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EV イブ 単行本 – 2021/9/15

4.3 5つ星のうち4.3 71個の評価

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購入オプションとあわせ買い

深刻な地球温暖化の前に、欧米では遅くとも2035年までにエンジン車の新車販売が規制される。
つまり新車販売は電気のみで動く車に限られるのだ。
加えて中国が2030年をめどに、国内の新車販売をすべて環境対応車に変更するという。
このような世界情勢を前にしても、既存産業への配慮と圧力から日本政府は有効な手を打てずにいた。
経産省の自動車課に籍を置く瀬戸崎啓介は焦りを募らせる。
このままでは、日本の自動車関連就業人口534万人のうち多くが路頭に迷う可能性がある。
だが、いったいどうすればいいのか……?
電気自動車への全面移行に遅れた日本に、起死回生の一手はあるのか?
『首都感染』で新型コロナ感染拡大を予言した著者が描く、〝日本経済、予言の書〟解禁!
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 角川春樹事務所 (2021/9/15)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/9/15
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 404ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4758413916
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4758413916
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 71個の評価

著者について

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高嶋 哲夫
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1949年7月7日、岡山県玉野市生まれ。慶應義塾大学工学部卒。同大学院修士課程を経て、日本原子力研究所研究員となる。1979年、日本原子力学会技術賞受賞。カリフォルニア大学に留学し、帰国後作家に転身。『帰国』で第24回北日本文学賞、『メルトダウン』で第1回小説現代推理新人賞、『イントゥルーダー』で第16回サントリーミステリー大賞の大賞・読者賞をダブル受賞。2007年、松竹映画・米ユニバーサルピクチャーズ初の共同制作で『ミッドナイトイーグル』が映画化され、日米同時公開。2010年『風をつかまえて』が第56回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(高等学校の部)に選定。2017年『福島第二原発の奇跡』でエネルギーフォーラム賞優秀賞を受賞。

神戸在住のため、自身が阪神・淡路大震災に被災して以降、『M8』『TSUNAMI』『東京大洪水』『富士山噴火』『巨大地震の日』『震災キャラバン』『東海・東南海・南海巨大連動地震』(全て集英社)、『アニマート』(漫画原作。週刊ヤングジャンプにて連載)、『巨大地震の後に襲ってきたこと』(宝島社)などで防災・減災に関する啓蒙を、また『世界に嗤われる日本の原発戦略』(PHP研究所)などで原子力に関するルポや意見表明を行っている。

カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2023年2月24日に日本でレビュー済み
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現実と区別がつかないような展開で、ドキドキするような内容でしたね。瀬戸崎みたいな官僚がいれば、我が国も安心ですがね。
2022年4月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
高嶋哲夫さんの思い描く理想の結末なんだろうと思いながら読ませていただきました。主人公の瀬戸崎氏のような官僚がいればいいですが、そんな人いないでしょうし、経産省があんなに自由にさせるとは思えませんね。日本のトップメーカーが経産省が掲げる将来を見据えたとはいえ、自社の目の前の利益に不利な政策に服従するとは到底思えません。HVに将来はあるのか?ということは、世界の大きな流れから日本は落ちこぼれていくのでしょうか?起死回生の挽回策はあるのでしょうか?読み物としてはとてもおもしろく読ませていただいたので、甘々で☆☆☆☆とさせていただきます。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年11月14日に日本でレビュー済み
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高嶋哲夫さんの本は、いつもストーリーを楽しみながら勉強になります。
2021年12月7日に日本でレビュー済み
本書「EV」は、過去に「首都感染」で見事コロナ禍を予言した経歴の持ち主、高嶋哲夫氏の電気自動車(EV)に纏わる日本と米国、中国を中心とした産業・政治シミュレーション小説。物語で登場する「テスラ」はCEOの名前のみをウィリアム・デービットソンと変えているが、ほぼ全てイーロン・マスク氏そのもの。日本の自動車会社の社名も全て今存在する会社が容易に想像できる。

EVは、単に電気で動くことで注目されているのではなく、移動する蓄電池として、再生可能エネルギーの分散蓄電装置として機能する。そして、ライドシェアと自動運転で、従来の車の概念を根本的に覆すもので、これから近い将来全ての車がEVに置き換わることは確実であると思う。そこには、各国の産業と政治に関わる駆け引きが繰り広げられている。特に日本は自動車立国であるため、その産業構造が変わると大きな影響を受けることになる。

今日本が置かれている状況に危機感を持って「近い将来の日本の産業の在り方」を考える起爆剤として、全ての日本の方々に今すぐ読んでもらいたい内容。

ここから以下は、「テスラ」と「ボクラ」が2009年ワールドソーラーチャレンジで戦った時のことを懐古する。

2009年10月。オーストラリアを北のダーウィンから南のアデレードまで3000kmを縦断するソーラーカーレース、ワールドソーラーチャレンジの「エコチャレンジ部門」に参加した。僕等は将来電気自動車(EV)の世界が来ると信じ、「ディーブグリーン」プロジェクトを立ち上げた。従来のガソリン車からEVへ急速に入れ替わる時、中古車を廃棄するのではなく、エンジンと燃料タンク以外のボディーを含めた車体を再利用する、いわゆる「コンバージョンカー」のデモンストレーションが目的。そのエコチャレンジ部門には、創業まもない「テスラ」がロードスターを元にした初期のモデルで参戦していた。そこでは、「テスラ」と「ボクラ(僕等)」の一騎討ちが繰り広げられたのを12年経った今でも克明に記憶している。

ボクラのチームメイトの数人はソーラーカーのモーターコントローラーなどを製造するTritium社を創業していたのだが、その後2013年にテスラが株式公開すると同時期に急速充電装置の開発製造を始めた。そのTritium社は今年2021年5月になんとナスダックに上場して、$2ビリオンの資金を集める快挙を成し遂げた。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年10月11日に日本でレビュー済み
読み応えあり、読後も良い余韻。
これからの自動車業界がどこへ向かうのか、
どうなっていくべきか、楽しみながら、
知ることが出来ます。
今、現実はどう動いているのだろう。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年11月10日に日本でレビュー済み
ずいぶん雑な書き出しという印象ですね。多作の方は細部に気を遣わないのでしょうか。編集者は何も言わないのでしょうか。
話の前後や言い回しで気になった部分があまりに多かったので、自分で書き直してみました。これでどうでしょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「予定通りに進めましょう」
初老の男の右側に座っている中年の男が、決断を求めるように言う。
考え込んでいた初老の男が顔を上げた。
「時期が早いのではないか。まだコロナが終息して間もない。感染者が出続けている国もある」
さほど広いとは言えない部屋に五人の男たちは座っていた。 中央のソファーに初老の男、彼を取り囲むように男たちが左右二人ずつ、真剣な表情で初老の男を見つめて座っている。部屋の内装は黒っぽい天然木で統一され、落ち着いた深みがあった。
五人がこの部屋に入ってすでに一時間がたとうとしていたが、これまでに発せられた言葉はわずかでしかない。
「我が国も大きくダメージを受けました。失業者も多く出ています。救済の意味もあります」
「欧米のメディアは、我が国の大気汚染がコロナ前よりさらに悪化していると騒いでいます」
初老の男が顔をさらに曇らせた。
「どの程度の失業者対策になる」
「二万人程度です。関連企業を含めると、その十倍でしょう。それより、国民の意識の転換になると思います。コロナが終わり、我が国が世界の自動車産業のトップに躍り出る、新しい時代が始まるという意識が芽生えます」
「新しい時代か。そうだな」
初老の男は迷いを振り払うように背筋を伸ばし、一度大きく息を吸って吐いた。
「分かった。予定通りに始めよう」
部屋の空気に改めて緊張が漂った。
二年前、新型のコロナウイルスが世界に蔓延した。二億人を超える人が感染し、五百万人が死んだ。その数はまだ増えるだろう。一都市からの発生だったが、封じ込めようとしている間に国内に広がり、数か月で世界に蔓延した。多数の死者が出た欧米は責任を追及してきたが、乗り切った。
「世界は総力を挙げて、対抗してくるでしょう。党は断固跳ね返さなければなりません。飴と鞭を最大限に使ってでも」
「地球温暖化対策、環境保護を前面に打ち出せば、表立っての反対はできないだろう」
「しかし、裏から締め付けてきます。世界の自動車産業を敵に回すことになるのですから」
「ギリギリまで伏せておけ。これはあくまで我が国の事情、国内問題だ。外国が干渉すべき問題ではない。海外へのワクチン援助をさらに増やそう。それより…」
と言って最も若く見える男に目を止めた。 彼はまだ四十歳になったばかりの国務院交通運輸部長である。
「買収の話はどうなっている」
「進んでいます。時価総額では六千億ドル、現在のレートで約三兆六千億元、世界第一の自動車メーカーです」
「生産台数でいえば世界二十位で、世界一位の十分の一にも満たないがな。明らかに過大評価だが、我々と価値観が違うようだな」
「それが資本主義です。おまけに民主主義です。誰の強制もなく、実体のない評価がまかり通ります」
「遅延なく、プロジェクトを進めてくれ」
と言って周囲の者たちを一人ひとり見ていく。
「もちろんすべての状況報告、決定は私を通すように」
周浩宇主席が立ち上がると、他の四人も慌てて立ち上がった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年5月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
評価が高く、クルマ産業をフィクション小説で描いているものだと思っていたが、どれも中途半端で酷い。
まず下調べが浅い。クルマ行政と民間事業者との関係性があまりにも浅はか。HEVとBEVの二項対立で、BEVに国策で切り替える動きをこんなにも浅く描けるのか、との印象。
そもそも国のBEV推進とICE(ガソリン車)規制をHEVとの対立で描いていること自体が調べが浅すぎる。
2030年時点でEVはどんなに伸びても世界の新車販売の2〜3割。逆に言えば7〜8割はまだガソリン車だ。その上で、モデルミックスを地域ごとにどう変えていくか複雑な施策が求められている。この前提がBEVかそうではないか、のゼロイチで議論されているのがあまりに不勉強だ。
加えて蓄電池がキーとして描かれてるが、蓄電池ではなく車載電池であって蓄電池とは概念的に違う。BEVで問題となるのは、電池と半導体だ。半導体チップの供給問題を描けてないのはリアルではない。BEVの構造および歴史背景が全くわかってないから、浅い原稿にしかならない。

さらにストーリー展開はありきたりで、全く驚きもない。BEV専業の米国メーカーのトップと経産官僚との交流も描いているが、なぜ彼は日本の官僚とここまで通じるのか、設定に無理がある。途中、ベンチャーの技術が生かされる部分があるが、背景ともにありきたりで酷い。

さらに、何より作家側の力量なのだろうが、カギカッコの連続だけて基本ストーリーが進む。つまり情景描写も何もない。ストーリーがありきたりで、読む気を失せさせる。文章の力量がない上に下調べが浅く、全体的に買うに値しない本になっている。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年5月22日に日本でレビュー済み
・長編小説で様々な人物が登場するが、主な登場人物の一覧が巻頭に無い
・国産車メーカー(と国)がハイブリッド車にこだわる理由がステレオタイプすぎる
・経済新聞・雑誌に載っているようなことしか記述されていないので、電気自動車や代替エネルギーの勉強
 にもならない。荒唐無稽も含めたSF的な解決策を示すわけでもない
・デビッドソンの人物像も実在のあの人物をモデルにしているが、日本をおもねるような言動が
 創作的且つ予定調和的
・主人公の瀬戸崎(と由香里)が何歳くらいの人なのかが不明。セリフや行動が50歳過ぎの人のようで、
 202X年の若者像ではない
・全体的に文章や言葉選びが説明調でくどく、読みにくい

結果、途中挫折しながら読了に57日もかかった。
「暇つぶし以下の本」を探している方にはオススメだ。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート