「坂の上の雲」以降の日本がどうなっていったのか。太平洋戦争に突入し戦後の復興を遂げるプロセスに深く関わった岸氏の言動は真に興味深いものでした。
戦争を主導した内閣の一員でありながら戦後の首相になるこの人物は、官僚と内閣、そして政党の総裁、首相のあるべき姿を体現している。
筆者があとがきでいまの政治家を嘆いているが、同感だ。
いまの官僚や政治家、とりわけ孫の安倍首相が読むべき本である。

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悪と徳と 岸信介と未完の日本 (扶桑社文庫 ふ 10-1) 文庫 – 2015/8/2
福田 和也
(著)
- 本の長さ538ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2015/8/2
- ISBN-104594073158
- ISBN-13978-4594073152
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登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2015/8/2)
- 発売日 : 2015/8/2
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 538ページ
- ISBN-10 : 4594073158
- ISBN-13 : 978-4594073152
- Amazon 売れ筋ランキング: - 120,254位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 45位扶桑社文庫
- - 128位日中・太平洋戦争
- - 22,630位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960(昭和35)年東京生まれ。文芸評論家。慶應義塾大学環境情報学部教授。慶應義塾大学文学部仏文科卒。同大学院修士課程修了。1993年『日本の家郷』で三島由紀夫賞、2002年『地ひらく』で山本七平賞受賞。著書に『日本の近代(上・下)』『昭和天皇』など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本と文学と酒場とシネマと。福田さんから教わってきました。
先の大戦を軸として、僕らは一体どこからきて、なぜ今ここにいるのか。
その問いを、文学と批評を軸として描く手腕にはいつも興奮させられました。
しかし、残念ながらこの作品は45点といったところ。
赤点ギリギリ(44点から赤点)。
良いところとしては、まず岸信介を評価し、今提示している事。
今提出されている(長い間解決されていない)政治の課題は、実は希代の政治家岸信介によって
提出されたままであるという事を(恥ずかしながら)知りました。
政治という職業に関わる厳しさとダイナミズムと倫理を感じさせてくれます。
しかし、良く言えばスムーズであり、実感としては単なる事実の記述に留まる大半は、
ただその時を心地よくさせてくれる読飛ばし文以上のものではありませんでした。
タイトルにこめられた「悪」も「徳」も兼ね備えた岸信介という一日本人を、悪も徳も
感じさせずにまとめきってしまった(手に余った?放り出した?)感じがあります。
どこかの連載で「途中で飽きた」と書いていたのが、まさか本当だとは思いませんでした。
「未完の日本」というテーマも素晴らしいと思ったけれど、これもまったく描ききれていません。
連載では良いけれど、腰の据えた長い作品にするには無理な作品の印象で、編集者やご本人も
その辺はわかっているのでは、、と思いました。
ただ、岸信介が描いていた政治体系(「左の一番右寄りは右の一番左より右で、逆も又同じ」)
やネルー来日のエピソードなど、参考になったり感動したりするのあります。
中古で1,000円くらいであれば、興味のある人は買ってもいいと思います。
先の大戦を軸として、僕らは一体どこからきて、なぜ今ここにいるのか。
その問いを、文学と批評を軸として描く手腕にはいつも興奮させられました。
しかし、残念ながらこの作品は45点といったところ。
赤点ギリギリ(44点から赤点)。
良いところとしては、まず岸信介を評価し、今提示している事。
今提出されている(長い間解決されていない)政治の課題は、実は希代の政治家岸信介によって
提出されたままであるという事を(恥ずかしながら)知りました。
政治という職業に関わる厳しさとダイナミズムと倫理を感じさせてくれます。
しかし、良く言えばスムーズであり、実感としては単なる事実の記述に留まる大半は、
ただその時を心地よくさせてくれる読飛ばし文以上のものではありませんでした。
タイトルにこめられた「悪」も「徳」も兼ね備えた岸信介という一日本人を、悪も徳も
感じさせずにまとめきってしまった(手に余った?放り出した?)感じがあります。
どこかの連載で「途中で飽きた」と書いていたのが、まさか本当だとは思いませんでした。
「未完の日本」というテーマも素晴らしいと思ったけれど、これもまったく描ききれていません。
連載では良いけれど、腰の据えた長い作品にするには無理な作品の印象で、編集者やご本人も
その辺はわかっているのでは、、と思いました。
ただ、岸信介が描いていた政治体系(「左の一番右寄りは右の一番左より右で、逆も又同じ」)
やネルー来日のエピソードなど、参考になったり感動したりするのあります。
中古で1,000円くらいであれば、興味のある人は買ってもいいと思います。
2017年11月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わが安倍首相は安保騒動期に岸さんと共に官邸にいたという貴重な体験の持ち主。その岸さんは一族の輿望を担って大事に育てられ、本人もそれに答えた。そのあたりの事情はよくこの本で知ることができる。ただ、近来、歴史修正主義という問題提起が米国で巻き起こっている。例えばチャールズ・ビアドの「ルーズベルトの責任」という戦後まもなく出版された本には、彼は大統領選挙の公約で戦争はしないといったのにチャーチルに参戦を約束し、ドイツに米国からの援助物資を乗せた船団を攻撃させ、開戦の口実を得ようとした。ドイツはその手に乗らなかったので、日米交渉で日本が飲めないハルノートを突きつけ、米国を攻撃させ、開戦の口実を得ようとしたという。
東京裁判の根底を覆す内容で、歴史学会も政治世界も無視。日本の歴史学会も無視だったが、やっと2011年翻訳が出た。しかし無視は米国でも日本でも続いている。それが全く反映されていないのが惜しい。
東京裁判の根底を覆す内容で、歴史学会も政治世界も無視。日本の歴史学会も無視だったが、やっと2011年翻訳が出た。しかし無視は米国でも日本でも続いている。それが全く反映されていないのが惜しい。