我々素人が読んでも気付かない。しかし戸籍研究の第一人者である遠藤正敬氏の目と学識を通すと、『犬神家の一族』の隅から隅までありとあらゆるところに法律的不合理が浮き出てくる。しょせん『犬神家の一族』は作り物語なのだからと割り切って、そのエンターテインメント性を楽しめばよいという考え方も否定はできない。
しかし、近代日本文学はリアリズムを追求してきた。リアリズム文学の確立が大望であった。それとは裏腹に世の読者の多くはリアリズム文学に背をむけてきた。はからずも、遠藤氏は本書にて、作り物語ーひいては近代文学そのものーの存在理由を問う痛烈な一撃を放ったのである。
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犬神家の戸籍: 「血」と「家」の近代日本 単行本(ソフトカバー) – 2021/10/12
遠藤正敬
(著)
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購入オプションとあわせ買い
横溝正史はなぜ金田一を“結婚させなかった"のか? 戦後の転換期、すなわち敗戦から民主化へと向かう新旧の制度や慣習が入り交じった時期に書かれた、横溝正史の代表作にして、探偵小説の金字塔『犬神家の一族』。犬神家の複雑かつ血みどろの人間模様を紙上で規定していたのは「戸籍」であった――。精緻な読解と検証を通じて、日本社会に根強く残る「血」や「家」の秩序と価値観を炙り出す、血に塗れた「紙の上の家族」の日本史。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社青土社
- 発売日2021/10/12
- 寸法18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN-104791773950
- ISBN-13978-4791773954
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登録情報
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- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 4791773950
- ISBN-13 : 978-4791773954
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 282,208位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2022年3月4日に日本でレビュー済み
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かの『犬神家の一族』の家系がわかる本。ただ、映画と小説の違いを知らない人(特に、映画しか知らない人)は、少し違和感を感じるかもしれません。
2022年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アカデミックな「戸籍(及びこれに関する法律)」の視点で物語を読み解いていく、犬神家の一族を楽しむ為の新たな方法に出会えました。
多少難しい部分はあるが、分かりやすく、改めて読み直そうと思いました。
多少難しい部分はあるが、分かりやすく、改めて読み直そうと思いました。
2022年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
はっきり言おう。万人受けする本では無い。
ただし
①仕事で戸籍を扱う事がある
②「犬神家の一族」が好き
①と②の要件を充たす極一部の人には強く薦める。
学者さん独特の偏愛が大暴走。深読みの癖が凄い。おそらく横溝正史本人もここまで設定を考えていないのではないかと思うくらい…
私は仕事で戸籍を扱うので、非常に勉強になった。戦前の戸籍を読めると意外と武器になります。
ただし
①仕事で戸籍を扱う事がある
②「犬神家の一族」が好き
①と②の要件を充たす極一部の人には強く薦める。
学者さん独特の偏愛が大暴走。深読みの癖が凄い。おそらく横溝正史本人もここまで設定を考えていないのではないかと思うくらい…
私は仕事で戸籍を扱うので、非常に勉強になった。戦前の戸籍を読めると意外と武器になります。
2022年1月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かの犬神家の話ではありますが、歴史的背景の解説もされており、現代日本が世界とちょっとズレてるジェンダーや人権の価値観の根を感じられた。
2021年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本のミステリーの原型がまさにこの「血」にあると痛感。ケガレ意識やイエ意識、よそ者を排除する考え方など、納得できてまた横溝作品を読み漁りたくなりました。様々な差別問題の解決のためにも、一読すべき本でしょう。
2022年12月11日に日本でレビュー済み
序章で「娯楽作品の(中略)粗探しをしようという野暮な試みをするつもりは毛頭ない」「あらためて『名作』の世界を多様な観点から吟味してみるのもまた一興」と本書の目的(と予防線?)が書かれている。ここに賛同できる人には自信を持ってお勧めしたい。
戸籍という視点から名作を解剖していく様は実に面白く、そこからかつての日本人を縛っていた家制度が「犬神家の一族」という名作(ひいては他の作品及び横溝正史自身)にとって重要なテーマであったことが改めて浮かび上がってくる。今もなお残る家/家族の旧弊なあり方への著者の問題提起もそこかしこに感じられる。娯楽作品を紐解きつつもそこから非常に多くのことを学べる見事な一冊。
娯楽要素の少ないであろう他の著書も是非読みたい。
戸籍という視点から名作を解剖していく様は実に面白く、そこからかつての日本人を縛っていた家制度が「犬神家の一族」という名作(ひいては他の作品及び横溝正史自身)にとって重要なテーマであったことが改めて浮かび上がってくる。今もなお残る家/家族の旧弊なあり方への著者の問題提起もそこかしこに感じられる。娯楽作品を紐解きつつもそこから非常に多くのことを学べる見事な一冊。
娯楽要素の少ないであろう他の著書も是非読みたい。
2021年10月23日に日本でレビュー済み
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犬神家の、背徳的な人間関係を「たたき台」に、かれらの戸籍上での位置を知る。戸籍―ひとが出生時にログインすることにより、成り立つ。正攻法ではいるか、裏口からはいるかで、そのひとの人生の一部が決まる。今や日本にしか存在しない戸籍制度も、大半の日本人によって無意識にも維持されている。結婚という言葉の代わりに「入籍」という言葉がまかり通っていて、誰からも認められたい男女関係を築きたがる。
そうでなかった、そうできなかったひとたちが、犬神家の戸籍を構築している。
そうでなかった、そうできなかったひとたちが、犬神家の戸籍を構築している。