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こわいもの知らずの病理学講義 単行本 – 2017/9/19
購入オプションとあわせ買い
大阪大学医学部名物教授による、
ボケとツッコミで学ぶ病気のしくみとその成り立ち。
ひとは一生の間、一度も病気にならないことはありえません。ひとは必ず病気になって、死ぬんです。だとすれば、病気の成り立ちをよく知って、病気とぼちぼちつきあって生きるほうがいい。書評サイト「HONZ」でもおなじみ、大阪大学医学部で教鞭をとる著者が、学生相手に行っている「病理学総論」の内容を、「近所のおっちゃんやおばちゃん」に読ませるつもりで書き下ろした、おもしろ病理学講義。脱線に次ぐ脱線。しょもない雑談をかましながら病気のしくみを笑いとともに解説する、知的エンターテインメント。
- 本の長さ376ページ
- 言語日本語
- 出版社晶文社
- 発売日2017/9/19
- 寸法12.9 x 2.3 x 18.6 cm
- ISBN-104794969724
- ISBN-13978-4794969729
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出版社より

商品の説明
メディア掲載レビューほか
「細胞・血液・がんとは何か」をわかりやすく伝える方法
病理学。著者の言葉を借りれば〈病気はどうしてできてくるのかについての学問〉だそうだ。医療情報が氾濫する昨今、正しい情報を手に入れるには、病気のメカニズムを理解したほうがいい。本書はそんなニーズに応えてくれる。
「著者は長年、大阪大学医学部で病理学を講義しておられます。その経験を活かし、わかりやすく、読んでいて飽きないおもしろさのある病理学の入門書を書いていただきました」(担当編集者)
本筋の周辺に豊富な雑学を取り混ぜ、難解な専門用語を使った説明はみずから「わかりにくい」とつっこみを入れてから噛み砕く。脱線に満ちたユーモア溢れる語り口は、純粋に読み物として楽しい。
主な参考文献は、著者が講義でも使用している、病理学の教科書では世界的ベストセラーのロビンス『Basic Pathology(基礎病理学)』。その全24章中の3章分にあたる、病理学の基礎中の基礎となる細胞、そして血液の構造と、読者の切実なニーズがあるがん(腫瘍)の解説を取り上げた。
「医学的な正確性や厳密性を担保するには、それなりの文章量が必要になります。しかしあまり大部の本となると読書のハードルが上がってしまうので、内容を絞りました。図版をおさえ目にしたのも、論理でまず理解していただきたかったから。ビジュアル化することで逆に誤解を生む可能性もあるんです」(担当編集者)
評者:前田久
(週刊文春 2018年04月05日号掲載)著者について
登録情報
- 出版社 : 晶文社 (2017/9/19)
- 発売日 : 2017/9/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 376ページ
- ISBN-10 : 4794969724
- ISBN-13 : 978-4794969729
- 寸法 : 12.9 x 2.3 x 18.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 63,760位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 20位病理学
- カスタマーレビュー:
著者について

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イメージ付きのレビュー

-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
仲野徹(なかの・とおる)氏(1957-)による
病理学の啓蒙書です。
仲野氏は大阪大学大学院医学研究科の
教授(病理学)です。
剖検を行って病理診断を下す
いわゆる病理医(病理専門医)ではなく
分子生物学
その中でも
エピジェネティクスや
幹細胞(ステム・セル)学がご専門です。
本書に先行して
『エピジェネティクス』岩波新書 2014
(副題『新しい生命像をえがく』)
などのご著書があります。
ご師匠は
クラススイッチやニボルマブで有名な
本庶佑(ほんじょ・たすく)氏
(1947-)です。
本書には3つの特長があります。
(イ)やさしい語り口である。
(ロ)分子生物学に基づいている。。
(ハ)病理学の内在的論理を語っている。
まず特長(イ)について述べます。
本書の文体は「です・ます」調です。
「だ・である」調に比べると
語りかける感じがよく出ています。
ところどころに関西弁の語尾
あるいはジョークも挿入されています。
ひょっとしたら
阪大医学部での病理学総論の
講義を踏まえて
いらっしゃるのかもしれません。
「はじめに」によりますと
『ごく普通の人にも
ある程度は正しい病気の知識を
身につけてほしい』
というのが仲野氏の意図です。
ここでいう「ごく普通の人」とは
前後の文脈から
①「近所の中高年の善男善女」のみならず
②「新聞や週刊誌の記事を書いている人」
(有名国公立私立大学の理系の大学院
修了者も多くいると思われます)
も指します。
ところが
本書カバーの折り返しには
『「近所のおっちゃん・おばちゃん」に
読ませるつもりで書き下した』
とあります。
出版社による記載と思われますが
本書の対象読者層について
ミスリードする一因となっている
ような気がしてなりません。
次に特長(ロ)について述べます。
現在の医学(医科学)ひいては
生命科学(ライフ・サイエンス)は
分子生物学にもとづいています。
従って
病理学の本が啓蒙書であっても
分子生物学を前提としていることは
当たり前です。
と申しますか
分子生物学を語らずに
医学・生命科学について語ることは
不可能であり無意味かもしれません。
1953年
ワトソンとクリックが
DNAの構造について
『ネイチャー』(Nature)で発表したとき
その論文はたった2ページでした。
あれからやがて
65年。
今や、程度の差はあれ
医学・生命科学に携わる
すべての人々にとって
分子生物学の知識は必須となりました。
続いて特長(ハ)について述べます。
元外務省職員で作家の
佐藤優(さとう・まさる)氏(1960 -)は
多くの著作の中で
「内在的論理」
について語っておられます。
たとえば冷戦時代
米国には米国の
ソ連にはソ連の
それぞれ内在的論理がありました。
諜報(インテリジェンス)とは
ドラマや映画のようなアクションではなく
対象とする組織の
内在的論理について情報収集して
理解することです。
あるいは、たとえば
キリスト教にはキリスト教の
イスラームにはイスラームの
内在的論理があります。
学問もいっしょです。
内在的論理とは簡単に言うならば
「ある枠組み(パラダイム)の中では
こういう前提にもとづいて
こういうコトバを用いて
こういう考え方をする」
という論理の仕組みです。
(残念ながら手元の
『広辞苑』にも『大辞林』にも
「内在的論理」という項目はないです)
「パラダイム」は
よく「知の枠組み」と訳されますが
「大枠」「枠組み」のことです。
トマス・クーンが唱え
一世を風靡しました。
仲野氏の前述のご著書
『エピジェネティクス』にも
的確な説明があります(PP.25-27)。
(ちなみに同書には
養老孟司氏(1937-)がよく言及される
カール・ポッパーや
日高敏隆(1930-2009)がよく翻訳した
コンラート・ローレンツに
ついても記述があります。
あわせてお読みになるといっそう
理解が深まるかもしれません。)
さて内在的論理に戻りますと
仲野氏は本書において
病理学・医学・分子生物学・生命科学の
内在的論理を語っておられます。
ご自身は
内在的論理という単語は
使っていらっしゃいませんが
本書のあちこちで
「医学の論理」について述べて
いらっしゃいます。
また「インターミッション」の中で
①ものごとの大きな流れ・
原理や大枠をきちんととらえる。
②言葉の意味をきちんと理解する。
……という
勉強法の大切さを強調されています。
そして何よりも
『広辞苑』をたびたび引用されて
コトバの定義(概念の定義)を
明確にしてから
議論を開始されています。
このように
内在的論理をはっきりと意識されて
しっかりとした論理を
バックボーン(背骨)とした啓蒙書は
本邦初公開
ではないかと拝察いたします。
本書は
序章を別にして
大きく3つのパートから成ります。
Ⅰ 細胞(第1章)と血液(第2章)
Ⅱ 分子生物学の要点(インターミッション)
Ⅲ がん 総論(第3章)と各論(第4章)
(Ⅰ-Ⅲの番号は私がふりました)
特にパートⅠは圧巻です。
「病理学とは何だろうか」
ということが
やさしい語り口で
しかし論理の筋を通して
語られています。
ご近所の中高年の
善男善女の方々はまずは
パートⅠを
繰り返し読まれるとよい
のではないかと思います。
パートⅢに進まれる前に、名著
黒木登志夫『がん遺伝子の発見』中公新書 1996
(副題『がん解明の同時代史』)を
お読みになることをお勧めいたします。
ひとことで申し上げると
「がんは遺伝子の病気です」。
もうひとこと付け足すと
「がんは遺伝子がアタックされる
ことによって起こる病気です」。
ふたこと・みこと付け足すと
「がんは
がん遺伝子がオンになり
がん抑制遺伝子がオフになり
DNA修復遺伝子がダメになり
細胞周期がぐるぐる回って
血管がどんどんできて
しまいには転移もある病気です」。
その昔
「人を死に至らしめたしこり」
(ある医師の表現)
としか定義できなかった
「がん」が
遺伝子の病気として確立される過程が
黒木登志夫氏(1936-)の本に
歯切れのよい表現で書かれています。
仲野氏のパートⅢは
そのヴァージョンアップと申せましょう。
仲野氏ご自身が「おわりに」で
同書に言及されています。
ここまで述べてきましたように
本書はたいへんユニークな本です。
続編または第二弾・第三弾を希望します。
個人的に
続編に希望するのは次の3点です。
(A)3分冊にする。
(B)図・表よりも論理を貫く。
(C)がんQ&Aを敷衍する。
まず希望の(A)について述べます。
結果として本書は
「やさしい語り口の難解な本」です。
ひとつの原因は
特に後半
限られた紙数に多くの話題を
ぎゅうぎゅうに詰め込んだ点に
あるかもしれません。
そこで本書を
(上)(中)(下)の三巻にして
ゆったりとした記述にすれば
さらに読みやすくなると思います。
すなわち
(上)病理学プローパー
(中)分子生物学の基礎
(下)がん
です。
たとえば(上)では
「病気(疾患)」の定義
あるいは
「病気」と「症候群」の違いなどを
論理的に語っていただくと助かります。
たとえば
芥川龍之介の時代には
(たとえば『河童』ワイド版岩波文庫)
早発性痴呆と呼ばれていた疾患が
精神分裂「病」となり
現在では
統合失調「症」となりました。
「内因」性の単一疾患だったものが
ある日、突然
多用な形態の症候群に
変わってしまいました。
疾患や症候群をどうとらえるかは
やはり遺伝子にもどって考える
のだろうなあと思いますが
仲野氏にクリアカットに
解説していただけると幸甚です。
次に希望の(B)について述べます。
実は
本書には既にたくさんの図・表があります。
すなわち
0) ロビンス 基礎病理学の章立て
1) 上皮組織と腸管の組織
2) 組織における水の出入り
3) ヘモグロビンの構造
4) ヒト染色体
5) 血小板の凝集
6) Ngramによる解析(語彙の頻度)
7) DNA複製 セントラル・ドグマ
8) がんが成立する6つの要因
9) 細胞周期(セル・サイクル)
10) 細胞接着 E-カドヘリン
写真) タスマニアデビル
11) 感度と特異性(表とグラフ)
12) 染色体転座とフィラデルフィア染色体
……です。
いわゆるFigures(フィギュア)
つまり図・表については私は
これくらいで必要十分と考えます。
図・表を増やすくらいなら
もっとコトバを尽くして
論理を語っていただくほうが助かります。
たとえば
「〇〇をコードしている遺伝子」
という表現が
パートⅢで自然に使われていたと思います。
分子生物学をある程度知っている人には
何の抵抗もありませんが
「コードしている」
ということの正確な定義は
近所の善男善女には難しいと思います。
そのあたりを丁寧に語っていただけると
もっと分かりやすくなると思います。
逆に
図・表を増やせば
分かりやすくなるとは
考えません。
なんとなく分かった気分になる
効果はあるかもしれませんが
仲野氏が勉強法のところで
強調されていたように
言葉の意味をきちんと理解する
ことにはなりません。
従って
とんでもない落とし穴に落ちる
危険性があります。
それに
カラフルで、図・表と言うより
イラストやマンガを多用した本は
少なからず既に出版されています。
そういう
受験参考書みたいな本で
分かったつもりになるよりは
ソクラテスの「無知の知」を
貫いたほうが有益だと思います。
(ソクラテスについては
養老孟司『遺言』新潮新書 2017
「はじめに」などを参照なさって下さい)
仲野氏ご自身も
ビジュアルかつ安直な
「わかりやすい〇〇学」
という本を批判されています(P.30)。
標語的に申し上げれば
「図・表を増やして
ビジュアル化するよりも、もっと
『広辞苑』からの引用を増やしてほしい」です。
(みなさまにはまず
『広辞苑』岩波書店や
『大辞林』三省堂
手元に置くことをお勧めします。
少し前の版なら値段も安いです。
ちなみに、あの
村上春樹氏(1949-)
が使っている英和辞典は
『ランダムハウス英和辞典』小学館
です。版によっては
広辞苑より重いかもしれません。)
もちろん
分子生物学で最重要な概念のひとつ
「転写因子」や「プロモーター領域」
を理解するには
概念図も必要でしょうし
病理学プローパーの本には
組織の写真も必要でしょう。
そういうケースは
本書のような啓蒙書ではなく
専門書にあたればよいと思われます。
希望の(C)について述べます。
本書のパートⅢで
がんについて詳細な記述があります。
印象に残ったことは
やはり個々の各論よりも
①がんは多様である。
②がんは進化する。
という事実です。
確かに
指数函数的に増悪のスピードが増す
ようながんもあれば
上皮細胞の中にとどまって
浸潤も転移せず
ほとんど増悪しないがんも
あるようです。
私はがんについてはドしろうとなので
たとえば
次のような疑問について
解説していただけると幸いです。
①木村資生(1924-1994)の
『分子進化の中立説』(紀伊国屋 1986)
によれば、進化とは
遺伝子のミューテーション(変異)であり
少なくとも分子レベルでは
アト・ランダムに起こります。
がんが進化するとは
どのへんの遺伝子に
どのような変異が
どうやって入るのだろうか?
思います。
前述の本書P.235の図8にある
6つの要因のどれか?
でしょうか
増悪が速いがんは
カスケードのように
変異が起こるのでしょうか?
想像するのが精いっぱいです。
②がんにも
幹細胞(ステム・セル)はあるのでしょうか?
仮説なのか概念だけなのか
それらしきものがあるのか
解説していただけると幸いです。
幹細胞があるとなしでは
外科的に摘出するときの方法や範囲が
まったく違ってくるような気がします。
③個人的には
細胞接着に興味があるので
E-カドヘリンだけでなく
カテニンその他の細胞接着分子が
どのように浸潤や転移に関わるのか
分かってくると幸いです。
最後に
本書を出版した晶文社さんと言えば
その昔
マラパルテ『壊れたヨーロッパ』(1990)
エンツェンスベルガー『ヨーロッパ半島』(1989)
などをよく読みました。
必ずしも流行作家ではありませんが
しぶい作家の翻訳が多い印象です。
本の装丁も色合いやデザインが良かったです。
今回
全く傾向の違う本書が上梓され
マーキングや書き込みしながら
一晩で読了しました。
(後半ヤヤお腹いっぱい?でした)
ぜひ続編や第二弾・第三弾を希望します。
ならばがんのことを知らないといけない。この本はそれに最適だ、と言いたいところだが、比較できるほどたくさん読んでいるわけではないのでわからない。
著者は全く医学知識がない人にもわかってもらえるように書いたつもり、といっているがやっぱり難しい。なにが難しいか、用語が難しいのだ。しかし、著者も書いているとおり、ある程度の用語を知らずして新しいことを学ぶことなどできないのだ。日本語の単語の意味がわからなければ日本語を理解できないように。
そんなことわからなくても理解できるように書きました、という本があったらそれは読むには値しない本だと思ったほうがよいのではないか。
がんは遺伝子の変異が原因だ。変異は体のなかでしょっちゅう起こっているようだが、必要な変異が複数組み合わされて発生すること、長い時間が必要なこと(例外はあるが)、免疫機構に打ち勝つことなどの条件が整ったときにがんになる。長生きしていればそれだけそのチャンスが増えるというものだ。著者によれば、これは運が大きく左右するという。
世の中にはたくさんのがん予防法が紹介されているが、そんなものは運を少々変える程度のものにすぎないのだ。タバコを長年吸っていて肺がんにならない人もいれば、その逆の人もいる。しかし、強運を呼び込むためにはそれなりのことが必要である。何もしないで運を呼び込むことはできない。従い、単に運だとあきらめてはいけない。
人生と同じだ。騙されないためには正しい知識が必要である。長生きしたいと思ったら学習しないといけない。本の表紙ほど簡単に読める本ではないが、参考になる本である。
第1章では、私たちの体を作っている細胞について解説する。いろいろな刺激を受けることにより、細胞は様々な形で適応し、または損傷し、ときには死に至るという、細胞とは何かについての基本的な解説がなされる。第2章では、血液の異常、即ち血行動態の様々な異常について解説する。脳梗塞、脳溢血、心筋梗塞など、血管の傷害によって引き起こされる様々な病気のメカニズムが分かりやすく説明され、興味深い。
3章、4章では、がんについての解説である。がんはどういう原因で発症するのかや、子宮頚がん、胃がん、肝臓がんといった、個別のがんの内容について、総論と各論に分けて解説がなされる。特に、がんの発症に関係するとされる遺伝子について、6つの種類によって説明している箇所が専門的で興味深い。
なお、2章と3章の間にある「インターミッション」では、分子生物学の基礎として、DNA、RNA、遺伝子、ゲノム、染色体などについての基本的な説明があり、本書の読み進める上での理解を助けてくれる。特に「遺伝子とは概念的なもの」という下りは、同じ時期にシッダールタ・ムカジーの『遺伝子』を同時並行で読んでいただけに、分かりやすい説明だった。
がんというものは、単一の疾患ではなく病因が多様であること、そしてどんどん進化することから、がんによる死を撲滅することは不可能であると著者は断言する。がんになったら、自分のがんがどのようなものであるかをよく理解し、最善の治療法を探りながら、自分がどう生きたいかを最優先して、あとは運を天に任せるという意見は、なかなか合理的な考え方で、個人的にはとてもで納得感がある。
全体を通じ、なじみのない、知っているようで知らない、または漢字が読めない医学用語が頻繁に出てくる。そのため、読み進めるにあたり、分からないことを調べる必要性(リンパ腺って、そもそもなんだっけ?とか)があることはややネックだが、軽快な語り口調と所々に挟まれる余談を楽しみながら、医学の専門的な知識を得ることができるという点において、なかなか面白い本であった。
自分自身、癌に関して病理学の分野で研究活動を行なっており、本書から改めて癌細胞は巧妙に増殖、転移したり、薬剤耐性を獲得しているのだと認識した。
それと共に、今後も病理学、すなわち病気が何故発症するのかを分子レベルで解明する取り組み、は分子標的薬開発やプレシジョンメディシンの更なる発展において必要不可欠の学問であると感じた。
専門家には物足りない内容かと思いますが、どっぷり文科系の当方に
とっては程よい内容です。ただ、もう少し図表を駆使した方が、なお、理
解の補助になりそうです。
終わりの方で、専門用語がチラホラ顔を出し理解できない部分がありま
したが(ここも図表化すれば恐らくクリアーできると思う)、総じて無難な
内容。
なお、この書籍を読んで良かったのは内容もさることながら、後半の種
本になっている「がん・4000年の歴史」と自己人体実験を取り扱った「世
にも奇妙な人体実験の歴史」を紹介していることです。だまされたと思っ
て買いましたが、この本以上に面白い内容です。