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一気に読める「戦争」の昭和史 (扶桑社新書) 新書 – 2018/7/1
小川 榮太郎
(著)
なぜ日本は大陸に進出したのか?
アメリカと戦争を始めたのはなぜか?
そして、どうして早期和平に踏み出さなかったのか?
本書の特徴
*昭和の戦争を大局的に捉え、一気によんでスッキリ理解できる。
*歴史の流れが頭に入りやすいよう、主な出来事、戦闘ごとに区切った記述をし、それが前の事件からどう繫がり、次の事件にどう結びついてゆくのかを明確化……因果関係が解りやすい。
*日本側の動きだけを記さない。外国との相関関係を見えやすくし、当事国それぞれの内在的論理を浮かび上がらせた。
*「外交」と「軍事」の双方で、努めて戦略的な観点から分析~ひとつひとつの行動を戦略目標の視点から見ると、歴史が意味を持って浮かび上がってくる。
*今の時点から歴史を評価せず、当時の指導者の判断を嘲笑するような書き方は避ける~歴史を考えるときには、当事者になる想像力が必要。
*特定の歴史観に縛られない。
私たちは、どうしても「日本」というと今の日本列島を思うが、当時の「日本」は、韓国を併合し、満州に広大な属国を持ち、中国大陸で連戦連勝中である。もしドイツが賢明に立ち回ってソ連と対立せずにイギリスを倒し、日本が東南アジアを支配したら(これは日米開戦直後に実現した)、援蔣ルートも止まり、中国まで日本に帰属するに至ったであろう。こうして空前のアジアの大帝国が出現する可能性はあったのである。それだけの規模の帝国を長期間維持する能力は日本にはなかったとは言え、当時の大日本帝国が破竹の勢いで拡大し続けていたのは事実である。ソ連だろうとアメリカだろうと、巨大化し続けるマグマのような侍の国を強烈に抑え込もうとするのは、寧ろ当然だったろう。しかもその頃の日本は、軍と外交の意思が分裂していた。何をしでかすか分からないという事だ。更に言えば、日本民族そのものが、言語も歴史も孤立し、国際コミュニケーション能力も乏しい。列強諸国から恐怖と猜疑と嫌悪で見られていたのは間違いない。これは誰が戦争を仕掛けたかとか、仕掛けた側が良いか悪いかという話以前の当時の「光景」なのである
主な内容
序 章 予兆──日本の命運を分けたもの
満洲事変/二・二六事件
第一章 勃発──「世界大戦」という荒波へ
盧溝橋事件(支那事変勃発)/通州事件/第二次上海事変/トラウトマン和平工作/南京陥落/近衛声明(泥沼化する支那事変)/国家総動員法/徐州攻略・武漢三鎮攻略戦/汪兆銘政権樹立工作/第二次世界大戦勃発/日独伊三国同盟/日米開戦は不可避か……
第二章 悪路──なぜアメリカと敵対したのか
日米和平交渉スタート/日ソ中立条約/日米了解案/独ソ開戦/南部仏印進駐/大西洋憲章/帝国国策遂行要領(日米開戦の決意)/東條英機内閣成立/ハル・ノート
第三章 日米開戦──日本の快進撃で幕が上がる
開戦の詔勅/真珠湾攻撃/南方作戦/マレー沖海戦/シンガポール陥落/蘭印作戦成功/マッカーサー敗走(フィリピンの戦い)/連戦連勝に沸く日本
第四章 苦戦──終わりなき前線での死闘
ミッドウェー海戦/ガダルカナル島の戦い/山本五十六戦死(海軍甲事件)/玉砕戦へ(アッツ島の戦い)/中部ソロモン・ニューギニアの戦い/絶対国防圏の設定/大東亜会議/マキン・タラワ・マーシャル・トラック玉砕/インパール作戦/サイパン・テニアン・グアムへの空襲/サイパン失陥/小磯國昭内閣成立/フィリピンでの最終決戦
第五章 終戦──何を守り、何を失ったのか……
神風特別攻撃隊結成/重臣たちの意見聴取/硫黄島の戦い/東京大空襲/沖縄戦/対ソ終戦工作・天皇の終戦意志/ポツダム宣言/原爆投下/最高戦争指導会議・御前会議/ポツダム宣言受諾・クーデター計画・御前会議/終戦の詔勅(玉音放送)
アメリカと戦争を始めたのはなぜか?
そして、どうして早期和平に踏み出さなかったのか?
本書の特徴
*昭和の戦争を大局的に捉え、一気によんでスッキリ理解できる。
*歴史の流れが頭に入りやすいよう、主な出来事、戦闘ごとに区切った記述をし、それが前の事件からどう繫がり、次の事件にどう結びついてゆくのかを明確化……因果関係が解りやすい。
*日本側の動きだけを記さない。外国との相関関係を見えやすくし、当事国それぞれの内在的論理を浮かび上がらせた。
*「外交」と「軍事」の双方で、努めて戦略的な観点から分析~ひとつひとつの行動を戦略目標の視点から見ると、歴史が意味を持って浮かび上がってくる。
*今の時点から歴史を評価せず、当時の指導者の判断を嘲笑するような書き方は避ける~歴史を考えるときには、当事者になる想像力が必要。
*特定の歴史観に縛られない。
私たちは、どうしても「日本」というと今の日本列島を思うが、当時の「日本」は、韓国を併合し、満州に広大な属国を持ち、中国大陸で連戦連勝中である。もしドイツが賢明に立ち回ってソ連と対立せずにイギリスを倒し、日本が東南アジアを支配したら(これは日米開戦直後に実現した)、援蔣ルートも止まり、中国まで日本に帰属するに至ったであろう。こうして空前のアジアの大帝国が出現する可能性はあったのである。それだけの規模の帝国を長期間維持する能力は日本にはなかったとは言え、当時の大日本帝国が破竹の勢いで拡大し続けていたのは事実である。ソ連だろうとアメリカだろうと、巨大化し続けるマグマのような侍の国を強烈に抑え込もうとするのは、寧ろ当然だったろう。しかもその頃の日本は、軍と外交の意思が分裂していた。何をしでかすか分からないという事だ。更に言えば、日本民族そのものが、言語も歴史も孤立し、国際コミュニケーション能力も乏しい。列強諸国から恐怖と猜疑と嫌悪で見られていたのは間違いない。これは誰が戦争を仕掛けたかとか、仕掛けた側が良いか悪いかという話以前の当時の「光景」なのである
主な内容
序 章 予兆──日本の命運を分けたもの
満洲事変/二・二六事件
第一章 勃発──「世界大戦」という荒波へ
盧溝橋事件(支那事変勃発)/通州事件/第二次上海事変/トラウトマン和平工作/南京陥落/近衛声明(泥沼化する支那事変)/国家総動員法/徐州攻略・武漢三鎮攻略戦/汪兆銘政権樹立工作/第二次世界大戦勃発/日独伊三国同盟/日米開戦は不可避か……
第二章 悪路──なぜアメリカと敵対したのか
日米和平交渉スタート/日ソ中立条約/日米了解案/独ソ開戦/南部仏印進駐/大西洋憲章/帝国国策遂行要領(日米開戦の決意)/東條英機内閣成立/ハル・ノート
第三章 日米開戦──日本の快進撃で幕が上がる
開戦の詔勅/真珠湾攻撃/南方作戦/マレー沖海戦/シンガポール陥落/蘭印作戦成功/マッカーサー敗走(フィリピンの戦い)/連戦連勝に沸く日本
第四章 苦戦──終わりなき前線での死闘
ミッドウェー海戦/ガダルカナル島の戦い/山本五十六戦死(海軍甲事件)/玉砕戦へ(アッツ島の戦い)/中部ソロモン・ニューギニアの戦い/絶対国防圏の設定/大東亜会議/マキン・タラワ・マーシャル・トラック玉砕/インパール作戦/サイパン・テニアン・グアムへの空襲/サイパン失陥/小磯國昭内閣成立/フィリピンでの最終決戦
第五章 終戦──何を守り、何を失ったのか……
神風特別攻撃隊結成/重臣たちの意見聴取/硫黄島の戦い/東京大空襲/沖縄戦/対ソ終戦工作・天皇の終戦意志/ポツダム宣言/原爆投下/最高戦争指導会議・御前会議/ポツダム宣言受諾・クーデター計画・御前会議/終戦の詔勅(玉音放送)
- 本の長さ438ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2018/7/1
- 寸法11 x 2 x 17.4 cm
- ISBN-104594079954
- ISBN-13978-4594079956
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商品の説明
著者について
著者略歴
小川榮太郎(おがわ・えいたろう)
文藝評論家。昭和42(1967)年東京生まれ。大阪大学文学部卒業、埼玉大学大学院修了。主な著書に『約束の日──安倍晋三試論』(幻冬舎)、『「永遠の0」と日本人』(幻冬舎新書)、『最後の勝機』(PHP研究所)、『保守の原点』(海竜社)(宮崎正弘氏との対談)など。専門は近代日本文学、19世紀ドイツ音楽。平成29(2017)年、フジサンケイグループ主催の第18回正論新風賞受賞。
小川榮太郎(おがわ・えいたろう)
文藝評論家。昭和42(1967)年東京生まれ。大阪大学文学部卒業、埼玉大学大学院修了。主な著書に『約束の日──安倍晋三試論』(幻冬舎)、『「永遠の0」と日本人』(幻冬舎新書)、『最後の勝機』(PHP研究所)、『保守の原点』(海竜社)(宮崎正弘氏との対談)など。専門は近代日本文学、19世紀ドイツ音楽。平成29(2017)年、フジサンケイグループ主催の第18回正論新風賞受賞。
登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2018/7/1)
- 発売日 : 2018/7/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 438ページ
- ISBN-10 : 4594079954
- ISBN-13 : 978-4594079956
- 寸法 : 11 x 2 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 438,620位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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文藝評論家。一般社団法人日本平和学研究所理事長。
昭和42(1967)年生まれ。大阪大学文学部卒業、埼玉大学院修了。専門は近代日本文學、十九世紀ドイツ音楽。フジサンケイグループ主催第十八回正論新風賞、アパ財団第一回日本再興大賞特別賞、咢堂ブックオブザイヤー2019総合部門大賞受賞。
著書に『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎、幻冬舎文庫)、『保守の原点――「保守」が日本を救う』(共著:宮崎正弘、海竜社)、『一気に読める戦争の昭和史』(KKベストセラーズ、扶桑社新書)、『小林秀雄の後の二十一章』(幻冬舎)、『天皇の平和 九条の平和――安倍時代の論点』 (産経新聞出版)、『徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』 (飛鳥新社)、『徹底検証 テレビ報道「噓」のからくり』(青林堂)、『平成記』 (青林堂 )、『フルトヴェングラーとカラヤン クラシック音楽に未来はあるのか』 (啓文社書房)など多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2022年9月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私のような知識のない一般人か日本の近代史を学ぶために必要な著者と思います。
2018年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、右でも左でもなく、飽くまでも中立的立場から記述するというスタンスで書かれている。著者がそう宣言し、そのことに配慮しながら注意深く言葉を選び取っている姿勢に好感が持てた。
その中で、言葉の意味を大切にする一端が、戦争の名称の扱い方にも表れている。
「太平洋戦争」という名称を無批判に使用する姿勢をよしとせず、日本側の名称は「大東亜戦争」と呼称する理由を明確にし、更に、真珠湾攻撃以後の対米戦争を指す場合は、敢えて「日米戦争」と記述して、特に、満州事変から中国大陸での戦線拡大を含む「大東亜戦争」の意味と区別する歴史観を明確にしている。
「東京大空襲」を国際呼称として「東京大虐殺」と呼ばない(呼ばせない)戦勝国側の圧力と欺瞞を痛烈に批判する一方、当時の国際情勢を踏まえた上でも、なお、日本の政治家、軍人の情勢判断の甘さ、情報に対する鈍感さ、国際世論に対する場当たり的な対応が、どれほど日本の国益を損ねたかも詳細に記されている。
明確な戦略目標を持たず、どの段階で戦線を固めるかの統一した認識が欠如し、相手側の心理を的確に読み取れず、更に、最後の責任を天皇に押し付ける政治家、軍人官僚の無能、無定見を指して、著者が厳しく批判する。
口で陛下の心持ちを斟酌すると言いながら、内実は陛下の心持ちを最も煩わせた者たちによって、日本は破綻の淵に追い込まれていったと。
本書を、どのような視点で読むか。
日本は、相変わらず謀略に弱い。相手の裏を読むことが苦手なのか、今日でさえ、韓国、中国の罠に嵌り、歴史謀略に翻弄されている。
それは、情報戦に弱いことを意味する。的確なカウンターが打てず対応はいつも後手に回る。
一部の官僚の言う事に、政治家が振り回される。政治家に明確な識見がなく、何回当選したかで大臣ポストが得られるという、能力と全く関係ない力学で政治が動くと言う愚を未だに脱却できていない。
正面装備という観点だけで見れば、日本軍の軍備は世界でも引けをとらないレベルだった。兵士も士気旺盛で、列強の軍隊でも抜きんでた存在だったことは明らかだ。
したがって、よく戦い、善戦もした。
今日の自衛隊の能力の高さも同じだ。
ところが、国家の指導層に人材がいなかった。
帝大、海兵、陸士とそれぞれに逸材が揃ってる筈なのに、何故、破綻したか。
その総括は、読者がするしかない。
東大を出た官僚が、小さな保身に汲々とし、政治家が、落選しないためだけに汲々としているなら、歴史の教訓は何も学んでおらず、再び、同じ歴史を繰り返すだけの国民でしかないということだろう。
その中で、言葉の意味を大切にする一端が、戦争の名称の扱い方にも表れている。
「太平洋戦争」という名称を無批判に使用する姿勢をよしとせず、日本側の名称は「大東亜戦争」と呼称する理由を明確にし、更に、真珠湾攻撃以後の対米戦争を指す場合は、敢えて「日米戦争」と記述して、特に、満州事変から中国大陸での戦線拡大を含む「大東亜戦争」の意味と区別する歴史観を明確にしている。
「東京大空襲」を国際呼称として「東京大虐殺」と呼ばない(呼ばせない)戦勝国側の圧力と欺瞞を痛烈に批判する一方、当時の国際情勢を踏まえた上でも、なお、日本の政治家、軍人の情勢判断の甘さ、情報に対する鈍感さ、国際世論に対する場当たり的な対応が、どれほど日本の国益を損ねたかも詳細に記されている。
明確な戦略目標を持たず、どの段階で戦線を固めるかの統一した認識が欠如し、相手側の心理を的確に読み取れず、更に、最後の責任を天皇に押し付ける政治家、軍人官僚の無能、無定見を指して、著者が厳しく批判する。
口で陛下の心持ちを斟酌すると言いながら、内実は陛下の心持ちを最も煩わせた者たちによって、日本は破綻の淵に追い込まれていったと。
本書を、どのような視点で読むか。
日本は、相変わらず謀略に弱い。相手の裏を読むことが苦手なのか、今日でさえ、韓国、中国の罠に嵌り、歴史謀略に翻弄されている。
それは、情報戦に弱いことを意味する。的確なカウンターが打てず対応はいつも後手に回る。
一部の官僚の言う事に、政治家が振り回される。政治家に明確な識見がなく、何回当選したかで大臣ポストが得られるという、能力と全く関係ない力学で政治が動くと言う愚を未だに脱却できていない。
正面装備という観点だけで見れば、日本軍の軍備は世界でも引けをとらないレベルだった。兵士も士気旺盛で、列強の軍隊でも抜きんでた存在だったことは明らかだ。
したがって、よく戦い、善戦もした。
今日の自衛隊の能力の高さも同じだ。
ところが、国家の指導層に人材がいなかった。
帝大、海兵、陸士とそれぞれに逸材が揃ってる筈なのに、何故、破綻したか。
その総括は、読者がするしかない。
東大を出た官僚が、小さな保身に汲々とし、政治家が、落選しないためだけに汲々としているなら、歴史の教訓は何も学んでおらず、再び、同じ歴史を繰り返すだけの国民でしかないということだろう。
2015年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「
国家の命運 安倍政権 奇跡のドキュメント
」「
約束の日 安倍晋三試論
」「
保守の原点――「保守」が日本を救う
」などの著作がある保守系の文藝評論家の小林氏の一冊
満洲事変から玉音放送までの歴史を当時の55個の発言から一つ一つ振り返ってみるという形式をとっています
タイトルのとおり戦場を中心としての歴史が述べられています(日本の政治的状況、他国の状況についてはその分、薄いかもしれません)
読みやすさもタイトルのとおりスラスラと読める本です
著書の後半では負けが込んできた日本軍やアメリカの残虐さが記載されていますが、前半で大東亜戦争に至った原因・泥沼化した原因について、もう少し強調しても良かったのではと思います(二・二六事件など軍部のクーデター未遂/テロ〜国家社会主義、高橋是清暗殺後のインフレ、満州事変につづく外交的孤立、アメリカの日本排斥運動、若いころ共産主義に心酔していた 近衛文麿 の総理在任中の不可解な動き《支那事変長期化、日独伊三国同盟、まさに共産主義と呼べる統制経済導入》、 近衛文麿やルーズヴェルト のもとで暗逆していたコミンテルンなど記載されていれば...と思います)
星をつけるのに少し困りましたが、星4つとしておきました
満洲事変から玉音放送までの歴史を当時の55個の発言から一つ一つ振り返ってみるという形式をとっています
タイトルのとおり戦場を中心としての歴史が述べられています(日本の政治的状況、他国の状況についてはその分、薄いかもしれません)
読みやすさもタイトルのとおりスラスラと読める本です
著書の後半では負けが込んできた日本軍やアメリカの残虐さが記載されていますが、前半で大東亜戦争に至った原因・泥沼化した原因について、もう少し強調しても良かったのではと思います(二・二六事件など軍部のクーデター未遂/テロ〜国家社会主義、高橋是清暗殺後のインフレ、満州事変につづく外交的孤立、アメリカの日本排斥運動、若いころ共産主義に心酔していた 近衛文麿 の総理在任中の不可解な動き《支那事変長期化、日独伊三国同盟、まさに共産主義と呼べる統制経済導入》、 近衛文麿やルーズヴェルト のもとで暗逆していたコミンテルンなど記載されていれば...と思います)
星をつけるのに少し困りましたが、星4つとしておきました
2015年8月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
いつものことで、何冊かの本を並行して読んで
いますが、『一気に読める「戦争」の昭和史』
(小川榮太郎:著)を読了。
「特攻隊の生みの親、大西瀧治郎」とされて
いた部分は、「諸説あって、最終的に、大西中将
とされているのでは?」と思っていますので、
ちょっと「ん?」と思いましたが、とにかく
全体的に、素晴らしくよくまとまった一冊です。
学校での近代史の学習の無さから、中国大陸で
働くようになってから、近代史を知らないことを
恥じ、様々な本を読み、先の大戦に関する様々な
作品をお書きになった、何人もの作家さんと交流
させていただき、それなにり、歴史の裏話も学ば
せていただきましたが、こうやって、当時の様々
な出来事、その事情、歴史の流れを、時間軸に
沿って、丁寧に、なるべく公平に、日本びいきに
ならないように、今の価値観ではなく、当時の、
日本人、西欧の考え方も説明しながら書いていら
っしゃる作品はありがたいと思います。
戦後70年。
是非、沢山の方に読んでいただきたいですし、
可能であれば、高校の授業とかでも、これで
学んでいただき、「日本人」の立ち位置を
しっかり再確認していただきたい一冊です。
いますが、『一気に読める「戦争」の昭和史』
(小川榮太郎:著)を読了。
「特攻隊の生みの親、大西瀧治郎」とされて
いた部分は、「諸説あって、最終的に、大西中将
とされているのでは?」と思っていますので、
ちょっと「ん?」と思いましたが、とにかく
全体的に、素晴らしくよくまとまった一冊です。
学校での近代史の学習の無さから、中国大陸で
働くようになってから、近代史を知らないことを
恥じ、様々な本を読み、先の大戦に関する様々な
作品をお書きになった、何人もの作家さんと交流
させていただき、それなにり、歴史の裏話も学ば
せていただきましたが、こうやって、当時の様々
な出来事、その事情、歴史の流れを、時間軸に
沿って、丁寧に、なるべく公平に、日本びいきに
ならないように、今の価値観ではなく、当時の、
日本人、西欧の考え方も説明しながら書いていら
っしゃる作品はありがたいと思います。
戦後70年。
是非、沢山の方に読んでいただきたいですし、
可能であれば、高校の授業とかでも、これで
学んでいただき、「日本人」の立ち位置を
しっかり再確認していただきたい一冊です。
2018年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者がはしがきで記してように、”極力偏見を排除し”平坦な事実を書き綴っているので、とても好感がもてると思います。
年表、地図、参考文献一覧などもあり、ちょっとした教科書のようですが、大変読みやすいです。
生まれて初めて、「玉音放送」全文を読みました。これは良かった。
中には、以下のような記述もあり、勉強になりました。
『イギリスの歴史学者クリストファー・ソーンは、『太平洋戦争とは何だったのか』のなかで、「日本人がイギリス人よりもずっと折り目正しい聡明な態度を取り始めたので、アジア人全体がイギリス人を低級な人種のように思い始めた」という、インド国民軍指導者モーハン・シンの言葉を紹介しています。』
『そもそも、国際法の下に規制されているはずの現代戦争で、交渉の余地なき全面占領を要求する連合国側の態度は、野卑で品性下劣の極みです。そのような降伏要求に対する抵抗は当然なのです。』
※本書は平成27年8月にKKベストセラーズより発行された『一気に読める「戦争」の昭和史』を新書化したものです。
年表、地図、参考文献一覧などもあり、ちょっとした教科書のようですが、大変読みやすいです。
生まれて初めて、「玉音放送」全文を読みました。これは良かった。
中には、以下のような記述もあり、勉強になりました。
『イギリスの歴史学者クリストファー・ソーンは、『太平洋戦争とは何だったのか』のなかで、「日本人がイギリス人よりもずっと折り目正しい聡明な態度を取り始めたので、アジア人全体がイギリス人を低級な人種のように思い始めた」という、インド国民軍指導者モーハン・シンの言葉を紹介しています。』
『そもそも、国際法の下に規制されているはずの現代戦争で、交渉の余地なき全面占領を要求する連合国側の態度は、野卑で品性下劣の極みです。そのような降伏要求に対する抵抗は当然なのです。』
※本書は平成27年8月にKKベストセラーズより発行された『一気に読める「戦争」の昭和史』を新書化したものです。
2017年2月21日に日本でレビュー済み
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盧溝橋事件から玉音放送までよくまとまっている。章ごとに言葉が挙げられておりそれが重要な役割を果たしている。盧溝橋事件においては中国共産党が国民党と日本軍の双方に銃撃を加え和平を妨害したことを周恩来が述べている。これなどは殆ど知られていない事実である。また毛沢東が「支那事変は日本、国民党、共産党の三国志」であったと言うのもあまり知られていない事実だ。ハルノートの最初の案と最終案との違い、ポッダム宣言の最終案と一つ前が示されていて非常にわかりやすい。この本の最後が昭和天皇の終戦の詔勅で締めくくられているのも効果的だ。この詔勅はよくできていて日本国民への責任、あるいは人類への責任として太平を開かんとする理由を説明し、共に戦った友邦に謝罪し、日本国民が受ける苦難を慮り、わが意を体せよと結ぶ。その間、自己弁護、保身などは微塵も感じさせない。
原爆投下の非人道性などには自明であるという理由で全く触れていない。さらに南京大虐殺や慰安婦についても(ゴミだという理由?で)全く触れていない。
開戦の詔勅も含めて終戦の詔勅がこれほど見事なのは日本の(外交交渉も含めた)戦争の実相が非のの打ちようがなかった(見事であった)ことの反映であろう。
原爆投下の非人道性などには自明であるという理由で全く触れていない。さらに南京大虐殺や慰安婦についても(ゴミだという理由?で)全く触れていない。
開戦の詔勅も含めて終戦の詔勅がこれほど見事なのは日本の(外交交渉も含めた)戦争の実相が非のの打ちようがなかった(見事であった)ことの反映であろう。
2018年8月11日に日本でレビュー済み
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一人は蒋介石の終戦提案に対して「以後国民政府を対手とせず」と言って日中戦争をドロ沼化させ長期戦にした近衛文麿であり(本書85頁)、二人は英米と対立して「日独伊三国同盟」を締結した松岡洋右である(本書120頁~125頁)。三人は2.26事件以後に岡田首相に代わって組閣した広田弘毅首相である。彼は「軍部大臣現役武官制の復活」を実現し、軍部(特に陸軍)を独走させた。(しかし、本書では広田弘毅に関しては触れていない。)歴史の順番から行くと、昭和11年の広田弘毅、昭和12年~20年の近衛文麿、昭和15年の松岡洋右である。この3人がレビュータイトルの主な責任者である。但し、これは私の独断的考えであります。
この本を読んで感動したのは、296頁の昭和18年11月5日~6日に開催された【大東亜会議】です。日本が敗戦間近にあって「アジア解放のカリスマ的指導者たちが、灰色の濃い日本にあえて集い、アジア人自ら、戦後史を予見する宣言を出したーーーこれだけでも、この会議の歴史的意義は計り知れません。」(304頁)
問題は「日本が終戦宣言時期を誤った事」です。昭和19年7月のサイパン島陥落で日本敗戦は決定的でした。その後、昭和20年2月に近衛文麿・元首相が「敗戦は遺憾ながらもはや必至」と昭和天皇に戦争終結を提案するが、天皇は軍部を抑えきれず、指導層は本土決戦を決定致しました。
せめてここでやめていれば、東京大空襲や沖縄戦は妨げたでありましょう。広島と長崎への原爆もなかったかもしれません。
しかし「たられば」ばかり言っても仕方ありません。
昭和天皇の玉音放送の全文(414頁~417頁)を初めて読んで感動致しました。
この本を読んで感動したのは、296頁の昭和18年11月5日~6日に開催された【大東亜会議】です。日本が敗戦間近にあって「アジア解放のカリスマ的指導者たちが、灰色の濃い日本にあえて集い、アジア人自ら、戦後史を予見する宣言を出したーーーこれだけでも、この会議の歴史的意義は計り知れません。」(304頁)
問題は「日本が終戦宣言時期を誤った事」です。昭和19年7月のサイパン島陥落で日本敗戦は決定的でした。その後、昭和20年2月に近衛文麿・元首相が「敗戦は遺憾ながらもはや必至」と昭和天皇に戦争終結を提案するが、天皇は軍部を抑えきれず、指導層は本土決戦を決定致しました。
せめてここでやめていれば、東京大空襲や沖縄戦は妨げたでありましょう。広島と長崎への原爆もなかったかもしれません。
しかし「たられば」ばかり言っても仕方ありません。
昭和天皇の玉音放送の全文(414頁~417頁)を初めて読んで感動致しました。
2015年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どうして日本は戦争に向かったのか?という疑問を解決するための本を手にしました。タイトルの通り読みやすく知識の少ない私にも理解しやすい内容でした。
ただ、志那事変(日中戦争)と大東亜戦争(太平洋戦争)は相手側に原因がある、という認識についてはどうなのだろう?と府に落ちていないところもあります。
もちろん、日本に一方的に原因があるのは思わないのですが。著者の考え方はやや中立性に欠けるのかなとも感じました。
でも、昭和の戦争史に興味をもった方にはおすすめの一冊です。
ただ、志那事変(日中戦争)と大東亜戦争(太平洋戦争)は相手側に原因がある、という認識についてはどうなのだろう?と府に落ちていないところもあります。
もちろん、日本に一方的に原因があるのは思わないのですが。著者の考え方はやや中立性に欠けるのかなとも感じました。
でも、昭和の戦争史に興味をもった方にはおすすめの一冊です。