町山さんが、こわい映画9作品を取り上げ、
その構造、時代背景などを分析し、徹底解説しています。
こわい映画といっても取り上げているのは、スプラッター系の映画、怪物等を対象としたものではなく、
人間に内在する狂気、人間そのものの怖さをメインとした作品を取り上げています。
私自身、結構怖がりなくせして、こわい映画が大好きですから、
本書に取り上げられている「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」以下8作品はすべて観ています。
しかしここまでこだわって観ているわけではないので、さすが町山さんと感心しました!
特にナイト・オブ~、アメリカン・サイコ、テナント、等の時代背景の分析などは感心しました。
灘高校で銀の匙を3年間かけて教えた橋本先生を少し思い起こさせますね!
後本書にも出てきますが、D・クローネンバーグの「ザ・ブルード」「ヴィデオドローム」、
「ミザリー」「テキサス・チェーンソー」なども怖いですよ!
しかし、世の中で一番怖いのは、今回のコロナ禍でもわかるように、人間性、そして、狂気なのですから!!
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町山智浩のシネマトーク 怖い映画 単行本(ソフトカバー) – 2020/6/9
町山 智浩
(著)
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なぜ、人は「怖い映画」に惹かれるのか? 映画評論家・町山智浩が9本の「本当に怖い映画」を徹底解説。
作品に隠された「恐怖の仕組み」を解き明かす!
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
ゾンビを通して暴かれるアメリカのダークサイド
『カリガリ博士』
正気とは何か、狂気とは何か
『アメリカン・サイコ』
出口も善悪もない、永遠の荒野
『へレディタリー/継承』
運命から逃れることはできるのか
『ポゼッション』
世界を滅ぼすほどの悲痛な叫び
『テナント/恐怖を借りた男』
隠されたホロコースト
『血を吸うカメラ』
メディアに支配される人間
『たたり』
幽霊屋敷ホラーの古典は「何も見せずに」怖がらせる
『狩人の夜』
人が人を裁くということ
作品に隠された「恐怖の仕組み」を解き明かす!
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
ゾンビを通して暴かれるアメリカのダークサイド
『カリガリ博士』
正気とは何か、狂気とは何か
『アメリカン・サイコ』
出口も善悪もない、永遠の荒野
『へレディタリー/継承』
運命から逃れることはできるのか
『ポゼッション』
世界を滅ぼすほどの悲痛な叫び
『テナント/恐怖を借りた男』
隠されたホロコースト
『血を吸うカメラ』
メディアに支配される人間
『たたり』
幽霊屋敷ホラーの古典は「何も見せずに」怖がらせる
『狩人の夜』
人が人を裁くということ
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社スモール出版
- 発売日2020/6/9
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-10490515877X
- ISBN-13978-4905158776
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商品の説明
著者について
町山 智浩(まちやま・ともひろ)
1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『映画には「動機」がある 「最前線の映画」を読む Vol.2』(集英社インターナショナル)、『最も危険なアメリカ映画』(集英社文庫)、『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(スモール出版)などがある。
1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『映画には「動機」がある 「最前線の映画」を読む Vol.2』(集英社インターナショナル)、『最も危険なアメリカ映画』(集英社文庫)、『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(スモール出版)などがある。
登録情報
- 出版社 : スモール出版 (2020/6/9)
- 発売日 : 2020/6/9
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 490515877X
- ISBN-13 : 978-4905158776
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 190,114位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 103位映画論・映像論
- カスタマーレビュー:
著者について
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映画評論家、コラムニスト。1962年東京生まれ。早稲田大学法学部卒。宝島社社員を経て、洋泉社にて『映画秘宝』を創刊。現在カリフォルニア州バークレーに在住。TBSラジオ「たまむすび」レギュラー。週刊文春などにコラム連載中。映画評論の著作に『映画の見方がわかる本』『ブレードランナーの未来世紀』『トラウマ映画館』『トラウマ恋愛映画入門』など。アメリカについてのエッセイ集に『底抜け合衆国』『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』などがある。
イメージ付きのレビュー

4 星
怖い映画の洋画篇、邦画篇も是非
創刊した『映画秘宝』に載せた中原昌也(暴力温泉芸者)が書いた原稿を発端に、『キネマ旬報』とトラブルを起こして渡米、あちらで精力的に活動して根を張りつつある町山智浩のホラー映画エッセイ。 映画愛がないと訴える当時の“キネ旬”副編の主張はもっともだが、対象作品を徹底的にクサする中原の方法論も、映画愛の一つのスタイルなんだけどね。 まあ、事実誤認は執筆者及び編集サイドが、見逃してはならないミスではあるが、町山の逆上は他の理由が積み重なっていったプロセスにおける確信犯的なパフォーマンスではなかったか。 『ゾンビ』(1978)のジョージ・A・ロメロ、『ヘレディタリー/継承』(2018)や『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスターに直接インタヴューを行った一部も明かされ、平易な文章ながら興味深く読了させてもらった。 一例だけ挙げれば、P008~ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)のアイディアが、リチャード・マシスンの小説『地球最後の男』だったとは知らなんだと言うより、失念していた。 御本人から直接聞いたそうだから、おそらくそうなのだろうし、終末論的ウイルス感染小説を、コミさんこと田中小実昌が初訳で象徴的に表題をズバリ『吸血鬼』にしていたもんなあ。 この件で、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督作『2000人の狂人』(1964)に、言及されていないのは少し意外だったけど。 『地球~は』は御存知のように幾度か映画化されているが、個人的にとりわけ好きなのは、チャールトン・ヘストン主演の『地球最後の男オメガマン』(1971)。 あの全米ライフル協会会長だったヘストンは、若い頃は公民権運動の熱心な広告塔でもあって、その姿勢を反映したような『猿の惑星』(1968)、傑作『ソイレント・グリーン』(1973)というSFにも出演。 『~オメガマン』では誰もいない映画館の映写機を稼動させ、「超ロング・ランだな」とシニカルな台詞を言いつつ、『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970)を独りで観るシーンが忘れられない。 因みに文中に登場するマシスンのもう一つの佳作『縮みゆく男(人間)』は、核実験による酸性雨と殺虫剤等の化学変化で身体が縮む男の話であり、ここには書いていないが、一時はSFに凝り多元宇宙論、パラレル・ワールド等をも取り入れた反核作家大江健三郎の代表作、『洪水はわが魂に及び』の重要キャラ“縮む男”の元ネタだと思われる。 最もリキが入っていそうなのは、P042~ドイツ表現主義の原点映画『カリガリ博士』(1920)。 この映画はポストモダーンの重要な作家ドナルド・バーセルミにも影響を与え、処女短篇集のタイトルからして『帰れ、カリガリ博士』ということを補足しておきますね。 個人的に好きなのは、文中マーティン・スコセッシが“人生より表現欲求が先立つ”と共感する、P166~『血を吸うカメラ』(1960)、P210~俳優チャールズ・ロートン唯一の監督作であり、ジャンル分け不能(まるで『発狂する唇』?)、且つ興行収益が散々だったため以後映画を撮れなくなったという曰く付きの『狩人の夜』(1955)。 P066~『アメリカン・サイコ』(2000)は、言わずと知れた、ニュー・ロスト・ジェネレーションに属するブレット・イーストン・エリスの破綻した問題小説を原作とした作品。 一つの章を丸ごとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのアルバム評に費やす等、完成度を度外視した意欲的な小説で、もっと認められるべき作品だから、興味がある方々は手に取ってみてください。
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2020年7月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年3月13日に日本でレビュー済み
創刊した『映画秘宝』に載せた中原昌也(暴力温泉芸者)が書いた原稿を発端に、『キネマ旬報』とトラブルを起こして渡米、あちらで精力的に活動して根を張りつつある町山智浩のホラー映画エッセイ。
映画愛がないと訴える当時の“キネ旬”副編の主張はもっともだが、対象作品を徹底的にクサする中原の方法論も、映画愛の一つのスタイルなんだけどね。
まあ、事実誤認は執筆者及び編集サイドが、見逃してはならないミスではあるが、町山の逆上は他の理由が積み重なっていったプロセスにおける確信犯的なパフォーマンスではなかったか。
『ゾンビ』(1978)のジョージ・A・ロメロ、『ヘレディタリー/継承』(2018)や『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスターに直接インタヴューを行った一部も明かされ、平易な文章ながら興味深く読了させてもらった。
一例だけ挙げれば、P008~ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)のアイディアが、リチャード・マシスンの小説『地球最後の男』だったとは知らなんだと言うより、失念していた。
御本人から直接聞いたそうだから、おそらくそうなのだろうし、終末論的ウイルス感染小説を、コミさんこと田中小実昌が初訳で象徴的に表題をズバリ『吸血鬼』にしていたもんなあ。
この件で、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督作『2000人の狂人』(1964)に、言及されていないのは少し意外だったけど。
『地球~は』は御存知のように幾度か映画化されているが、個人的にとりわけ好きなのは、チャールトン・ヘストン主演の『地球最後の男オメガマン』(1971)。
あの全米ライフル協会会長だったヘストンは、若い頃は公民権運動の熱心な広告塔でもあって、その姿勢を反映したような『猿の惑星』(1968)、傑作『ソイレント・グリーン』(1973)というSFにも出演。
『~オメガマン』では誰もいない映画館の映写機を稼動させ、「超ロング・ランだな」とシニカルな台詞を言いつつ、『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970)を独りで観るシーンが忘れられない。
因みに文中に登場するマシスンのもう一つの佳作『縮みゆく男(人間)』は、核実験による酸性雨と殺虫剤等の化学変化で身体が縮む男の話であり、ここには書いていないが、一時はSFに凝り多元宇宙論、パラレル・ワールド等をも取り入れた反核作家大江健三郎の代表作、『洪水はわが魂に及び』の重要キャラ“縮む男”の元ネタだと思われる。
最もリキが入っていそうなのは、P042~ドイツ表現主義の原点映画『カリガリ博士』(1920)。
この映画はポストモダーンの重要な作家ドナルド・バーセルミにも影響を与え、処女短篇集のタイトルからして『帰れ、カリガリ博士』ということを補足しておきますね。
個人的に好きなのは、文中マーティン・スコセッシが“人生より表現欲求が先立つ”と共感する、P166~『血を吸うカメラ』(1960)、P210~俳優チャールズ・ロートン唯一の監督作であり、ジャンル分け不能(まるで『発狂する唇』?)、且つ興行収益が散々だったため以後映画を撮れなくなったという曰く付きの『狩人の夜』(1955)。
P066~『アメリカン・サイコ』(2000)は、言わずと知れた、ニュー・ロスト・ジェネレーションに属するブレット・イーストン・エリスの破綻した問題小説を原作とした作品。
一つの章を丸ごとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのアルバム評に費やす等、完成度を度外視した意欲的な小説で、もっと認められるべき作品だから、興味がある方々は手に取ってみてください。
映画愛がないと訴える当時の“キネ旬”副編の主張はもっともだが、対象作品を徹底的にクサする中原の方法論も、映画愛の一つのスタイルなんだけどね。
まあ、事実誤認は執筆者及び編集サイドが、見逃してはならないミスではあるが、町山の逆上は他の理由が積み重なっていったプロセスにおける確信犯的なパフォーマンスではなかったか。
『ゾンビ』(1978)のジョージ・A・ロメロ、『ヘレディタリー/継承』(2018)や『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスターに直接インタヴューを行った一部も明かされ、平易な文章ながら興味深く読了させてもらった。
一例だけ挙げれば、P008~ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)のアイディアが、リチャード・マシスンの小説『地球最後の男』だったとは知らなんだと言うより、失念していた。
御本人から直接聞いたそうだから、おそらくそうなのだろうし、終末論的ウイルス感染小説を、コミさんこと田中小実昌が初訳で象徴的に表題をズバリ『吸血鬼』にしていたもんなあ。
この件で、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督作『2000人の狂人』(1964)に、言及されていないのは少し意外だったけど。
『地球~は』は御存知のように幾度か映画化されているが、個人的にとりわけ好きなのは、チャールトン・ヘストン主演の『地球最後の男オメガマン』(1971)。
あの全米ライフル協会会長だったヘストンは、若い頃は公民権運動の熱心な広告塔でもあって、その姿勢を反映したような『猿の惑星』(1968)、傑作『ソイレント・グリーン』(1973)というSFにも出演。
『~オメガマン』では誰もいない映画館の映写機を稼動させ、「超ロング・ランだな」とシニカルな台詞を言いつつ、『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970)を独りで観るシーンが忘れられない。
因みに文中に登場するマシスンのもう一つの佳作『縮みゆく男(人間)』は、核実験による酸性雨と殺虫剤等の化学変化で身体が縮む男の話であり、ここには書いていないが、一時はSFに凝り多元宇宙論、パラレル・ワールド等をも取り入れた反核作家大江健三郎の代表作、『洪水はわが魂に及び』の重要キャラ“縮む男”の元ネタだと思われる。
最もリキが入っていそうなのは、P042~ドイツ表現主義の原点映画『カリガリ博士』(1920)。
この映画はポストモダーンの重要な作家ドナルド・バーセルミにも影響を与え、処女短篇集のタイトルからして『帰れ、カリガリ博士』ということを補足しておきますね。
個人的に好きなのは、文中マーティン・スコセッシが“人生より表現欲求が先立つ”と共感する、P166~『血を吸うカメラ』(1960)、P210~俳優チャールズ・ロートン唯一の監督作であり、ジャンル分け不能(まるで『発狂する唇』?)、且つ興行収益が散々だったため以後映画を撮れなくなったという曰く付きの『狩人の夜』(1955)。
P066~『アメリカン・サイコ』(2000)は、言わずと知れた、ニュー・ロスト・ジェネレーションに属するブレット・イーストン・エリスの破綻した問題小説を原作とした作品。
一つの章を丸ごとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのアルバム評に費やす等、完成度を度外視した意欲的な小説で、もっと認められるべき作品だから、興味がある方々は手に取ってみてください。

創刊した『映画秘宝』に載せた中原昌也(暴力温泉芸者)が書いた原稿を発端に、『キネマ旬報』とトラブルを起こして渡米、あちらで精力的に活動して根を張りつつある町山智浩のホラー映画エッセイ。
映画愛がないと訴える当時の“キネ旬”副編の主張はもっともだが、対象作品を徹底的にクサする中原の方法論も、映画愛の一つのスタイルなんだけどね。
まあ、事実誤認は執筆者及び編集サイドが、見逃してはならないミスではあるが、町山の逆上は他の理由が積み重なっていったプロセスにおける確信犯的なパフォーマンスではなかったか。
『ゾンビ』(1978)のジョージ・A・ロメロ、『ヘレディタリー/継承』(2018)や『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスターに直接インタヴューを行った一部も明かされ、平易な文章ながら興味深く読了させてもらった。
一例だけ挙げれば、P008~ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)のアイディアが、リチャード・マシスンの小説『地球最後の男』だったとは知らなんだと言うより、失念していた。
御本人から直接聞いたそうだから、おそらくそうなのだろうし、終末論的ウイルス感染小説を、コミさんこと田中小実昌が初訳で象徴的に表題をズバリ『吸血鬼』にしていたもんなあ。
この件で、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督作『2000人の狂人』(1964)に、言及されていないのは少し意外だったけど。
『地球~は』は御存知のように幾度か映画化されているが、個人的にとりわけ好きなのは、チャールトン・ヘストン主演の『地球最後の男オメガマン』(1971)。
あの全米ライフル協会会長だったヘストンは、若い頃は公民権運動の熱心な広告塔でもあって、その姿勢を反映したような『猿の惑星』(1968)、傑作『ソイレント・グリーン』(1973)というSFにも出演。
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最もリキが入っていそうなのは、P042~ドイツ表現主義の原点映画『カリガリ博士』(1920)。
この映画はポストモダーンの重要な作家ドナルド・バーセルミにも影響を与え、処女短篇集のタイトルからして『帰れ、カリガリ博士』ということを補足しておきますね。
個人的に好きなのは、文中マーティン・スコセッシが“人生より表現欲求が先立つ”と共感する、P166~『血を吸うカメラ』(1960)、P210~俳優チャールズ・ロートン唯一の監督作であり、ジャンル分け不能(まるで『発狂する唇』?)、且つ興行収益が散々だったため以後映画を撮れなくなったという曰く付きの『狩人の夜』(1955)。
P066~『アメリカン・サイコ』(2000)は、言わずと知れた、ニュー・ロスト・ジェネレーションに属するブレット・イーストン・エリスの破綻した問題小説を原作とした作品。
一つの章を丸ごとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのアルバム評に費やす等、完成度を度外視した意欲的な小説で、もっと認められるべき作品だから、興味がある方々は手に取ってみてください。
映画愛がないと訴える当時の“キネ旬”副編の主張はもっともだが、対象作品を徹底的にクサする中原の方法論も、映画愛の一つのスタイルなんだけどね。
まあ、事実誤認は執筆者及び編集サイドが、見逃してはならないミスではあるが、町山の逆上は他の理由が積み重なっていったプロセスにおける確信犯的なパフォーマンスではなかったか。
『ゾンビ』(1978)のジョージ・A・ロメロ、『ヘレディタリー/継承』(2018)や『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスターに直接インタヴューを行った一部も明かされ、平易な文章ながら興味深く読了させてもらった。
一例だけ挙げれば、P008~ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)のアイディアが、リチャード・マシスンの小説『地球最後の男』だったとは知らなんだと言うより、失念していた。
御本人から直接聞いたそうだから、おそらくそうなのだろうし、終末論的ウイルス感染小説を、コミさんこと田中小実昌が初訳で象徴的に表題をズバリ『吸血鬼』にしていたもんなあ。
この件で、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督作『2000人の狂人』(1964)に、言及されていないのは少し意外だったけど。
『地球~は』は御存知のように幾度か映画化されているが、個人的にとりわけ好きなのは、チャールトン・ヘストン主演の『地球最後の男オメガマン』(1971)。
あの全米ライフル協会会長だったヘストンは、若い頃は公民権運動の熱心な広告塔でもあって、その姿勢を反映したような『猿の惑星』(1968)、傑作『ソイレント・グリーン』(1973)というSFにも出演。
『~オメガマン』では誰もいない映画館の映写機を稼動させ、「超ロング・ランだな」とシニカルな台詞を言いつつ、『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』(1970)を独りで観るシーンが忘れられない。
因みに文中に登場するマシスンのもう一つの佳作『縮みゆく男(人間)』は、核実験による酸性雨と殺虫剤等の化学変化で身体が縮む男の話であり、ここには書いていないが、一時はSFに凝り多元宇宙論、パラレル・ワールド等をも取り入れた反核作家大江健三郎の代表作、『洪水はわが魂に及び』の重要キャラ“縮む男”の元ネタだと思われる。
最もリキが入っていそうなのは、P042~ドイツ表現主義の原点映画『カリガリ博士』(1920)。
この映画はポストモダーンの重要な作家ドナルド・バーセルミにも影響を与え、処女短篇集のタイトルからして『帰れ、カリガリ博士』ということを補足しておきますね。
個人的に好きなのは、文中マーティン・スコセッシが“人生より表現欲求が先立つ”と共感する、P166~『血を吸うカメラ』(1960)、P210~俳優チャールズ・ロートン唯一の監督作であり、ジャンル分け不能(まるで『発狂する唇』?)、且つ興行収益が散々だったため以後映画を撮れなくなったという曰く付きの『狩人の夜』(1955)。
P066~『アメリカン・サイコ』(2000)は、言わずと知れた、ニュー・ロスト・ジェネレーションに属するブレット・イーストン・エリスの破綻した問題小説を原作とした作品。
一つの章を丸ごとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのアルバム評に費やす等、完成度を度外視した意欲的な小説で、もっと認められるべき作品だから、興味がある方々は手に取ってみてください。
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2021年1月27日に日本でレビュー済み
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ホラー映画が大好きなのでとても楽しめました。
そして町山さんが取り上げているホラー映画1つ1つに対する知識と情報量が深すぎて感動…ますますファンになりました。
そして町山さんが取り上げているホラー映画1つ1つに対する知識と情報量が深すぎて感動…ますますファンになりました。
2020年6月30日に日本でレビュー済み
私が敬愛する映画評論家・町山智浩氏の最新刊は、中野京子『
怖い絵
』の映画版といった趣向の一冊です。
ただし中野氏の著作がちょっと見には怖い絵とは感じられない絵画作品も制作背景やモチーフを知れば怖さが増してくると教えてくれるものである一方、町山氏の著作が取り上げるのはそもそもホラーにジャンル分けされている映画ですから怖いに決まっている映画ばかりです。ただし、なぜ監督や脚本家はそんな怖い映画を作ったのか、または意味不明のシーンに込められた彼らの意図は何なのかを読み解いていくのが特徴です。
大変驚いたのは、往年のドイツ映画『カリガリ博士』の研究書『 カリガリからヒトラーへ 』に書かれていることが出鱈目だという指摘です。そもそも1921年の映画『カリガリ博士』はずっと後に抬頭するナチズムの批判であるはずがないし、エピローグがあとから付け足されたものだとする著名な主張も実はどうもそうではないというのです。なぁんだ、私も完全にあの映画はナチズム批判の映画だと思い込まされていました。
それにしてもアメリカ映画の読み解きには、やはり聖書やキリスト教の知識が欠かせないようですね。
映画『ディア・ハンター』の主人公たちはロシア系青年たちであることが重要。ロシア正教を信じる彼らは祖国がソビエト共産化したことに対して反発心が強かったため、アメリカのベトナム戦争を支持したというのです。高校1年生のときにあの映画を見たとき、デニーロ主演なのでついついイタリア系アメリカ人の話だと思い込んでいました。
そのほかにも『ポゼッション』のらせん階段が「ヤコブの梯子」だの、『テナント』の汚物をドアになすりつける場面は「過ぎ越し」のパロディだのといった解釈は、日本人読者にはなかなかたどり着けそうにありません。
町山氏には今後も健筆をふるっていただきたいものです。
--------------------
*61頁:「彼女がを目覚ますと」という記述がありますが、正しくは「彼女が目を覚ますと」です。助詞「を」の位置がずれています。
*234頁:フリッツ・ラング監督の1931年の映画『M』は「「Murderer(人殺し)」の頭文字です」とありますが、正しくは「「Mörder(人殺し)」の頭文字です」。この映画は戦前のドイツ映画で、正式名はドイツ語で「M – Eine Stadt sucht einen Mörder」(M-都市(まち)は殺人者を追う)といいます。
.
ただし中野氏の著作がちょっと見には怖い絵とは感じられない絵画作品も制作背景やモチーフを知れば怖さが増してくると教えてくれるものである一方、町山氏の著作が取り上げるのはそもそもホラーにジャンル分けされている映画ですから怖いに決まっている映画ばかりです。ただし、なぜ監督や脚本家はそんな怖い映画を作ったのか、または意味不明のシーンに込められた彼らの意図は何なのかを読み解いていくのが特徴です。
大変驚いたのは、往年のドイツ映画『カリガリ博士』の研究書『 カリガリからヒトラーへ 』に書かれていることが出鱈目だという指摘です。そもそも1921年の映画『カリガリ博士』はずっと後に抬頭するナチズムの批判であるはずがないし、エピローグがあとから付け足されたものだとする著名な主張も実はどうもそうではないというのです。なぁんだ、私も完全にあの映画はナチズム批判の映画だと思い込まされていました。
それにしてもアメリカ映画の読み解きには、やはり聖書やキリスト教の知識が欠かせないようですね。
映画『ディア・ハンター』の主人公たちはロシア系青年たちであることが重要。ロシア正教を信じる彼らは祖国がソビエト共産化したことに対して反発心が強かったため、アメリカのベトナム戦争を支持したというのです。高校1年生のときにあの映画を見たとき、デニーロ主演なのでついついイタリア系アメリカ人の話だと思い込んでいました。
そのほかにも『ポゼッション』のらせん階段が「ヤコブの梯子」だの、『テナント』の汚物をドアになすりつける場面は「過ぎ越し」のパロディだのといった解釈は、日本人読者にはなかなかたどり着けそうにありません。
町山氏には今後も健筆をふるっていただきたいものです。
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*61頁:「彼女がを目覚ますと」という記述がありますが、正しくは「彼女が目を覚ますと」です。助詞「を」の位置がずれています。
*234頁:フリッツ・ラング監督の1931年の映画『M』は「「Murderer(人殺し)」の頭文字です」とありますが、正しくは「「Mörder(人殺し)」の頭文字です」。この映画は戦前のドイツ映画で、正式名はドイツ語で「M – Eine Stadt sucht einen Mörder」(M-都市(まち)は殺人者を追う)といいます。
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2022年11月4日に日本でレビュー済み
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、『カリガリ博士』、『アメリカン・サイコ』、『ヘレディタリー/継承』、『ポゼッション』、『テナント/恐怖を借りた男』、『血を吸うカメラ』、『たたり』、『狩人の夜』の9作品を取り上げ、作品の解説、監督やキャストの紹介、作品の評価、作品が生まれた社会状況などについて言及しており、一つの作品の中にも非常に複雑で多層な事情が組み込まれていることが理解できます。
その他にもこれらの作品が影響を受けた先行作品、影響を及ぼした後継作品なども多数紹介されており、未見の作品も知ることもでき勉強になりました。
奇をてらわず楽しく気軽に読めます。映画好きの方であればどなたにでもお勧めできます。
その他にもこれらの作品が影響を受けた先行作品、影響を及ぼした後継作品なども多数紹介されており、未見の作品も知ることもでき勉強になりました。
奇をてらわず楽しく気軽に読めます。映画好きの方であればどなたにでもお勧めできます。
2020年6月10日に日本でレビュー済み
天下の町山 智浩サンでも、コワい映画があるのかね。
俺ぁ、『となりのトトロ』がコワいと思うな。
俺ぁ、『となりのトトロ』がコワいと思うな。
2020年7月12日に日本でレビュー済み
アメリカンサイコとナイト・オブ・ザ・リビングデッドしか見たこと有りませんがその解説だけでも読む価値は有りました。
特にアメリカンサイコはどこまでが妄想でどこまでが現実かとかよく分からないままだったので解説のおかげでスッキリしました。
特にアメリカンサイコはどこまでが妄想でどこまでが現実かとかよく分からないままだったので解説のおかげでスッキリしました。
2021年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味の対象外なのに、一気に読んだ。流石は町山さん。普段観ない分野の映画でさえ、関心が持てるような気がしてきました。