1回目笑わされる!つい2度読みしてやっと分かる。
神経や記憶のことを学ぶ最適書。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥1,560¥1,560 税込
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon 販売者: 檜樫書店
新品:
¥1,560¥1,560 税込
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon
販売者: 檜樫書店
中古品: ¥419
中古品:
¥419

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
つむじまがりの神経科学講義 単行本 – 2020/6/5
小倉明彦
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥1,560","priceAmount":1560.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"1,560","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"XEUV1JvEcEYrAJ6b89Qw21Ur8e1aH2OFpzlFosBweDDW6NtYIwknydCmPdk9ndhxp%2BrQKrZzV%2FqoE79Anttr1gqSitbBq1S5rACTnr3u9VobrpUPwMcbnzzkfqEh%2BujoB%2FcCRtHMrdTIouDeYtKroVyQ1dEO%2BtONEBCRDhNw74jYdnsw4PPfdNAqAEe8NBgC","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥419","priceAmount":419.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"419","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"XEUV1JvEcEYrAJ6b89Qw21Ur8e1aH2OFzNkMQ8xIutWRUejc8uCWxIUbOiWMK2i%2Bty4MIXKxRIseLHotQrOw%2FNK2%2Fg9%2Fma1aIcquPUBKRvlHOTtX%2Fjm7whp8PeUq1JNJ2eNUD%2BXqjvmqqdWuCjj2FuN9VNvkGw9MPlOX6ZVvwTcntNvKCk5M%2BQ%3D%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
神経科学は脳や神経のしくみを細胞・分子レベルで解明する学問。神経科学を通じて、人間の学習、行動、意思決定、感情、認知、記憶などを、科学的根拠に基づいて理解することができる。難解でとっつきにくいとされるこの分野の魅力と謎を、第一人者でありながら“つむじまがり"な著者が解説! 認知症のメカニズムやPTSDなど記憶障害についての最新研究も盛り込んだ、超絶エンタメ講義。
世界的快挙!?
阪大つむじまがり名誉教授が
神経科学のエンタメ化に成功! !
── 仲野徹(大阪大病理学教授)
「開き直るようで恐縮ですが、神経科学の一部しか語らないこの本にも、読んで役立つことがあります。それは、神経科学研究の現在の到達レベルがわかるということです。……記憶のしくみについて、ここまでわかっているが、ここから先はまだわからない、こんな説があるが、正しいかもしれないし誤りかもしれないという、その解明のレベルは、他の課題についても、ほぼ同じだといえます。」(「まえがき」より)
世界的快挙!?
阪大つむじまがり名誉教授が
神経科学のエンタメ化に成功! !
── 仲野徹(大阪大病理学教授)
「開き直るようで恐縮ですが、神経科学の一部しか語らないこの本にも、読んで役立つことがあります。それは、神経科学研究の現在の到達レベルがわかるということです。……記憶のしくみについて、ここまでわかっているが、ここから先はまだわからない、こんな説があるが、正しいかもしれないし誤りかもしれないという、その解明のレベルは、他の課題についても、ほぼ同じだといえます。」(「まえがき」より)
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社晶文社
- 発売日2020/6/5
- ISBN-104794971761
- ISBN-13978-4794971760
よく一緒に購入されている商品

対象商品: つむじまがりの神経科学講義
¥1,560¥1,560
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り1点 ご注文はお早めに
¥2,035¥2,035
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り17点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
大阪大学大学院生命機能研究科脳神経工学講座教授(現在名誉教授)。理学博士。専門は神経生物学(記憶の成立機構についての細胞レベルの解析)。1951年、東京都生まれ。1975年、東京大学理学部生物学科卒業。1977年、同大学院修士課程動物学専攻修了。1977〜1979年、西独(当時)ルール大学生物学部研究員。1980年、三菱化成生命科学研究所研究員。1993年、大阪大学理学部教授。著書に『実況・料理生物学』(大阪大学出版会/文春文庫)、『お皿の上の生物学』(築地書館/角川ソフィア文庫)、共著書に『記憶の細胞生物学』(朝倉書店)、『芸術と脳』(大阪大学出版会)、共訳書に『ニューロンの生物学』(南江堂)など。趣味は、料理でいたずらをすること、自作の漢詩を他人に押しつけること。
登録情報
- 出版社 : 晶文社 (2020/6/5)
- 発売日 : 2020/6/5
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4794971761
- ISBN-13 : 978-4794971760
- Amazon 売れ筋ランキング: - 36,127位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 50位生物学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2020年8月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
概念ばかりで具体性が乏しい
2020年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レビューを読みたければ別の本を読む必要があるが、神経科学の研究の第一線の雰囲気は良く分かるし。なにより面白い
2023年6月8日に日本でレビュー済み
この本に限ったことではないが、索引がないので(特に私のように記憶力が良くない読者は)この語は何だったけ?と後戻りして読まねばならず、とても読み辛い。
2020年8月16日に日本でレビュー済み
タイトルに惹かれて書店で購入しました。
まえがきで書かれているように、まず教科書的に神経科学の一部を説明し、その後2章で著者の研究を紹介し、3章で記憶に関連する異常・疾患ついて記載されています。
私のように分厚い教科書を読めないタイプの人間は、細かく書いてあると中々読み進められず、終わった頃には前半の内容を忘れてしまいます。もしくは買ったものの本棚の肥やしにしている本のなんと多いことか。
本書は歴史や余談・たとえ話や著者の意見を交えつつ、あまり事細かに書かれないことによって読み進めやすく、著者の言う「わかった感」が得られます。著者の研究であるRISEはエビングハウスの忘却曲線に細胞レベルでの説明を与えられそうな現象です。それについてもかなりわかりやすく書かれていましたが、他の部分、たとえば本書の最初に書かれている伝達物質を「えさ信号」とした説明には「なるほど!」と感心しました。
ただし、他のレビュアーも書いているとおり、対象の設定が難しいと思いました。
医学や生物学と関係のない人々にとっては価格だけでなく、「神経科学」というタイトルもマイナーに感じられるでしょう。「脳科学」という言葉を使えばもっと受け入れやいのかもしれません。著者は「脳科学」よりも「神経科学」の言葉を選んだのは「つむじまがり」な部分の1つとまえがきで説明しています。販売戦略としてはマイナスなのかも知れませんが、著者の科学者としてのこだわりを感じます。
ブルーバックスほどお堅くもないので、医学・生物学に興味のある方は読めるでしょう。あまり年齢が若すぎると著者の書いている「ネタ」がわからないかもしれませんが。
医学部を含む生物系の学生は図書館に置いてあったら副読本として読んでみて欲しい1冊です。
一部、臨床に携わる者からの観点で少し細かい部分ですが補足を記載します。
p7 神経学(ニューロロジー)について:
日本において、臨床神経学は脳卒中や認知症、頭痛、てんかん、パーキンソン病、ALSなどの診療を行い現在「脳神経内科」という名前です。以前は「神経内科」でしたが、歴史的な経緯から精神科が「神経科」と標榜することもあり、混同されることが多いことや脳神経外科と対比させる意味もあり「脳神経内科」へと名前を移行しつつあります。
p62 生理学について:
これは時代や大学にもよるのでしょうが、医学部生は決して数学や物理が嫌いで医学部に入ったわけではございません。同級生の中には数学オリンピック経験者などもいましたし。ただし、嫌いな人が多数はではない一方で、大学レベルの熱力学まで好んでやる人が多数でもないことは確かです。
p217 パーキンソン病の男女比について:
世界では男女比で男性が多いのですが、日本では女性に多いです。
p219 レビー小体型認知症へのドパミン投与について:
ドパミンの前駆物質であるレボドパ製剤はパーキンソン症状を呈するレビー小体型認知症にも使われます。これはパーキンソン病の合併というよりも、レビー小体型認知症の症状の一部と解釈しています。ただし、薬への反応はパーキンソン病ほど良くはないです。パーキンソン病とレビー小体型認知症は臨床現場では区別が難しいこともあります。
まえがきで書かれているように、まず教科書的に神経科学の一部を説明し、その後2章で著者の研究を紹介し、3章で記憶に関連する異常・疾患ついて記載されています。
私のように分厚い教科書を読めないタイプの人間は、細かく書いてあると中々読み進められず、終わった頃には前半の内容を忘れてしまいます。もしくは買ったものの本棚の肥やしにしている本のなんと多いことか。
本書は歴史や余談・たとえ話や著者の意見を交えつつ、あまり事細かに書かれないことによって読み進めやすく、著者の言う「わかった感」が得られます。著者の研究であるRISEはエビングハウスの忘却曲線に細胞レベルでの説明を与えられそうな現象です。それについてもかなりわかりやすく書かれていましたが、他の部分、たとえば本書の最初に書かれている伝達物質を「えさ信号」とした説明には「なるほど!」と感心しました。
ただし、他のレビュアーも書いているとおり、対象の設定が難しいと思いました。
医学や生物学と関係のない人々にとっては価格だけでなく、「神経科学」というタイトルもマイナーに感じられるでしょう。「脳科学」という言葉を使えばもっと受け入れやいのかもしれません。著者は「脳科学」よりも「神経科学」の言葉を選んだのは「つむじまがり」な部分の1つとまえがきで説明しています。販売戦略としてはマイナスなのかも知れませんが、著者の科学者としてのこだわりを感じます。
ブルーバックスほどお堅くもないので、医学・生物学に興味のある方は読めるでしょう。あまり年齢が若すぎると著者の書いている「ネタ」がわからないかもしれませんが。
医学部を含む生物系の学生は図書館に置いてあったら副読本として読んでみて欲しい1冊です。
一部、臨床に携わる者からの観点で少し細かい部分ですが補足を記載します。
p7 神経学(ニューロロジー)について:
日本において、臨床神経学は脳卒中や認知症、頭痛、てんかん、パーキンソン病、ALSなどの診療を行い現在「脳神経内科」という名前です。以前は「神経内科」でしたが、歴史的な経緯から精神科が「神経科」と標榜することもあり、混同されることが多いことや脳神経外科と対比させる意味もあり「脳神経内科」へと名前を移行しつつあります。
p62 生理学について:
これは時代や大学にもよるのでしょうが、医学部生は決して数学や物理が嫌いで医学部に入ったわけではございません。同級生の中には数学オリンピック経験者などもいましたし。ただし、嫌いな人が多数はではない一方で、大学レベルの熱力学まで好んでやる人が多数でもないことは確かです。
p217 パーキンソン病の男女比について:
世界では男女比で男性が多いのですが、日本では女性に多いです。
p219 レビー小体型認知症へのドパミン投与について:
ドパミンの前駆物質であるレボドパ製剤はパーキンソン症状を呈するレビー小体型認知症にも使われます。これはパーキンソン病の合併というよりも、レビー小体型認知症の症状の一部と解釈しています。ただし、薬への反応はパーキンソン病ほど良くはないです。パーキンソン病とレビー小体型認知症は臨床現場では区別が難しいこともあります。
2020年9月22日に日本でレビュー済み
「記憶のメカニズムは神経科学的にどこまで解明されたのか」。言い換えれば、記憶ができるとき脳の中では何が起こっているのかという研究の最前線。
著者は阪大名誉教授なので、しばしば挟み込まれる小話ネタやコラムは面白い。ニューロンを中心とした神経解剖学というか生理学の基礎理論(第1章)はシロウトも面白く学べます。ところが、著者が研究人生のほとんどを費やしてきた記憶のメカニズムは(第2章)・・かなり難しくてして一般書にするにはやや無理がある感じです。そこをがんばって読み解くことが必要。
脳はどうやって記憶できるのか・・・脳は簡単に言ってしまえば膨大な数の神経細胞(ニューロン)のネットワーク(この本のカバーのイラスト参照)でできているわけですが、ニューロンとニューロンの間の信号の受渡しはシナブスというニューロン同士がごくごく狭いスキマを残して密着している部分でおこります。ひっついていそうでギリギリひっついていないギャップ、それがシナプス。シナプスがあるために、電気回路のようにスーッと信号が流れるのではなく、信号の送り手側のニューロンからギャップ部分に伝達物質(グルタミン酸)が放出され、受け手側のニューロンが伝達物質をキャッチすることでスイッチ・オンとなって信号が発生する。すごく面倒くさいことがシナプスで起きているんです。しかし、この面倒くささがあるからこそ信号の伝わり方に微妙なコントロールがつけられる。
「犬のぬいぐるみ」を見せられて「イヌ」という言葉を聞かされる、そのとき見るためのニューロンと聞くためのニューロンが同時に信号を発生するわけですが、そういう同時発火を何度か繰り返しているとシナプス部分のグルタミン酸受容体が増える、つまり刺激を受ければ受けるほど刺激を受け取りやすくなるような受容体の生化学的なメカニズム(LTP=Long Term Potentiation)があるのだと。さらにLTPを繰り返しているとその部分のシナプスの数そのものも増加していくこともわかってきた(RISE=Repetitive LTP-Induced Synaptic Enhancement)。
ニューロンの回路そのものは生まれて早い段階でできあがるといわれていますが、その後の学習でLTPやRISEによって記憶そのものを作りさらに記憶の容量も増やしていく、そんなイメージでしょうか。学び続けて脳を鍛えるとはそういうことなんですね。
このシナプスのグルタミン酸受容体はいくつかのパーツにわかれていてその一つがNMDA型グルタミン酸受容体です。「七年越しの花嫁」の抗NMDM受容体脳炎というのはまさにこのシナプスの受容体が攻撃される脳炎だったんです。
記憶の生物学的メカニズムがここまで解明されていることに驚きました。しかし、まだまだシナプス部分のメカニズムがわかってきたところですから、記憶のメカニズムの研究としては端緒についたばかりという気もします。自分の脳の中にある超絶的な複雑さの神秘をあらためて感じますね。記憶の研究がこんなふうに進められているのだということを知るだけでも新しい世界が広がりました。
小倉先生は東京生まれで阪大に来たのは1993年なので、なんちゃって関西人ですが、ところどころにちりばめられた金魚すくい必勝法や猿の惑星などの小ネタも面白く、関西人化の努力のあとを感じました。
著者は阪大名誉教授なので、しばしば挟み込まれる小話ネタやコラムは面白い。ニューロンを中心とした神経解剖学というか生理学の基礎理論(第1章)はシロウトも面白く学べます。ところが、著者が研究人生のほとんどを費やしてきた記憶のメカニズムは(第2章)・・かなり難しくてして一般書にするにはやや無理がある感じです。そこをがんばって読み解くことが必要。
脳はどうやって記憶できるのか・・・脳は簡単に言ってしまえば膨大な数の神経細胞(ニューロン)のネットワーク(この本のカバーのイラスト参照)でできているわけですが、ニューロンとニューロンの間の信号の受渡しはシナブスというニューロン同士がごくごく狭いスキマを残して密着している部分でおこります。ひっついていそうでギリギリひっついていないギャップ、それがシナプス。シナプスがあるために、電気回路のようにスーッと信号が流れるのではなく、信号の送り手側のニューロンからギャップ部分に伝達物質(グルタミン酸)が放出され、受け手側のニューロンが伝達物質をキャッチすることでスイッチ・オンとなって信号が発生する。すごく面倒くさいことがシナプスで起きているんです。しかし、この面倒くささがあるからこそ信号の伝わり方に微妙なコントロールがつけられる。
「犬のぬいぐるみ」を見せられて「イヌ」という言葉を聞かされる、そのとき見るためのニューロンと聞くためのニューロンが同時に信号を発生するわけですが、そういう同時発火を何度か繰り返しているとシナプス部分のグルタミン酸受容体が増える、つまり刺激を受ければ受けるほど刺激を受け取りやすくなるような受容体の生化学的なメカニズム(LTP=Long Term Potentiation)があるのだと。さらにLTPを繰り返しているとその部分のシナプスの数そのものも増加していくこともわかってきた(RISE=Repetitive LTP-Induced Synaptic Enhancement)。
ニューロンの回路そのものは生まれて早い段階でできあがるといわれていますが、その後の学習でLTPやRISEによって記憶そのものを作りさらに記憶の容量も増やしていく、そんなイメージでしょうか。学び続けて脳を鍛えるとはそういうことなんですね。
このシナプスのグルタミン酸受容体はいくつかのパーツにわかれていてその一つがNMDA型グルタミン酸受容体です。「七年越しの花嫁」の抗NMDM受容体脳炎というのはまさにこのシナプスの受容体が攻撃される脳炎だったんです。
記憶の生物学的メカニズムがここまで解明されていることに驚きました。しかし、まだまだシナプス部分のメカニズムがわかってきたところですから、記憶のメカニズムの研究としては端緒についたばかりという気もします。自分の脳の中にある超絶的な複雑さの神秘をあらためて感じますね。記憶の研究がこんなふうに進められているのだということを知るだけでも新しい世界が広がりました。
小倉先生は東京生まれで阪大に来たのは1993年なので、なんちゃって関西人ですが、ところどころにちりばめられた金魚すくい必勝法や猿の惑星などの小ネタも面白く、関西人化の努力のあとを感じました。
2020年7月12日に日本でレビュー済み
「実況・料理細胞学」、「お皿の上の生物学」と大変興味深く読んだ私としては、同じ著者の本書には、期待が高かった。
内容は、神経科学の入門書に記されている内容をわかりやすく、コラムも交えながら書いていることで無味乾燥な講義やテキストだけで学ぶ医学生などには参考になるのかと思う。
しかし、本書は医学生や神経科学を学ぶような学生などが読者対象なのだろうか。
そもそものターゲットは誰なのだろう。
一般市民か?
実生活に関わるような記述のある脳科学本ならいざしらず、直接明日からの生活に役に立つというわけでもない神経科学の本を、読みやすいとはいえ、2000円近くも払って購入するような方はそんなにいるのだろうか?
このように本書を読みながら、
ところで一体誰がこの本を読むのだろう。
という考えがつきまとった。
そう思ったのは、著者が苦慮したであろう神経科学の「エンタ化」が難しいからであると思う。
いや著者の力量が原因というわけではない。
単純に扱っている神経科学がエンタとの相性が良いわけではない。それに尽きると思われるからがゆえだ。
兎にも角にも、ただただ啓蒙活動に尽力された著者の功績は大いに讃えたい。
内容は、神経科学の入門書に記されている内容をわかりやすく、コラムも交えながら書いていることで無味乾燥な講義やテキストだけで学ぶ医学生などには参考になるのかと思う。
しかし、本書は医学生や神経科学を学ぶような学生などが読者対象なのだろうか。
そもそものターゲットは誰なのだろう。
一般市民か?
実生活に関わるような記述のある脳科学本ならいざしらず、直接明日からの生活に役に立つというわけでもない神経科学の本を、読みやすいとはいえ、2000円近くも払って購入するような方はそんなにいるのだろうか?
このように本書を読みながら、
ところで一体誰がこの本を読むのだろう。
という考えがつきまとった。
そう思ったのは、著者が苦慮したであろう神経科学の「エンタ化」が難しいからであると思う。
いや著者の力量が原因というわけではない。
単純に扱っている神経科学がエンタとの相性が良いわけではない。それに尽きると思われるからがゆえだ。
兎にも角にも、ただただ啓蒙活動に尽力された著者の功績は大いに讃えたい。
2020年11月23日に日本でレビュー済み
神経の生理学がおもしろおかしく学べる。ただ、おちゃらけながらも内容は本気モードが漂っている。雑学的な方面から王道的な知識が補完される。教科書とは異なるスタンスを守り、うまくユーモアで距離を保っている。
学問の分野も嫌味なく説明しながら、立場を明確にして、実験科学から超学際で迫っていく。そこも非教科書的。エビングハウスの忘却曲線は医学・医療・心理をやっていればどこかで必ずやると思われるが、この実験はあくまで心理実験で、生理学とは一線を画することをちゃんと説明してくれている。本書の後半で、これを長期増強LTPの実験で実証した話が紹介される。
生理学をやっていた方が圧倒的に理解が進むと思う。エンタメという触れ込みながら、徒手空拳で望むのは難しいかもしれない。まずは楽しく知りたいという人なら、徒手空拳で簡単な解剖や生理から学べる。生理学で挫折感を味わったが、いつかリベンジしたいという人ならいけると思う。医学、生理学は初めてで心許ない場合は『別冊Newton脳とは何か』か『脳と心のしくみ』でイラストや写真でイメージを頭に入れてから読むといい。
脱抑制や側方抑制について、神経の絵ばかりみているといまいち原理がわからないが、たとえ話で説明してもらえて納得できた。興奮はスイッチが入っているが、そこに抑制をかけておいていつでも飛び出せる準備をしていて、その抑制を抑制する(脱抑制)ことで瞬間的な挙動を起こさせる。バッタの跳躍のイメージである。この場合、興奮を起こすよりも速い動作が実現するという。
fMRIの機能にも落とし穴。ニューロンには興奮性のものと抑制性のものがあるが、活動するときいずれの場合も電位変化はあり、血流変化によりfMRIでは色で表示される。つまりfMRIでは興奮でも抑制でも同じ電気活動として現れる。脳の機能局在がfMRIの色で示されるが、これだけでは興奮なのか抑制なのかわからないという。興奮と抑制では真逆の作用なので十分注意が必要だ。だからその部位と相関関係は言えるが、因果関係までは言えない(p125)。
圧巻は後半の記憶について。培養した海馬の切片で24時間間隔で3回刺激したらLTPはRISEという状態になり、シナプス結合が増えていく(p163)。つまり新しい神経回路ができたということ(p163)。これはカンデルのいう後期LTPと同じだろうか『カンデル神経科学 5版』(p1467)。刺激の間隔が長いので異なるか。とにかくエビングハウスの心理実験が生理学的に実証された。何か覚えたいときは3回以上、苦しくても繰り返して覚えにかかる、ということなんだろう。
本書ではさらにRISEではBDNFというタンパク質が合成されるという。これはシナプスの形成を促進させる働きがあり、胎児期、脳が発達するときにも発現する。カンデルの本ではタンパク質合成の話は載っていたが、それが何かはなかった。
顕微鏡でシナプスが出たり入ったりしているのを観察していて、RISEでは出る頻度が増してくるという話も面白い。神経の可塑性が目で見えるわけだ。
神経に関する話題が豊富で、これまでの研究者の紹介もおもしろく書かれている。前半部分は特に神経って何?という疑問を非教科書的に教えてくれて、ちょっとかじった私にはそういうことかあと納得できた。脳の根本的な疑問にもユーモアたっぷりにこたえてくれる。どうしても難しく考えてしまう悪い癖にくさびを打ち込んでくれる入門書であった。
学問の分野も嫌味なく説明しながら、立場を明確にして、実験科学から超学際で迫っていく。そこも非教科書的。エビングハウスの忘却曲線は医学・医療・心理をやっていればどこかで必ずやると思われるが、この実験はあくまで心理実験で、生理学とは一線を画することをちゃんと説明してくれている。本書の後半で、これを長期増強LTPの実験で実証した話が紹介される。
生理学をやっていた方が圧倒的に理解が進むと思う。エンタメという触れ込みながら、徒手空拳で望むのは難しいかもしれない。まずは楽しく知りたいという人なら、徒手空拳で簡単な解剖や生理から学べる。生理学で挫折感を味わったが、いつかリベンジしたいという人ならいけると思う。医学、生理学は初めてで心許ない場合は『別冊Newton脳とは何か』か『脳と心のしくみ』でイラストや写真でイメージを頭に入れてから読むといい。
脱抑制や側方抑制について、神経の絵ばかりみているといまいち原理がわからないが、たとえ話で説明してもらえて納得できた。興奮はスイッチが入っているが、そこに抑制をかけておいていつでも飛び出せる準備をしていて、その抑制を抑制する(脱抑制)ことで瞬間的な挙動を起こさせる。バッタの跳躍のイメージである。この場合、興奮を起こすよりも速い動作が実現するという。
fMRIの機能にも落とし穴。ニューロンには興奮性のものと抑制性のものがあるが、活動するときいずれの場合も電位変化はあり、血流変化によりfMRIでは色で表示される。つまりfMRIでは興奮でも抑制でも同じ電気活動として現れる。脳の機能局在がfMRIの色で示されるが、これだけでは興奮なのか抑制なのかわからないという。興奮と抑制では真逆の作用なので十分注意が必要だ。だからその部位と相関関係は言えるが、因果関係までは言えない(p125)。
圧巻は後半の記憶について。培養した海馬の切片で24時間間隔で3回刺激したらLTPはRISEという状態になり、シナプス結合が増えていく(p163)。つまり新しい神経回路ができたということ(p163)。これはカンデルのいう後期LTPと同じだろうか『カンデル神経科学 5版』(p1467)。刺激の間隔が長いので異なるか。とにかくエビングハウスの心理実験が生理学的に実証された。何か覚えたいときは3回以上、苦しくても繰り返して覚えにかかる、ということなんだろう。
本書ではさらにRISEではBDNFというタンパク質が合成されるという。これはシナプスの形成を促進させる働きがあり、胎児期、脳が発達するときにも発現する。カンデルの本ではタンパク質合成の話は載っていたが、それが何かはなかった。
顕微鏡でシナプスが出たり入ったりしているのを観察していて、RISEでは出る頻度が増してくるという話も面白い。神経の可塑性が目で見えるわけだ。
神経に関する話題が豊富で、これまでの研究者の紹介もおもしろく書かれている。前半部分は特に神経って何?という疑問を非教科書的に教えてくれて、ちょっとかじった私にはそういうことかあと納得できた。脳の根本的な疑問にもユーモアたっぷりにこたえてくれる。どうしても難しく考えてしまう悪い癖にくさびを打ち込んでくれる入門書であった。