本書の内容をあれこれ言う前に、まず上海でMBAを取ろうと思ったところが素晴らしい。そして実際に取ってしまったところが素晴らしい。
そしてもっと素晴らしいのは、その体験をこうして本にして残したこと。せっかくの貴重な経験も、こうして情報発信しなくては、後に続く人の教訓にならない、ということ。
内容ももちろん素晴らしい。何より、経験者でなくては書けないようなエピソードが満載。1話完結型にして、それぞれの出だしを工夫したのも良かった。
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上海のMBAで出会った 中国の若きエリートたちの素顔 単行本 – 2005/10/18
岡本 聡子
(著)
胡錦涛国家主席の娘も在籍していた、
中国のトップビジネススクールに留学した
著者が、同級生である超エリート中国人と
歴史認識問題や反日感情などについて
本音で語り合った1年半の記録
こんな方にお勧めします
中国ビジネスに関わっている人、またはこれから関わろうとする人。日中関係に興味がある人。中国人との付き合いの中で起こりうる問題を解決するためのヒントがここにあります。
本書の内容
著者がCEIBS(上海にある中国のトップビジネススクール)在学中に発行していた1年間限定のメールマガジンを単行本化しました。2500人以上の読者をもち、400通以上の反響のメールが届いた人気コンテンツです。2004年はサッカーのアジアカップなどで日中関係に注目が集まりましたが、2005年は抗日戦争戦勝60周年(中国側)、日清戦争終結110周年と節目の年で、両国の関係はさらに注目されると考えられます。本書は、中国や中国人を単一的な見方で結論付けるものではなく、著者の視点で中国のビジネスエリートの姿を鮮明に描くものです。
中国のトップビジネススクールに留学した
著者が、同級生である超エリート中国人と
歴史認識問題や反日感情などについて
本音で語り合った1年半の記録
こんな方にお勧めします
中国ビジネスに関わっている人、またはこれから関わろうとする人。日中関係に興味がある人。中国人との付き合いの中で起こりうる問題を解決するためのヒントがここにあります。
本書の内容
著者がCEIBS(上海にある中国のトップビジネススクール)在学中に発行していた1年間限定のメールマガジンを単行本化しました。2500人以上の読者をもち、400通以上の反響のメールが届いた人気コンテンツです。2004年はサッカーのアジアカップなどで日中関係に注目が集まりましたが、2005年は抗日戦争戦勝60周年(中国側)、日清戦争終結110周年と節目の年で、両国の関係はさらに注目されると考えられます。本書は、中国や中国人を単一的な見方で結論付けるものではなく、著者の視点で中国のビジネスエリートの姿を鮮明に描くものです。
- 本の長さ235ページ
- 言語日本語
- 出版社アルク
- 発売日2005/10/18
- ISBN-10475740915X
- ISBN-13978-4757409156
商品の説明
著者からのコメント
今、日本のメディアを通して知ることのできる中国は、マクロ分析や、反日的な映像が多くを占めています。中国ビジネスにおいては、今後の中国を担う人々――CEIBSに通うような若い中国人エリートたち――を知らずに、大局的な判断はできません。
本書は、CEIBSで親交のあった同級生についてのみ、書いたものです。彼らの言動や価値観を、すべての中国人に当てはめることはできませんが、中国のエリート層について大体のイメージをつかんでいただければ幸いです。現在、両国は微妙な関係にあります。既存メディアがつくる中国のイメージを超えて、ひとりひとりの中国人を思い描いていただくことで、皆さまの理解の助けになればと思います。
本書は、CEIBSで親交のあった同級生についてのみ、書いたものです。彼らの言動や価値観を、すべての中国人に当てはめることはできませんが、中国のエリート層について大体のイメージをつかんでいただければ幸いです。現在、両国は微妙な関係にあります。既存メディアがつくる中国のイメージを超えて、ひとりひとりの中国人を思い描いていただくことで、皆さまの理解の助けになればと思います。
出版社からのコメント
将来の中国ビジネスを動かしていく、リーダーたちの価値観を理解するのに役立つ一冊です。中国ビジネスに関わっている人、またはこれから関わろうとする人、日中関係に興味がある人に特にお勧めします。中国人との付き合いの中で起こりうる問題を解決するためのヒントがここにあります。
レビュー
将来の中国ビジネスを動かしていく、リーダーたちの価値観を理解するのに役立つ一冊です。中国ビジネスに関わっている人、またはこれから関わろうとする人、日中関係に興味がある人に特にお勧めします。中国人との付き合いの中で起こりうる問題を解決するためのヒントがここにあります。 --出版社からのコメント
抜粋
(前略)
親愛なる全同級生へ:
「私は日本人ですが、先ほどのメールが読めます。現在、日本では『支那』という呼称はほぼ使われていないし、ほかの民族を差別することは恥ずかしいこととして、周囲が止めます。従って、あの内容は間違っています。今まで何度も、このような転送メールが送られてきました。私は、戦争とその後の日本政府の対応について、皆が不満に感じていることも知っているし、とても遺憾に思います。私は大学で国際法を学んでおり、また、日中の歴史について今勉強し直しているところです。議論すべきことは、ぜひそうしたいと思います。それに、このようなメールは全員あてのメーリングリストに流れても、私たち個人、すなわち同級生の日本人を中傷する意図がないことも理解しています。でも、私たちは同級生として、ここにいるのです。今回のようなメールは、自分たちに向けられたものでなくても、異国で学ぶ身として非常に悲しく、不愉快に感じます。今後、このようなメールを流す前に、内容と、どんな影響があるかを一度考慮してください。その上で、必要性があると判断したならば、それは言論の自由です。私は、今までの数カ月間を通して、皆を友人だと思い、信じています。最後に、残念ながら私は『小日本』の意味を知っています」
発信人のニールからはすぐ、これまたびびりまくりの謝罪メールが来た。やはり悪気はなかった。何でこう短絡的に、面白半分にこういうことするかな、と思いつつ、丁寧に返事を書いた。日本人だって、よく軽はずみな言動をするものだし。多国籍のコミュニティーに慣れていないと、こういう失敗はよくあるものだ。それは、自分が少数派になったり、他人から指摘されたりしないと、気付かないものなのだろう。あんなに賢いカールだって、そうだったのだから。しかし、未来を背負うかもしれない彼らには、今後こんなことで誤解を招いてほしくない。日本でもよくあったが、面白メールを次々に転送して、他人を傷つけてしまう。インターネットが爆発的に普及した中国では、同様の「やっちゃった」転送メールが飛び交っている。
その夜に、アメリカ人留学生ロビン(学外に上海人の彼女がいる)が話しかけてきた。彼は中国語をかなり読むことができる。そしてコロンビア大の国際政治学科を出ているので、興味津々なのだ。
「サトコ、どうしてああいうことになったの? 何かできることはない?」
「ありがたいけど、明日から大変なことになるからまぁ、静観していてよ」
「え? でも、僕は応援したいんだよ」
「うーん、見ていたら、いかに複雑かが分かるよ、どうもありがとう」
翌朝、よくバドミントンに誘ってくれるダンと食堂まで歩いた。とても気を使った様子で、「サトコ、大丈夫?」。「別に大丈夫だけど、授業に遅れないか心配だよ」と私。ごまかしつつも、ありがたく思う。でも今後のことを思うと気が重い。
そこから先が大変だった。結局、50通近くの返事を書く羽目に……。翌日、メーリングリスト全員あてに、どばっと20通くらい、「サトコの主張は分かるけど、旧日本軍は……(超長文で繰り返し、旧日本軍の残虐性と戦後処理について訴える)」あるいは「今回のことは大変失礼した。恥ずかしく思い、中国人として謝罪する」という2種類のメールが届いた。その翌日も、翌々日も。
留学生は、一様に「中国人はおかしいよ」「国際化されてない」という反応。でも複雑さが理解できない人たちの中には「私はメキシコ人だけど、スペインに征服されたことをいまさら恨んでないわ。中国人は国際化に乗り遅れている」と言って、「それは違う! 中国人に失礼だ!」と中国人に攻撃される場合もあった。
論点を外して感情的に、旧日本軍の残虐性と戦後処理を延々と書いてくるメールが止まらない。そのうちその人たち同士で、言い合いになる。彼らには遺憾の意を示しながら、私の主張を繰り返し、返事を書き続けた。
最も説得力があったのは、イスラエル人のローザからのメールだった。
「あんたたち、分かってないわね、いらいらするわ! 国・政治・歴史と、目の前の友人は別だってことよ。大量虐殺に関しては私以上に語るべき人間はいないと思う。私の親族もたくさん殺されたけど、私の一番の親友はドイツ人よ。なぜ、友人として敬意を払って付き合うことと、国家同士の対立や歴史を分けられないの? イスラエル国内であっても、ドイツ人がメーリングリスト内にひとりでもいれば、彼らを不愉快にさせるようなことは誰も言わないわ」
ドイツと日本はよく比較される。中国人は一般的に、ドイツは戦後謝罪をしっかりして、日本はしてないと思っている……(本書のエピソード「日中大議論――日本政府へのいら立ち」より抜粋)
親愛なる全同級生へ:
「私は日本人ですが、先ほどのメールが読めます。現在、日本では『支那』という呼称はほぼ使われていないし、ほかの民族を差別することは恥ずかしいこととして、周囲が止めます。従って、あの内容は間違っています。今まで何度も、このような転送メールが送られてきました。私は、戦争とその後の日本政府の対応について、皆が不満に感じていることも知っているし、とても遺憾に思います。私は大学で国際法を学んでおり、また、日中の歴史について今勉強し直しているところです。議論すべきことは、ぜひそうしたいと思います。それに、このようなメールは全員あてのメーリングリストに流れても、私たち個人、すなわち同級生の日本人を中傷する意図がないことも理解しています。でも、私たちは同級生として、ここにいるのです。今回のようなメールは、自分たちに向けられたものでなくても、異国で学ぶ身として非常に悲しく、不愉快に感じます。今後、このようなメールを流す前に、内容と、どんな影響があるかを一度考慮してください。その上で、必要性があると判断したならば、それは言論の自由です。私は、今までの数カ月間を通して、皆を友人だと思い、信じています。最後に、残念ながら私は『小日本』の意味を知っています」
発信人のニールからはすぐ、これまたびびりまくりの謝罪メールが来た。やはり悪気はなかった。何でこう短絡的に、面白半分にこういうことするかな、と思いつつ、丁寧に返事を書いた。日本人だって、よく軽はずみな言動をするものだし。多国籍のコミュニティーに慣れていないと、こういう失敗はよくあるものだ。それは、自分が少数派になったり、他人から指摘されたりしないと、気付かないものなのだろう。あんなに賢いカールだって、そうだったのだから。しかし、未来を背負うかもしれない彼らには、今後こんなことで誤解を招いてほしくない。日本でもよくあったが、面白メールを次々に転送して、他人を傷つけてしまう。インターネットが爆発的に普及した中国では、同様の「やっちゃった」転送メールが飛び交っている。
その夜に、アメリカ人留学生ロビン(学外に上海人の彼女がいる)が話しかけてきた。彼は中国語をかなり読むことができる。そしてコロンビア大の国際政治学科を出ているので、興味津々なのだ。
「サトコ、どうしてああいうことになったの? 何かできることはない?」
「ありがたいけど、明日から大変なことになるからまぁ、静観していてよ」
「え? でも、僕は応援したいんだよ」
「うーん、見ていたら、いかに複雑かが分かるよ、どうもありがとう」
翌朝、よくバドミントンに誘ってくれるダンと食堂まで歩いた。とても気を使った様子で、「サトコ、大丈夫?」。「別に大丈夫だけど、授業に遅れないか心配だよ」と私。ごまかしつつも、ありがたく思う。でも今後のことを思うと気が重い。
そこから先が大変だった。結局、50通近くの返事を書く羽目に……。翌日、メーリングリスト全員あてに、どばっと20通くらい、「サトコの主張は分かるけど、旧日本軍は……(超長文で繰り返し、旧日本軍の残虐性と戦後処理について訴える)」あるいは「今回のことは大変失礼した。恥ずかしく思い、中国人として謝罪する」という2種類のメールが届いた。その翌日も、翌々日も。
留学生は、一様に「中国人はおかしいよ」「国際化されてない」という反応。でも複雑さが理解できない人たちの中には「私はメキシコ人だけど、スペインに征服されたことをいまさら恨んでないわ。中国人は国際化に乗り遅れている」と言って、「それは違う! 中国人に失礼だ!」と中国人に攻撃される場合もあった。
論点を外して感情的に、旧日本軍の残虐性と戦後処理を延々と書いてくるメールが止まらない。そのうちその人たち同士で、言い合いになる。彼らには遺憾の意を示しながら、私の主張を繰り返し、返事を書き続けた。
最も説得力があったのは、イスラエル人のローザからのメールだった。
「あんたたち、分かってないわね、いらいらするわ! 国・政治・歴史と、目の前の友人は別だってことよ。大量虐殺に関しては私以上に語るべき人間はいないと思う。私の親族もたくさん殺されたけど、私の一番の親友はドイツ人よ。なぜ、友人として敬意を払って付き合うことと、国家同士の対立や歴史を分けられないの? イスラエル国内であっても、ドイツ人がメーリングリスト内にひとりでもいれば、彼らを不愉快にさせるようなことは誰も言わないわ」
ドイツと日本はよく比較される。中国人は一般的に、ドイツは戦後謝罪をしっかりして、日本はしてないと思っている……(本書のエピソード「日中大議論――日本政府へのいら立ち」より抜粋)
著者について
岡本聡子(おかもと さとこ)
1976年生まれ。大阪府出身。早稲田大学法学部卒。外資戦略系コンサルティング会社に4年間勤務した後、上海のCEIBS(中欧国際工商学院)に留学し、MBAを取得。
1976年生まれ。大阪府出身。早稲田大学法学部卒。外資戦略系コンサルティング会社に4年間勤務した後、上海のCEIBS(中欧国際工商学院)に留学し、MBAを取得。
登録情報
- 出版社 : アルク (2005/10/18)
- 発売日 : 2005/10/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 235ページ
- ISBN-10 : 475740915X
- ISBN-13 : 978-4757409156
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,466,373位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 347位中国の地理・地域研究
- - 510位中国の経済事情
- - 1,813位MBA(経営学修士)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2007年12月7日に日本でレビュー済み
著者が上海のMBAに留学して出会った中国人たちとの日々がつづられている。
日本で中国の反日デモの様子が放送されたことがあった。私の高校は修学旅行
で今まで中国に行っていたが、そのときは中止になった。今から考えると、
「なにかあったときに問題になるといけない」という学校側の(悪く言えば)保
身があったのだと思う。本来はいつ行ってもリスクはあると思うし、いつ行って
も大丈夫なときは大丈夫なはずなのだが。
テレビの映像では、日本食の料理店を激しく打ち壊したりする中国人。しかし、同
時期に著者が接した中国人の態度はおだやかなものだったという。どちらが本当の
姿かはわからないし、著者が接した中国人がエリートという違いもあるだろう。
どちらにせよ、実際の体験記なだけにとても参考になる。ブログをベースにした本
ということで、1つ1つの話が短くて読みやすいのもいい。
日本で中国の反日デモの様子が放送されたことがあった。私の高校は修学旅行
で今まで中国に行っていたが、そのときは中止になった。今から考えると、
「なにかあったときに問題になるといけない」という学校側の(悪く言えば)保
身があったのだと思う。本来はいつ行ってもリスクはあると思うし、いつ行って
も大丈夫なときは大丈夫なはずなのだが。
テレビの映像では、日本食の料理店を激しく打ち壊したりする中国人。しかし、同
時期に著者が接した中国人の態度はおだやかなものだったという。どちらが本当の
姿かはわからないし、著者が接した中国人がエリートという違いもあるだろう。
どちらにせよ、実際の体験記なだけにとても参考になる。ブログをベースにした本
ということで、1つ1つの話が短くて読みやすいのもいい。
2005年11月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表紙のイメージや挿絵から受ける印象とは裏腹に、得るものの多い貴重な体験記である。上海のビジネススクールに留学した筆者が語る数々のエピソードを通じて、読者は、中国のエリート層にいる若者の行動様式や思想などを知ることができる。
また、著者が反日感情渦巻く中国人の集団の中で、自分の信念を貫き、存在感を確立する姿は、ともすれば安易な道に流れがちになっていた自分が、忘れていたものを思い出させてくれたような気がする。行動を重ねることによって周囲を変えると言う姿勢は、頭では理解していても、簡単に実践できることではないと思うが、それを中国でやってきた著者には心から敬意を表したい。
本書は、海外留学を考えている人はもちろん、初心を忘れたビジネスマンや人間関係に悩む人、困難に負けそうになっている人など、多くの人に、信念に基づいて行動する勇気を与えてくれる。
また、著者が反日感情渦巻く中国人の集団の中で、自分の信念を貫き、存在感を確立する姿は、ともすれば安易な道に流れがちになっていた自分が、忘れていたものを思い出させてくれたような気がする。行動を重ねることによって周囲を変えると言う姿勢は、頭では理解していても、簡単に実践できることではないと思うが、それを中国でやってきた著者には心から敬意を表したい。
本書は、海外留学を考えている人はもちろん、初心を忘れたビジネスマンや人間関係に悩む人、困難に負けそうになっている人など、多くの人に、信念に基づいて行動する勇気を与えてくれる。
2009年9月13日に日本でレビュー済み
世の中に留学体験記はたくさんあるだろうけど、中国のMBAというのが希少価値があって、中国の今後指導層となるであろう経営エリートたちの価値観、仕事観、国際感覚を知ることができて面白かった。著者が果敢にも日本と中国の戦後問題などをなぁなぁで回避して終わらさず、徹底的に議論し、理解を深めてきたことに敬意を表する。
単にMBAでマネージメントスキルを取得するのであれば、ここまで異文化理解に力を注がなかったであろうと思われるところであり、著者の関心はビジネスというより、文化交流、異文化理解に近いものがあるのではないか。卒業後も大企業に入らずに給料が半分のベンチャーに関わるなど、ユニークな視点と行動力には舌を巻くところであり、今後の活躍を期待したい。
単にMBAでマネージメントスキルを取得するのであれば、ここまで異文化理解に力を注がなかったであろうと思われるところであり、著者の関心はビジネスというより、文化交流、異文化理解に近いものがあるのではないか。卒業後も大企業に入らずに給料が半分のベンチャーに関わるなど、ユニークな視点と行動力には舌を巻くところであり、今後の活躍を期待したい。
2009年8月29日に日本でレビュー済み
今年の4月からビジネススクールに行き始めて5ヵ月が経ち、この本を読んで改めてビジネススクールの価値について考えさせられる。
著書の岡崎女史の上海における積極的かつ、妥協のないビジネススクールでの生活を経て、自ら「中国人の日本国への固定概念」をも乗り越えて、形成された強固な人的ネットワークから、私の今後のスクールでの取り組みの指針が明確になった。
著書の岡崎女史の上海における積極的かつ、妥協のないビジネススクールでの生活を経て、自ら「中国人の日本国への固定概念」をも乗り越えて、形成された強固な人的ネットワークから、私の今後のスクールでの取り組みの指針が明確になった。
2006年11月28日に日本でレビュー済み
岡本さんのメルマガはとっていなかったので知らなかったのですが、2005年末に、ある講演会でご一緒する機会が有り、その前にこの本を読ませて頂きました。読んだ感想は、中国上海で直面した事柄に、素直に、まっすぐにぶつかっていった様子が、伝わってくる本だなぁというものでした。ご本人にお会いした印象は、社会人ずれした感じは無いけれど、大人しく、人当たりの良い方でした。これほど、芯が強く打たれ強い様には見えませんでした。。。。。
本書では、中国のエリート達の庶民と乖離した生活の様子、よく言えばスマートな悪く言えば頭でっかちで実社会での地道な経験を軽視する生き方(エリート意識)や日本と中国の間の歴史に関わる問題と、日本に居ると想像できないことに、体当たりでぶつかっていった様子を、読みやすく伝えてくれます。本人の迷いながらある意味割り切っていく様子も窺うことが出来ます。多分、中国のことを(活字になった情報でもよいので)もっとよく知っていると、“なるほど”とか“へぇそうなんだ”、と思うことも多かったのではないかと思います。
講演会でお会いした時は、勤めていたベンチャー企業を退職され、メルマガも終了して、充電期間であったようです。
本書では、中国のエリート達の庶民と乖離した生活の様子、よく言えばスマートな悪く言えば頭でっかちで実社会での地道な経験を軽視する生き方(エリート意識)や日本と中国の間の歴史に関わる問題と、日本に居ると想像できないことに、体当たりでぶつかっていった様子を、読みやすく伝えてくれます。本人の迷いながらある意味割り切っていく様子も窺うことが出来ます。多分、中国のことを(活字になった情報でもよいので)もっとよく知っていると、“なるほど”とか“へぇそうなんだ”、と思うことも多かったのではないかと思います。
講演会でお会いした時は、勤めていたベンチャー企業を退職され、メルマガも終了して、充電期間であったようです。
2005年10月24日に日本でレビュー済み
あまりにも感想が多くてついに考えをまとめられませんでした。が、今思いつくことを書くと:
1、本書は中国通を自認する人に何が何でも読んでいただきたい。恐らくは普段まとめて会うことは出来ないであろう階層(?)に属する中国の方々の「生きた声」がそこかしこに満載であり、それを知性と感性と良心を持って分析する筆者の姿勢が感じられるからです。今までとは違った切り口で中国を分析出来るようになるのではないかと感じます。
2、日中関係に少しでも興味のある方にも、是非読んでいただきたいです。若い中国人の(たとえ一部ではあっても)非常に率直な意見が紹介されており、目から鱗のエピソードが満載なのです。
3、本書はMBAとは何ぞや?の問いに答える入門書としても使えます。その辺のMBA本とは全く違う切り口で、数々のリアルな現場が紹介されているのです。単なる表面だけの概論とはわけが違います。
4、さらに本書は、国際人ってなんだ?についても考えさせられます。
5、CEIBSに始めて入学した日本人に筆者が含まれていて本当に良かったと思います。こういう日本人がもっともっと世に出なければならない!と心から思いました。
1、本書は中国通を自認する人に何が何でも読んでいただきたい。恐らくは普段まとめて会うことは出来ないであろう階層(?)に属する中国の方々の「生きた声」がそこかしこに満載であり、それを知性と感性と良心を持って分析する筆者の姿勢が感じられるからです。今までとは違った切り口で中国を分析出来るようになるのではないかと感じます。
2、日中関係に少しでも興味のある方にも、是非読んでいただきたいです。若い中国人の(たとえ一部ではあっても)非常に率直な意見が紹介されており、目から鱗のエピソードが満載なのです。
3、本書はMBAとは何ぞや?の問いに答える入門書としても使えます。その辺のMBA本とは全く違う切り口で、数々のリアルな現場が紹介されているのです。単なる表面だけの概論とはわけが違います。
4、さらに本書は、国際人ってなんだ?についても考えさせられます。
5、CEIBSに始めて入学した日本人に筆者が含まれていて本当に良かったと思います。こういう日本人がもっともっと世に出なければならない!と心から思いました。
2006年2月4日に日本でレビュー済み
現在上海に留学しているものです。一読して著者への親近感が沸きました。中国で生活するということは、日本人にとっては不愉快な場面が多いのは事実です。中国人との歴史問題の議論は慎重に行わなければ、自分が傷つけられることも多いです。ある程度の理論武装をしておかなければなりませんが、著者のやり方も参考になると思います。本気で感情的になる人、面白半分で議論をけしかけてくる人などいろいろですが、日本人としての意見をしっかりと持ち、不正は絶対許さない、断固とした態度をとる、こういう姿勢が大事です。とはいえ後で陰険な仕返しにあうこともあり、なかなか恐ろしくてできないこともあります。常に勇気と良識をもって中国人に対応した著者に敬意を表します。中国へ留学やお仕事で行かれる方は、一読の価値があると思います。