面白いミステリでした。序盤から早いテンポでいくつもの視点が切り替わり、馴
染みのない北欧カタカナ名前が次々に出てくるのでちょっと大変でしたが、それ
らの視点が一つに繋がった頃にはもうページをめくる手を止められなくなります。
「催眠」等は未読でラーシュ・ケプレルの作品は本書が初だったため、若干の不
安もありました。なぜこのような事件が起きたのか?諸々凄い状況だがこれから
どうなるのか?果たして「ミステリ」としてきちんと収束するのだろうか?と。
終わり良ければ全てヨシ!でもないですが、広げた風呂敷の畳み方が雑だったり、
結局広げっぱなしだったりするとどうしても評価は落ちてしまいます。本書は満
点とまではいかないものの、きちんと及第点以上の畳み方をしてくれました。
北欧ミステリの中でもケレン味が強く、物語の展開も速いので読者を飽きさせま
せん。ダークでエグめな内容はやはり北欧系ですが、その辺がお好きな方にはオ
ススメの一冊です。個人的にはもうひとつまみの意外性があれば星5つでした。
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砂男(上) (海外文庫) 文庫 – 2019/12/27
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スウェーデンで年間最も売れたクライム・ノベルを記録!
司法精神医学局閉鎖病棟に収容された史上最凶のシリアルキラー……
全身が、
不気味な寒気に
襲われる
【内容】
ある激しい雪の夜、一人の男がストックホルム郊外の鉄道線路沿いで保護された。それは、ベストセラー作家レイダルの13年前に行方不明になった息子ミカエルだった。彼は、自分と妹フェリシアを誘拐した人物を「砂男」と呼んだ――。当時、国家警察のヨーナ警部は捜査にあたったが、それがきっかけで彼の人生は一変していた。相棒サムエルとユレックという男を逮捕。判決後、ユレックは不吉な言葉を吐き、閉鎖病棟に収容される。そこへ妹の監禁場所を知るため、公安警察のサーガが潜入捜査を開始する!
【著者紹介】
Lars Kepler(ラーシュ・ケプレル)
アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリルとアレクサンデル・アンドリルの作家夫婦が共作するときのペンネーム。国際的なベストセラーとなったヨーナ・リンナシリーズは、40以上の言語に翻訳され、1千万部以上も売れている。アンドリル夫妻は、ラーシュ・ケプレルのペンネームで執筆する以前も、それぞれが単独で書いた作品が出版され高い評価を受けている。3人の娘とスウェーデンのストックホルムに在住。
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ある激しい雪の夜、一人の男がストックホルム郊外の鉄道線路沿いで保護された。それは、ベストセラー作家レイダルの13年前に行方不明になった息子ミカエルだった。彼は、自分と妹フェリシアを誘拐した人物を「砂男」と呼んだ――。当時、国家警察のヨーナ警部は捜査にあたったが、それがきっかけで彼の人生は一変していた。相棒サムエルとユレックという男を逮捕。判決後、ユレックは不吉な言葉を吐き、閉鎖病棟に収容される。そこへ妹の監禁場所を知るため、公安警察のサーガが潜入捜査を開始する!
【著者紹介】
Lars Kepler(ラーシュ・ケプレル)
アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリルとアレクサンデル・アンドリルの作家夫婦が共作するときのペンネーム。国際的なベストセラーとなったヨーナ・リンナシリーズは、40以上の言語に翻訳され、1千万部以上も売れている。アンドリル夫妻は、ラーシュ・ケプレルのペンネームで執筆する以前も、それぞれが単独で書いた作品が出版され高い評価を受けている。3人の娘とスウェーデンのストックホルムに在住。
- 本の長さ339ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2019/12/27
- ISBN-104594083668
- ISBN-13978-4594083663
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大人気海外ミステリー「ヨーナ・リンナ」シリーズ | ユレック・ヴァルテルという凶悪な殺人鬼との闘いは、ヨーナ・リンナとサーガ・バウエルの捜査によって終止符が打たれた──はずだった。心に深い傷を負って療養するサーガのもとに、連続殺人をほのめかす絵葉書が届くまでは。 | サーガと共同捜査を進めるヨーナは、事件をユレック・ヴァルテルの信奉者による犯行と疑い、かつてサーガがユレックへ接近するため潜入した閉鎖病棟の関係者を追う。だが殺人鬼の魔手はヨーナの背後にも迫っていて… | ある雨の朝、ストックホルムの公園でジャングルジムに吊された少女が発見された。現場に駆けつけた国家警察刑事ヨーナ・リンナは遺体を一目見て驚愕する。彼女は五年前の誘拐事件で行方不明となった被害者だった…。 | 捜査線上に浮かぶ謎の男、〈シエサル〉。彼はいったい何者なのか。ヨーナは公園で吊されていた遺体の頭部に小さい烙印が押されているのを発見し、過去の事件との接点を見出す。催眠で得たマルティンの謎めく目撃証言と僅かな手がかりで事件を追うヨーナだったが…。 |
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オスロの集合住宅の住民から悪臭の苦情が寄せられ、警官が向かった先には、腐敗した男の死体があった。一地方警察官として勤務しているヨーナのもとに、色を 失った監察医ノーレンが訪れる。死んだ男の冷凍庫の中に、ヨーナの亡くなった妻スンマの頭蓋骨があったというのだ……。 | 怪物ユレック・ヴァルテルは、ひとの人生を破壊し、犠牲者からすべてを奪った。その魔の手はヨーナに及んだ。ヨーナは、妻スンミと娘のルーミを守るため高い代償を払った。一方、公安警察のサーガは、父と和解し、腹違いの妹に愛情を注いでいた。そんな矢先、パトロール中のヨーナに、国家警察長官カルロスから電話が入る——ユレックの軛は断ち切れるのか? | ある激しい雪の夜、一人の男がストックホルム郊外の鉄道線路沿いで保護された。それは、13年前に行方不明になったミカエルだった。ベストセラー作家レイダルの息子であるミカエルは、自分と妹フェリシアを誘拐した人物を「砂男」と呼んだ—— | 13年前、事件の捜査にあたった国家警察のヨーナ・リンナ警部は、当時の相棒サムエルとともにユレック・ヴァルテルという男を逮捕していた。判決後、ユレックは不吉な言葉を吐き、閉鎖病棟に収容されている。だがミカエルの発見後、事件の再捜査がはじまる。妹の監禁場所を探るべくヨーナが編み出した方法は、公安警察刑事サーガ・バウエルによる潜入捜査だった…… |
登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2019/12/27)
- 発売日 : 2019/12/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 339ページ
- ISBN-10 : 4594083668
- ISBN-13 : 978-4594083663
- Amazon 売れ筋ランキング: - 326,439位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
北欧小説好きにはたまらないスウェーデンの警察小説。
ヨーナ・リンナ警部を主人公とするシリーズものの待望の4作品目が、出版社を変えてようやく出た感あり。
前3作「催眠」「契約」「降霊」は本国で出版された翌年あたりにはハヤカワ文庫で邦訳出版されたが、今回の「sandmannen」は本国出版後7年経っての邦訳。
扶桑社さん、新作を早く出してください。期待してます。
タイトルも原題通りの「砂男」。
その正体こそがこの作品のテーマ。
正体を暴くのはヨーナ・リンナと、前作(2作目の「契約」)にも登場したサーガ。
この作品単独でも楽しめるが、お読みでない方はぜひ前3作品も読むことを勧める。
私個人としては、なにぶん6年ぶりの新作とあって記憶が定かでなく、「砂男(上下)」読了後に、前作に戻って読み直した次第だ。
だからこそ、一層新作が待たれる。
ヨーナ・リンナ警部を主人公とするシリーズものの待望の4作品目が、出版社を変えてようやく出た感あり。
前3作「催眠」「契約」「降霊」は本国で出版された翌年あたりにはハヤカワ文庫で邦訳出版されたが、今回の「sandmannen」は本国出版後7年経っての邦訳。
扶桑社さん、新作を早く出してください。期待してます。
タイトルも原題通りの「砂男」。
その正体こそがこの作品のテーマ。
正体を暴くのはヨーナ・リンナと、前作(2作目の「契約」)にも登場したサーガ。
この作品単独でも楽しめるが、お読みでない方はぜひ前3作品も読むことを勧める。
私個人としては、なにぶん6年ぶりの新作とあって記憶が定かでなく、「砂男(上下)」読了後に、前作に戻って読み直した次第だ。
だからこそ、一層新作が待たれる。
2020年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『ミレニアム』三部作や刑事ヴァランダーシリーズなどの北欧ミステリーの愛読者だが、このヨーナ・リンナ刑事のシリーズは初めて読む。
文庫本上下で680頁に及ぶ長編だが、息詰まるストーリー展開で一気に読ませるミステリーの醍醐味がある。
物語は雪の鉄道線路上を彷徨する男性の印象深い場面から始まり、やがてそれが13年前に誘拐された被害者(当時少年)であることが判明し、俄然、同時期に誘拐されたその妹の救出のために加害者であるシリアルキラー、「ユレック」への接触工作が秘密裏に始められる。ユレックはヨーナ刑事自身が関わった事件で精神病院への治療入院処分を受けて隔離されているため、13年間被害者らがどこに監禁されていて、共犯者が誰なのかが焦眉の問題であるが、なぜそのような犯行がなされたのかという動機、背景も当然ミステリーの大きな要素となる。
ヨーナ刑事らが採用した作戦は、なんと精神病院への秘密潜入捜査‼︎ 厳重に隔離された精神病院への潜入は過酷で恐ろしいものであり、潜入捜査官は自らも強力な薬物を投与されたりミニマイクを飲み込んで持ち込んだりする。弁護人を含め外部との連絡が全く遮断された状況で、医師の意のままに薬物を処方される精神病院入所者の無権利状態は日本でも他人事ではない。
この潜入捜査とヨーナ刑事も関わった過去の事件の調査を軸にストーリーが展開し、驚くべき真実が明らかになっていく。
このようにミステリーとしては読ませる本書ではあるが、「ユレック」のシリアルキラーとしての人物設定があまりにも超人的で現実離れしており、私にはなじめなかった。また、グロテスクすぎる監禁犯罪の動機とシリアルキラー誕生の背景としてスウェーデンの過去の移民政策の問題が触れられているが、十分説得的とは思えなかった。
文庫本上下で680頁に及ぶ長編だが、息詰まるストーリー展開で一気に読ませるミステリーの醍醐味がある。
物語は雪の鉄道線路上を彷徨する男性の印象深い場面から始まり、やがてそれが13年前に誘拐された被害者(当時少年)であることが判明し、俄然、同時期に誘拐されたその妹の救出のために加害者であるシリアルキラー、「ユレック」への接触工作が秘密裏に始められる。ユレックはヨーナ刑事自身が関わった事件で精神病院への治療入院処分を受けて隔離されているため、13年間被害者らがどこに監禁されていて、共犯者が誰なのかが焦眉の問題であるが、なぜそのような犯行がなされたのかという動機、背景も当然ミステリーの大きな要素となる。
ヨーナ刑事らが採用した作戦は、なんと精神病院への秘密潜入捜査‼︎ 厳重に隔離された精神病院への潜入は過酷で恐ろしいものであり、潜入捜査官は自らも強力な薬物を投与されたりミニマイクを飲み込んで持ち込んだりする。弁護人を含め外部との連絡が全く遮断された状況で、医師の意のままに薬物を処方される精神病院入所者の無権利状態は日本でも他人事ではない。
この潜入捜査とヨーナ刑事も関わった過去の事件の調査を軸にストーリーが展開し、驚くべき真実が明らかになっていく。
このようにミステリーとしては読ませる本書ではあるが、「ユレック」のシリアルキラーとしての人物設定があまりにも超人的で現実離れしており、私にはなじめなかった。また、グロテスクすぎる監禁犯罪の動機とシリアルキラー誕生の背景としてスウェーデンの過去の移民政策の問題が触れられているが、十分説得的とは思えなかった。
2020年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
閉鎖病棟、言葉で人を操る心理的な怖さはハンニバルを思い起こす!
家族を捕らえることで復讐する相手に苦痛を与える あまり書くと......なので、上下共に一気に読めました
家族を捕らえることで復讐する相手に苦痛を与える あまり書くと......なので、上下共に一気に読めました
2020年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
北欧ミステリー、大好きです。
この方々の本は初めて読みました。
シリーズ3作目?らしいですが、前作を読まずとも
これ、単品としても楽しめます。
最初、お名前にちょっと苦労しますが、あとは、一気読み。
すごく面白いです。
前作が紙の本しかないのが、残念です。
ぜひ、電子書籍化してほしいです。
この方々の本は初めて読みました。
シリーズ3作目?らしいですが、前作を読まずとも
これ、単品としても楽しめます。
最初、お名前にちょっと苦労しますが、あとは、一気読み。
すごく面白いです。
前作が紙の本しかないのが、残念です。
ぜひ、電子書籍化してほしいです。
2020年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2010年に日本で翻訳刊行された同作者による「催眠」を読んでいますが、これもまた忘れています(笑)。スウエーデン・スリラー、「砂男(上・下)」(ラーシュ・ケプレル 扶桑社BOOKSミステリー)を読み終えました。2020年最初の読書は、北欧の暗澹たる世界から幕が開きました(笑)
舞台は、ストックホルム郊外(と書いて、近頃は違和感がなくなりました。いつかしらスウエーデン産のスリラーを多く読んでいます)から始まります。13年前に行方不明になった兄妹の兄・ミカエルが保護され、ミカエルは二人を拉致した犯人を「砂男」だと告げます。一方、国家警察・ヨーナは、13年前にシリアル・キラー・ユレックを逮捕。ユレックは、閉鎖病棟に収容されています。ミカエルの妹・フェリシアはどこにいるのか?ミカエルからの情報によって、彼女は病に冒されていることが判明します。犯人は閉鎖病棟にいるはずのユレックなのか?フェリシアを早く助け出さなければ。フェリシアの監禁場所を探るべく公安警察の女性警部・サーガがロボトミーを恐れながらもアンダーカバーを開始することになります。もうこれ以上は書けません(笑)
警部・ヨーナの囚われ、女性警部・サーガの囚われの二つの「囚われ」が呼応します。ヨーナの強い意志がサーガに受け継がれ、特に中盤以降は「砂男」はいずこに?フェリシアがどこに監禁されているのか?という二つの謎が物語を牽引し、ヨーナによる捜査、閉鎖病棟内のサーガの潜入捜査、そして兄妹の父・レイダルの動きがシャープなカットバックによって強いサスペンスをもたらします。特に下巻、後半は、ヨーナの「元特殊部隊」という履歴を裏付けながら<アバランチ・エクスプレス>だと思います(笑)
また、ユレックの<過去>を探るべくヨーナはスウエーデンから「ある場所」へと向かいますが、その件(くだり)がこの物語に膨らみと凄みを与えながら、明かされる犯人の狙いこそがこの物語の最大のミステリーだったのかもしれません。幕切れも、とてもいとおしい。
採掘場の砂のように零れ落ちる暗澹たる世界ですら、「背負った罪」に耐えられる強い者たちによって幸せをもたらすことができる、のだろうか?答えは、<次の>翻訳がきっと与えてくれるだろうと信じて。
舞台は、ストックホルム郊外(と書いて、近頃は違和感がなくなりました。いつかしらスウエーデン産のスリラーを多く読んでいます)から始まります。13年前に行方不明になった兄妹の兄・ミカエルが保護され、ミカエルは二人を拉致した犯人を「砂男」だと告げます。一方、国家警察・ヨーナは、13年前にシリアル・キラー・ユレックを逮捕。ユレックは、閉鎖病棟に収容されています。ミカエルの妹・フェリシアはどこにいるのか?ミカエルからの情報によって、彼女は病に冒されていることが判明します。犯人は閉鎖病棟にいるはずのユレックなのか?フェリシアを早く助け出さなければ。フェリシアの監禁場所を探るべく公安警察の女性警部・サーガがロボトミーを恐れながらもアンダーカバーを開始することになります。もうこれ以上は書けません(笑)
警部・ヨーナの囚われ、女性警部・サーガの囚われの二つの「囚われ」が呼応します。ヨーナの強い意志がサーガに受け継がれ、特に中盤以降は「砂男」はいずこに?フェリシアがどこに監禁されているのか?という二つの謎が物語を牽引し、ヨーナによる捜査、閉鎖病棟内のサーガの潜入捜査、そして兄妹の父・レイダルの動きがシャープなカットバックによって強いサスペンスをもたらします。特に下巻、後半は、ヨーナの「元特殊部隊」という履歴を裏付けながら<アバランチ・エクスプレス>だと思います(笑)
また、ユレックの<過去>を探るべくヨーナはスウエーデンから「ある場所」へと向かいますが、その件(くだり)がこの物語に膨らみと凄みを与えながら、明かされる犯人の狙いこそがこの物語の最大のミステリーだったのかもしれません。幕切れも、とてもいとおしい。
採掘場の砂のように零れ落ちる暗澹たる世界ですら、「背負った罪」に耐えられる強い者たちによって幸せをもたらすことができる、のだろうか?答えは、<次の>翻訳がきっと与えてくれるだろうと信じて。
2020年2月28日に日本でレビュー済み
連続してスウェーデン・ミステリに取り組む。
「このヨーナ・リンナ警部シリーズは、当初より8作完結のシリーズで設計され、現にスウェーデンでは、最後まで書き継がれている様子だが、邦訳はこの後『契約』『交霊』の三作でストップしている。版元が8作までやり切るなら読者としてもつきあう気になるのだが、途中で投げ出されているのではどうにもならないね。残念!」
とはヨーナ・リンナのシリーズ第一作『催眠』のレビューで自分が書いたもの。ファンはハヤカワ文庫の三作から6年間待たされ、今扶桑社ミステリで4作目を手に取ることができたものである。二作目、三作目を吹っ飛ばして、巷で評判の高いこの四作目に取りかかると、『催眠』も悪くなかったものの、催眠を使う医師とのダブル・キャストによりヨーナ・リンナという癖の強い刑事の特徴があまり出ていなかった。
本書も、サーガ・パウエルという潜入捜査官とのダブル・キャストとは言え、ヨーナにとって因縁の事件がクローズアップされるとあって、シリーズ佳境という言葉が似合いそうなクライマックス感がたっぷりなのだ。おまけにサーガも凄く良い。
それ以上に閉鎖病棟に収容されるユレック・ヴァルテルというシリアル・キラーが、かのハンニバル・レクターを想起させるサイコぶりで、小説世界を圧倒する。閉鎖病棟のシーンは一秒一秒(一頁一頁?)が息詰まる緊張感に満ちており、そこにややこしい変態新人医師が絡んでくることもあって、病棟全体が予測不能の時限爆弾の存在となる。
一方で宇宙開発時代のソ連、またその支配下にあったカザフスタン、まだ移民を受け入れる体制になかったスウェーデンであれ、そこに亡命してきた移民の姿など、闇の歴史にまで遡る物語の深度と言い、作品世界の重層構造そのものにも驚かされる。
意味深げなラストシーンも含めて、非常に人気のあるシリーズであることがわかる全体像となっている。是非、継続して翻訳を願いたいところだ。
覆面作家であった著者は、その後、二人の別ジャンル作家夫婦によるものであることが判明しており、その筆力は本書でも相当に証明されている。今回のパートナーである美女サーガは、二作目から登場するらしい。遡って読まねばなるまいな。
「このヨーナ・リンナ警部シリーズは、当初より8作完結のシリーズで設計され、現にスウェーデンでは、最後まで書き継がれている様子だが、邦訳はこの後『契約』『交霊』の三作でストップしている。版元が8作までやり切るなら読者としてもつきあう気になるのだが、途中で投げ出されているのではどうにもならないね。残念!」
とはヨーナ・リンナのシリーズ第一作『催眠』のレビューで自分が書いたもの。ファンはハヤカワ文庫の三作から6年間待たされ、今扶桑社ミステリで4作目を手に取ることができたものである。二作目、三作目を吹っ飛ばして、巷で評判の高いこの四作目に取りかかると、『催眠』も悪くなかったものの、催眠を使う医師とのダブル・キャストによりヨーナ・リンナという癖の強い刑事の特徴があまり出ていなかった。
本書も、サーガ・パウエルという潜入捜査官とのダブル・キャストとは言え、ヨーナにとって因縁の事件がクローズアップされるとあって、シリーズ佳境という言葉が似合いそうなクライマックス感がたっぷりなのだ。おまけにサーガも凄く良い。
それ以上に閉鎖病棟に収容されるユレック・ヴァルテルというシリアル・キラーが、かのハンニバル・レクターを想起させるサイコぶりで、小説世界を圧倒する。閉鎖病棟のシーンは一秒一秒(一頁一頁?)が息詰まる緊張感に満ちており、そこにややこしい変態新人医師が絡んでくることもあって、病棟全体が予測不能の時限爆弾の存在となる。
一方で宇宙開発時代のソ連、またその支配下にあったカザフスタン、まだ移民を受け入れる体制になかったスウェーデンであれ、そこに亡命してきた移民の姿など、闇の歴史にまで遡る物語の深度と言い、作品世界の重層構造そのものにも驚かされる。
意味深げなラストシーンも含めて、非常に人気のあるシリーズであることがわかる全体像となっている。是非、継続して翻訳を願いたいところだ。
覆面作家であった著者は、その後、二人の別ジャンル作家夫婦によるものであることが判明しており、その筆力は本書でも相当に証明されている。今回のパートナーである美女サーガは、二作目から登場するらしい。遡って読まねばなるまいな。
2020年12月29日に日本でレビュー済み
シリーズ4弾だが、私はそれを知らず、タイトルに興味をもって本書から読んだ。
特に問題はなかったが、前作群を読むと主人公ヨーナ・リンナ警部の背景等を知ることができるそう。
興味を持てたので今後遡って読んでみようと思う(#1『催眠』#2『契約』#3『交霊』)
…とにかくすごい内容だった。
途中まではシリアルキラーだというユレックにさほど悪感情を抱かなかったが、終盤は怒涛の展開。
よくもまあここまで。殺しすぎ。
ゾッとする内容に加えて、全般に渡って背景は北欧の雪と氷に覆われている。
(ラスト近くでは、現実の季節(12月末)と相まって私自身悪寒に襲われ、思わず暖房を強めた)
かつてのソ連や当時ソ連支配下にあったカザフスタンの冷酷な社会背景にも、心に突き刺さるものがあった。アメリカ小説には見られない深淵さだ(当然だが)。
そんな中で、美人で意志が強く武道と銃撃に長けている女警部サーガの活躍にも魅せられた。
今後の展開が気になる非常に余韻を残す終決だった…。
さっそく第5弾『つけ狙う者』へ。
特に問題はなかったが、前作群を読むと主人公ヨーナ・リンナ警部の背景等を知ることができるそう。
興味を持てたので今後遡って読んでみようと思う(#1『催眠』#2『契約』#3『交霊』)
…とにかくすごい内容だった。
途中まではシリアルキラーだというユレックにさほど悪感情を抱かなかったが、終盤は怒涛の展開。
よくもまあここまで。殺しすぎ。
ゾッとする内容に加えて、全般に渡って背景は北欧の雪と氷に覆われている。
(ラスト近くでは、現実の季節(12月末)と相まって私自身悪寒に襲われ、思わず暖房を強めた)
かつてのソ連や当時ソ連支配下にあったカザフスタンの冷酷な社会背景にも、心に突き刺さるものがあった。アメリカ小説には見られない深淵さだ(当然だが)。
そんな中で、美人で意志が強く武道と銃撃に長けている女警部サーガの活躍にも魅せられた。
今後の展開が気になる非常に余韻を残す終決だった…。
さっそく第5弾『つけ狙う者』へ。