原発事故が起きた時、しきりにメディアは「基準値のX倍の線量が検出された」と報道をしていた。
基準値の100倍とか1000倍と言うニュースを聞くと何かとてつもない状況なのだと理解はできる。
しかし大事なのは基準値を超えた放射線によって人体への影響があるのか?あるのであればどの程度のものなのか?と言う部分であった筈だ。
あれらの報道はいたずらに国民の不安を煽ってはいなかっただろうかと今でも思う。
当時のニュースを見て同じような疑問を持った人は多いと思うが、本書はそんな疑問を解消する一助になるものだ。
正しい知識を身につけることは文字通り自身の身を守ることにも繋がる。
そして被災地の現状を正しく知ることで私たちの選択肢が変わってくる、それは正しい復興にも繋がる。
本書の内容を気に入らない人もいるだろう。間違っていると思う人もいるかもしれない。
けれど本書に記された知見に触れることは決して無駄にはならないと思う。
本書を読んで安全だから良かっただけで済ましてしまう人もいるかもしれない。
しかし大事なのは一人一人が原発事故と向き合い学び続ける姿勢にある思う。
原発事故は起きたし、放射線も漏れた。
それでも私たちの人生は続いていくのだから。

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放射線医が語る被ばくと発がんの真実 (ベスト新書 358) 新書 – 2012/1/7
中川 恵一
(著)
東大病院の放射線医としてがん患者の治療に長年携わってきた著者が、被ばくと発がんリスクについて真摯に語り下ろす。子供たちの健康、内部被ばく、食料汚染、ホットスポット問題など貴重な情報が満載。
- 本の長さ191ページ
- 言語日本語
- 出版社ベストセラーズ
- 発売日2012/1/7
- ISBN-104584123586
- ISBN-13978-4584123584
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商品の説明
出版社からのコメント
福島第一原発事故から10ヵ月が経とうとしています。政府は冷温停止状態に入ったとの発表を行いましたが、地元の住民の方々の帰宅問題やホットスポット、食べ物の汚染など問題は山積しており、私たちの不安はまだまだ解消されていません。
「内部被ばくは、外部被ばくの600倍危険だ」
「福島の野菜を食べてはいけない」
「西へ逃げろ」……。
原発事故以来、さまざまな「専門家」たちの意見が飛び交い、かえって不安と混乱は増すばかりです。今最も必要とされるのは、正確な情報ではないでしょうか。
本書の著者は、長年にわたって放射線医としてがん患者の治療に携わってきました。被ばくと発がんリスクの問題について語るに最も相応しい人物といえます。さらに事故後、福島で行った調査や、広島・長崎、そしてチェルノブイリ原発事故のデータ分析も踏まえて導いた結論は、大きな説得力をもちます。
2011年、ロシア政府はチェルノブイリ原発事故25年目にあたり、総括報告書を発表しました。そこには住民の避難と健康被害の実態の分析がなされており、今の日本にとって示唆に富む内容です。本書に、その一部を翻訳掲載しています。
原発事故以来、私たちは日常生活においてさまざまな「選択」を迫られてきました。本書が、選択を迫られるようなときに、一人でも多くの方にとって判断材料のひとつとなることを願います。
「内部被ばくは、外部被ばくの600倍危険だ」
「福島の野菜を食べてはいけない」
「西へ逃げろ」……。
原発事故以来、さまざまな「専門家」たちの意見が飛び交い、かえって不安と混乱は増すばかりです。今最も必要とされるのは、正確な情報ではないでしょうか。
本書の著者は、長年にわたって放射線医としてがん患者の治療に携わってきました。被ばくと発がんリスクの問題について語るに最も相応しい人物といえます。さらに事故後、福島で行った調査や、広島・長崎、そしてチェルノブイリ原発事故のデータ分析も踏まえて導いた結論は、大きな説得力をもちます。
2011年、ロシア政府はチェルノブイリ原発事故25年目にあたり、総括報告書を発表しました。そこには住民の避難と健康被害の実態の分析がなされており、今の日本にとって示唆に富む内容です。本書に、その一部を翻訳掲載しています。
原発事故以来、私たちは日常生活においてさまざまな「選択」を迫られてきました。本書が、選択を迫られるようなときに、一人でも多くの方にとって判断材料のひとつとなることを願います。
著者について
中川 恵一 (なかがわ・けいいち) 1960年、東京生まれ。東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア診療部部長。東京大学医学部医学科卒業後、スイスのポール・シェラー研究所に客員研究員として留学。著書に『放射線のひみつ』(朝日出版社)、『自分を生ききる』(養老孟司氏との共著、小学館)、『がんの練習帳』(新潮新書)、『専門医が教える がんで死なない生き方』(光文社新書)ほか多数。
登録情報
- 出版社 : ベストセラーズ (2012/1/7)
- 発売日 : 2012/1/7
- 言語 : 日本語
- 新書 : 191ページ
- ISBN-10 : 4584123586
- ISBN-13 : 978-4584123584
- Amazon 売れ筋ランキング: - 780,460位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年2月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
専門家でもない人が
専門家のように扱われいい加減な情報が流布されるなか
批判覚悟で出された本だけに
今の実情に応じた内容になっていて良い本だと思う。
ロシアのチェルノブイリの総括報告書の
90年代の避難政策の反省が語られている
まとめの翻訳も大事な教訓を含んでいる。
☆一個マイナスは
昨今問題となっている早川氏の地図を載せていること。
より正確な地図も出ているのに
早川マップを採用したことにたいしてである。
専門家のように扱われいい加減な情報が流布されるなか
批判覚悟で出された本だけに
今の実情に応じた内容になっていて良い本だと思う。
ロシアのチェルノブイリの総括報告書の
90年代の避難政策の反省が語られている
まとめの翻訳も大事な教訓を含んでいる。
☆一個マイナスは
昨今問題となっている早川氏の地図を載せていること。
より正確な地図も出ているのに
早川マップを採用したことにたいしてである。
2013年4月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これを読んでも安心も出来ないし、不安で眠れない訳でもない。私の理解力の問題かもしれないが、被曝には高線量被曝と、低線量被曝があり、低線量は証明されていないと認識している。今後、研究が進み低線量被曝がどれほどのガンリスクがあるのかを知りたい。
2012年2月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
100ミリシーベルト以下で発がんリスクがあるかないかという点について、
誤解を引き起こさないようなわかりやすい説明がされています。
疫学データ上100ミリシーベルト以上で0.5%の癌死上昇のリスクがみられるという意味は、
そこから上の放射線量とリスク上昇のみ有意なデータがあるという意味です。
ICRPとLNT仮説はそこから下の低線量域も比例してリスクを考えるという「予測」であり、「ポリシー」である、と解説しています。
100ミリシーベルト以下のリスクについての疫学上有意なデータは、これから先も得られる見込みはありません。
なぜなら、それは計測機の計測誤差や計測限界以下の領域と同様であり、
0.5%以下の癌死リスクの有意なデータに必要な母数は本書によれば「500万人以上」で、事実上「不可能」だからです。
ここから、100ミリシーベルト以下の被ばくリスクが学問上も論争的になる理由が出てきそうです。
一つの考え方は、100ミリシーベルト以上でのみ科学的データがあるので、その領域の被ばくリスクだけを想定するのが科学的であるとする態度。もう一つはデータ上未定の領域は社会的合意やICRPのような「ポリシー」で置き換える態度。
著者は疫学データとポリシーの違いを理解すべきとした上で、
事実上は100ミリシーベルト以下では発がんリスクはないと見なしてると読めました。
素人なりに読んだ感想ですが、著者は放射線のリスクを「発がんの上昇リスク」と定義していて、
発がんの確率を上昇させるいくつかの要因に追加される追加要因とみなしているので、
ある程度小さな確率要因の追加は他の色んな確率要因に埋もれるということになります。
違う言い方をすれば、100ミリシーベルトで0.5%の上昇というのは、それ以下のデータがなくとも、
リスクとしての規模はおおよそ想定出来ます。
「チェルノブイリ25年」のデータ資料がついているのは貴重でした。
チェルノブイリ事故に関して詳しくないのですが、
この資料の「放射能のリスクよりも社会的経済的リスクの方が大きかった」という反省、
著者の低線量のリスクを大きく見すぎてロシアは移住プログラムというより大きいリスクを選択したという意見、
これらには個人的には若干留保を付けておきたいと感じました。
放射能の影響が結果的に少なかったというのは、後からわかる後知恵の理屈です。
ロシア政府が5ミリシーベルト以下で強制移住を決定したのはそれが健康被害を引きおかすと考えたからのはずです。
どのみち、結果的に健康被害が出ても出なくても、その時点での科学的「予測」でしか政策を決められなかっただろうと思います。
広島の様な白血病の上昇がなかったのも、小児甲状腺癌が上昇したのも、疫学データが集まった「後」にわかったことだと思います。
現実的には、原発事故の様な広範囲の放射能汚染では被ばくリスクと生活環境のリスクのバランスを考えざるを得ません。
チェルノブイリにせよ福島にせよ、生活環境上のリスクと放射線のリスクを天秤にかけなければならないということは、
それらに対するつけを被害者自身が支払っているということでもあります。
非常時の被ばく対策の章で、子どもの食べ物による被ばくの解説が少しわかりにくい気がした。
「子どもは大人より放射線の感受性が高い」とあり、次に「しかし子どもは摂取量は少ない」とあります。
同じ線量に対しては子どもの方が感受性が高いというのがひとつ、
それとは別に体重差が大きいと等価線量そのものが大人より子どものほうが大きいというのがもう一つあると思います。
ちなみにベラルーシでは「自分と子どもを放射能から守るには」という本によると
セシウム137のkgあたりのベクレル許容数を子どもは1/2以下にしているようです。
誤解を引き起こさないようなわかりやすい説明がされています。
疫学データ上100ミリシーベルト以上で0.5%の癌死上昇のリスクがみられるという意味は、
そこから上の放射線量とリスク上昇のみ有意なデータがあるという意味です。
ICRPとLNT仮説はそこから下の低線量域も比例してリスクを考えるという「予測」であり、「ポリシー」である、と解説しています。
100ミリシーベルト以下のリスクについての疫学上有意なデータは、これから先も得られる見込みはありません。
なぜなら、それは計測機の計測誤差や計測限界以下の領域と同様であり、
0.5%以下の癌死リスクの有意なデータに必要な母数は本書によれば「500万人以上」で、事実上「不可能」だからです。
ここから、100ミリシーベルト以下の被ばくリスクが学問上も論争的になる理由が出てきそうです。
一つの考え方は、100ミリシーベルト以上でのみ科学的データがあるので、その領域の被ばくリスクだけを想定するのが科学的であるとする態度。もう一つはデータ上未定の領域は社会的合意やICRPのような「ポリシー」で置き換える態度。
著者は疫学データとポリシーの違いを理解すべきとした上で、
事実上は100ミリシーベルト以下では発がんリスクはないと見なしてると読めました。
素人なりに読んだ感想ですが、著者は放射線のリスクを「発がんの上昇リスク」と定義していて、
発がんの確率を上昇させるいくつかの要因に追加される追加要因とみなしているので、
ある程度小さな確率要因の追加は他の色んな確率要因に埋もれるということになります。
違う言い方をすれば、100ミリシーベルトで0.5%の上昇というのは、それ以下のデータがなくとも、
リスクとしての規模はおおよそ想定出来ます。
「チェルノブイリ25年」のデータ資料がついているのは貴重でした。
チェルノブイリ事故に関して詳しくないのですが、
この資料の「放射能のリスクよりも社会的経済的リスクの方が大きかった」という反省、
著者の低線量のリスクを大きく見すぎてロシアは移住プログラムというより大きいリスクを選択したという意見、
これらには個人的には若干留保を付けておきたいと感じました。
放射能の影響が結果的に少なかったというのは、後からわかる後知恵の理屈です。
ロシア政府が5ミリシーベルト以下で強制移住を決定したのはそれが健康被害を引きおかすと考えたからのはずです。
どのみち、結果的に健康被害が出ても出なくても、その時点での科学的「予測」でしか政策を決められなかっただろうと思います。
広島の様な白血病の上昇がなかったのも、小児甲状腺癌が上昇したのも、疫学データが集まった「後」にわかったことだと思います。
現実的には、原発事故の様な広範囲の放射能汚染では被ばくリスクと生活環境のリスクのバランスを考えざるを得ません。
チェルノブイリにせよ福島にせよ、生活環境上のリスクと放射線のリスクを天秤にかけなければならないということは、
それらに対するつけを被害者自身が支払っているということでもあります。
非常時の被ばく対策の章で、子どもの食べ物による被ばくの解説が少しわかりにくい気がした。
「子どもは大人より放射線の感受性が高い」とあり、次に「しかし子どもは摂取量は少ない」とあります。
同じ線量に対しては子どもの方が感受性が高いというのがひとつ、
それとは別に体重差が大きいと等価線量そのものが大人より子どものほうが大きいというのがもう一つあると思います。
ちなみにベラルーシでは「自分と子どもを放射能から守るには」という本によると
セシウム137のkgあたりのベクレル許容数を子どもは1/2以下にしているようです。
2012年2月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は、放射線医療の最前線で働いている筆者が
自分の知見を整理して書いているものだ。
この本には、現在ほぼ世界的に合意が得られている
放射線の危険性について真っ当に書かれている。
また、筆者はガン治療や骨髄移植などで、ひとたび操作を
誤れば、患者も自分自身も危険な被曝を受ける
可能性がある中で実務を行っている。
震災直後、医療の専門家として、不完全な情報下に
ありながら様々な情報発信をしてきたが、
根拠無き「御用学者」批判を受け、昨年10月には
山本太郎らによって、刑事告発を受けるという
大変な目にありながらも、今回この様な著作を
出してくれたのはありがたい。
この書評欄でも、相変わらずの酷い罵詈雑言が
投げかけられてるが、その大半は揚げ足取りかつ
なんら裏付けがない状態だ。
この本を記したのは、慎重な書き方ながらも
筆者が怒りをかんじたからだとしている。
私も、反原発ならば何をいっても良い、かのごとき
言動の人々には怒りを感じている。
今、本当の詳しい情報を知りたい方は、これを読むべきだろう。
ゴイゴニアやブラジルの事故など言及して欲しかった
事例もあるが、ここは星五つ。
自分の知見を整理して書いているものだ。
この本には、現在ほぼ世界的に合意が得られている
放射線の危険性について真っ当に書かれている。
また、筆者はガン治療や骨髄移植などで、ひとたび操作を
誤れば、患者も自分自身も危険な被曝を受ける
可能性がある中で実務を行っている。
震災直後、医療の専門家として、不完全な情報下に
ありながら様々な情報発信をしてきたが、
根拠無き「御用学者」批判を受け、昨年10月には
山本太郎らによって、刑事告発を受けるという
大変な目にありながらも、今回この様な著作を
出してくれたのはありがたい。
この書評欄でも、相変わらずの酷い罵詈雑言が
投げかけられてるが、その大半は揚げ足取りかつ
なんら裏付けがない状態だ。
この本を記したのは、慎重な書き方ながらも
筆者が怒りをかんじたからだとしている。
私も、反原発ならば何をいっても良い、かのごとき
言動の人々には怒りを感じている。
今、本当の詳しい情報を知りたい方は、これを読むべきだろう。
ゴイゴニアやブラジルの事故など言及して欲しかった
事例もあるが、ここは星五つ。
2013年8月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現役の内科医です。
福島原発事故による放射線被ばくについて専門的・科学的見地をまじえた良書です。
「チェルノブイリで確認された健康被害は小児の甲状腺癌だけ」
「事故の対処が遅れ半減期8日の放射性ヨウ素を牛乳から大量に摂取したことが原因(10Sv相当!)」
「福島で小児甲状腺癌が増えることはない(最大35mSv)」
「精神的ストレス、慣れ親しんだ生活様式の破壊、経済活動の制限といった事故に伴う副次的な影響の方が、放射線被ばくよりはるかに大きな損害をもたらした」
「100mSv以下の低線量被曝による健康被害は確認されていないという『科学的見地に立った基準』と、余計な被ばくによる不利益を公衆に与えないという哲学に貫かれた『放射線防護の基準』の違いを認識すべき」
などなど、原発推進でも反原発でもなく客観的事実に基づいた記述ばかりです。
まえがき文中の
「福島原発の事故以降、恐怖心を煽るような情報や発言が、文字通り怒濤のごとくテレビや出版物、インターネットに溢れ返りました。なかには専門家ではない人による、無責任なものも多数見受けられましたが、それらが人々の心に不安や先入観、または放射線に対する誤った理解を植え付けたといっても過言ではないでしょう。」
には激しく同意します。
福島原発事故による放射線被ばくについて専門的・科学的見地をまじえた良書です。
「チェルノブイリで確認された健康被害は小児の甲状腺癌だけ」
「事故の対処が遅れ半減期8日の放射性ヨウ素を牛乳から大量に摂取したことが原因(10Sv相当!)」
「福島で小児甲状腺癌が増えることはない(最大35mSv)」
「精神的ストレス、慣れ親しんだ生活様式の破壊、経済活動の制限といった事故に伴う副次的な影響の方が、放射線被ばくよりはるかに大きな損害をもたらした」
「100mSv以下の低線量被曝による健康被害は確認されていないという『科学的見地に立った基準』と、余計な被ばくによる不利益を公衆に与えないという哲学に貫かれた『放射線防護の基準』の違いを認識すべき」
などなど、原発推進でも反原発でもなく客観的事実に基づいた記述ばかりです。
まえがき文中の
「福島原発の事故以降、恐怖心を煽るような情報や発言が、文字通り怒濤のごとくテレビや出版物、インターネットに溢れ返りました。なかには専門家ではない人による、無責任なものも多数見受けられましたが、それらが人々の心に不安や先入観、または放射線に対する誤った理解を植え付けたといっても過言ではないでしょう。」
には激しく同意します。
2012年1月7日に日本でレビュー済み
全体的には著者自身が主張するように、可能な限り中立性や客観性を
保つことに細心の注意を払って書かれた、平易な書物です。
それだけに、皮肉なことに筆者が中立性を失っている部分が非常に目
立ってしまいます。
一つはロシア政府の2011年のチェルノブイリ後25年の報告書に全面的
な信頼をおいている点。
ロシア政府は2011年のIAEA会議で原発推進を明言しており、チェルノ
ブイリ報告書で、「避難がやり過ぎだった」と自己反省しているのは、
原発の安全性を訴えるための単なる自演です。
もう一つはICRPをUNSCEAR、IAEAとひとくくりにして全面的に信頼し、
一方でECRRに対しては、出典も明らかにせず悪いうわさに基づいて
非難している点。
IAEAは核兵器保有国である米国主導で作られた組織というだけで、
十分に政治的です。
ICRPの公表している基準については、原発推進派からも反原発派から
も批判があり、とても全面的に信頼できる国際基準とは言いがたいの
が現状でしょう。
以上2点のため、本書の最重要の主張までが疑わしくなってきます。
ただ、著者は医学者であり、政治的背景に疎いのはやむを得ません。
なので、本書を読まれる方は、政治的な雑音を無視することこそ、
科学的中立性だという前提で読んだほうがいいです。
政治的背景もおさえて、被ばくについての医学的見解を読みたい方は
肥田舜太郎氏の内部被ばくに関する著書も合わせて読むことをお勧め
します。本書では一言もふれられていない、米国の劣化ウラン弾によ
る低線量被ばく健康被害のことも書かれています。
全体的には著者自身が主張するように、可能な限り中立性や客観性を
保つことに細心の注意を払って書かれた、平易な書物です。
それだけに、皮肉なことに筆者が中立性を失っている部分が非常に目
立ってしまいます。
一つはロシア政府の2011年のチェルノブイリ後25年の報告書に全面的
な信頼をおいている点。
ロシア政府は2011年のIAEA会議で原発推進を明言しており、チェルノ
ブイリ報告書で、「避難がやり過ぎだった」と自己反省しているのは、
原発の安全性を訴えるための単なる自演です。
もう一つはICRPをUNSCEAR、IAEAとひとくくりにして全面的に信頼し、
一方でECRRに対しては、出典も明らかにせず悪いうわさに基づいて
非難している点。
IAEAは核兵器保有国である米国主導で作られた組織というだけで、
十分に政治的です。
ICRPの公表している基準については、原発推進派からも反原発派から
も批判があり、とても全面的に信頼できる国際基準とは言いがたいの
が現状でしょう。
以上2点のため、本書の最重要の主張までが疑わしくなってきます。
ただ、著者は医学者であり、政治的背景に疎いのはやむを得ません。
なので、本書を読まれる方は、政治的な雑音を無視することこそ、
科学的中立性だという前提で読んだほうがいいです。
政治的背景もおさえて、被ばくについての医学的見解を読みたい方は
肥田舜太郎氏の内部被ばくに関する著書も合わせて読むことをお勧め
します。本書では一言もふれられていない、米国の劣化ウラン弾によ
る低線量被ばく健康被害のことも書かれています。
2012年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
一月出版にしては非常に多くの書評が載っている。
内容自身については私は触れない。
皆さん、詳しく書いていらっしゃる。
やっとまともな議論がペーパーになるようになったかと、安心した。
惜しむらくは、もう半年は早く書いて欲しかった。
良い本だ。
evidennce based であることは文面から読み取れるが、出典を書き込んでほしかったが。
マスゴミの諸君に読ませて、恐怖を煽り、被害の拡大を防ぐようにしてもらいたいものである。
総合雑誌には載っても、テレビ新聞はまだまだだ。早くこのような意見が、事実が現実として反映されることを望む。
内容自身については私は触れない。
皆さん、詳しく書いていらっしゃる。
やっとまともな議論がペーパーになるようになったかと、安心した。
惜しむらくは、もう半年は早く書いて欲しかった。
良い本だ。
evidennce based であることは文面から読み取れるが、出典を書き込んでほしかったが。
マスゴミの諸君に読ませて、恐怖を煽り、被害の拡大を防ぐようにしてもらいたいものである。
総合雑誌には載っても、テレビ新聞はまだまだだ。早くこのような意見が、事実が現実として反映されることを望む。