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星兎 単行本 – 1999/5/27
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- 本の長さ159ページ
- 言語日本語
- 出版社エフ企画
- 発売日1999/5/27
- ISBN-104894192128
- ISBN-13978-4894192126
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : エフ企画 (1999/5/27)
- 発売日 : 1999/5/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 159ページ
- ISBN-10 : 4894192128
- ISBN-13 : 978-4894192126
- Amazon 売れ筋ランキング: - 51,604位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,328位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
千葉県立千葉高等学校卒。外務省、広告制作会社勤務、フリーランスのコピーライターを経て、1986年、毎日童話新人賞を受賞、童話作家としてデビュー。以後、童話・絵本・小説・ノンフィクションと幅広く活躍。2006年より奈良市在住。
http://ryomichico.net/
1991〜1997年、衛星放送ラジオ局「セント・ギガ」に600篇以上の詩を提供。
1992年、野辺山宇宙電波観測所十周年記念絵本『ほしがうたっている』(絵・高橋常政、思索社)を制作。
2004年、兵庫県立西はりま天文台の2メートル望遠鏡「なゆた」完成記念絵本『遠くをみたい 星の贈りもの』(画・東逸子、パロル舎)を制作。
2005年、大人を主人公とした最初の小説『楽園の鳥 カルカッタ幻想曲』(講談社)が第33回泉鏡花文学賞を受賞。同年、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構の助成を受けて制作した絵本『イオマンテ めぐるいのちの贈り物』(画・小林敏也、パロル舎)が小学館児童出版文化賞候補作に選出。
上記以外の作品に、子どもを主人公とした小説『小惑星美術館』『ラジオスターレストラン』『ノスタルギガンテス』『星兎』(以上パロル舎)『夢見る水の王国』(角川書店)、先住民文化関連絵本『父は空 母は大地 インディアンからの手紙』『おおかみのこがはしってきて』(いずれもパロル舎)、絵本『黒い太陽のおはなし 日食の科学と神話』(絵・佐竹美保、小学館)、ノンフィクション『マザー・テレサへの旅 ボランティアってだれのため?』(学研)『しあわせの王様 全身麻痺のALSを生きる舩後靖彦の挑戦』(小学館)など。
幼稚園・保育園向けの月刊絵本誌でも数多くの作品を発表し続けている。それらの中から絵本『おおきくなったらなんになる?』(鈴木出版)『ほしのメリーゴーランド』(フレーベル館)などが単行本化されている。アジア各国で翻訳出版された作品も多い。
金沢歌劇座で2012年に上演されたオペラ「ラジオスターレストラン 星の記憶」では原作・脚本を担当した。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ここで再会できたこと、絶版にも関わらず新品で手に入れられたことに感謝します。ありがとうございました。
主人公の少年ユーリはある日、街中で等身大の喋るうさぎと出会い、声をかけられたことに戸惑いつつも一緒にドーナツ店に入ります。
ドーナツを食べ終えたうさぎが「ぼくがおごる」と言って取り出したのは、クラブ・ソーダの瓶の蓋。このあとに続くうさぎの一連の台詞はどれも印象的です。
「ぼくの宝物なんだ。(中略)いつ見ても、なんてきれいなんだろうって思っちゃう」
「でもね、きみときょうドーナツ食べられたこと、もっと大きな宝物だから、ぼく、これで払うの」
「ねえ、どうしてきれいなだけじゃだめなの?この世界では」
本来の「対価」とはこういうことではないでしょうか。
後半、埠頭で不可思議な夜店を見てまわるユーリとうさぎ。この夜店の描写から溢れるノスタルジーに強く惹かれると同時に、子どもの頃に見ていたはずの世界を垣間見た気がしました。
こよりで釣り上げるヨーヨーや、色とりどりのスーパーボールは、幼い私にとっては世界中の不思議と綺麗が詰まった、文字通り夢のような宝物でした。それは決して、ただの水風船や着色されたゴムボールなどではありませんでした。
本書は、幻想的で美しいと同時に、絶えずやさしく血が通っています。
この素晴らしい物語への対価として差し出したい、私にとっての「クラブ・ソーダの王冠」にあたる一番の宝物は何だろうか。そんなことを考えるのも読み終えたあとの楽しみではないでしょうか。
それを言葉にすると全て物足りない感じで、
すぐにまた、何度も読み返してしまいました。
死とは?生とは?存在とは?
そういったテーマが見事に描かれています。
寮美千子さんという素晴らしい作家と出逢えた事を
心から感謝します。
この本はうさぎとユーリという名の少年の物語です。
うさぎといってもこのうさぎは
人間の大人位の大きさで、二本足で歩き、
人の言葉をしゃべるうさぎです。
ユーリは12、3歳位の男の子です。
この2人?の突然の出逢いから話が進んでいきます。
作中で作者は、大人というものは
「そこにあるものじゃなくて、あるはずのものを見てしまう。」
ものだと書いています。
この『星兎』は、そんな「あるもの」をあるがままに見る事を忘れた
私たち大人の心に贈られた、
星のような言葉が煌くファンタジーだと言えます。
皆さん、是非、読んで感動を味わってください。
真夜中のドーナツ屋、春の夕日が沈む埠頭、きらきらした綿菓子等を売る夜店、波音が砕けるバイオリン。
缶の穴から覗きみたドロップの煌めきのよう、始終やわらかな甘い気持ちで満たされます。
本を読みながら自分も、うさぎと僕のいる場所に行きたくなりました。
いつの間にか色褪せてしまったものが本の中で息づいて、子供の頃のようなわくわくを呼び起こします。世界はたしかに特別でした。
こんなに瑞々しい文章を書くことができる人がいるなら、地上に取り残されて大人になっていくことも、さびしいだけではないのかもしれません。
「忘れなくてすむんなら、宇宙が終わるまで忘れない」
あまり馴染みのなかったシナモンシュガーの匂いまで、懐かしいです。
多重の意味を持たせようとした帯の言葉よりはずっとずっと「残酷」な
話でもあり、またその「残酷」を星の高みにまで(もしくはそれよりも高く高く)
昇華した作品であるようにも感じます。
節ごとの繋がり方、いつも不安で何か予感の付きまとう構成も素晴らしかったです。