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保健室のアン・ウニョン先生 (チョン・セランの本 01) 単行本(ソフトカバー) – 2020/3/19
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購入オプションとあわせ買い
韓国文学の新シリーズ〈チョン・セランの本〉刊行開始!
『フィフティ・ピープル』の若き旗手が放つ、奇想天外な物語。
この学校には、何かがいる——
養護教諭のアン・ウニョンが新しく赴任した私立M高校。
この学校には原因不明の怪奇現象や不思議な出来事がつぎつぎとまき起こる。
霊能力を持つ彼女はBB弾の銃とレインボーカラーの剣を手に、
同僚の漢文教師ホン・インピョとさまざまな謎や邪悪なものたちに立ち向かう。
はたしてM高校にはどんな秘密が隠されているのか……。
斬新な想像力と心温まるストーリーで愛され続けるチョン・セランの魅力が凝縮した長編小説。
「私はこの物語をただ快感のために書きました。一度くらい、そういうことがあってもいいんじゃないかと思いました。
ですから、ここまで読んできて快感を感じられなかったとしたら、それは私の失敗ということになります。」(「あとがき」より)
Netflixオリジナルドラマ「保健教師アン・ウニョン」原作! 2020年9月25日配信予定。
【目次】
大好きだよ、ジェリーフィッシュ
土曜日のデートメイト
幸運と混乱
ネイティブ教師マッケンジー
アヒルの先生、ハン・アルム
てんとう虫のレディ
街灯の下のキム・ガンソン
ムシ捕り転校生
穏健教師パク・デフン
突風の中で私たち二人は抱き合ってたね
あとがき
訳者解説
【書評・メディア情報】
日本経済新聞(4月18日)/短評
セブンティーン(5月号)/紹介
朝日新聞(5月9日)/書評(本田由紀氏・東京大学教授、教育社会学)
AERA(5月18日号)/韓国文学特集で紹介
Pen(6月1日号)/紹介
BLENDA Japan(2020年S/S号)/紹介
Real Sound(6月2日)/書評(岩渕宏美氏)
婦人公論(6月23日号)/書評(白石公子氏・詩人、エッセイスト)
子どもと読書(7・8月号)/書評(大江輝行氏)
図書新聞(7月18日号)/書評(中沢けい氏・作家)
朝日出版社ムック「#おうち韓国」(8月31日)/紹介
韓流ぴあ(11月号)/紹介(「空前の韓国ブームを知る」)
英語教育(12月号)/紹介(斎藤真理子氏・リレー連載「今読みたい、世界のモノガタリ」)
2021年
本の花束(1月号)/紹介
月刊イオ(2月号)/紹介
文化通信(2月1日)/紹介
ダ・ヴィンチニュース(2月28日)/紹介
CLASSY オンライン(3月9日)/紹介
BOOKMARK(Vol.18)/紹介
2022年
■VERY(2月号)/紹介
『フィフティ・ピープル』の若き旗手が放つ、奇想天外な物語。
この学校には、何かがいる——
養護教諭のアン・ウニョンが新しく赴任した私立M高校。
この学校には原因不明の怪奇現象や不思議な出来事がつぎつぎとまき起こる。
霊能力を持つ彼女はBB弾の銃とレインボーカラーの剣を手に、
同僚の漢文教師ホン・インピョとさまざまな謎や邪悪なものたちに立ち向かう。
はたしてM高校にはどんな秘密が隠されているのか……。
斬新な想像力と心温まるストーリーで愛され続けるチョン・セランの魅力が凝縮した長編小説。
「私はこの物語をただ快感のために書きました。一度くらい、そういうことがあってもいいんじゃないかと思いました。
ですから、ここまで読んできて快感を感じられなかったとしたら、それは私の失敗ということになります。」(「あとがき」より)
Netflixオリジナルドラマ「保健教師アン・ウニョン」原作! 2020年9月25日配信予定。
【目次】
大好きだよ、ジェリーフィッシュ
土曜日のデートメイト
幸運と混乱
ネイティブ教師マッケンジー
アヒルの先生、ハン・アルム
てんとう虫のレディ
街灯の下のキム・ガンソン
ムシ捕り転校生
穏健教師パク・デフン
突風の中で私たち二人は抱き合ってたね
あとがき
訳者解説
【書評・メディア情報】
日本経済新聞(4月18日)/短評
セブンティーン(5月号)/紹介
朝日新聞(5月9日)/書評(本田由紀氏・東京大学教授、教育社会学)
AERA(5月18日号)/韓国文学特集で紹介
Pen(6月1日号)/紹介
BLENDA Japan(2020年S/S号)/紹介
Real Sound(6月2日)/書評(岩渕宏美氏)
婦人公論(6月23日号)/書評(白石公子氏・詩人、エッセイスト)
子どもと読書(7・8月号)/書評(大江輝行氏)
図書新聞(7月18日号)/書評(中沢けい氏・作家)
朝日出版社ムック「#おうち韓国」(8月31日)/紹介
韓流ぴあ(11月号)/紹介(「空前の韓国ブームを知る」)
英語教育(12月号)/紹介(斎藤真理子氏・リレー連載「今読みたい、世界のモノガタリ」)
2021年
本の花束(1月号)/紹介
月刊イオ(2月号)/紹介
文化通信(2月1日)/紹介
ダ・ヴィンチニュース(2月28日)/紹介
CLASSY オンライン(3月9日)/紹介
BOOKMARK(Vol.18)/紹介
2022年
■VERY(2月号)/紹介
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社亜紀書房
- 発売日2020/3/19
- 寸法13.1 x 2.3 x 18.3 cm
- ISBN-104750516368
- ISBN-13978-4750516363
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商品の説明
著者について
チョン・セラン
1984年ソウル生まれ。編集者として働いた後、2010年に雑誌『ファンタスティック』に「ドリーム、ドリーム、ドリーム」を発表してデビュー。
13年『アンダー、サンダー、テンダー』(吉川凪訳、クオン)で第7回チャンビ長編小説賞、17年に『フィフティ・ピープル』(斎藤真理子訳、亜紀書房)で第50回韓国日報文学賞を受賞。
純文学、SF、ファンタジー、ホラーなどジャンルを超えて多彩な作品を発表し、幅広い世代から愛され続けている。
他の小説作品に『地球でハナだけ』『八重歯が見たい』『屋上で会いましょう』『声を差し上げます』などがある。
斎藤真理子(さいとう・まりこ)
1960年新潟生まれ。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、
ファン・ジョンウン『誰でもない』(晶文社)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、ハン・ガン『回復する人間』(白水社)、
イ・ギホ『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』(亜紀書房)など。『カステラ』で第1回日本翻訳大賞受賞。
1984年ソウル生まれ。編集者として働いた後、2010年に雑誌『ファンタスティック』に「ドリーム、ドリーム、ドリーム」を発表してデビュー。
13年『アンダー、サンダー、テンダー』(吉川凪訳、クオン)で第7回チャンビ長編小説賞、17年に『フィフティ・ピープル』(斎藤真理子訳、亜紀書房)で第50回韓国日報文学賞を受賞。
純文学、SF、ファンタジー、ホラーなどジャンルを超えて多彩な作品を発表し、幅広い世代から愛され続けている。
他の小説作品に『地球でハナだけ』『八重歯が見たい』『屋上で会いましょう』『声を差し上げます』などがある。
斎藤真理子(さいとう・まりこ)
1960年新潟生まれ。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、
ファン・ジョンウン『誰でもない』(晶文社)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、ハン・ガン『回復する人間』(白水社)、
イ・ギホ『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』(亜紀書房)など。『カステラ』で第1回日本翻訳大賞受賞。
登録情報
- 出版社 : 亜紀書房 (2020/3/19)
- 発売日 : 2020/3/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 304ページ
- ISBN-10 : 4750516368
- ISBN-13 : 978-4750516363
- 寸法 : 13.1 x 2.3 x 18.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 282,847位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 56位アジア文学 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2021年4月9日に日本でレビュー済み
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美味しいサブレがぎっしり入った高級な貰い物のように、ひとつひとつが違う味だけれども、統一されていて、読み応えがある小説でした。Netflixのドラマも見てみなきゃと思わせてくれます。チョン・セランさんの書いたものを目いっぱい吸収したいです。訳者の斉藤さんの解説もとても素敵でした。
2020年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
Netflixのドラマを観て、これは原作も読みたい!と購入しました。ドラマの脚本も作者のチョン・セランさんが書いているそうで、ドラマと小説のどちらでもアン・ウニョン先生の活躍が楽しめます。
不器用で愛想はないかもしれないけど善良で優しい。世界に対する良心を持って生徒達をおもちゃの剣とBB弾で守ってくれるアン・ウニョン先生。
漢文のホン先生との関係や生徒達とのやりとりも楽しい。
ぜひ続きを書いてほしい作品です。
不器用で愛想はないかもしれないけど善良で優しい。世界に対する良心を持って生徒達をおもちゃの剣とBB弾で守ってくれるアン・ウニョン先生。
漢文のホン先生との関係や生徒達とのやりとりも楽しい。
ぜひ続きを書いてほしい作品です。
2021年1月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
新聞に載っていた紹介文に惹かれて4月の緊急事態宣言休業中に購入しました。あっという間に読み終わり、韓国では実写映画?ドラマ?になったそうなのでそれも観たいと思います。
2020年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかくユニーク!
先生は霊能力者で幽霊の他に男子の考えるエロい妄想や女子の思念が見えてしまう。BB弾と自作の剣で戦います。
「地獄先生ぬーべ」と設定は似るが、置かれている環境はシリアス、ドライに淡々と悪を倒し生徒の悩みを解決します。
先生は霊能力者で幽霊の他に男子の考えるエロい妄想や女子の思念が見えてしまう。BB弾と自作の剣で戦います。
「地獄先生ぬーべ」と設定は似るが、置かれている環境はシリアス、ドライに淡々と悪を倒し生徒の悩みを解決します。
2021年5月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
保健室とはいかなる場所だろうか。学校教育法施行規則の第1条にて「学校には、その学校の目的を実現するために必要な校地、校舎、校具、運動場、図書館又は図書室、保健室その他の設備を設けなければならない」と設置が義務づけられているその部屋は小中学校であれば必ず学校の中に存在しており、体調が悪くなったときや怪我をしたときのため、生徒に向かって常に扉を開いている場所である。人によっては無縁のまま学生生活を終えるかもしれないが、一方で頻繁に保健室を訪れる生徒もいる。それは頻繁に体調を崩したり怪我をしたりするからではなく、他の教室とは独立した保健室で、他では話せないようなことを相談するためにである。つまり恋愛相談だ。生徒が「保健室の先生」——日本でいう「養護教諭」、韓国の名称でいうなら「保健教師」——に雑談混じりの恋愛相談をするための場所、それが保健室なのである。
本作の主人公であるアン・ウニョンはそんな保健室に勤める保健教師の一人なのだが、そうであるにも関わらず彼女が作中で恋愛相談らしい恋愛相談を受ける場面はほとんどない。頼れるががさつで男勝りな一面のあるウニョンに恋愛相談を求めるのはお門違いだろうという判断が生徒たちの間を行き交っているのかもしれない。実際、ウニョン自身が恋愛には不器用で、相棒役となる漢文教師のホン・インピョとの焦れったいような微妙な関係が本作の読みどころの一つとなっている。恋愛とは無縁、というと語弊がありそうだが、少なくとも生徒たちの色恋には疎い「保健室の先生」がウニョンなのだ。
しかしそんなウニョンだが、実は恋愛相談とは別の形で彼女は「保健室の先生」の役目を果たしている。たとえばそれは「ネイティブ教師マッケンジー」というエピソードに現れている。このエピソードに登場するユジョンはフケが原因で中学の頃からいじめを受けているM高校の一年生である。彼女は赴任してきた新しい英語教師から前髪をかき分けられ、「かわいい」と褒められたことをきっかけに彼に恋をするのだが、その英語教師、アメリカで育った韓国人である「マッケンジー」には裏があった。ウニョンには人には見えない特別なものが見えるという能力が備わっているのだが、この能力を巡ってウニョンとマッケンジーは対立することになる。対立の結果、マッケンジーは学校を去ることになり、それに伴ってユジョンは失恋を経験することになるのだが、もし裏の顔を知らないユジョンがあのままマッケンジーに恋しつづけていたらどうなっていただろうか? ウニョンにその自覚があったかどうかはわからないが、マッケンジーを撃退することで彼女はユジョンを救っていたかもしれないのだ。もっともそれはかなり後味の苦い「救い」になるのだが……
ともあれ、ウニョンはふつうの人には見えないものが見えるという能力によって間接的に生徒たちの恋愛相談に乗っている。その様は本作の最初のエピソードとなる「大好きだよ、ジェリーフィッシュ」やその他のエピソードにおいて顕著に表れており、図らずも生徒たちの恋愛に影響を及ぼすウニョンの姿を垣間見ることができる。もともと大学病院に勤めていた彼女が「保健室の先生」になったのは病院に現れるグロい死者たちより生徒たちのエロいオーラの方がマシだからという理由からだったが、「ホラーとエロのどっちか選ぶなら、当然、エロだ」という選択をしたそのときに、彼女は恋愛とは切っても切れない関係になったのである。そのような登場人物を主人公としている本作は、必然的に「恋愛」をテーマとすることとなった。いや、そもそも「保健室」という舞台を選んだ時点で作品がこのテーマを持つことは決まっていたのである。ウニョンがどんなにうんざりしたとしても、彼女は生徒たちの恋愛に寄り添う「保健教師」として活躍する。「保健室の先生」は恋愛とは縁の切れない存在なのである。
本作の主人公であるアン・ウニョンはそんな保健室に勤める保健教師の一人なのだが、そうであるにも関わらず彼女が作中で恋愛相談らしい恋愛相談を受ける場面はほとんどない。頼れるががさつで男勝りな一面のあるウニョンに恋愛相談を求めるのはお門違いだろうという判断が生徒たちの間を行き交っているのかもしれない。実際、ウニョン自身が恋愛には不器用で、相棒役となる漢文教師のホン・インピョとの焦れったいような微妙な関係が本作の読みどころの一つとなっている。恋愛とは無縁、というと語弊がありそうだが、少なくとも生徒たちの色恋には疎い「保健室の先生」がウニョンなのだ。
しかしそんなウニョンだが、実は恋愛相談とは別の形で彼女は「保健室の先生」の役目を果たしている。たとえばそれは「ネイティブ教師マッケンジー」というエピソードに現れている。このエピソードに登場するユジョンはフケが原因で中学の頃からいじめを受けているM高校の一年生である。彼女は赴任してきた新しい英語教師から前髪をかき分けられ、「かわいい」と褒められたことをきっかけに彼に恋をするのだが、その英語教師、アメリカで育った韓国人である「マッケンジー」には裏があった。ウニョンには人には見えない特別なものが見えるという能力が備わっているのだが、この能力を巡ってウニョンとマッケンジーは対立することになる。対立の結果、マッケンジーは学校を去ることになり、それに伴ってユジョンは失恋を経験することになるのだが、もし裏の顔を知らないユジョンがあのままマッケンジーに恋しつづけていたらどうなっていただろうか? ウニョンにその自覚があったかどうかはわからないが、マッケンジーを撃退することで彼女はユジョンを救っていたかもしれないのだ。もっともそれはかなり後味の苦い「救い」になるのだが……
ともあれ、ウニョンはふつうの人には見えないものが見えるという能力によって間接的に生徒たちの恋愛相談に乗っている。その様は本作の最初のエピソードとなる「大好きだよ、ジェリーフィッシュ」やその他のエピソードにおいて顕著に表れており、図らずも生徒たちの恋愛に影響を及ぼすウニョンの姿を垣間見ることができる。もともと大学病院に勤めていた彼女が「保健室の先生」になったのは病院に現れるグロい死者たちより生徒たちのエロいオーラの方がマシだからという理由からだったが、「ホラーとエロのどっちか選ぶなら、当然、エロだ」という選択をしたそのときに、彼女は恋愛とは切っても切れない関係になったのである。そのような登場人物を主人公としている本作は、必然的に「恋愛」をテーマとすることとなった。いや、そもそも「保健室」という舞台を選んだ時点で作品がこのテーマを持つことは決まっていたのである。ウニョンがどんなにうんざりしたとしても、彼女は生徒たちの恋愛に寄り添う「保健教師」として活躍する。「保健室の先生」は恋愛とは縁の切れない存在なのである。
2021年8月8日に日本でレビュー済み
亡霊やら悪霊やらが見えてしまう保健室の先生が、BB弾の銃とレインボーカラーの玩具の剣を武器に、彼女が勤務する高校に巣食うそれらと闘う話。
B級娯楽映画そのままのチープで奇抜な設定がよい。
そういう映画だと主人公には必ず頼りになる相棒が登場するが、本書の相棒は堅物の漢文教師。
彼は、脚に障害を抱えていてアクションシーンではあまり主人公の助けにはあまりならず、むしろ主人公に助けられる存在だが、御曹司で渋めのハンサム、高い知性、自制心、モラリティの持ち主で、なおかつ性格もよいという理想的な男性。
知性と品性の両面で難を抱える(ということはごく普通の女性)である主人公を絶妙にサポートする。
二人が対等な関係で、あくまで互いを助け合い信頼し合うパートナーであり、安易に恋愛関係にならないところもよい。ダイバーシティをきっちりと踏まえている。
各篇は、韓国の抱える社会問題を背景に、大人へのとば口で悩む高校生を巡って展開する。
韓国の若者風俗(はよく知らないが)が取り入れられ、ヤングアダルト小説の趣きもある。
よい大人になるとはどういうことかというのが隠れテーマだろう。
韓国の抱える問題を描いたものが普遍的な力を持つことは、近年の韓国映画の世界的なヒットで証明されている。
シリアスなテーマでも、あっけらかんとした展開で楽しくなる小説だ。
B級娯楽映画そのままのチープで奇抜な設定がよい。
そういう映画だと主人公には必ず頼りになる相棒が登場するが、本書の相棒は堅物の漢文教師。
彼は、脚に障害を抱えていてアクションシーンではあまり主人公の助けにはあまりならず、むしろ主人公に助けられる存在だが、御曹司で渋めのハンサム、高い知性、自制心、モラリティの持ち主で、なおかつ性格もよいという理想的な男性。
知性と品性の両面で難を抱える(ということはごく普通の女性)である主人公を絶妙にサポートする。
二人が対等な関係で、あくまで互いを助け合い信頼し合うパートナーであり、安易に恋愛関係にならないところもよい。ダイバーシティをきっちりと踏まえている。
各篇は、韓国の抱える社会問題を背景に、大人へのとば口で悩む高校生を巡って展開する。
韓国の若者風俗(はよく知らないが)が取り入れられ、ヤングアダルト小説の趣きもある。
よい大人になるとはどういうことかというのが隠れテーマだろう。
韓国の抱える問題を描いたものが普遍的な力を持つことは、近年の韓国映画の世界的なヒットで証明されている。
シリアスなテーマでも、あっけらかんとした展開で楽しくなる小説だ。
2020年5月7日に日本でレビュー済み
主役はタイトルにある、30代の保健室の先生アン・ウニョン。
幼い頃から超自然的なものが見えた彼女が、今ではBB弾の銃とレインボーカラーのおもちゃの剣を武器に、日々奮闘している様子が、連作短編として描かれていきます。
大人の悪意から生み出される事件もありますが、思春期の生徒たちやどこか不器用な生き方をしている大人たち、亡くなった者への優しい視線が感じられる話が多かったです。
ほろ苦さもありつつ、善のために努力する30代の大人の男女(アン・ウニョンと相方のような役割を担うことになる漢文の先生)が生み出す温かさとユーモアに癒されるお話でした。
幼い頃から超自然的なものが見えた彼女が、今ではBB弾の銃とレインボーカラーのおもちゃの剣を武器に、日々奮闘している様子が、連作短編として描かれていきます。
大人の悪意から生み出される事件もありますが、思春期の生徒たちやどこか不器用な生き方をしている大人たち、亡くなった者への優しい視線が感じられる話が多かったです。
ほろ苦さもありつつ、善のために努力する30代の大人の男女(アン・ウニョンと相方のような役割を担うことになる漢文の先生)が生み出す温かさとユーモアに癒されるお話でした。