当方隠居老人で馬齢を重ねるばかりで、いくつに
なってもあまり、どうすればよいのか分からないまま。
本書はその中に住んでいる日本という国が、いまどこ
にいて、どう進もうとしているのかを考えた本。
時々、新聞で著者の書き物を読むが、良心的な
人らしく、自分の気づかなかった筋道が示されることが
おおい。
いくつかの日本の問題が指摘されているが、たとえば
現在の日本は隣国たちと仲がよくないけれど、どうすれ
ば友好を回復できるか?
これには簡単に言えば、アジア太平洋戦争(1937に開始
され1945.8に終戦、ふつうあの戦争などと
呼ばれる)での日本が及ぼした加害の結果を「率直に謝罪
し、賠償すべきだ」と答えている。
これに関連して、サンフランシスコ講和のとき、何故、
この賠償を、連合国が免除したかも解説される。
先進植民地主義国でもある連合国が、後発植民地主義
=日本を仲間として優遇したからだ、と。
はじめのほうでは、
どうして学歴社会が作られたのか、
どうして日本は、侵略されそうな国から、「侵略する国の
方」に転換したのか、
戦後の部では、どうして日本はアメリカの<家来>になっ
たのか、
世界の潮流に何故、自衛隊は逆行するのか。
アジアの国々からの戦後賠償要求にどうこたえるか、
日本のおかしなナショナリズム、
などの問題である。
いずれも、第1次資料をみたり、よく考えて、研究すべき
課題だと思われる。

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増補改訂 日本という国 (よりみちパン!セ) 単行本(ソフトカバー) – 2011/7/16
小熊 英二
(著)
「日本」っていつ、だれによって作り出されたの? 「学ぶ」ことの意味に触れながら、未来を探るために描かれる刺激的な近・現代史。
- 本の長さ200ページ
- 言語日本語
- 出版社イースト・プレス
- 発売日2011/7/16
- 寸法13.1 x 1.5 x 18.8 cm
- ISBN-104781690009
- ISBN-13978-4781690001
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登録情報
- 出版社 : イースト・プレス; 増補改訂版 (2011/7/16)
- 発売日 : 2011/7/16
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 200ページ
- ISBN-10 : 4781690009
- ISBN-13 : 978-4781690001
- 寸法 : 13.1 x 1.5 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 581,814位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 36,721位絵本・児童書 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「私たちはこの国に生きていて、この国が進む方向によって、自分の運命も左右されかねない」だから、今、日本を学ぶ。
最終章に、次のような記載がある。「日本の悲劇の因は、アジアのホープからアジアの裏切り者への急速な変貌のうちに胚胎していた」―明治維新後、欧米の植民地化を免れアジアのホープと仰がれた。だが日本は、国家への忠誠教育、帝国主義化への軍備増強、不満のはけ口としてのアジア侵略をして、裏切り者となった。
「敗戦によって….日本はアジアの裏切り者としてデビューしようとするのであるか。」―大戦(特に冷戦)後、日本はアメリカの方針に従った。アメリカは、米軍基地を確保する安保条約を日本と結んだ。日本の西側陣営の国際デビューのサンフランシスコ講和会議を、再軍備のために開催した。その調印国に、日本に対する戦後賠償請求権を放棄させた。つまり、日本はアジアに位置しながら背を向け、はるか太平洋の向こう岸のアメリカを凝視した。そしてGNP世界第2位に、伸し上がった。しかしアジアの目から見た日本は、共産圏の壁であり、アメリカの番犬と映るかもしれない。共産圏と同居するアジアを無視した、裏切り者と映るかもしれない。
このまま、日本は裏切り者を続けるのだろうか。未だ諸外国に対する軍備構想がなく、米軍基地、自衛隊、戦後賠償そして靖国問題を先送りにしている。いつまでも逃げ回ることもできない。なぜなら、未来の日本に自分たちの運命がかかっているのからだ。
最終章に、次のような記載がある。「日本の悲劇の因は、アジアのホープからアジアの裏切り者への急速な変貌のうちに胚胎していた」―明治維新後、欧米の植民地化を免れアジアのホープと仰がれた。だが日本は、国家への忠誠教育、帝国主義化への軍備増強、不満のはけ口としてのアジア侵略をして、裏切り者となった。
「敗戦によって….日本はアジアの裏切り者としてデビューしようとするのであるか。」―大戦(特に冷戦)後、日本はアメリカの方針に従った。アメリカは、米軍基地を確保する安保条約を日本と結んだ。日本の西側陣営の国際デビューのサンフランシスコ講和会議を、再軍備のために開催した。その調印国に、日本に対する戦後賠償請求権を放棄させた。つまり、日本はアジアに位置しながら背を向け、はるか太平洋の向こう岸のアメリカを凝視した。そしてGNP世界第2位に、伸し上がった。しかしアジアの目から見た日本は、共産圏の壁であり、アメリカの番犬と映るかもしれない。共産圏と同居するアジアを無視した、裏切り者と映るかもしれない。
このまま、日本は裏切り者を続けるのだろうか。未だ諸外国に対する軍備構想がなく、米軍基地、自衛隊、戦後賠償そして靖国問題を先送りにしている。いつまでも逃げ回ることもできない。なぜなら、未来の日本に自分たちの運命がかかっているのからだ。
2014年5月16日に日本でレビュー済み
2011年改訂版ですが内容は冷戦解消直後くらいの時代の雰囲気を写しています。
古い本だということを意識した上で読むべき。
現代の若い人に”勉強のために”勧めるのは避けたほうが無難。
古い本だということを意識した上で読むべき。
現代の若い人に”勉強のために”勧めるのは避けたほうが無難。