発売直後に入手したが、2013年夏の今、再び引っ張り出して絶望的気分で頁を繰っては頭を抱えている。
以下は、産経ニュースより。(私はこのニュースを日経夕刊(14日)で知ったが、発表されたのは13日深夜近くで、お盆の今、知らない人が多いと思う。)
「地下貯水槽が40センチ隆起 地下水の浮力で
2013.8.13 23:47 [原発]
東京電力は13日、福島第1原発で4月以降に汚染水の漏洩(ろうえい)が明らかになった
地下貯水槽(3号貯水槽)の底部が、設置当初に比べて最大約40センチ隆起していると発表した。
保管されていた汚染水を地上タンクに移送した結果、地下水の浮力で押し上げられたとみられる。
3号貯水槽は汚染水の移送後に使用を中止した。
今月10日に測定した結果、中央部分を中心に隆起していた。
内部にはポンプでくみ上げきれない汚染水がわずかに残っており、
貯水槽の底部がゆがむと地中に漏れる恐れがある。
海水を保管していた4号貯水槽も約15センチ隆起していた。
東電は貯水槽上部に砂利を敷き詰め、重さで隆起を抑える方針。」
事態は、この本に書かれているように進行して行っている。ここまで具体的に書かれたものを、他に知らない。
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地震と原発 今からの危機 (神保・宮台マル激トーク・オン・デマンド) 単行本 – 2011/6/10
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東日本大震災と福島原発事故で、今なお続く危機とはなにか?
原発に合理性はあるのか? マスコミが報じない事実をいち早く伝えた
「ビデオニュース・ドットコム」の震災関連番組に大幅な加筆を加えて緊急出版。
神保哲生氏(ビデオジャーナリスト)と宮台真司氏(社会学者)をホストに、
原子力・地質学・内部被曝等の専門家が語るタブーなき討論の記録。
<目次>
◆子どもたちの自主判断が津波から人々を救った
ゲスト:片田敏孝(防災学、釜石市防災・危機管理アドバイザー)
◆地震活動期に入った日本と「フクシマ再来」の危険性
ゲスト:立石雅昭(地質学)
◆あえて原発事故の「最悪シナリオ」と「冷静な対処法」を考える
ゲスト: 小出裕章(原子核工学) 飯田哲也(環境エネルギー政策)
矢ヶ崎克馬(理学博士) 松井 英介(医師) 青木理(ジャーナリスト)
◆本当は原子炉でなにが起きていたのか
小出裕章(原子核工学)
◆税金数十兆円をドブに捨てる与野党「原子力利権」の鉄壁
河野太郎(衆議院議員) 武田徹(ジャーナリスト)
◆震災が私たちに突きつけたもの
神保哲生 宮台真司
原発に合理性はあるのか? マスコミが報じない事実をいち早く伝えた
「ビデオニュース・ドットコム」の震災関連番組に大幅な加筆を加えて緊急出版。
神保哲生氏(ビデオジャーナリスト)と宮台真司氏(社会学者)をホストに、
原子力・地質学・内部被曝等の専門家が語るタブーなき討論の記録。
<目次>
◆子どもたちの自主判断が津波から人々を救った
ゲスト:片田敏孝(防災学、釜石市防災・危機管理アドバイザー)
◆地震活動期に入った日本と「フクシマ再来」の危険性
ゲスト:立石雅昭(地質学)
◆あえて原発事故の「最悪シナリオ」と「冷静な対処法」を考える
ゲスト: 小出裕章(原子核工学) 飯田哲也(環境エネルギー政策)
矢ヶ崎克馬(理学博士) 松井 英介(医師) 青木理(ジャーナリスト)
◆本当は原子炉でなにが起きていたのか
小出裕章(原子核工学)
◆税金数十兆円をドブに捨てる与野党「原子力利権」の鉄壁
河野太郎(衆議院議員) 武田徹(ジャーナリスト)
◆震災が私たちに突きつけたもの
神保哲生 宮台真司
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日2011/6/10
- ISBN-104594064280
- ISBN-13978-4594064280
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登録情報
- 出版社 : 扶桑社 (2011/6/10)
- 発売日 : 2011/6/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4594064280
- ISBN-13 : 978-4594064280
- Amazon 売れ筋ランキング: - 928,259位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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1959年、宮城県生まれ。
社会学者、評論家。首都大学東京教授。公共政策プラットフォーム研究評議員。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(社会学博士)。『日本の難点』(幻冬舎)、『14歳からの社会学』(世界文化社)、『中学生からの愛の授業』(コアマガジン)『<世界>はそもそもデタラメである』(メディアファクトリー)、『制服少女たちの選択』(朝日文庫)、『終わりなき日常を生きろ』(ちくま文庫)など多数。
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トップレビュー
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2011年6月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
東日本大震災以降、特に福島原発に関して、小出裕章京都大学原子炉実験所助教に毎週インタビューを行い、
事態の深刻さを知らしめたのは、ビデオニュース・ドットコムで、その功績は立派です。
インターネット放送は今でも聴けるけれども、
文字で読むと、放送を聴いたときには聞き逃していたり、忘れていたことが確認できる。
これは大変に貴重な本です。
事態の深刻さを知らしめたのは、ビデオニュース・ドットコムで、その功績は立派です。
インターネット放送は今でも聴けるけれども、
文字で読むと、放送を聴いたときには聞き逃していたり、忘れていたことが確認できる。
これは大変に貴重な本です。
2011年6月23日に日本でレビュー済み
他の先進国と比べ日本はインターネットでは後塵を拝してきた。
残念ながら原発震災というカタストロフを受けて、やっと日本人もネットの「力」に気づいた訳だが、「too late」の感は否めない。
ネットの停滞の原因の一つに「編集」の素人臭さへの敬遠があったろうと思う。
今年めざましい活躍を見せているフリー・ジャーナリストの筆頭は岩上安身氏だが、彼がUstで運営する「IWJ」はお世辞にもプロの仕事からは乖離している。しかし、これまで一般人が目にすることのできなかった記者クラブの実況という「生」を視聴できた衝撃は、「事件」以外の何者でもなかった。
「IWJ」を「動」的コンテンツとすれば、神保・宮台コンビの「videonews.com」はそれの対極にある。週一でスタジオ形式の配信はTVで育った我々に最もフィットした絵作りだ。ただ内容はTVを遥かに凌駕するものである。311以降、広瀬隆氏を登用したのも小出助教に取材したのも、この番組が最も早かった。さすが神保哲夫。地味だができる男である。
出版というものをご理解なさってない方もいるようなので、あえて蛇足を。
このご時勢、金にもならない本をなぜ出すのか。
百科事典から漫画雑誌に至るまで全ての出版物は国会図書館に収蔵される決まりになっている。未だ不完全ではあるがIDさえ登録しておけばPC上で閲覧可能となる。つまり商品としての本が資料として保管されるのだ。情報の担保を取っておくことの重要性は常識である。
地上波で孤軍奮闘の玉川徹(テレビ朝日)にもエールを送りたい。彼の役職は知らないが「モーニングバード」で小出氏へのインタビューを放映したり、節電ムードに釘を刺したり。
これもネットの力、すなわち市民の声が巨大資本を動かした証左と言えるだろう。
残念ながら原発震災というカタストロフを受けて、やっと日本人もネットの「力」に気づいた訳だが、「too late」の感は否めない。
ネットの停滞の原因の一つに「編集」の素人臭さへの敬遠があったろうと思う。
今年めざましい活躍を見せているフリー・ジャーナリストの筆頭は岩上安身氏だが、彼がUstで運営する「IWJ」はお世辞にもプロの仕事からは乖離している。しかし、これまで一般人が目にすることのできなかった記者クラブの実況という「生」を視聴できた衝撃は、「事件」以外の何者でもなかった。
「IWJ」を「動」的コンテンツとすれば、神保・宮台コンビの「videonews.com」はそれの対極にある。週一でスタジオ形式の配信はTVで育った我々に最もフィットした絵作りだ。ただ内容はTVを遥かに凌駕するものである。311以降、広瀬隆氏を登用したのも小出助教に取材したのも、この番組が最も早かった。さすが神保哲夫。地味だができる男である。
出版というものをご理解なさってない方もいるようなので、あえて蛇足を。
このご時勢、金にもならない本をなぜ出すのか。
百科事典から漫画雑誌に至るまで全ての出版物は国会図書館に収蔵される決まりになっている。未だ不完全ではあるがIDさえ登録しておけばPC上で閲覧可能となる。つまり商品としての本が資料として保管されるのだ。情報の担保を取っておくことの重要性は常識である。
地上波で孤軍奮闘の玉川徹(テレビ朝日)にもエールを送りたい。彼の役職は知らないが「モーニングバード」で小出氏へのインタビューを放映したり、節電ムードに釘を刺したり。
これもネットの力、すなわち市民の声が巨大資本を動かした証左と言えるだろう。
2011年7月26日に日本でレビュー済み
宮台氏が、かの大地震、3・11を経てそれについて何を語るのか気になった。本書においてどこまでも強調されているのは、任せない事、依存しない事である。
<システム>に依存しすぎた分、生活世界が脆弱になり、そのせいで、<システム>がパンクしたときに、生活世界が破滅した。(25)
人々は災害時にも自明性の内側で行動します。…囚われない行動を実際にとるためには、日頃の訓練が必要だと思います。(39)
防潮堤が高すぎたことが「依存して大丈夫なのだ」という気持ちを起こさせたのではないのでしょうか。「絶対安心」をめざした「万全のハード」の皮肉です。(42)
当事者世代が代替わりして子どもや孫の世代になると、平穏無事が自明になる。…平穏無事が自明になった人たちにとって、いや、100年に一度はとんでもないことが起こるんだ、というメッセージは、単にノイジーになってしまいます。(51)
この数年間僕がずっと言ってきたことは「任せる政治から、引き受ける政治へ」…「(市場や国家など)システムへの過剰依存から、共同体自治へ」ということだ。システム過剰依存は思考停止をもたらす。思考停止は安全保障上重大な帰結をもたらす。(242)
政府発であれマスコミ発であれ誰発であれ、この情報さえ信じれば大丈夫という依存癖がある限り、我々は愚民そのものだ…(238)
「平時」に回るシステムが「非常時」に回らなくなったらどうなるかを想像するには、知的な努力が必要だ。だが、日本ではそうした努力がないがしろにされ、「平時」に回るシステムへの過剰依存が蔓延した。(251)
「平時」にしか働かないシステムに依存したヘタレな国が、稀代の震災と原発事故に対応できるはずがなかろう。(237)
「平時」にしか働かないシステムへの依存。あるいは「平時」への依存。こうした依存がいかにもろい前提に支えられているかを震災と原発事故が暴露した。(237)
<過剰依存>は様々な形を取る。国家(おカミ)への依存。市場への依存。所属組織への依存。「絶対安全」な堤防への依存。「絶対安全」な原発への依存。総じて「平時」にしか回らないシステムへの依存=非自明な自明性への依存。(252)
…これら全ての発言は殆ど同じ事ばかりを言っている。「平時」にしか働かないシステムへの過剰依存、「平時それ自体」への過剰依存、それは「非自明な自明性」への過剰依存であり、このような依存の精神が、国家への依存、組織への依存、堤防への依存、原発への依存、その他様々な依存に繋がっていく。宮台氏はその事を非難し、脱依存を説く。多分にこれには精神論的なところがある。精神的な改善が説かれているのだ。(勿論そればかりではない)これは3・11の大震災は単なる不運で不幸な自然災害であり、どうしようもないものだった、恐ろしい…といった通俗的な震災観からは当然の事ながら、大変に遠い。宮台氏は日本国民は今回悲惨な目にあって可哀想であった、元気を出そう…等と言うのではなく、むしろこの機会にその怠慢を非難するのだ。政府だけを非難したりするのではなく、まさしく我々国民全体をその対象としている。平時に依存し、国家に依存し、政府や東電の情報は正しいものであると疑わず、宮台氏のように疑う者が現れると「煽るな」と集団でバッシングする。そのような人々全体を宮台氏は非難し、そして「この情報さえ信じれば大丈夫という依存癖がある限り、我々は愚民そのもの」であると返す。このような主張・立場の是非は別として宮台氏の主張・立場は一貫しており大変分かりやすいものである。
神保氏もまた同じく「今回の原発事故は人災だ。そこには我々のお上任せ体質も加担している」「一体どれだけの人が、自分が一票を投じた候補者の主張するエネルギー政策の中身を知っているだろうか?それを投票行動に反映させたことが一度でもあっただろうか?」(14)「この震災を奇貨として、「任せる社会」から「引き受ける社会」に展開するべきなんだと思う」(18)などと言って「任せない政治=引き受ける政治」を推奨しており、本書は全体にわたってこういった姿勢の転換を極めて強く推している。
ただ一つの問題はやはり、いかに宮台氏と神保氏がこれだけ強く強く強く、依存をやめよう!引き受ける政治へ!と繰り返し説いたところで、近い内にいかほどの変化があるのか、という事であろうか。そもそも震災についての言説でなくとも、実質的に全く同じ事がもうずっと前から説かれ続けているのだ。しかし日本に特に変化はない。しかし何もない時に説くよりは「システム過剰依存は思考停止をもたらす。思考停止は安全保障上重大な帰結をもたらす」が実証されたようなこの機会に説く方が効果を見込めるという事は言えるだろう。恐らく宮台氏らはそこに少なからず期待しているところがある。「これで変わらなかったら…」「変わると確信できないのがこの国の嫌なところだ」「そこは変えましょうよ」といったやり取りもある。しかし果たしてどうなのだろう。
<システム>に依存しすぎた分、生活世界が脆弱になり、そのせいで、<システム>がパンクしたときに、生活世界が破滅した。(25)
人々は災害時にも自明性の内側で行動します。…囚われない行動を実際にとるためには、日頃の訓練が必要だと思います。(39)
防潮堤が高すぎたことが「依存して大丈夫なのだ」という気持ちを起こさせたのではないのでしょうか。「絶対安心」をめざした「万全のハード」の皮肉です。(42)
当事者世代が代替わりして子どもや孫の世代になると、平穏無事が自明になる。…平穏無事が自明になった人たちにとって、いや、100年に一度はとんでもないことが起こるんだ、というメッセージは、単にノイジーになってしまいます。(51)
この数年間僕がずっと言ってきたことは「任せる政治から、引き受ける政治へ」…「(市場や国家など)システムへの過剰依存から、共同体自治へ」ということだ。システム過剰依存は思考停止をもたらす。思考停止は安全保障上重大な帰結をもたらす。(242)
政府発であれマスコミ発であれ誰発であれ、この情報さえ信じれば大丈夫という依存癖がある限り、我々は愚民そのものだ…(238)
「平時」に回るシステムが「非常時」に回らなくなったらどうなるかを想像するには、知的な努力が必要だ。だが、日本ではそうした努力がないがしろにされ、「平時」に回るシステムへの過剰依存が蔓延した。(251)
「平時」にしか働かないシステムに依存したヘタレな国が、稀代の震災と原発事故に対応できるはずがなかろう。(237)
「平時」にしか働かないシステムへの依存。あるいは「平時」への依存。こうした依存がいかにもろい前提に支えられているかを震災と原発事故が暴露した。(237)
<過剰依存>は様々な形を取る。国家(おカミ)への依存。市場への依存。所属組織への依存。「絶対安全」な堤防への依存。「絶対安全」な原発への依存。総じて「平時」にしか回らないシステムへの依存=非自明な自明性への依存。(252)
…これら全ての発言は殆ど同じ事ばかりを言っている。「平時」にしか働かないシステムへの過剰依存、「平時それ自体」への過剰依存、それは「非自明な自明性」への過剰依存であり、このような依存の精神が、国家への依存、組織への依存、堤防への依存、原発への依存、その他様々な依存に繋がっていく。宮台氏はその事を非難し、脱依存を説く。多分にこれには精神論的なところがある。精神的な改善が説かれているのだ。(勿論そればかりではない)これは3・11の大震災は単なる不運で不幸な自然災害であり、どうしようもないものだった、恐ろしい…といった通俗的な震災観からは当然の事ながら、大変に遠い。宮台氏は日本国民は今回悲惨な目にあって可哀想であった、元気を出そう…等と言うのではなく、むしろこの機会にその怠慢を非難するのだ。政府だけを非難したりするのではなく、まさしく我々国民全体をその対象としている。平時に依存し、国家に依存し、政府や東電の情報は正しいものであると疑わず、宮台氏のように疑う者が現れると「煽るな」と集団でバッシングする。そのような人々全体を宮台氏は非難し、そして「この情報さえ信じれば大丈夫という依存癖がある限り、我々は愚民そのもの」であると返す。このような主張・立場の是非は別として宮台氏の主張・立場は一貫しており大変分かりやすいものである。
神保氏もまた同じく「今回の原発事故は人災だ。そこには我々のお上任せ体質も加担している」「一体どれだけの人が、自分が一票を投じた候補者の主張するエネルギー政策の中身を知っているだろうか?それを投票行動に反映させたことが一度でもあっただろうか?」(14)「この震災を奇貨として、「任せる社会」から「引き受ける社会」に展開するべきなんだと思う」(18)などと言って「任せない政治=引き受ける政治」を推奨しており、本書は全体にわたってこういった姿勢の転換を極めて強く推している。
ただ一つの問題はやはり、いかに宮台氏と神保氏がこれだけ強く強く強く、依存をやめよう!引き受ける政治へ!と繰り返し説いたところで、近い内にいかほどの変化があるのか、という事であろうか。そもそも震災についての言説でなくとも、実質的に全く同じ事がもうずっと前から説かれ続けているのだ。しかし日本に特に変化はない。しかし何もない時に説くよりは「システム過剰依存は思考停止をもたらす。思考停止は安全保障上重大な帰結をもたらす」が実証されたようなこの機会に説く方が効果を見込めるという事は言えるだろう。恐らく宮台氏らはそこに少なからず期待しているところがある。「これで変わらなかったら…」「変わると確信できないのがこの国の嫌なところだ」「そこは変えましょうよ」といったやり取りもある。しかし果たしてどうなのだろう。
2011年8月2日に日本でレビュー済み
今注目は、ビデオジャーナリスト神保哲生である。本人自身、福島原発に取材に行き、
被曝している。宮台が言うように「大丈夫、大丈夫」が、事実が裏切られて、パニックに
なる、そもそも人間が作ったものなのだから、そこそこ安全で、そこそこ危険なのは当た
り前な話なのである、というのは良く分かる。小出が炉心と圧力容器、格納容器がごちゃ
ごちゃに議論されていると言う。やはり、私たちは、メディアの話を鵜呑みにしていること
を考えると、発信側のメディアも伝え方を気をつけてもらいたいし、私たち自身も気をつ
けなければならないだろう。
被曝している。宮台が言うように「大丈夫、大丈夫」が、事実が裏切られて、パニックに
なる、そもそも人間が作ったものなのだから、そこそこ安全で、そこそこ危険なのは当た
り前な話なのである、というのは良く分かる。小出が炉心と圧力容器、格納容器がごちゃ
ごちゃに議論されていると言う。やはり、私たちは、メディアの話を鵜呑みにしていること
を考えると、発信側のメディアも伝え方を気をつけてもらいたいし、私たち自身も気をつ
けなければならないだろう。
2023年6月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
被害の最大値さえ分からない原発(核)こそ、人間が手に負えない技術であろう。 特に日本人には。 次の致命的事故が起きる前に、手を引くべきだと強く思いました。