲一(まえがきより抜粋)
著者の筆を支えるゲスト証言者には、水橋春夫、島雄一、宮川一郎、麻田浩、長門芳郎、大森昭男、小室等、国吉静治、國分茂博、日笠雅水、永田純、佐藤輝夫、大川正義、伊藤銀次、内田宣政、宮田茂樹、藤井正博、宗像和男、高橋靖子、高野寛、岡一郎、信藤三雄
・・・以上、総勢22名(本書に登場順、敬称略)。
1970年の「中津川フォークジャンボリー」第1サブステージ上で著者が体験し、目撃した真実、はっぴいえんどのファースト・アルバムのサウンドの秘密、
忌野清志郎+坂本龍一の「い・け・な・いルージュマジック」のタイトルに何故「・」が入ったのか?……といった、現場にいたものだけが知るエピソードから、後にフリッパーズ・ギターとなる「ロリポップ・ソニック」と著者との運命的な出会いまで、随所に貴重な秘話が満載!
【特別収録】著者本人による音楽評論家・相倉久人へのロング・インタビュー。
1969年から1989年までの日本のポップス史を1年ごと、時系列に執筆。
各年ごとにその年のポップス・シーンを語るにふさわしい音楽関係者をゲストに迎え、
彼らが実際に見て、聞いて、体感した事実だけでつづられる、ライブ感覚あふれるクロニクル!
「日本最古の──そして最も尖っていたフリー音楽プロデューサーの一大クロニクル。本書を読めば、高度に産業化する前の『音楽の現場』が、政治や社会との深い関わりなしには語れないことがよくわかる。いかにして日本のポピュラーミュージックが『J-POP』に変わっていったのか。本書には本邦初公開の貴重な証言がこれでもかとばかりに散りばめられており、3.11を経て変わるミュージシャンの意識と対照させて読むことで、新たな音楽ビジネスのヒントも見えてくるはずだ。すべてのミュージシャン、リスナー、そして何か新しいことを始めたいすべての『不良』たちに薦めたい、世界を変えるための『指南書』がここにある。」……津田大介(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト)
「ここに書かれているのは、CD以前、レコードの時代の話が大半で、若い世代にとっては初めて名前を聞くであろうアーティストも多数登場する。
だが、音楽が好きであれば世代を問わずに読みこなせる、ある意味で『日本のポップスの入門書』としての役割を果たすものにしたつもりだ。
(中略) 素晴らしい証言者を得て、本書はたくさんの『音楽の川』を書くことが出来た。
それと共に、その1本ずつの川が合流し、大きな河となって流れているのを知ることが出来るはずだ。
日本のポップスがいかに多くの人々の情熱や気概によって支えられ、紡がれてきたか。
この本を通じて、その一端でも感じ取っていただければ幸いである。」……牧村憲一(まえがきより抜粋)
著者の筆を支えるゲスト証言者には、水橋春夫、島雄一、宮川一郎、麻田浩、長門芳郎、大森昭男、小室等、国吉静治、國分茂博、日笠雅水、永田純、佐藤輝夫、大川正義、伊藤銀次、内田宣政、宮田茂樹、藤井正博、宗像和男、高橋靖子、高野寛、岡一郎、信藤三雄
・・・以上、総勢22名(本書に登場順、敬称略)。
1970年の「中津川フォークジャンボリー」第1サブステージ上で著者が体験し、目撃した真実、はっぴいえんどのファースト・アルバムのサウンドの秘密、
忌野清志郎+坂本龍一の「い・け・な・いルージュマジック」のタイトルに何故「・」が入ったのか?……といった、現場にいたものだけが知るエピソードから、後にフリッパーズ・ギターとなる「ロリポップ・ソニック」と著者との運命的な出会いまで、随所に貴重な秘話が満載!
【特別収録】著者本人による音楽評論家・相倉久人へのロング・インタビュー。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社スペースシャワーネットワーク
- 発売日2013/3/27
- ISBN-104906700780
- ISBN-13978-4906700783
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登録情報
- 出版社 : スペースシャワーネットワーク (2013/3/27)
- 発売日 : 2013/3/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4906700780
- ISBN-13 : 978-4906700783
- Amazon 売れ筋ランキング: - 850,823位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年3月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
プロデューサーやエンジニアなどの側からみた昭和~平成のポップス界隈のエピソード集的なものである。ただ、その中に単なる事実とはちがう思いがいろいろと埋め込んである。1年ごとに区切ってあって体裁はクロニクルなのだが、あくまでも著者と著者が選んだゲストの感覚で割と無統制に語ってる感じである。このため「ポップス史」とは言い難く、そこを批判するレヴューもあるようだ。しかし、たまたまにせよ自分の関心と内容が重なった読者にとっては素晴らしいものになろう。私の場合はそうであった。具体的には、脳内でYMO周辺と歌謡曲→J-pop 界隈の繋がりが深まったし、記憶にとどめておきたい話も掘り起こせた。
一般論として辺境としての日本、ポップスというジャンルの件なども興味深い。ただ、後半の対談も含めて語り部のようであってキッチリとした“論”や“史”ではないので人によって満足感が違うのだろう。もしかしたら、ニッポン・ポップス・クロニクルというタイトルがなにか違う期待を持たせてしまうのかもしれない。
一般論として辺境としての日本、ポップスというジャンルの件なども興味深い。ただ、後半の対談も含めて語り部のようであってキッチリとした“論”や“史”ではないので人によって満足感が違うのだろう。もしかしたら、ニッポン・ポップス・クロニクルというタイトルがなにか違う期待を持たせてしまうのかもしれない。
2014年1月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
少しあっさりしすぎなのかなあと。
牧村さんほどのキャリアがあれば
もっと詳細な話が書けたはずで、
わざとそれを避けたんでしょうが、
自分としてはそっちを読みたかったです。
本を出すチャンスなんてそうはないでしょうから。
フリッパーズに段ボール一杯のレコードを渡して
「これを聴け」とメンバーを教育した話など
伝説になっているご自身の話なども書いて欲しかったです。
巻末の相倉久人氏との対談が面白かったので、
各章にゲストで迎えた方との対談だけまとめた本にしても
よかったのではないでしょうか。
牧村さんほどのキャリアがあれば
もっと詳細な話が書けたはずで、
わざとそれを避けたんでしょうが、
自分としてはそっちを読みたかったです。
本を出すチャンスなんてそうはないでしょうから。
フリッパーズに段ボール一杯のレコードを渡して
「これを聴け」とメンバーを教育した話など
伝説になっているご自身の話なども書いて欲しかったです。
巻末の相倉久人氏との対談が面白かったので、
各章にゲストで迎えた方との対談だけまとめた本にしても
よかったのではないでしょうか。
2016年4月27日に日本でレビュー済み
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日本におけるポップスからJpopへの流れが読める書籍。先人がいての今なのだと改めて思いました。ポップス創世記の頃の音源を改めて聴いていみたい。
本編も良かったが、相倉氏へのインタビューが特に興味深く読めました。戦後のジャズ感、ライブの心構えが参考になった。
本編も良かったが、相倉氏へのインタビューが特に興味深く読めました。戦後のジャズ感、ライブの心構えが参考になった。
2013年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
生まれつき大宣伝で作られるメジャー路線に噛み付く癖がある私が聴いていた音楽は誕生時にはマイナーな扱いだった。
私が達郎を聴き始めたCircus Townリリース時は、ごく一部の人が聴く音楽だったしMignonneの頃の大貫妙子も名前を知らない人が当たり前でした。
私が今も聴く音楽の中で竹内まりやだけは最初からメジャーだったけど、意識せずに選んでいた音楽の制作に関わった人達が実は同じ人であったことを知ることが出来る貴重な資料としても楽しむことができます。
衰退する音楽産業ですが音楽は消費財でないと考える人たちが再び制作の現場で戦いを挑む日が来る事を期待したいと思います。
私が達郎を聴き始めたCircus Townリリース時は、ごく一部の人が聴く音楽だったしMignonneの頃の大貫妙子も名前を知らない人が当たり前でした。
私が今も聴く音楽の中で竹内まりやだけは最初からメジャーだったけど、意識せずに選んでいた音楽の制作に関わった人達が実は同じ人であったことを知ることが出来る貴重な資料としても楽しむことができます。
衰退する音楽産業ですが音楽は消費財でないと考える人たちが再び制作の現場で戦いを挑む日が来る事を期待したいと思います。
2013年5月19日に日本でレビュー済み
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牧村氏の仕事が偉大であるのに変わりはないが、本書はあまりにもお粗末。おっさんが雰囲気で語る思い出話に年表が添えられている程度のもので、「音楽が好きであれば世代を問わずに読みこなせる、ある意味で『日本のポップスの入門書』としての役割を果たすもの」には程遠い、残念な出来。
そもそも、文章がモノを伝える体をなしていない。例えば、「19xx年は◯◯な年だった」との振りに対して、どんな経過をたどってどのようなものが生み出され、それがどんな影響を生み出した結果◯◯な年だったかが書かれず、主に人名と作品名が羅列されるだけ、或いは、それさえ書かれないこともあり、大変わかりにくい。小室等がレコード会社を作った件では、その会社が「フォーライフ」だとその場で直ちに説明されてしかるべきだし、伊武雅刀の録音に参加した、ギター以外は演奏に長けたShi-shonenもしくはリアル・フィッシュと呼ばれるグループの「世界一下手なギタリスト」が戸田誠司であり、その後彼がYouと一緒にフェアチャイルドを結成するとか、何故そこで説明しないのか、理解に苦しむ。なお、戸田氏やフェアチャイルドの名前は、その後別の章の全く関係ない所で出て来る。
エピソードは少なく、当時現場に立ち会った人ならではの生々しさがあまり感じられない。文体は全体的に勿体ぶっていて具体性に欠ける。また、年ごとに章が分けれれているのにも関わらず、実際の文章では年代が前後に飛びまくり、よく整理されていない。年(章)毎に呼んだ「ゲスト証言者」も活用されているとは言い難い。もちろん興味深い内容がない訳ではなく、きちんと編集すればもう少し良いものになっただろうに、残念である。
日本の音楽はそれなりに聴いており、特に本書に登場する70年代後半以降のアーティストや作品の多くを耳にしている自分がこのように感じるのだから、これらの音楽に興味のない方には更にお勧めできない。
とはいえ、巻末の相倉久人氏との対談は読み応えがある。ここでの牧村氏の発言は面白いので、全編対談形式だったら良かったのかもしれない。
そもそも、文章がモノを伝える体をなしていない。例えば、「19xx年は◯◯な年だった」との振りに対して、どんな経過をたどってどのようなものが生み出され、それがどんな影響を生み出した結果◯◯な年だったかが書かれず、主に人名と作品名が羅列されるだけ、或いは、それさえ書かれないこともあり、大変わかりにくい。小室等がレコード会社を作った件では、その会社が「フォーライフ」だとその場で直ちに説明されてしかるべきだし、伊武雅刀の録音に参加した、ギター以外は演奏に長けたShi-shonenもしくはリアル・フィッシュと呼ばれるグループの「世界一下手なギタリスト」が戸田誠司であり、その後彼がYouと一緒にフェアチャイルドを結成するとか、何故そこで説明しないのか、理解に苦しむ。なお、戸田氏やフェアチャイルドの名前は、その後別の章の全く関係ない所で出て来る。
エピソードは少なく、当時現場に立ち会った人ならではの生々しさがあまり感じられない。文体は全体的に勿体ぶっていて具体性に欠ける。また、年ごとに章が分けれれているのにも関わらず、実際の文章では年代が前後に飛びまくり、よく整理されていない。年(章)毎に呼んだ「ゲスト証言者」も活用されているとは言い難い。もちろん興味深い内容がない訳ではなく、きちんと編集すればもう少し良いものになっただろうに、残念である。
日本の音楽はそれなりに聴いており、特に本書に登場する70年代後半以降のアーティストや作品の多くを耳にしている自分がこのように感じるのだから、これらの音楽に興味のない方には更にお勧めできない。
とはいえ、巻末の相倉久人氏との対談は読み応えがある。ここでの牧村氏の発言は面白いので、全編対談形式だったら良かったのかもしれない。
2013年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
電子書籍にて購入。
1970年生まれの私にとっては1980年前後のYMOが出てきたあたりからリアルタイムで聴いていた音楽の裏話が読めて大変貴重、初めて知る話も多くあり大変楽しみました。
1980年よりも前の話も90年代に入った後にCD化された音源を聞いているので「こんな事あったのかー」と楽しんで読めました。
同じ音楽の趣味を持つ友人等に読ませたかったが「安いから」という理由で電子書籍で購入したことに凄く後悔しています。
1970年生まれの私にとっては1980年前後のYMOが出てきたあたりからリアルタイムで聴いていた音楽の裏話が読めて大変貴重、初めて知る話も多くあり大変楽しみました。
1980年よりも前の話も90年代に入った後にCD化された音源を聞いているので「こんな事あったのかー」と楽しんで読めました。
同じ音楽の趣味を持つ友人等に読ませたかったが「安いから」という理由で電子書籍で購入したことに凄く後悔しています。
2013年4月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっとかたよっているようなきもしますが、とうじのじょうきょうがわかっておもしろいです。