こんな人も いる。
よっちゃん
今まで よくガンバりました!
あなたの ような人が
いてくれると思うと
人生って人間って
素晴らしいなぁ
って心から思います。
こんな風なこと言うヒトを
世の中は左翼って
ほざいて はじくのは
知ってるけど
どの時代でも
対立する知らなかっあ
それを知って
はじめて
和平って
あるんじゃない
でしょうか。
だから
ありがとう
よっちゃん。
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オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり 単行本 – 2018/12/11
門田 隆将
(著)
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★発売即重版!
★4刷2.3万部突破!
遺された「獄中手記」5000枚が明かす驚愕の真実――。
想像を絶する事件を次々と引き起こし、多くの犠牲者を生んだオウム真理教。若者たちは、いかに教団に魅入られ、なぜ犯罪へと走っていったのか。教団で見たものとは。そして獄中の絶望と反省の日々の中で辿り着いた境地とは――。
本書は、「修行の天才」「神通並びなき者」と呼ばれ、千人もの信者を獲得したと言われる“アーナンダ"こと井上嘉浩の48年の生涯を通して、オウム事件の核心に迫った「究極の人間ドラマ」である。
なぜ、井上嘉浩なのか――。井上への取材は、オウム事件当時(1995年)にさかのぼる。『週刊新潮』デスクだった著者に公安刑事が語った「いざという時に、井上は殺人から“逃げている"」という言葉から始まった。
高校生の頃から瞑想や信仰に熱心だった井上嘉浩は、ふとしたことからオウムに出会い、巧みに洗脳され、はまり込んでいく。やがて、教祖・麻原から死に直面するほどの様々な苛烈な試練を受け、苦悩と葛藤の果てに、遂に犯罪に手を染める……。
逮捕後、両親の懸命の支えで良心を取り戻した井上は、頭痛、嘔吐、蕁麻疹という凄絶な拒絶反応を乗り越えた末に、教団から脱会。裁判では、教祖や教団と対決する。だがその結果、四面楚歌の境涯に置かれ、マスコミも含めた“総バッシング状態"となる。
それでも、真実を語ることを説き続ける両親や支援者たち。井上嘉浩が遺した膨大な手記と、綿密な取材から浮かび上がってくるのは、罪を犯した者が味わう、のたうちまわるような「苦悩」と、誰もが闇に堕ちてしまうかもしれない「恐怖」である。
だからこそ、「極限の状況下で、人間としていかに生きるべきか」という問いが眼前に浮かび上がり、心が揺さぶられる。
さらに本書では、井上が獄中から思いを寄せた女性に、処刑後3週間を経て、消印が捺されていない絶筆の書簡が届くエピソードなど、さまざまな秘話が明かされる。
カルトによる悲惨な事件を二度と引き起こさないためにも、ぜひ手に取りたい、人間の心の深奥に迫る傑作ノンフィクション。
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なぜ、井上嘉浩なのか――。井上への取材は、オウム事件当時(1995年)にさかのぼる。『週刊新潮』デスクだった著者に公安刑事が語った「いざという時に、井上は殺人から“逃げている"」という言葉から始まった。
高校生の頃から瞑想や信仰に熱心だった井上嘉浩は、ふとしたことからオウムに出会い、巧みに洗脳され、はまり込んでいく。やがて、教祖・麻原から死に直面するほどの様々な苛烈な試練を受け、苦悩と葛藤の果てに、遂に犯罪に手を染める……。
逮捕後、両親の懸命の支えで良心を取り戻した井上は、頭痛、嘔吐、蕁麻疹という凄絶な拒絶反応を乗り越えた末に、教団から脱会。裁判では、教祖や教団と対決する。だがその結果、四面楚歌の境涯に置かれ、マスコミも含めた“総バッシング状態"となる。
それでも、真実を語ることを説き続ける両親や支援者たち。井上嘉浩が遺した膨大な手記と、綿密な取材から浮かび上がってくるのは、罪を犯した者が味わう、のたうちまわるような「苦悩」と、誰もが闇に堕ちてしまうかもしれない「恐怖」である。
だからこそ、「極限の状況下で、人間としていかに生きるべきか」という問いが眼前に浮かび上がり、心が揺さぶられる。
さらに本書では、井上が獄中から思いを寄せた女性に、処刑後3週間を経て、消印が捺されていない絶筆の書簡が届くエピソードなど、さまざまな秘話が明かされる。
カルトによる悲惨な事件を二度と引き起こさないためにも、ぜひ手に取りたい、人間の心の深奥に迫る傑作ノンフィクション。
- 本の長さ513ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2018/12/11
- 寸法14 x 2.8 x 19.6 cm
- ISBN-104569841376
- ISBN-13978-4569841373
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商品の説明
出版社からのコメント
はじめに〈br〉〈br〉プロローグ〈br〉〈br〉第一章 母の録音テープ〈br〉〈br〉第二章 宿命の子〈br〉〈br〉第三章 運命の分かれ道〈br〉〈br〉第四章 悩み抜く若者〈br〉〈br〉第五章 麻原彰晃〈br〉〈br〉第六章 オウムへの入信〈br〉〈br〉第七章 ニューヨークでの実演〈br〉〈br〉第八章 悩みの中で〈br〉〈br〉第九章 教祖さまの誕生〈br〉〈br〉第十章 神通並びなき者〈br〉〈br〉第十一章 坂本弁護士一家殺害事件〈br〉〈br〉第十二章 葛藤と「井上教」〈br〉〈br〉第十三章 初めて手を染めた犯罪〈br〉〈br〉第十四章 史上最悪の犯罪集団〈br〉〈br〉第十五章 地下鉄サリン事件〈br〉〈br〉第十六章 逃亡の末に〈br〉〈br〉第十七章 苦闘と再生〈br〉〈br〉第十八章 獄中での達観〈br〉〈br〉第十九章 辿り着いた真実〈br〉〈br〉第二十章 魂の遍歴〈br〉〈br〉エピローグ〈br〉〈br〉おわりに
著者について
門田隆将[かどた・りゅうしょう]
1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。作家、ジャーナリストとして、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなどの幅広いジャンルで活躍している。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、角川文庫)で、第19回山本七平賞受賞。
1958(昭和33)年、高知県生まれ。中央大学法学部卒。作家、ジャーナリストとして、政治、経済、司法、事件、歴史、スポーツなどの幅広いジャンルで活躍している。『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(集英社、角川文庫)で、第19回山本七平賞受賞。
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2018/12/11)
- 発売日 : 2018/12/11
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 513ページ
- ISBN-10 : 4569841376
- ISBN-13 : 978-4569841373
- 寸法 : 14 x 2.8 x 19.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 59,760位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1位オウム真理教(アレフ)
- - 15位犯罪者関連
- - 25位事件一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年9月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
井上嘉浩という出家信者を通して見たオウム真理教が分かる本。教祖の麻原彰晃は私利私欲にまみれた俗人で、なおかつ本気で政府を転覆して自らが王になると信じていた狂人でもあった。チベットの高僧から教わったヴァジラヤーナの思想を利己的に解釈し、殺人を正当化して弟子達に次々と実践させた。一部、村井秀夫のような麻原の忠実な犬もいたが、信者の一人一人をみると現実社会に息苦しさを感じ、人間の生きる真理を求めて修行の世界に入った純粋な人々だった。恐るべき狂人の教祖にすがったため、恐ろしい殺人事件が次々と起こり、井上自身もついに犯罪に手を染めてしまう。ところでオウム真理教の作った歌にアーチャリーの歌う「無常」というものがある。どんなにこだわりを持っても万物は絶えず変化しており無常であるため、何かに執着することは意味がないと説く歌だ。「なるほどなあ」と思うところもあるが、これは現世に生きる限り避けては通れない業なのだ。その時その時の一瞬の成果のために、オリンピック選手も期末テストを受ける学生も頑張るのだから、無常に執着することこそが生きることそのものなのだ。また仏教の教えの中に「空」がある。すべてのものは実態のない「空」であり、痛みや悲しみも全て観念的なものであるから、全てを「空」と思えばあらゆる執着から逃れられると言うものだ。これも、現世で実践してしまうと全く役に立たない人間が生まれるだけの考え方であると思う。ところが、殺人者として捕えられた井上は拘置所や刑務所のなかで、この「無常」や「空」について悟りを開くことで人間的に救われている。「いつか刑務所を出て両親に会いたい」「自由な身になりたい」「美味しいものを食べたい」と思う心を絶ちきり、全ては「無常」なものとして執着せず、自分の様々な煩悩や生に対する執着も「空」であるとすればなんの未練もなくなる。究極の修行者として最終解脱者を目指していた井上嘉浩であるが、囚われの身となり、独房で過ごす毎日こそ悟りへの道ではなかったのではないかと思える。宗教とは、そういう極限状態の時こそ身に染みて来るものなのかも知れない。
2018年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
僕は元オウムだ。事件の被害者の皆様、迷惑をおかけした方々にお詫びしたい。僕自身は事件に関わることは無かったけれど、教団を支えたという意味で道義的な責任はあると思っている。今までのレビューの内容でも心に苦痛を感じた方々があるかも知れない。重ねてお詫びします。
井上は目立つ男だった。余程意識していたのだろう、信徒さんの相談に乗り、教えを説いているときなどは手つき、話し方など麻原にそっくりだった。僕は彼と同じ部署になったことはない。一番頻繁に会ったのは、信徒時代の道場である。だが同性で年齢的に近く、キャリア組でない点でシンパシーを感じていた。
本書を読んでいる間、井上は赤裸々に告白していて、生き生きとして見えるようだった。本を閉じて一息つくと、彼がすでにこの世にいないことを思い出す。読書中はその繰り返しだった。
とても丁寧に書かれている本だと思う。特に序盤は何かを語り始めるたびに、説明を付けている。オウム事件を知らない人、昔のことで忘れたという人も多いはずで、良く配慮されていると感じた。井上を美しく清らかに描き過ぎと感じられるのは、本書の主人公だから仕方がないとしても、用語の解釈を中心として全体的にオウムに寄り過ぎている印象が強い。また井上を修行の天才として描くよりも、より普通の少年に寄せて描くべきだったのではないかと思う。確かに高校の休み時間中に椅子の上で座法を組み、瞑想している様子は変わった少年の印象を強めるが、そこは感化されやすい井上の特性を表すとした方が正確ではないか。またオウムは変わった人々の集まりと印象付けるのは、カルト宗教の拡大を予防する見地からも良くない。つまり普通の人はカルトに引っ掛からないという誤解を与えかねない。
井上の神秘体験を称賛するが、超能力者が聖者であるとは限らない。むしろそれは稀であり、さらに言えばその誤解こそ、オウム事件の最大の反省点の一つであったはずだ。麻原がヨーガにより神秘的な力を得ていたのは、裁判を含め多くの目撃談がある。実行犯の一部はそれに惹きつけられ、自分も修行を通じて神秘体験をしていく過程で麻原を絶対的に信じてしまったために、麻原の指示する犯罪行為に善悪の理性を働かせることなく従ってしまった。本書は井上の手記から要点を抜粋し、部分的に著者が説明を入れる形で進行する。そのために全体的に井上、しいてはオウムの価値観に引きずられるような感がある。著者の文芸的な力量を感じる文章だが、所々で読者の目を覚ますためのカウンター的な、井上やオウムに対する批判があっても良かったのではと思う。
井上についてだけでなく、麻原についても詳しく取材している。個人的には麻原の生家の位置を明確にしてあるのが有難かった。事件を振り返り、麻原の人物像を深く知るためにも一度は訪れてみるつもりだった。今回グーグル・ストリートビューで見ることができた。周辺の風土も分かったので僕は満足した。実際に出かけて行って、見知らぬ男がうろうろしては近所の方々も心配するだろう。
薬事法違反の件では、今までにない情報があって見方を変えてくれた。僕がその件にこだわっているのは、雑誌が麻原の過去を暴き始めた当時、教団から送られてきた反論のビラを見て、何となくムキになっていると感じたことが印象に残っていたからだ。
いわゆる浄水器ビジネスという悪質商法が話題になった時、それを取り上げたワイドショーで詳細を知るゲストが、悪質商法は儲かる割に逮捕されたときの刑期が短く、そのうまみを経験した者は再犯率が高いと語っていた。そのことから、逮捕後も商売を諦めきれない麻原は、効能をうたって商品を販売すると薬事法で逮捕されることから、効能をうたっても逮捕されないヨーガ道場をやってみようと考えたのではないかと思った。仮に会員から効果が出ないと言われても、まだ修行が足りないんですよ、と返せば訴えようがないからだ。
ちなみに麻原が解脱したと宣言したのは、薬事法違反で逮捕されてからたった4年後のことなのである。高山文彦氏の「麻原彰晃の誕生」によれば、逮捕前の麻原が寿司屋によく通っていたことや、そこで金儲けに関する煩悩的な会話をしていることから、まだ修行を心掛けていなかったことがうかがわれる。逮捕されてから本格的に修行に打ち込んだとして4年間の間にはそれまでの事業を片付け、道場を探し、開設するといった業務に取られる期間が相当にあったはずで、その間どれだけ修行できたか疑問である。この修行期間の短さが僕が麻原に疑念を抱いたきっかけの一つである。
話を戻すが、その本では麻原が販売した、いわば健康食品を根拠のないものとして扱っていたが(本書のトピックの一つなのでここでは詳しく語らないが)、本書ではモチーフとなるものがあったとしている。それはある程度の評判を得ていたらしく、麻原は本当に効くと信じていた可能性がある。「麻原彰晃の誕生」の記述から僕はこの件を単なる詐欺行為であり、悪質商法と思っていたのだが、その見方を変えることになった。僕はそれをヨーガ以前の麻原の商売であることから、麻原が詐欺師か否かを考えるうえで指標としてきた。そのため麻原に対して単純なる詐欺師から、本当に自分が解脱したと信じていた、という方にある程度シフトしてきた。ただしその健康食品がモチーフとなったものと同一のレシピで作られていたかは明らかにされていない。
折に触れて関係者のインタビューで得られたコメントが掲載されていて、当時の雰囲気などをよく伝えている。
かなり以前から、麻原の言動がおかしかったことを読み取ることができる。特に1995年元旦に読売新聞がオウム施設の近くからサリンの残留物が検出されたことを報じてからは滅茶苦茶で、地下鉄サリン事件以降は自暴自棄とも言えるほどだ。よくオウムの元サマナの回想の中に、麻原はわざとオウムを潰したという言い方があるが、そのような冷静で生易しい状況ではなかったことが分かる。ただ自らの逮捕を先延ばしにしたいという、麻原の自己保全という他はない。そのためにその後も井上らは、警察をかく乱させようと無用な罪を重ねなければならなかったし、何の関係もない人々が被害を被ったのだ。
読んでいて思うのは、井上が遺した原稿を抜粋なしに読んでみたいということだった。裁判では、その日に扱う内容と直接関係ないことを質問すると、異議を申し立てられてしまい、事件の骨組みしか明らかにならなかった。同時に争われた事件が多かったために、可能な限り早期に終結させるよう、スケジュールを優先した結果である。オウム事件のように事件の前提条件としてマインドコントロールがある場合、それを明らかにすることは事件そのものと同じくらい重要であったはずだ。それこそが事件の骨組みに肉付けすることである。また周辺情報の中に麻原の狂気の原因を見つけ出すことができるかもしれない。何らかの形で原稿が開示されることを求めたい。
井上は目立つ男だった。余程意識していたのだろう、信徒さんの相談に乗り、教えを説いているときなどは手つき、話し方など麻原にそっくりだった。僕は彼と同じ部署になったことはない。一番頻繁に会ったのは、信徒時代の道場である。だが同性で年齢的に近く、キャリア組でない点でシンパシーを感じていた。
本書を読んでいる間、井上は赤裸々に告白していて、生き生きとして見えるようだった。本を閉じて一息つくと、彼がすでにこの世にいないことを思い出す。読書中はその繰り返しだった。
とても丁寧に書かれている本だと思う。特に序盤は何かを語り始めるたびに、説明を付けている。オウム事件を知らない人、昔のことで忘れたという人も多いはずで、良く配慮されていると感じた。井上を美しく清らかに描き過ぎと感じられるのは、本書の主人公だから仕方がないとしても、用語の解釈を中心として全体的にオウムに寄り過ぎている印象が強い。また井上を修行の天才として描くよりも、より普通の少年に寄せて描くべきだったのではないかと思う。確かに高校の休み時間中に椅子の上で座法を組み、瞑想している様子は変わった少年の印象を強めるが、そこは感化されやすい井上の特性を表すとした方が正確ではないか。またオウムは変わった人々の集まりと印象付けるのは、カルト宗教の拡大を予防する見地からも良くない。つまり普通の人はカルトに引っ掛からないという誤解を与えかねない。
井上の神秘体験を称賛するが、超能力者が聖者であるとは限らない。むしろそれは稀であり、さらに言えばその誤解こそ、オウム事件の最大の反省点の一つであったはずだ。麻原がヨーガにより神秘的な力を得ていたのは、裁判を含め多くの目撃談がある。実行犯の一部はそれに惹きつけられ、自分も修行を通じて神秘体験をしていく過程で麻原を絶対的に信じてしまったために、麻原の指示する犯罪行為に善悪の理性を働かせることなく従ってしまった。本書は井上の手記から要点を抜粋し、部分的に著者が説明を入れる形で進行する。そのために全体的に井上、しいてはオウムの価値観に引きずられるような感がある。著者の文芸的な力量を感じる文章だが、所々で読者の目を覚ますためのカウンター的な、井上やオウムに対する批判があっても良かったのではと思う。
井上についてだけでなく、麻原についても詳しく取材している。個人的には麻原の生家の位置を明確にしてあるのが有難かった。事件を振り返り、麻原の人物像を深く知るためにも一度は訪れてみるつもりだった。今回グーグル・ストリートビューで見ることができた。周辺の風土も分かったので僕は満足した。実際に出かけて行って、見知らぬ男がうろうろしては近所の方々も心配するだろう。
薬事法違反の件では、今までにない情報があって見方を変えてくれた。僕がその件にこだわっているのは、雑誌が麻原の過去を暴き始めた当時、教団から送られてきた反論のビラを見て、何となくムキになっていると感じたことが印象に残っていたからだ。
いわゆる浄水器ビジネスという悪質商法が話題になった時、それを取り上げたワイドショーで詳細を知るゲストが、悪質商法は儲かる割に逮捕されたときの刑期が短く、そのうまみを経験した者は再犯率が高いと語っていた。そのことから、逮捕後も商売を諦めきれない麻原は、効能をうたって商品を販売すると薬事法で逮捕されることから、効能をうたっても逮捕されないヨーガ道場をやってみようと考えたのではないかと思った。仮に会員から効果が出ないと言われても、まだ修行が足りないんですよ、と返せば訴えようがないからだ。
ちなみに麻原が解脱したと宣言したのは、薬事法違反で逮捕されてからたった4年後のことなのである。高山文彦氏の「麻原彰晃の誕生」によれば、逮捕前の麻原が寿司屋によく通っていたことや、そこで金儲けに関する煩悩的な会話をしていることから、まだ修行を心掛けていなかったことがうかがわれる。逮捕されてから本格的に修行に打ち込んだとして4年間の間にはそれまでの事業を片付け、道場を探し、開設するといった業務に取られる期間が相当にあったはずで、その間どれだけ修行できたか疑問である。この修行期間の短さが僕が麻原に疑念を抱いたきっかけの一つである。
話を戻すが、その本では麻原が販売した、いわば健康食品を根拠のないものとして扱っていたが(本書のトピックの一つなのでここでは詳しく語らないが)、本書ではモチーフとなるものがあったとしている。それはある程度の評判を得ていたらしく、麻原は本当に効くと信じていた可能性がある。「麻原彰晃の誕生」の記述から僕はこの件を単なる詐欺行為であり、悪質商法と思っていたのだが、その見方を変えることになった。僕はそれをヨーガ以前の麻原の商売であることから、麻原が詐欺師か否かを考えるうえで指標としてきた。そのため麻原に対して単純なる詐欺師から、本当に自分が解脱したと信じていた、という方にある程度シフトしてきた。ただしその健康食品がモチーフとなったものと同一のレシピで作られていたかは明らかにされていない。
折に触れて関係者のインタビューで得られたコメントが掲載されていて、当時の雰囲気などをよく伝えている。
かなり以前から、麻原の言動がおかしかったことを読み取ることができる。特に1995年元旦に読売新聞がオウム施設の近くからサリンの残留物が検出されたことを報じてからは滅茶苦茶で、地下鉄サリン事件以降は自暴自棄とも言えるほどだ。よくオウムの元サマナの回想の中に、麻原はわざとオウムを潰したという言い方があるが、そのような冷静で生易しい状況ではなかったことが分かる。ただ自らの逮捕を先延ばしにしたいという、麻原の自己保全という他はない。そのためにその後も井上らは、警察をかく乱させようと無用な罪を重ねなければならなかったし、何の関係もない人々が被害を被ったのだ。
読んでいて思うのは、井上が遺した原稿を抜粋なしに読んでみたいということだった。裁判では、その日に扱う内容と直接関係ないことを質問すると、異議を申し立てられてしまい、事件の骨組みしか明らかにならなかった。同時に争われた事件が多かったために、可能な限り早期に終結させるよう、スケジュールを優先した結果である。オウム事件のように事件の前提条件としてマインドコントロールがある場合、それを明らかにすることは事件そのものと同じくらい重要であったはずだ。それこそが事件の骨組みに肉付けすることである。また周辺情報の中に麻原の狂気の原因を見つけ出すことができるかもしれない。何らかの形で原稿が開示されることを求めたい。
2021年9月7日に日本でレビュー済み
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とてもよく調べ調査して書き上げたんだろうと納得できる内容。オウム問題の複雑さ難しさに直面させられるような一冊。どんな社会問題も複雑で、表面には浮かんでこない真相まで踏み込んで、そでこやっとなんとなく全体像が少し見えてくる。。。そんなことを痛感させられる。
2021年4月1日に日本でレビュー済み
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とても興味深く読ませていただぎした。考えさせられる内容でした。
2021年2月27日に日本でレビュー済み
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著者が示されるように、あくまでも故井上氏の視点からのオウム観であることを念頭に置かねばならないが、非常に優れた人間の描写に圧倒される。筆者のイデオロギーは好きではないが、作品にそれを表さないプロ意識に脱帽する。
2018年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
門田の週刊新潮で鍛えた筆致は流石で、構成も文章も読みやすく一気に読めた。
本書の問題提起の1つの柱は裁判で、死刑が確定した13人のうち、一審、二審で
判断が別れたのは嘉浩だけであり、再審請求中に執行がなされた。厳格に運用すべき
死刑制度がこれでいいのかという点にある。
もう一つの大きな柱として、嘉浩が死刑囚になるまでの過程であるが
根本はやはり家族にあったと感じた。
麻原こと松本もまたそうであったろう。
井上家は嘉浩を中心にまとまっていたのではないか。
自己愛と依存心の強い母親と、あまり家庭を顧みない父親。
長兄の描写はあまりないが、その関係においても何かあったかもしれない。
嘉浩自身が誰かにすがり、依存したくても、家族にはそれができなかった。
純粋な井上は極度に内省化して、家族以外で外部に認めてもらえる場所を求めた。
そうでなければ、この高度にシステム化され選択肢がいくらでもある日本で、
出家という道を選択しなかったのではないか。
彼が唯一家族として依存できたのは愛犬の太郎だったのだろう。
後半の太郎のエピソードが印象に残る。
何より、オウムこそが認められない自己愛の肥大化した人間の集まりだった、ということだろう。
巻頭にある屈託のない笑顔の少年嘉浩が実に切ない。
読んでる最中に何故かこの写真を何度も見返して、何がかれをここまで駆り立てたのか
と考えずにはいられなかった。
嘉浩はすくなくとも本書の中で両親に甘える素振りを見せていない。
父親は多弁で体面は立派ではある。
しかし、父親がすべきだったのは、出家すると言って聞かない
少年嘉浩を、その時に黙って抱きしめてあげることだったのではないか。
嘉浩には帰るところがなかった。安らげる家族がなかった。
恐らく彼にとっては家族は地獄だった。
それがここまで行き着いた要因であろう。
行き着いた先も地獄だったのかどうか、それは彼にしか知りえないことだが。
追記
本書には記載がなかったような気がするが、母親もオウムの在家信者だった。
やはり嘉浩には家庭に居場所がなかったのだろう。
本書の問題提起の1つの柱は裁判で、死刑が確定した13人のうち、一審、二審で
判断が別れたのは嘉浩だけであり、再審請求中に執行がなされた。厳格に運用すべき
死刑制度がこれでいいのかという点にある。
もう一つの大きな柱として、嘉浩が死刑囚になるまでの過程であるが
根本はやはり家族にあったと感じた。
麻原こと松本もまたそうであったろう。
井上家は嘉浩を中心にまとまっていたのではないか。
自己愛と依存心の強い母親と、あまり家庭を顧みない父親。
長兄の描写はあまりないが、その関係においても何かあったかもしれない。
嘉浩自身が誰かにすがり、依存したくても、家族にはそれができなかった。
純粋な井上は極度に内省化して、家族以外で外部に認めてもらえる場所を求めた。
そうでなければ、この高度にシステム化され選択肢がいくらでもある日本で、
出家という道を選択しなかったのではないか。
彼が唯一家族として依存できたのは愛犬の太郎だったのだろう。
後半の太郎のエピソードが印象に残る。
何より、オウムこそが認められない自己愛の肥大化した人間の集まりだった、ということだろう。
巻頭にある屈託のない笑顔の少年嘉浩が実に切ない。
読んでる最中に何故かこの写真を何度も見返して、何がかれをここまで駆り立てたのか
と考えずにはいられなかった。
嘉浩はすくなくとも本書の中で両親に甘える素振りを見せていない。
父親は多弁で体面は立派ではある。
しかし、父親がすべきだったのは、出家すると言って聞かない
少年嘉浩を、その時に黙って抱きしめてあげることだったのではないか。
嘉浩には帰るところがなかった。安らげる家族がなかった。
恐らく彼にとっては家族は地獄だった。
それがここまで行き着いた要因であろう。
行き着いた先も地獄だったのかどうか、それは彼にしか知りえないことだが。
追記
本書には記載がなかったような気がするが、母親もオウムの在家信者だった。
やはり嘉浩には家庭に居場所がなかったのだろう。
2019年2月3日に日本でレビュー済み
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オームのサリン事件があった年は阪神淡路大震災だった!
テレビでオーム真理教の事がジャーナリスト達が色々コメントをしていました。鍵付けられるように見ていましたが、三月に震災で未だテント生活をしている人々に訪問した。後日、あくる日だった地下鉄サリン事件が日本全国を震撼させた。
オーム真理教の幹部たちはが逮捕されて、テレビで見る面々の顔!井上死刑囚の顔を見て清楚な反面恐ろしさを感じました。当時、生活に忙しくそれ以上は深く知りませんでした。この本を読んで、あの時のジャーナリスト達の有名欲の姿に今を見て呆れています。
読むにつれて井上死刑囚の16歳からの入信に、世の親たちに言いたい、忙しいと言って毎日、子供の顔、目を合わす事を蔑ろにしないで!
25歳からの23年間の獄中手記懺悔の5000枚を元に小説は書かれている
最後は涙してしまった。
こんな状態にまで悪魔に引き込まれた悲しさ!家族の悔しさ!
被害者の悔しさ、憤り悲しさを痛切に感じました。
テレビでオーム真理教の事がジャーナリスト達が色々コメントをしていました。鍵付けられるように見ていましたが、三月に震災で未だテント生活をしている人々に訪問した。後日、あくる日だった地下鉄サリン事件が日本全国を震撼させた。
オーム真理教の幹部たちはが逮捕されて、テレビで見る面々の顔!井上死刑囚の顔を見て清楚な反面恐ろしさを感じました。当時、生活に忙しくそれ以上は深く知りませんでした。この本を読んで、あの時のジャーナリスト達の有名欲の姿に今を見て呆れています。
読むにつれて井上死刑囚の16歳からの入信に、世の親たちに言いたい、忙しいと言って毎日、子供の顔、目を合わす事を蔑ろにしないで!
25歳からの23年間の獄中手記懺悔の5000枚を元に小説は書かれている
最後は涙してしまった。
こんな状態にまで悪魔に引き込まれた悲しさ!家族の悔しさ!
被害者の悔しさ、憤り悲しさを痛切に感じました。