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島田清次郎 誰にも愛されなかった男 単行本 – 2013/8/22

4.8 5つ星のうち4.8 14個の評価

天才か、狂人か。ベストセラー作家から地に堕ちた男。その狂気に迫る傑作評伝──。大正時代を流星の如く駆け抜けた作家、島清こと島田清次郎。わずか二十歳で上梓したデビュー作『地上』が空前の大ベストセラーとなり、有名批評家もこぞって絶賛。一躍文学青年たちのカリスマとなっていく。アメリカ、ヨーロッパを外遊し、アメリカではクーリッジ大統領、イギリスではH.G.ウェルズとも面会。しかし、「精神界の帝王」「人類の征服者」と自称するなど傲岸不遜な言動は文壇で嫌われ、おまけに海軍少将令嬢を誘拐監禁したというスキャンダルによって人気は一気に急落。出版社からも作品を受け取ってもらえなくなり、吉野作造や菊池寛らの家に押しかけて居座るなど、たびたび問題を起こすようになる。やがて放浪の果て、清次郎は巣鴨町庚申塚にある私立精神病院「保養院」に収容された。このとき満二十五歳。天才と呼ばれた青年作家は、精神病院の患者となった──。忘れられた作家・島田清次郎は、本当に天才だったのだろうか。そして本当に狂人だったのだろうか。その答えを知るために、生い立ちから絶頂期、精神病院入院後の生活までを、現役精神科医が丁寧にたどり直す新たな人物伝。将来への野心と不安の間で揺れる等身大の青年がここにいる。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 本の雑誌社 (2013/8/22)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2013/8/22
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 352ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4860112458
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4860112455
  • 寸法 ‏ : ‎ 3 x 14 x 19 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.8 5つ星のうち4.8 14個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.8つ
5つのうち4.8つ
14グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2015年7月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
島田清次郎に関しては40年以上前……杉森久英の『天才と狂人の間』で知った。
この作品は「伝記」として書かれ、伝記で直木賞を受賞した。
まだ十代だった私は、「こんな作家がいたのか」と驚き、
その後、作家の病歴に興味を持った……といういきさつもあった。

『文豪は、みんな「うつ」』という新書もあるぐらいで、たしかに作家はある意味で
病的なほどの感性を必要とするのかもしれない。
また、石川啄木のように、ほとんど人間破綻者と言ってもいい人が、
ああいう、「嘘だろ」と思いたくなるような悲しい歌を詠んだりもする。
太宰や芥川など、自殺者も多い。

杉森氏の作品は、あくまで「文学作品」だった。それだけに、ベストセラー作家が
精神病院で狂死した――という太いストーリーの元に書かれていた。
ある程度、物語性もあった。

たしかに島田清次郎は、傲岸不遜で虚栄心が強く、かなり精神的に病んでいただろう。
それが時代の寵児になってしまった。そこに不幸もありドラマもあるのだが、
本書では作者が精神科医の立場から、清次郎の病気(と言えるのだろう)を
冷静に検証していく。
それは伝記文学だった杉森氏の作品と違い、
いわば「ノンフィクション」「ルポルタージュ」の色彩を帯びている。
だがそこには、島田清次郎という人間を侮蔑するようなことは書かれていない。
「友達にはなりたくない」とも書かれているが、
実は作者は島田清次郎の人生にも作品にも、一定の愛情をもって接している。
杉森氏のものとは違った意味での物語性もある。

杉森作品とは違った意味で、清次郎に深くアプローチした本だろう。
何より良かったのは、こういう悲惨な物語(事実である)でありながら、
読後感が重くなかったことである。

もう一度「地上」を読んでみようと思った。
24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一体、現代日本で「島清」こと島田清次郎の名を知っている人はどれくらいいるだろうか。

大正の大ベストセラー作家にもかかわらず、忘れられた作家の代名詞ともなった清次郎は、
今ではその強烈な個性と人生によって一部の人を魅了している。

おそらく本書の著者も清次郎に惹かれた一人なのだろう。そうでなければ、誰も知らないような人物を詳細に調べ上げ、丹念に精神分析し、1冊の本を書き上げるはずもない。しかも、漱石や芥川などのように今でも根強い人気がある文豪を題材にしたならその本が売れる見込みはある。だが、消えた作家の評伝が金になるとは到底思えない。
ならば、ここに「島清」への愛がなくして何があろう。

そんな著者でも、清次郎を「とても友達にはなりたいような人間ではない」(p336)とばっさり切り捨てる。私も同感だ。
しかし、と言うより、だからこそ、清次郎は人の興味をそそる男である。
傲慢で不遜、自己愛性パーソナリティ障害を抱えているとしか思えない自信過剰な言動は、古びた時代に新しい風を吹き込んでくれるかもしれないという期待を確かに持たせてくれる。ところが当時の文壇は清次郎を許容してはくれなかった。
数多くのゴシップを書かれ、ついにはスキャンダルによって作家生命を絶たれてしまい、狂人扱いされたのち精神病院で夭折する。
かつてのベストセラー作家が没落するその人生は、まさに悲劇の主人公の物語だ。

現代作家はもちろん、往年の文豪の中にもこんな短くも波乱に富んだ生を終えた小説家は少ない。
だからこそ、島田清次郎は完全に忘れ去られていないのだろう。
18人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
保養院入院後の島清について書かれたものは少なく、また断片的だったところへ、できるだけの資料が並べられ、新鮮であった。入院後書かれていた幻の長編や雑感をまとめて出版してくれるところがあれば買うのに。
「中二病」という分析も的を得ているように思える。
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
島田清次郎という人は知らなかったが、著者の精緻な調査分析により素晴らしい本が出来上がったことに賞賛を送りたい。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年10月2日に日本でレビュー済み
350ページの長さですが、わずか2日で読み終えました。

わたしは出版記念に金沢市内で行われた著者のトークイベ
ントに出席しており、そこで島清の一生についてレクチャーを
受けていたのに、それでも先が読みたくなりました。

まず島清が哀れだと思ったのは、本作の最初に出てくる、
まるで今後の運命を見越したようなデビュー前に書かれた長編詩。

詩が好きなわたしはそれを読んで、涙があふれてきてしばらく本
を閉じていました。学生時代にちょっと成績がいいと周りはすぐ
「天才」とか言いますが(自分でそう思っていた訳ではありません)、
現在人並みの生活もできているのか怪しい自分を重ねてしまった
のもあります。

金沢や美川の描写も詳しく、両方に縁のあるわたしはまるで
案内してもらっているような気分になりました。

しかし、金沢時代はどことなくまだ愛嬌のあった島清も
「地上」でデビューを果たし、売れるに従って尊大になっ
てゆきます。それはあたかも、上京した同級生が変わって
しまって相手にもしてくれなくなったような感覚でした。

室生犀星と仲が悪かったのは残念ですが、中原中也など
意外な人物が「地上」を推していたのは発見でした。中也
は幼少時、金沢に住んでいたこともありますから親近感を
持ったのかもしれませんね。

本作は圧倒的な資料と調査で、(まだ未読ではありますが)
従来の島清の伝記にはないところや、間違いを正してい
ますが、顕著なのが入院後のところです。ここで描かれ
ている病室内の島清の姿は哀れというより仕方がない。
本文中では当時の治療法なども紹介されており、患者で
もあるわたしには「そんなプラセボみたいな治療法しか
なかったのか……」と愕然としました。

DV加害者で中二病で傲慢で、確かに友達にはなりたくな
い人ですが、もし結核などにならず退院できて、年を重
ねるうちに母の愛や親友の気持ちや真の愛を知ることが
出来たら、どんな人生になっていただろうと思うと、早
すぎる死が惜しまれてなりません。

生まれ故郷である北陸の生んだ文学者について、深く知る
機会を与えてくださって、ありがとうございました。
23人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年9月16日に日本でレビュー済み
島田清次郎については、「天才と狂人の間」で知ったのが最初である。
筆者は精神科の医師であり、清次郎の人生を、他の人が「精神病院に入院し、亡くなった」と終わらせるようには終わらせない。
精神病院に入ってからの清次郎について丹念に調べ、創作意欲を失っていなかったことを明らかにしている。
評伝は、書かれる人の魅力も大事だが、書く人の目線がまた大切だ。清次郎は身近にいたら、上から目線の困ったちゃんで、好きにはなれないだろうなあとしみじみ思ったが、筆者の目線が清次郎に対して温かく、読んでいて心地よかった。
おそらく、精神を病んだ清次郎を、大きな心で見つめているからだろう。清次郎の欠点を指摘もしているが、人間が善も悪も強さも弱さも持っていることを知っているおおらかさが心地よかった。
清次郎の性格を「中二病」ととらえていたのも的確だった。人間づきあいに不器用で、尊大だが実は繊細、そういえばこの本のカバーの清次郎は、ベストセラー作家の栄光の中にいながら、どこか寂しげで不安そうな目をしている。
最初から最後まで、興味深く読める評伝であった。 
47人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2015年8月17日に日本でレビュー済み
島田清次郎(1899-1930年)は、小説家。代表作は『地上』。この本は伝記本になる。当時はベストセラー作家でもいま島田清次郎と言われても知らない人のほうが多いのではないだろうか。個人的には、舟木芳江とのスキャンダルがおもしろい。芳江自身は大人の世界に興味津々のおませさんで有名人で憧れの作家との恋愛ゲーム感覚だったのだろうが、清次郎が婚約を真に受け結婚準備を着々と進めることにドン引きし、事件はもうどうしようもならない展開になったのだろう。「取り返しのつかない事」というのだからキスぐらいじゃないだろうし、私は肉体関係を持ったと解釈している。著者は「清次郎と芳江が家を出た直後に急遽金沢に帰るという不審な行動」をしている母親みつを「不可解な行動」P229というのだがそうだろうか? 私は母親みつは事件のことは知らなくて芳江が家に何度か遊びに来ており清次郎も婚約したことをみつに告げた仲で、二人が仲人を依頼していた蘇峰の元へ出かけた後にみつは郷里の親戚に清次郎が結婚することを報告に帰っただけではないだろうか。あとで事件を知ってびっくりしたのは嘘ではないと思う。とにかく、このスキャンダルは、芳江の性的興味から世間を騒がせた事件で、蘇峰も気がついてないし、なにもかも歯車が噛み合っていないのが最高に笑えるのである。芳江の写真も見たかったが遺族が反対したのだろうか……、しかし「局部の負傷は全治三週間」って何をされたのだろうか? (笑) 晩年の清次郎の様子もわかり力作だと思う。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年2月9日に日本でレビュー済み
『天才と狂人の間』も『栄光なき天才たち』も読んでいたけど、かなり前の話なので、正確な意味では比較できない。
ただ、著者は精神医ということなので、晩年の島田清次郎については、間違いなく本書が一番だろう。
とにかく、全体として丁寧な調査を抑制のきいた文章で表現していることが好ましい。

しかし、島田清次郎の何が可哀想って、代表作の『地上』よりも、彼の人生そのものの方に強い興味をいだく人が圧倒的に多いことだろう。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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