網野善彦ほか『「日本」をめぐって―網野善彦対談集』洋泉社、新書
対談者の顔ぶれは、田中優子、樺山紘一、成田龍一、三浦雅士、姜尚中、小熊英二（敬称略）となっております。とっても勉強になる対談ばかり。
とりわけても小熊さんとの対談は、緊張感漂う、とっても刺激的なものです。小熊さんの対談集『対話の回路―小熊英二対談集』（新曜社、2005年）にも網野さんとの同じ対談が載せられていたから、この対談を読むのは二度目です。なんだけども、やっぱり、とっても面白かったし、以前よりも刺激的でした。これは、きっとぼく自身が、ほんのちょっぴりではあるものの、成長したからなんだと思います。
最後には、網野さんの歴史観に話は及び、「歴史学、そして歴史叙述は、「物語」などではありません」と白熱します。その歴史に対する姿勢たるや、生半可なものではありません。けっして鋭敏な理論家ではないのですが。非常に大胆であると同時に、ものすごく慎重でもある。まさに「歴史家」という感じです。こういう人に、ぼくはとっても弱いのです。ただただ、あこがれちゃいます。
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