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《日本の思想》講義――ネット時代に、丸山眞男を熟読する 単行本 – 2012/8/9
仲正 昌樹
(著)
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破滅する政治、蔓延する無責任、加速するイメージ支配……そして、なんでも「2.0」でいいのか?
戦後の古典を、今一度紐解き、なぜ、この国では「熟議」「公共性」「自由」「正義」「民主主義」などが、本当の意味で根付かないのかを徹底分析、〈思想する〉ことを鍛える集中授業!
戦後の古典を、今一度紐解き、なぜ、この国では「熟議」「公共性」「自由」「正義」「民主主義」などが、本当の意味で根付かないのかを徹底分析、〈思想する〉ことを鍛える集中授業!
- 本の長さ336ページ
- 言語日本語
- 出版社作品社
- 発売日2012/8/9
- 寸法13.2 x 2.3 x 19.1 cm
- ISBN-10486182396X
- ISBN-13978-4861823961
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登録情報
- 出版社 : 作品社 (2012/8/9)
- 発売日 : 2012/8/9
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 336ページ
- ISBN-10 : 486182396X
- ISBN-13 : 978-4861823961
- 寸法 : 13.2 x 2.3 x 19.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 234,718位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2020年1月14日に日本でレビュー済み
「日本の思想」全体を万遍なく解説するのではなく、「Ⅰ 日本の思想」の説明に3分の2を当て、残りで「Ⅲ 思想のあり方について」と「Ⅳ 「である」ことと「する」こと」を解説していて「Ⅱ 近代日本の思想と文学」にはほとんど触れていませんでした。今に生きる考え方を抽出して解説するにはなかなかいい配分だなと思いました。個人的には「Ⅱ 近代日本の思想と文学」が一番理解しづらかったので解説してほしかったところですが。
「日本の思想」に登場する人物だけでなく、類似した考え方も併せて解説されていてより分かり易く幅をもって学べて良かったです。
ちょこちょこ出てくる自称ネット思想家やテレビによく出てくるコメンテーターに対する批判が的を得ていて同意できました。
「日本の思想」に登場する人物だけでなく、類似した考え方も併せて解説されていてより分かり易く幅をもって学べて良かったです。
ちょこちょこ出てくる自称ネット思想家やテレビによく出てくるコメンテーターに対する批判が的を得ていて同意できました。
2015年4月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「自由」「民主主義」「正義」は、本当の意味で日本に根付いていない。
そのことを丸山 眞男の代表作の一つ『日本の思想』をテキストにして徹底分析し、
思想することの重要性を説いた書。
2011年に行われた著者の連続講義を再編集したもの。
難解な『日本の思想』を噛み砕いて説明するだけでなく、
思想・哲学史の基礎用語や重要人物についてしっかり補足。
また巻末には、参考文献が解説付きで列挙されている。
こうした配慮はとてもありがたい。
おかげで多少理解を深めることができた。
第6回講義の最後、学問の存在意義に関する質疑応答が印象的だった。
著者は、学者が現実離れするのはやむを得ないことで、
学者はそのことを恐れてはいけないと言う。
ならば学者は、せめて一般の人間が理解できるよう、
もう少し平易な言葉でその成果知識を伝えてほしい。
読み手の怠慢を棚に上げるわけではないが、
思想・哲学の本は文章が難解で敷居が高すぎる。
そのことを丸山 眞男の代表作の一つ『日本の思想』をテキストにして徹底分析し、
思想することの重要性を説いた書。
2011年に行われた著者の連続講義を再編集したもの。
難解な『日本の思想』を噛み砕いて説明するだけでなく、
思想・哲学史の基礎用語や重要人物についてしっかり補足。
また巻末には、参考文献が解説付きで列挙されている。
こうした配慮はとてもありがたい。
おかげで多少理解を深めることができた。
第6回講義の最後、学問の存在意義に関する質疑応答が印象的だった。
著者は、学者が現実離れするのはやむを得ないことで、
学者はそのことを恐れてはいけないと言う。
ならば学者は、せめて一般の人間が理解できるよう、
もう少し平易な言葉でその成果知識を伝えてほしい。
読み手の怠慢を棚に上げるわけではないが、
思想・哲学の本は文章が難解で敷居が高すぎる。
2015年2月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
戦後の古典というべき丸山真男の「日本の思想」を解説した本です。
古典的な著作は、予備知識なしにいきなり読んでも容易に理解できない事が多く、優れた入門書や解説書を併読することが必要です。
仲正氏は、類書をいくつも出版されておられますが、この本も良心的な好著です。
例えば、「日本の思想」の157ページには、「身分社会を打破し、概念実在論を唯名論を転回させ」という一説がありますが、仲正氏は、これをわかりやすく説明したうえで(本書279ページ)、一般向けの参考文献を紹介されています。このような解説が哲学の知識が十分でない私の様な一般人にとってどれほどありがたいことか。
特に、大学の教養課程の学生にお薦めします。是非、本書とともに「日本の思想」を読んでみてください。
古典的な著作は、予備知識なしにいきなり読んでも容易に理解できない事が多く、優れた入門書や解説書を併読することが必要です。
仲正氏は、類書をいくつも出版されておられますが、この本も良心的な好著です。
例えば、「日本の思想」の157ページには、「身分社会を打破し、概念実在論を唯名論を転回させ」という一説がありますが、仲正氏は、これをわかりやすく説明したうえで(本書279ページ)、一般向けの参考文献を紹介されています。このような解説が哲学の知識が十分でない私の様な一般人にとってどれほどありがたいことか。
特に、大学の教養課程の学生にお薦めします。是非、本書とともに「日本の思想」を読んでみてください。
2021年2月27日に日本でレビュー済み
様々な学問がおおもとでつながっている。そして日本の学問、哲学はそのおおもとのつながりが途切れた状態で、西欧から輸入したせいで、現代、諸学の分断が起こっている。政治学と経済学の間など、もともと西欧ではギリシャ哲学やキリスト教などのベースの上にあるから、別々の専門であっても対話が成り立つ。しかし日本の場合は、そのベースの部分を持たないまま、発展してきたために、個々の学問がその中でのみまとまりを強めて、他との相互の関係を持てなくなっているという。昨今の学際にもけっこう辛辣な指摘があり、面白く(?)読める。
本書は丸山眞男の『日本の思想』の一部を抜粋しながら、その文章について著者が解説をしていくというスタイルである。論調、文体はそれほど硬いものではなく、脱線もしてくれる(?)ので、サクサク読める。本のタイトルの通り、現代の問題にも多数言及している。2012年刊行で9年経過しているのに古さは感じない。
マルクスの哲学は強烈なインパクトがあったが、これも日本に入って来たときは、単体での輸入だったために、政治色が強い偏ったものになってしまった。確かに『資本論』の概説書『武器としての「資本論」』(白井)を読んでいても、思っていたイメージとは違っていた。つまりマルクスの論はベースとなるキリスト教的な思想が下敷きとして踏まえた上でないと、理解できない。ただ、西欧でも革命思想的なイメージが肥大して、共産主義に対抗する考え方が一時代をなしたのは、日本と同じような原因だったのだろうか。マルクス本人が「私はマルクス主義ではない」(p233)と言ったのはとても印象的である。イメージの壁についても、丸山の引用とともに現代のSNSの問題も解説される。
國體(国体)についての丸山眞男の考えがなるほどであった。國體とは何か、太平洋戦争に至るほど強烈に駆動することができたのに、それでいて何かつかみどころがなく、分からないままうっちゃっていた。天皇を中心にした皇祖皇宗、という意味とともに、思想的な意味、社会的な意味、国家的な意味、軍国的な意味とは何だったか。そういう疑問に本書は答えてくれる。
もともとは曖昧な広くあまねく考え方であり、精神的な支柱だったが、戦時色が強くなり、世の中が不穏になってくると、尖鋭化してきた。それは大正時代末期、治安維持法という形で現れてきて、個人の精神に介入を始めたという(p102)。それまで國體はキリスト教のような宗教でもなく、教義もなく、人々の精神の中に生きていた。そうして人々の中にあったからこそ、軍国主義者によってその精神を一方向に向かせるために、利用されたと言えるだろうか。國體を中枢とした全体主義、イデオロギー的同質化はヒトラーさえも羨望したという(p104)。
しかし明治維新の時に神道を国家的な宗教にまで押し上げようとして、廃仏毀釈やら国家祭祀導入やらをやって、明治期中に失敗した。そして大正デモクラシー以降の大衆の自由主義に対しては、國體を利用した思想統制を図った。日本ではそういう祭政一致、政教一致が人心掌握に有効だと考えられていたのだろう。今ではどうだろうか。SNSを基準にしたポピュリズム?崇拝とか信仰という意味では、SNSも同じような効果を産み出している。。。どうだろうか。個人個人が自らの考えを表明できるのは自由主義的。そういう面もある。むしろ統制は図りにくいか。Twitterは字数が少ないため議論は生まれにくく、感情面が優勢だとすれば、やはり精神の方により作用は大きいか。いずれにしても、流されないための思考力を備えるのは大切。
全体主義という政治・社会問題は常に人々の隣にある。そんな時に過去に全体主義の陥井に落ちて、ものすごい数の死者を出し、狂乱に陥った経験をよく学習しておくのは、後世の私たちには義務に近いと思う。著者の『悪と全体主義』はアーレント哲学から全体主義の身近さが解説されている。
変化は明日、明後日と目まぐるしいわけではない。治安維持法が1925年に出て10年後(意外に長い)、1935年国体明徴運動、1938年国家総動員法…と長い時間の中での変化である。先日亡くなった半藤氏や加藤陽子氏の本を読んでいると、リターンポイントはどの時点だったか、引き返せる方策はなかったのか、としきりに議論がなされる。長い時間を経て徐々に人権が削り取られていく。2006年教育基本法が改正され、愛国心教育が盛り込まれた。思想の自由が少しく削られてはいないだろうか。「日本はすごい」のテレビ番組がいかに増えたことか。
國體が無限責任から無責任に陥っていく論理、そしてそれにつけこんだ軍隊による利用(統帥権奸犯)。國體を神輿として担ぐ、そして國體は自ら主体的に動けず、下で支える者たちが責任はないものとして勝手気ままに振る舞う。國體を護持する(神輿を担ぐ)というと聞こえはいいが、それによって何をやっても許される(無責任)、人を殺めてもよい、というのは非道な論理である。
レビューしていると政治や戦争の話に傾いていってしまうが、本書はじっくり哲学をしてくれる。哲学者の名前ばかり気になってしまうところを、それぞれの内容をしっかり納得させてくれる。丸山眞男を中心に縦横に話は展開し、読みごたえのある一冊である。まさに熟読!
本書は丸山眞男の『日本の思想』の一部を抜粋しながら、その文章について著者が解説をしていくというスタイルである。論調、文体はそれほど硬いものではなく、脱線もしてくれる(?)ので、サクサク読める。本のタイトルの通り、現代の問題にも多数言及している。2012年刊行で9年経過しているのに古さは感じない。
マルクスの哲学は強烈なインパクトがあったが、これも日本に入って来たときは、単体での輸入だったために、政治色が強い偏ったものになってしまった。確かに『資本論』の概説書『武器としての「資本論」』(白井)を読んでいても、思っていたイメージとは違っていた。つまりマルクスの論はベースとなるキリスト教的な思想が下敷きとして踏まえた上でないと、理解できない。ただ、西欧でも革命思想的なイメージが肥大して、共産主義に対抗する考え方が一時代をなしたのは、日本と同じような原因だったのだろうか。マルクス本人が「私はマルクス主義ではない」(p233)と言ったのはとても印象的である。イメージの壁についても、丸山の引用とともに現代のSNSの問題も解説される。
國體(国体)についての丸山眞男の考えがなるほどであった。國體とは何か、太平洋戦争に至るほど強烈に駆動することができたのに、それでいて何かつかみどころがなく、分からないままうっちゃっていた。天皇を中心にした皇祖皇宗、という意味とともに、思想的な意味、社会的な意味、国家的な意味、軍国的な意味とは何だったか。そういう疑問に本書は答えてくれる。
もともとは曖昧な広くあまねく考え方であり、精神的な支柱だったが、戦時色が強くなり、世の中が不穏になってくると、尖鋭化してきた。それは大正時代末期、治安維持法という形で現れてきて、個人の精神に介入を始めたという(p102)。それまで國體はキリスト教のような宗教でもなく、教義もなく、人々の精神の中に生きていた。そうして人々の中にあったからこそ、軍国主義者によってその精神を一方向に向かせるために、利用されたと言えるだろうか。國體を中枢とした全体主義、イデオロギー的同質化はヒトラーさえも羨望したという(p104)。
しかし明治維新の時に神道を国家的な宗教にまで押し上げようとして、廃仏毀釈やら国家祭祀導入やらをやって、明治期中に失敗した。そして大正デモクラシー以降の大衆の自由主義に対しては、國體を利用した思想統制を図った。日本ではそういう祭政一致、政教一致が人心掌握に有効だと考えられていたのだろう。今ではどうだろうか。SNSを基準にしたポピュリズム?崇拝とか信仰という意味では、SNSも同じような効果を産み出している。。。どうだろうか。個人個人が自らの考えを表明できるのは自由主義的。そういう面もある。むしろ統制は図りにくいか。Twitterは字数が少ないため議論は生まれにくく、感情面が優勢だとすれば、やはり精神の方により作用は大きいか。いずれにしても、流されないための思考力を備えるのは大切。
全体主義という政治・社会問題は常に人々の隣にある。そんな時に過去に全体主義の陥井に落ちて、ものすごい数の死者を出し、狂乱に陥った経験をよく学習しておくのは、後世の私たちには義務に近いと思う。著者の『悪と全体主義』はアーレント哲学から全体主義の身近さが解説されている。
変化は明日、明後日と目まぐるしいわけではない。治安維持法が1925年に出て10年後(意外に長い)、1935年国体明徴運動、1938年国家総動員法…と長い時間の中での変化である。先日亡くなった半藤氏や加藤陽子氏の本を読んでいると、リターンポイントはどの時点だったか、引き返せる方策はなかったのか、としきりに議論がなされる。長い時間を経て徐々に人権が削り取られていく。2006年教育基本法が改正され、愛国心教育が盛り込まれた。思想の自由が少しく削られてはいないだろうか。「日本はすごい」のテレビ番組がいかに増えたことか。
國體が無限責任から無責任に陥っていく論理、そしてそれにつけこんだ軍隊による利用(統帥権奸犯)。國體を神輿として担ぐ、そして國體は自ら主体的に動けず、下で支える者たちが責任はないものとして勝手気ままに振る舞う。國體を護持する(神輿を担ぐ)というと聞こえはいいが、それによって何をやっても許される(無責任)、人を殺めてもよい、というのは非道な論理である。
レビューしていると政治や戦争の話に傾いていってしまうが、本書はじっくり哲学をしてくれる。哲学者の名前ばかり気になってしまうところを、それぞれの内容をしっかり納得させてくれる。丸山眞男を中心に縦横に話は展開し、読みごたえのある一冊である。まさに熟読!
2015年4月21日に日本でレビュー済み
丸山真男の「日本の思想」は小著であるが、ハードルが意外なほど高い。流麗明晰そうな文体と分量が多くないこと、著者の聡明な視点から展開される随所に盛り込まれるoverviewは、浅田彰と双璧の見通しの良さが魅力でコンパクトで分かりやすい。
それで読者は勢いずくのだが、案外に引っかかってくるその他の論述を結果的に読み飛ばし、釈然としなくなる。。。近現代の日本の思想は、西欧輸入ものだから、本家本元の知識があれば大したことはないだろうと思うが、それは違った。却って、西欧思想の完成版を輸入し、しかも輸入時期が西欧思想の崩壊期だったため、却ってややこしい中での輸入が、結果倒錯した輸入になった。マルクスやニーチェが日本の主流になり、反動・体制とされたヘーゲル哲学批判が基調となるが、実は西欧流の「体系性」を日本に根付かせたのは、「反体制」のマルクスとニーチェだった。その刀で、日本にはありもしない「ヘーゲルの伝統」=「体系」を批判すると言うのだから、話はこんがらがっている。加えて、ここに、丸山真男の言う、日本のメンタリティがからんでくる。これを繊細極まりない手つきで、絡まる糸を解きほぐしていくのが「日本の思想」だから論旨を追うのは案外簡単ではない。そのうえ、丸山特有の「思い込み」というか「まとめすぎ」は、一層読者の意にそぐわず反発を買うから、類まれな読書経験となる。
で、本書は、かなり丁寧に「日本の思想」を解読する。似たような企画を著者は出しているが、取り上げるまでもない分かりやすい著作をブチ切りにして解説し、却ってわかりにくしている事例もあったが、本書は意図は成功したと思う。
ただ、「京都学派」の解説に幅がなく、その点では丸山真男や加藤周一らの誤読を継承しているかと危ぶまれる個所もある。また、丸山真男は、「無限抱擁」と評し、日本のメンタリティの特徴を、独特のニュアンス「矢が的を得た」レベルで示したのに、そこが余り生かされてフォローされていない印象はあった。ただ本書の丁寧な説明を読んでいると、皮肉な話、そもそも丸山真男の「日本の思想」はおつむの良い人の感想文みたいなもので、あまりまじめにとらえる必要はないのではないか、という気になってくる。そういう意味でも、本書は妥当な説明をしていると思う。
例によって、著者の身辺に起きたことなどを事例に半ばストレス発散的に話をする内容が、水準の高くない残念さはあった。これは企画の問題で、「講義で音声で消えていくもの」と「文字化」した時に起きる意外な印象の差異は本書の企画者が気を付けてあげた方が良いと思う。著者にとって百害あって一利なしだと思う。
それで読者は勢いずくのだが、案外に引っかかってくるその他の論述を結果的に読み飛ばし、釈然としなくなる。。。近現代の日本の思想は、西欧輸入ものだから、本家本元の知識があれば大したことはないだろうと思うが、それは違った。却って、西欧思想の完成版を輸入し、しかも輸入時期が西欧思想の崩壊期だったため、却ってややこしい中での輸入が、結果倒錯した輸入になった。マルクスやニーチェが日本の主流になり、反動・体制とされたヘーゲル哲学批判が基調となるが、実は西欧流の「体系性」を日本に根付かせたのは、「反体制」のマルクスとニーチェだった。その刀で、日本にはありもしない「ヘーゲルの伝統」=「体系」を批判すると言うのだから、話はこんがらがっている。加えて、ここに、丸山真男の言う、日本のメンタリティがからんでくる。これを繊細極まりない手つきで、絡まる糸を解きほぐしていくのが「日本の思想」だから論旨を追うのは案外簡単ではない。そのうえ、丸山特有の「思い込み」というか「まとめすぎ」は、一層読者の意にそぐわず反発を買うから、類まれな読書経験となる。
で、本書は、かなり丁寧に「日本の思想」を解読する。似たような企画を著者は出しているが、取り上げるまでもない分かりやすい著作をブチ切りにして解説し、却ってわかりにくしている事例もあったが、本書は意図は成功したと思う。
ただ、「京都学派」の解説に幅がなく、その点では丸山真男や加藤周一らの誤読を継承しているかと危ぶまれる個所もある。また、丸山真男は、「無限抱擁」と評し、日本のメンタリティの特徴を、独特のニュアンス「矢が的を得た」レベルで示したのに、そこが余り生かされてフォローされていない印象はあった。ただ本書の丁寧な説明を読んでいると、皮肉な話、そもそも丸山真男の「日本の思想」はおつむの良い人の感想文みたいなもので、あまりまじめにとらえる必要はないのではないか、という気になってくる。そういう意味でも、本書は妥当な説明をしていると思う。
例によって、著者の身辺に起きたことなどを事例に半ばストレス発散的に話をする内容が、水準の高くない残念さはあった。これは企画の問題で、「講義で音声で消えていくもの」と「文字化」した時に起きる意外な印象の差異は本書の企画者が気を付けてあげた方が良いと思う。著者にとって百害あって一利なしだと思う。