韓国文学を読むのは初めてでした。現在も読中です。けれども、傘と言う意匠が私の人生の傘と重なり、著者は若しかして私の不幸も耳にして、私の人生を無に返さない工夫をして呉れたのでは、無いか、と思ってしまいました。私は、高校時代に、鉄道轢死自殺を考えて居た、その当日に、当時慕って居た小学校爾来の同級生に会い、雨の中、傘が無く、雨に濡れるが侭の、当時御尊母を癌で亡くしたばかりだった、彼女に、偶々持ち合わせて居た、もう一本の携帯用の傘を貸す事が、彼女への恋慕の念から来る躊躇いで出来ず、彼女とのその出会いで、自身は生き長らえたにも関わらず、彼女に報いる事が出来無かった自身を悔いる思いを現在に至るまで持ち続けて居る、取るに足ら無い人生です。
私は今世紀小泉純一郎が断行した郵政民営化改革を、従兄が対抗する民主党の衆議院議員で在ったにも拘らずそれを無視して一点突破選挙として支援し、日本の政治経済改革を成し遂げた、と考えて居たのですが、気付くと、国内の友人達は皆私から離れ、政治家連中は、そうした経過が在った事を否定し、自尊心の崩壊の危機と毎日遭遇する日々を余儀無くされて居ます。
その様な中で、著者の傘を意匠にした、他人への共感と思い遣りを今一度見返す丹念な作業に、心を奪われました。自身の人生は無駄だったかも知れ無いが、自身が生きた証としての、物質の物理的変化の一端が著者の思考に漂着し、著者が私の人生を掬い取って生かして呉れた、そう言う事には成ら無いだろうか、その様な払拭し難い思いを、読み進める毎に新たに抱きます。
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ディディの傘 (となりの国のものがたり6) 単行本(ソフトカバー) – 2020/9/18
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死と破壊、そして革命。
人々は今日をどのように記憶するのか。
「セウォル号沈没事故」「キャンドル革命」という韓国で起きた社会的激変を背景に、人が人として生きることの意味を問う最新作。
多くの人命を奪った「セウォル号沈没事故」、現職大統領を罷免に追い込んだ「キャンドル革命」という社会的激変を背景にした連作小説。
孤立し、閉塞感が強まる日常の中で、人はいかに連帯し、突破していくのか?
行く先に真の〈革命〉はもたらされるのか?
私たちが望む未来とは?
——人は誰もが唯一無二の存在という事実をあらためて突きつけていく。
デビューから15年。たくさんの読者を獲得すると同時に、文壇の確固たる支持を受け、名実ともに韓国を代表する作家となったファン・ジョンウンが放つ、衝撃の最新作。
「d」と「何も言う必要がない」の2作品を収録。
2019年〈小説家50人が選ぶ“今年の小説"〉第1位に選出。5・18文学賞、第34回萬海文学賞受賞作。
【目次】
・d
・何も言う必要がない
・あとがき
・日本の読者のみなさんへ
・訳者解説
【書評・メディア情報】
週刊金曜日(10月30日号)/書評(長瀬海氏・ライター、書評家)
西日本新聞(11月28日)/カリスマ書店員の激オシ本(橙書店・田尻久子氏)
クロワッサン(12月25日号)/書評(瀧井朝世氏・ライター)
2021年
東京新聞(1月18日)/大波小波で紹介
中日新聞(1月18日)/大波小波で紹介
ミセス(2月号)/今月の本・(蜂飼耳氏・詩人)
ふぇみん(4月5日)/短評
ステップアップハングル講座(8月号)/紹介
朝日新聞夕刊(9月29日)/紹介
朝日新聞(10月23日)/紹介
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社亜紀書房
- 発売日2020/9/18
- 寸法12.9 x 1.8 x 18.8 cm
- ISBN-104750516686
- ISBN-13978-4750516684
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商品の説明
出版社からのコメント
著者について
ファン・ジョンウン
1976年生まれ。2005年、短編「マザー」でデビュー。08年、最初の短編集『七時三十二分 象列車』を発表すると、現実と幻想をつなぐ個性的な表現方法が多くの人の心を捉え、〈ファン・ジョンウン・シンドローム〉を巻き起こす。
10年、最初の長編小説『百の影』で韓国日報文学賞、12年、『パ氏の入門』で申東曄文学賞、14年、短編「誰が」で李孝石文学賞、15年、『続けてみます』で大山文学賞、17年、中編「笑う男」(本書収録作「d」)で金裕貞文学賞など、数々の文学賞を受賞。本作では5・18文学賞と第34回萬海文学賞を受賞している。
邦訳された作品に『誰でもない』(斎藤真理子訳、晶文社)、『野蛮なアリスさん』(斎藤真理子訳、河出書房新社)がある。
斎藤 真理子(さいとう・まりこ)
1960年新潟生まれ。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、ハン・ガン『回復する人間』(白水社)、イ・ギホ『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』(亜紀書房)など。『カステラ』で第1回日本翻訳大賞受賞。
1976年生まれ。2005年、短編「マザー」でデビュー。08年、最初の短編集『七時三十二分 象列車』を発表すると、現実と幻想をつなぐ個性的な表現方法が多くの人の心を捉え、〈ファン・ジョンウン・シンドローム〉を巻き起こす。
10年、最初の長編小説『百の影』で韓国日報文学賞、12年、『パ氏の入門』で申東曄文学賞、14年、短編「誰が」で李孝石文学賞、15年、『続けてみます』で大山文学賞、17年、中編「笑う男」(本書収録作「d」)で金裕貞文学賞など、数々の文学賞を受賞。本作では5・18文学賞と第34回萬海文学賞を受賞している。
邦訳された作品に『誰でもない』(斎藤真理子訳、晶文社)、『野蛮なアリスさん』(斎藤真理子訳、河出書房新社)がある。
斎藤 真理子(さいとう・まりこ)
1960年新潟生まれ。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』(亜紀書房)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、ハン・ガン『回復する人間』(白水社)、イ・ギホ『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』(亜紀書房)など。『カステラ』で第1回日本翻訳大賞受賞。
登録情報
- 出版社 : 亜紀書房 (2020/9/18)
- 発売日 : 2020/9/18
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 288ページ
- ISBN-10 : 4750516686
- ISBN-13 : 978-4750516684
- 寸法 : 12.9 x 1.8 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 222,064位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 39位アジア文学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年4月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2021年2月12日に日本でレビュー済み
すごい。本当によかった。静かにしずかに、適切な言葉でゆっくりと空間を埋めていく、そんな語り口。ああこれは、言葉の力を知っている人だ。知った上で、それに翻弄されないように厳しくコントロールしながら使っているような… とてもストイックな印象を先ず受ける。そして、そうやって繰り広げられる言葉の中に考えたこともないような表現や思考がすっと挟まれていて、思わず唸ってしまった。例えば、心はあごにある、という d の回想。え?と思うけど、その後を読むとすごく腑に落ちる。どこにあってもいいんだ、自分がもっとも痛みを感じるところに心はある…。
dd の死を周りの誰も知らないままに、d の喪失→崩壊→再生への兆しが進行していく。人ひとりの死というのは、不特定多数の人に軽率に共有されるものではなくて、こんな風にひっそりと守られるべきなのかもしれない。他の人たちにとって、その死の意味が d にとっての意味と同じ筈はないのだから。そして傷は傷のまま、痛みは残ったまま、薄っぺらい希望が語られたりすることはなく幕を閉じる。それが、何と言ったらいいのだろう、d にずっと静かに寄り添っているような、深い優しさを感じさせる。
何も言う必要がない、も。感極まってとかじゃなくて、静かに涙がこぼれる経験を久しぶりにした。内容を簡単にまとめることはできない、過去に思いを巡らせながら、今を、そして来たるべき未来を考えて、考えて、考え抜く物語。冒頭に挿入された紙の詩がよかった。ハウゲの詩集思わず買っちゃいました。彼/彼女の使い分けは、最初引っかかって、表現に拘ることに何の意味があるんだろうなどとも思ったりした(性差に囚われているように最初感じたので)けど、あとがきで訳者の斎藤真理子さんが丁寧に解説してくださっていたので、作者の意図を理解することができました。韓国で実際に起こった大きな事件を背景にしているので、解説は本当にありがたかったです。
極めて注意深く構成されていて、二つの物語がシンクロするところを見つけて楽しむこともできるようだけど、まだそこまでは至っていない。今はひとつずつの物語を、ゆっくり噛み締めている。
読むのに集中力がある程度要求される本。静かな空間で誰にも邪魔されずに自分の内面と向き合いながら読みたい。でもそれがうまくいくと、他の本ではなかなか手に入らない極上の読後感を得ることができます。出会えて本当によかった。この人の本をもっと読まねば、と強く思いました。
dd の死を周りの誰も知らないままに、d の喪失→崩壊→再生への兆しが進行していく。人ひとりの死というのは、不特定多数の人に軽率に共有されるものではなくて、こんな風にひっそりと守られるべきなのかもしれない。他の人たちにとって、その死の意味が d にとっての意味と同じ筈はないのだから。そして傷は傷のまま、痛みは残ったまま、薄っぺらい希望が語られたりすることはなく幕を閉じる。それが、何と言ったらいいのだろう、d にずっと静かに寄り添っているような、深い優しさを感じさせる。
何も言う必要がない、も。感極まってとかじゃなくて、静かに涙がこぼれる経験を久しぶりにした。内容を簡単にまとめることはできない、過去に思いを巡らせながら、今を、そして来たるべき未来を考えて、考えて、考え抜く物語。冒頭に挿入された紙の詩がよかった。ハウゲの詩集思わず買っちゃいました。彼/彼女の使い分けは、最初引っかかって、表現に拘ることに何の意味があるんだろうなどとも思ったりした(性差に囚われているように最初感じたので)けど、あとがきで訳者の斎藤真理子さんが丁寧に解説してくださっていたので、作者の意図を理解することができました。韓国で実際に起こった大きな事件を背景にしているので、解説は本当にありがたかったです。
極めて注意深く構成されていて、二つの物語がシンクロするところを見つけて楽しむこともできるようだけど、まだそこまでは至っていない。今はひとつずつの物語を、ゆっくり噛み締めている。
読むのに集中力がある程度要求される本。静かな空間で誰にも邪魔されずに自分の内面と向き合いながら読みたい。でもそれがうまくいくと、他の本ではなかなか手に入らない極上の読後感を得ることができます。出会えて本当によかった。この人の本をもっと読まねば、と強く思いました。