始めこの写真を見てびっくりしました。そして、次にページを開いて「再生」と名付けられた、女性がまるで蝶に変身して女神になったような作品には、思わず美しさにため息が出て、これが水中の普通の人の目に触れられない場所にあることを惜しむ気持ちになりました。
それにしても、「静かなる進化」の大工さんや、「火のついた男」のリアルな表現にも舌を巻きました。
でも、文章の部分を読んでなぞは解けました。なぜならモデルから石膏で型どりをしたまさに作品と言っても、造形はモデルの人の生きた姿そのものだったと知ったからです。でも、それを知った後でも、逆にこの作品を作ったジェイソン・デカイレス・テイラーの芸術作品を生み出す力量への評価が下がったりはしませんでした。美しさや人生を滲ませた人々のオブジェをどう配置し、長期に水中に保全サンゴとかと融和させること、設置の努力というプロジェクト全体を考えても、凄い人だなと思いました。
しかも、この作品の作られた動機が、シュノーケリングで天然のサンゴ礁の状態が悪化して、人々の注意をその海域への集中から逸らす意図があったというのを知って、さらに素晴らしいと思えました。
それにしても、この本の表紙は、「再生」の女神のような美しい姿にすれば、もっと人々に注目されたと思いました。
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