前巻末、ライハルトとローウェンの目の前で、まんまと少年カルアシャ兵カイルに攫われてしまったエダ。カルアシャでは大罪人であるカルマン家の娘ゆえ、残酷な結末がよぎる彼女だったけれど、王の勅命は「無傷で連れてくること」だった。
一方、ルティアナ号へとり残された形のミタス達は、エダ救出に向うことは許されずあまつさえ「暴動の恐れ有り」と拘束され反省房へ入れられてしまう。
ライハルトの周到な作戦でようやくカルアシャへ向うミタス達、そこにはルティアナ号を降りた彼も、反発しつつすっかり一員となってしまっている彼も、ひとり自ら責め苦を負った彼も加わっています。
しかし、向ったカルアシャの王都は幾重もの城壁に囲まれた鉄壁の要塞都市でここの攻略には意外な人物が手を貸すことになります。・・・それからライハルトの意外な「才能」も・・・。後で知られてしまって「兄様、不潔です!」なんて事にならなければいいのですが。
今回の見所はずばり、カルアシャの少年王カルツェです。囚われのエダを駒に周囲貴族たちの反発の中、彼の考えていることは。
やり方はどうであれ、彼だったら・・・?と思わせるものがあったのに、やはりこの国は黄昏ゆく運命から逃れられないのかも知れません。
不気味なカイルがある意味大活躍です。その異常な性質、能力は数あるおかしなカルアシャ兵士の中でも群を抜いていましたが、もう軽やかに・・・気持悪すぎる!。いったい誰がいつ彼を止めるのだろう。
細かな点については相変わらず、とりあえず脱出の機会は逃さないけれど、その「飛び出し」が断片的な情報をつかむために何回も繰り返されるのが安易な手段に感じられてしまったり、バレットの腕そこまでやっちゃう?、王宮の衛兵・憲兵の武器は槍斧だけ?、カルマン家先祖の血筋薄くないか?他、いつも通り手放しでは読めず、ひっかかりました(笑)。
兄様筆頭の大嘘はったり作戦とか見事にはまって多少スカッとくる所もあってちゃんとやるべきことは成したのだけれど、『ラブ』としたら、いまひとつ盛り上がらなかったかな〜。今回は「ミタスのみんな」って感じです。
ところで今回の表紙絵は今迄で一番好きです。このエダは・・・本編より三割増しな気がします(笑)。

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海上のミスティア 白き女神と悪夢をつむぐ王 (一迅社文庫アイリス) 文庫 – 2011/6/18
- 本の長さ286ページ
- 言語日本語
- 出版社一迅社
- 発売日2011/6/18
- ISBN-104758042403
- ISBN-13978-4758042406
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登録情報
- 出版社 : 一迅社 (2011/6/18)
- 発売日 : 2011/6/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 286ページ
- ISBN-10 : 4758042403
- ISBN-13 : 978-4758042406
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,786,045位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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