思いがけず、涙なくしては読めなかった。
サッカーと人生への深い知と愛に満ちている素晴らしい本。
『みなさまには次のようにお願いします。
スタジアムに足を運び、選手たちに大いにプレッシャーをかけて下さい。
もっと走れ、もっとプレースピードを速くしろと。
そして選手たちが良いプレーをした時には、大きな拍手を与えて下さるように』
(2008年3月25日、退院にあたってのメッセージから)

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オシムの伝言 単行本 – 2009/12/23
千田 善
(著)
胸を打つドキュメント
はじめて明かされる923日間の真実。
共に闘った通訳者が語る迫真の舞台裏。
〈あのときオシム監督は何を考えていたのか〉
――元・日本代表通訳として常に傍らにいた千田善氏が、
迫真の舞台裏を初めて明かす。
オシムの日本代表監督としての軌跡、闘病の日々、
日本サッカー協会アドバイザー就任から離日まで、
その全期間923日の活動と発言の記録。
思想、フットボール哲学、サッカー界への提言などが正確な言葉で記された。
はじめて明かされる闘病の記録には、胸を揺さぶられる。
「人生」「スタイル」「リスク」「個の力」「誇り」「自由」「エスプリ」「勇気」「希望」「魔法」など、
主題をタイトルにした29章から成る構成。
オシムの言葉=セルビア・クロアチア語に通暁する千田氏が、
オシムの人柄や思想の真髄を伝える。
コミュニケーション密度の高さゆえ、
類書とは一線を画する内容となっており、
オシム・ファン、そしてサッカー愛好者にとって待望の一書。
「私が日本にいた痕跡を残したい」
――イビツァ・オシムIvica Osim
「この本には、オシムさんの
人柄やスタイルが忘れられない人へのメッセージをこめた」
(千田善「あとがき」より)
はじめて明かされる923日間の真実。
共に闘った通訳者が語る迫真の舞台裏。
〈あのときオシム監督は何を考えていたのか〉
――元・日本代表通訳として常に傍らにいた千田善氏が、
迫真の舞台裏を初めて明かす。
オシムの日本代表監督としての軌跡、闘病の日々、
日本サッカー協会アドバイザー就任から離日まで、
その全期間923日の活動と発言の記録。
思想、フットボール哲学、サッカー界への提言などが正確な言葉で記された。
はじめて明かされる闘病の記録には、胸を揺さぶられる。
「人生」「スタイル」「リスク」「個の力」「誇り」「自由」「エスプリ」「勇気」「希望」「魔法」など、
主題をタイトルにした29章から成る構成。
オシムの言葉=セルビア・クロアチア語に通暁する千田氏が、
オシムの人柄や思想の真髄を伝える。
コミュニケーション密度の高さゆえ、
類書とは一線を画する内容となっており、
オシム・ファン、そしてサッカー愛好者にとって待望の一書。
「私が日本にいた痕跡を残したい」
――イビツァ・オシムIvica Osim
「この本には、オシムさんの
人柄やスタイルが忘れられない人へのメッセージをこめた」
(千田善「あとがき」より)
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社みすず書房
- 発売日2009/12/23
- ISBN-104622075040
- ISBN-13978-4622075042
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商品の説明
著者について
千田善(ちだ・ぜん)
1958年生まれ。国際ジャーナリスト、通訳・翻訳者(セルビア・クロアチア語など)。旧ユーゴスラビア(現セルビア)ベオグラード大学政治学部大学院中退(国際政治専攻)。専門は国際政治、民族紛争、異文化コミュニケーション、サッカーなど。新聞・雑誌での執筆、テレビ・ラジオ出演、各地の講演など、幅広く活動。
紛争取材等で、 のべ10年の旧ユーゴスラビア生活後、外務省研修所、一橋大学、中央大学、放送大学などの講師を経て、イビツァ・オシム氏の日本代表監督就任にともない、 氏の日本サッカー協会アドバイザー退任までの期間(2006年7月~2008年12月)専任通訳を務める。サッカー歴40年、現在もシニアリーグの現役プレーヤー。
1958年生まれ。国際ジャーナリスト、通訳・翻訳者(セルビア・クロアチア語など)。旧ユーゴスラビア(現セルビア)ベオグラード大学政治学部大学院中退(国際政治専攻)。専門は国際政治、民族紛争、異文化コミュニケーション、サッカーなど。新聞・雑誌での執筆、テレビ・ラジオ出演、各地の講演など、幅広く活動。
紛争取材等で、 のべ10年の旧ユーゴスラビア生活後、外務省研修所、一橋大学、中央大学、放送大学などの講師を経て、イビツァ・オシム氏の日本代表監督就任にともない、 氏の日本サッカー協会アドバイザー退任までの期間(2006年7月~2008年12月)専任通訳を務める。サッカー歴40年、現在もシニアリーグの現役プレーヤー。
登録情報
- 出版社 : みすず書房 (2009/12/23)
- 発売日 : 2009/12/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4622075040
- ISBN-13 : 978-4622075042
- Amazon 売れ筋ランキング: - 320,507位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 8,831位スポーツ (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2010年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本という国との不思議な縁で、高齢を圧して代表監督を引き受けるまでしてくれた
稀代の名将の激闘の記録であり、その含蓄のある語録を日本語に通訳してくれた著者自身の筆で
様々なエピソードが紹介されている。ある意味すらすら読めるのだが、オシム氏の語録とその背景を重ねると
その熱き思いと果たせなかった夢への憧憬が察せられて涙腺を刺激する。感傷的な内容ではないのだが
今の日本サッカーを何とか自己確立させ、世界を驚かせてやろうと静かに燃えていたであろう魂に
心からの敬意を抱くと共に、果たせなかった壮大なヴィジョンの未完を嘆いてしまう。
別にW杯Yearであるのに不甲斐無い結果が続く岡田ジャパンと比べてというのではないのだが、
オシム氏の采配による我が国の代表イレヴンをもう一度、W杯で見てみたかったと思うのは
私一人ではないだろうに。今後も日本サッカーを見守りサポートし続けて貰えればとも思うが
それはそれでいろんな意味で困難を伴うのだろう。。。。
稀代の名将の激闘の記録であり、その含蓄のある語録を日本語に通訳してくれた著者自身の筆で
様々なエピソードが紹介されている。ある意味すらすら読めるのだが、オシム氏の語録とその背景を重ねると
その熱き思いと果たせなかった夢への憧憬が察せられて涙腺を刺激する。感傷的な内容ではないのだが
今の日本サッカーを何とか自己確立させ、世界を驚かせてやろうと静かに燃えていたであろう魂に
心からの敬意を抱くと共に、果たせなかった壮大なヴィジョンの未完を嘆いてしまう。
別にW杯Yearであるのに不甲斐無い結果が続く岡田ジャパンと比べてというのではないのだが、
オシム氏の采配による我が国の代表イレヴンをもう一度、W杯で見てみたかったと思うのは
私一人ではないだろうに。今後も日本サッカーを見守りサポートし続けて貰えればとも思うが
それはそれでいろんな意味で困難を伴うのだろう。。。。
2010年3月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これまで発売された数々のオシム本を読んでこられた方にとっては、
目新しい情報はこれといって無く、☆3つ。
1冊も読んだことが無くて、オシム氏の内面に興味がある方にとっては☆5つ。
ただ、千田さんのオシム氏への愛情と、
オシム氏が道半ばで果たせなかったサッカーへの愛惜の情が、
淡々とした文の裏側からにじみ出ているようで、読後感は悪くないです。
オシム本としてではなく、オシム氏を愛する人のエピソード本として、☆4つをつけます。
目新しい情報はこれといって無く、☆3つ。
1冊も読んだことが無くて、オシム氏の内面に興味がある方にとっては☆5つ。
ただ、千田さんのオシム氏への愛情と、
オシム氏が道半ばで果たせなかったサッカーへの愛惜の情が、
淡々とした文の裏側からにじみ出ているようで、読後感は悪くないです。
オシム本としてではなく、オシム氏を愛する人のエピソード本として、☆4つをつけます。
2018年7月7日に日本でレビュー済み
ロシア大会の前に購入。日本代表の活躍を応援しながらオシムの言葉を噛み締める。ハリル監督のコミュニケーション不足、ジーコ、ザック時代が大会本番に空中分解した理由が理解できる。日本人のコレクティブな部分を生かしきった西野監督の大躍進の理由も分かる。日本のメディアや環境も成長してきていることが感じられる。日本のサッカーの成熟を測るマイルストーンとなる良書。ワールドカップごとに読み返し、オシムの言葉と代表サッカーを味わいたい。
2010年2月7日に日本でレビュー済み
約3年という短い期間だったので、オシム氏を惜しむ間もなかった。
言葉の壁と、マスメディアの偏った報道、報道の量の少なさから、一般人には分からないことが多い。
通訳として、さまざまな事実に直面した著者の言葉には重みがある。
マスコミの人が三人称で語るのよりも、真に迫っているだろう。
言葉の壁と、マスメディアの偏った報道、報道の量の少なさから、一般人には分からないことが多い。
通訳として、さまざまな事実に直面した著者の言葉には重みがある。
マスコミの人が三人称で語るのよりも、真に迫っているだろう。
2010年7月17日に日本でレビュー済み
おもしろい本であることは確かなのだが、いまいち突っ込みが足りないという印象を受けた。なぜなら、通訳としてオシムさんの傍らに常にいたという恵まれた条件を、著者が十分に生かし切れていないのではないかと感じたからである。
確かに、ひねくれた発言や天の邪鬼な性格の裏に隠された優しさ、気遣い、遊び心、強烈なプロ意識など、オシムさんの人間的な面がいろいろなエピソードからとてもよく伝わってくる(「お祭り騒ぎでワッショイワッショイ!」と煽ることしか能がないスポーツ新聞の記者が、プロ意識の欠片もなくいかに不勉強であることか…)。しかし、本書に出てくる程度の話ならば、わざわざ著者が書くまでのこともなかったのではないだろうか?通訳という「黒子」でありながらも、オシムさん本人と直接コミュニケーションをし、オシムさんと選手や関係者などの両方をよく知っている著者だからこそという独自の視点が本書にはあまり感じられない。そういう意味で、多くの読者が期待するような―オシム流に言うところの―「エレガント」な要素が本書には足りないのではないだろうか。
とはいうものの、冒頭にも書いたとおり、本書はそれなりに面白く読める本なので、星3つは辛すぎるかもしれない。星3.5といったところだろうか。少なくとも、「サッカー好き」または「オシム好き」の人にとっては、定価を出して買う価値がきっとあるだろう。
確かに、ひねくれた発言や天の邪鬼な性格の裏に隠された優しさ、気遣い、遊び心、強烈なプロ意識など、オシムさんの人間的な面がいろいろなエピソードからとてもよく伝わってくる(「お祭り騒ぎでワッショイワッショイ!」と煽ることしか能がないスポーツ新聞の記者が、プロ意識の欠片もなくいかに不勉強であることか…)。しかし、本書に出てくる程度の話ならば、わざわざ著者が書くまでのこともなかったのではないだろうか?通訳という「黒子」でありながらも、オシムさん本人と直接コミュニケーションをし、オシムさんと選手や関係者などの両方をよく知っている著者だからこそという独自の視点が本書にはあまり感じられない。そういう意味で、多くの読者が期待するような―オシム流に言うところの―「エレガント」な要素が本書には足りないのではないだろうか。
とはいうものの、冒頭にも書いたとおり、本書はそれなりに面白く読める本なので、星3つは辛すぎるかもしれない。星3.5といったところだろうか。少なくとも、「サッカー好き」または「オシム好き」の人にとっては、定価を出して買う価値がきっとあるだろう。
2011年11月24日に日本でレビュー済み
イヴィツァ・オシムはサッカー選手として超一流であった。監督として超一流であった。そして、人間としても超一流の人物である。オシムが日本代表監督となった時から極身近で接してきた通訳の手に成る『オシムの伝言』(千田善著、みすず書房)は、オシムの魅力を余すところなく描き出している。類書の中で群を抜いている。
この本は洒落た構成になっている。2006年7月の日本代表監督就任から退任、入院、リハビリまでの2年半が時系列で記録されているが、それぞれに「挑戦」「人生」「魔法」「誇り」「コミュニケーション」「リスク」といったタイトルが付けられ、オシムの語録が添えられている。オシム一流の味わい深い言葉は、サッカー関係者だけでなく、私たちにも知的な刺激を与えてくれる。
「誇り」では、「勝つことには、さまざまな要素が含まれている。ただ結果として、勝ってしまえば、そういうことが見えない。敗北は最良の教師である、と言われる通りだ。だが、『だから明日の試合で負けたい』とは私は言えない」という言葉が記されている。
「リスク」では、「リスクを冒さないサッカーは、塩とコショウの入っていないスープのようなものだ」、「規律を守ることとリスクを冒すことは矛盾することではない。規律を守りながら、いつ、どこでリスクを冒すかアイデアがなければならない」という言葉が挙げられている。
「教師」では、「リスクを冒して失敗したらそれは褒めてやった。その代わり、同じ失敗は繰り返すなよ、と言った。そうすると選手は成長する」。
「プロ」では、「また同じ間違いを繰り返すならば、間違いだと気がついていないのか、修正することができないかのどちらかだ。少なくともプロとしてはふさわしくない」、「バルセロナのグァルディオラ監督が、イブラヒモビッチやメッシにシュートの仕方を教えられるだろうか? 選手のほうがうまい。監督の仕事とはそういうものではない。選手とどちらが上手かを競争することではなく、助言で選手をレベルアップさせることだ」。
「凱旋」では、「大事なのは同じミスをしないこと。それを学ぶことが経験を積むということだ。玄関を出入りするときに毎回つまずいて、転びそうになるならば、それはドアが悪いのではなく、つまずく方に問題がある」、「監督が現役のときはこうしたものだという話を聞くのを現役の選手は嫌がる。選手は昔話は嫌いなものだ」。
「生命力」では、「私をアドバイザーとして要請してくれたことに感謝する。日本語はあまりできないが、覚えた言葉の中に『がんばれ』という言葉がある。『戦え』という意味だ。今度は、私が皆さんに『がんばれ』という番だ。がんばらなくては前進しない」。
オシムが目指したサッカーは、「走力とチームのための献身的なプレー、自分を犠牲にして味方を生かす、というような考え方から基礎を固めて、次にその質を高めていく」というものだ。また、監督については、「監督は試合に出ることはできない。試合がはじまれば監督が打つ手は限られる。だから、試合の準備として、自分の知恵を振り絞って最高のアイデアを盛り込んだトレーニングを考える」と述べている。サッカーは人生に何とよく似ていることか。
「オシムが日本にいた痕跡を残したい」というオシムの思いは、十分に叶えられていると思う。
この本は洒落た構成になっている。2006年7月の日本代表監督就任から退任、入院、リハビリまでの2年半が時系列で記録されているが、それぞれに「挑戦」「人生」「魔法」「誇り」「コミュニケーション」「リスク」といったタイトルが付けられ、オシムの語録が添えられている。オシム一流の味わい深い言葉は、サッカー関係者だけでなく、私たちにも知的な刺激を与えてくれる。
「誇り」では、「勝つことには、さまざまな要素が含まれている。ただ結果として、勝ってしまえば、そういうことが見えない。敗北は最良の教師である、と言われる通りだ。だが、『だから明日の試合で負けたい』とは私は言えない」という言葉が記されている。
「リスク」では、「リスクを冒さないサッカーは、塩とコショウの入っていないスープのようなものだ」、「規律を守ることとリスクを冒すことは矛盾することではない。規律を守りながら、いつ、どこでリスクを冒すかアイデアがなければならない」という言葉が挙げられている。
「教師」では、「リスクを冒して失敗したらそれは褒めてやった。その代わり、同じ失敗は繰り返すなよ、と言った。そうすると選手は成長する」。
「プロ」では、「また同じ間違いを繰り返すならば、間違いだと気がついていないのか、修正することができないかのどちらかだ。少なくともプロとしてはふさわしくない」、「バルセロナのグァルディオラ監督が、イブラヒモビッチやメッシにシュートの仕方を教えられるだろうか? 選手のほうがうまい。監督の仕事とはそういうものではない。選手とどちらが上手かを競争することではなく、助言で選手をレベルアップさせることだ」。
「凱旋」では、「大事なのは同じミスをしないこと。それを学ぶことが経験を積むということだ。玄関を出入りするときに毎回つまずいて、転びそうになるならば、それはドアが悪いのではなく、つまずく方に問題がある」、「監督が現役のときはこうしたものだという話を聞くのを現役の選手は嫌がる。選手は昔話は嫌いなものだ」。
「生命力」では、「私をアドバイザーとして要請してくれたことに感謝する。日本語はあまりできないが、覚えた言葉の中に『がんばれ』という言葉がある。『戦え』という意味だ。今度は、私が皆さんに『がんばれ』という番だ。がんばらなくては前進しない」。
オシムが目指したサッカーは、「走力とチームのための献身的なプレー、自分を犠牲にして味方を生かす、というような考え方から基礎を固めて、次にその質を高めていく」というものだ。また、監督については、「監督は試合に出ることはできない。試合がはじまれば監督が打つ手は限られる。だから、試合の準備として、自分の知恵を振り絞って最高のアイデアを盛り込んだトレーニングを考える」と述べている。サッカーは人生に何とよく似ていることか。
「オシムが日本にいた痕跡を残したい」というオシムの思いは、十分に叶えられていると思う。
2011年3月10日に日本でレビュー済み
日本代表のサッカーと言えば、
今はザッケローニ監督のもと、新しい風が吹いているように見えるから、
この本は少し古いものになったかもしれない。
しかし、オシムさんはまた別格である。
彼について書かれた本は少なくない。
日本に来てサッカーの監督をした外国人の中で、これほどその人間性に興味を持たれ、
かつ愛された人もいないのではないか。
この本は、オシムジャパンの通訳によって書かれたというので虚を突かれたような気もしたが、
考えてみれば当然である。
書かれるべくして書かれた本だろう。
著者はただの通訳ではない。
旧ユーゴの専門家であり、ジャーナリストとして筆力もある。
講談社現代新書に著書もある。
しかも高校で、さほど強いチームではなかったらしいとはいえ、サッカー部のレギュラーだった、というから、
この通訳には適役だったわけだ。
地味さゆえにときに純朴とも見える誠実そうな人柄もいいと思う。
その誠実なジャーナリストの目から捉えたこの本、
何よりも、身近から見た人間オシムについての本である。
しかし面白く読みはしながらも、前半は既に他の本などで知っていることが多く、
その点もう一つインパクトがなかった。
ファンであればそういうことになるかもしれない。
また、人間よりもオシムさんのサッカーを知りたいという渇望があるとすると、
全体にその点はやや物足りない。
だが脳梗塞で倒れて復活する差前を描いた後半は、
この手の情報は少ないし、何といっても内輪のことがわかるから面白い。
サッカーのことはそういうわけでやや手薄なのだが、
嬉しいことに著者は、オシムさんのサッカーとか練習について、
いわば続編である『オシムの戦術』を書いていて、それは朗報。
オシムさんが道半ばで倒れたのは本当に残念で、
W杯でオシムのチームの完成型を見たかった、という思いは今でも強いが、
その思いを共有する読者はそちらへ、ということか。
今はザッケローニ監督のもと、新しい風が吹いているように見えるから、
この本は少し古いものになったかもしれない。
しかし、オシムさんはまた別格である。
彼について書かれた本は少なくない。
日本に来てサッカーの監督をした外国人の中で、これほどその人間性に興味を持たれ、
かつ愛された人もいないのではないか。
この本は、オシムジャパンの通訳によって書かれたというので虚を突かれたような気もしたが、
考えてみれば当然である。
書かれるべくして書かれた本だろう。
著者はただの通訳ではない。
旧ユーゴの専門家であり、ジャーナリストとして筆力もある。
講談社現代新書に著書もある。
しかも高校で、さほど強いチームではなかったらしいとはいえ、サッカー部のレギュラーだった、というから、
この通訳には適役だったわけだ。
地味さゆえにときに純朴とも見える誠実そうな人柄もいいと思う。
その誠実なジャーナリストの目から捉えたこの本、
何よりも、身近から見た人間オシムについての本である。
しかし面白く読みはしながらも、前半は既に他の本などで知っていることが多く、
その点もう一つインパクトがなかった。
ファンであればそういうことになるかもしれない。
また、人間よりもオシムさんのサッカーを知りたいという渇望があるとすると、
全体にその点はやや物足りない。
だが脳梗塞で倒れて復活する差前を描いた後半は、
この手の情報は少ないし、何といっても内輪のことがわかるから面白い。
サッカーのことはそういうわけでやや手薄なのだが、
嬉しいことに著者は、オシムさんのサッカーとか練習について、
いわば続編である『オシムの戦術』を書いていて、それは朗報。
オシムさんが道半ばで倒れたのは本当に残念で、
W杯でオシムのチームの完成型を見たかった、という思いは今でも強いが、
その思いを共有する読者はそちらへ、ということか。