もののけ姫の意味の議論から始まり、日本の歴史、人々、民俗等を
多角的視点で論じてあり、なるほどと思うことがたくさんあった。
仲間との読み合わせも楽しい

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新版 歴史の中で語られてこなかったこと (歴史新書y) 新書 – 2012/6/6
- 本の長さ283ページ
- 言語日本語
- 出版社洋泉社
- 発売日2012/6/6
- ISBN-10486248963X
- ISBN-13978-4862489630
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登録情報
- 出版社 : 洋泉社 (2012/6/6)
- 発売日 : 2012/6/6
- 言語 : 日本語
- 新書 : 283ページ
- ISBN-10 : 486248963X
- ISBN-13 : 978-4862489630
- Amazon 売れ筋ランキング: - 875,429位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 160位新書y
- - 5,784位歴史ノンフィクション
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
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3グローバルレーティング
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月25日に日本でレビュー済み
けっこう古い対談をまとめた本です。だからといって時代遅れな訳でもなく、民俗学、歴史学を知る上で最良の書だと思います。
稲作、百姓、水呑み…教科書が教えない日本を掘り起こす学者と、広めようとする学者。対談の端々に読み取れる寂寥感。新しい世代にたいする期待。
読み終わったあと、水田風景が違う意味を持ち出しました。
ところで、このままの評価なら星満点なのですが、途中で司馬遼太郎の明治維新評価をけなしているところがあり、司馬史観に学生時代染まった自分としては、どうしても許せず星を一つ削りました。
稲作、百姓、水呑み…教科書が教えない日本を掘り起こす学者と、広めようとする学者。対談の端々に読み取れる寂寥感。新しい世代にたいする期待。
読み終わったあと、水田風景が違う意味を持ち出しました。
ところで、このままの評価なら星満点なのですが、途中で司馬遼太郎の明治維新評価をけなしているところがあり、司馬史観に学生時代染まった自分としては、どうしても許せず星を一つ削りました。
2012年8月14日に日本でレビュー済み
宮崎駿の傑作「もののけ姫」が、
網野善彦氏の研究成果であるところの、日本中世社会の新たなイメージをふんだんに生かしながら作られていることは、よく知られた事実です。
というわけで、「もののけ姫」の話題から始まるこの対談集は、小さな冊子ながら、
網野氏の歴史観はもちろん、その人柄までうかがい知ることのできる、中味の濃い一冊になっています。
非常に読みやすい本ではあるのですが、
内容をきちんと理解するにはやはり、日本史の知識がかなり必要であり、
普段このテの本をあまり読みつけぬ人が歴史の入門書として使うには、適当ではないように思われます。
また、それ以外のところでも初心者向きではないと感じられるのは、
収録された対談全般を通して、網野氏があまりにも自信たっぷりに自説を主張する一方、
対立する論敵には極めて手厳しい批判を繰り返していることなのです。
多くの論敵に囲まれ、孤軍奮闘を続けておられた氏の立場を思えば、言動が攻撃的になるのは仕方のないことではあります。
ですが、あまり歴史に詳しくない人が網野氏の言い分を鵜呑みにし、
氏の論敵の考えなり著作なりを誤ったものとして、ろくに読みもせずに遠ざけ、おとしめるようになるとすれば、それはやはり問題です。
歴史とは、再現するのにどんなものさしを使うかによって、まるで異なる景色が見えてくるものです。
網野氏の作りだしたものさしは確かに、シロウト目にも、かつてないほど豊かで魅力的な中世社会を描き出してみせましたが、
そのものさしとて、百パーセント正しいものだとは決して言いきれません。
網野氏が提示し得ているのはあくまでも、網野流の歴史を見る視点であって、絶対的な歴史の真実ではないということを、
読者は改めて胸に言い聞かせる必要があると思います。
網野氏のおっしゃることがいかに面白く、いかに魅力的であろうと、網野善彦しか読まない読者になってはいけない。
それが少々皮肉ではありますが、この充実した対談集を読み終えた後で私が得た、正直な感想です。
網野善彦氏の研究成果であるところの、日本中世社会の新たなイメージをふんだんに生かしながら作られていることは、よく知られた事実です。
というわけで、「もののけ姫」の話題から始まるこの対談集は、小さな冊子ながら、
網野氏の歴史観はもちろん、その人柄までうかがい知ることのできる、中味の濃い一冊になっています。
非常に読みやすい本ではあるのですが、
内容をきちんと理解するにはやはり、日本史の知識がかなり必要であり、
普段このテの本をあまり読みつけぬ人が歴史の入門書として使うには、適当ではないように思われます。
また、それ以外のところでも初心者向きではないと感じられるのは、
収録された対談全般を通して、網野氏があまりにも自信たっぷりに自説を主張する一方、
対立する論敵には極めて手厳しい批判を繰り返していることなのです。
多くの論敵に囲まれ、孤軍奮闘を続けておられた氏の立場を思えば、言動が攻撃的になるのは仕方のないことではあります。
ですが、あまり歴史に詳しくない人が網野氏の言い分を鵜呑みにし、
氏の論敵の考えなり著作なりを誤ったものとして、ろくに読みもせずに遠ざけ、おとしめるようになるとすれば、それはやはり問題です。
歴史とは、再現するのにどんなものさしを使うかによって、まるで異なる景色が見えてくるものです。
網野氏の作りだしたものさしは確かに、シロウト目にも、かつてないほど豊かで魅力的な中世社会を描き出してみせましたが、
そのものさしとて、百パーセント正しいものだとは決して言いきれません。
網野氏が提示し得ているのはあくまでも、網野流の歴史を見る視点であって、絶対的な歴史の真実ではないということを、
読者は改めて胸に言い聞かせる必要があると思います。
網野氏のおっしゃることがいかに面白く、いかに魅力的であろうと、網野善彦しか読まない読者になってはいけない。
それが少々皮肉ではありますが、この充実した対談集を読み終えた後で私が得た、正直な感想です。