40年前に、このような書物が出版されていたのだ。その頃、私は、フロイトとユングを初めて読んでいたのだが、その訳者解題たるや、フロイトはまだしもユングをまるで理解していなかったと改めて思い知らされた。読書の楽しさとは、このような本に出会うことである。初めてユング心理学を学ぼうとする人が、この本から出発することには賛成できない。今は、もっと手頃な本があり、ある程度の知識をもって、読むことが望ましい。ただし、一気に読まなければ全体が把握できなくなる場合が多い。2日間で読了した。
ユングの生涯は、「ユング自伝」を補填するものがあった。

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ユング心理学入門 新装版 単行本 – 2010/4/1
河合 隼雄
(著)
- ISBN-104563052175
- ISBN-13978-4563052171
- 出版社培風館
- 発売日2010/4/1
- 言語日本語
- 本の長さ324ページ
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登録情報
- 出版社 : 培風館 (2010/4/1)
- 発売日 : 2010/4/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 324ページ
- ISBN-10 : 4563052175
- ISBN-13 : 978-4563052171
- Amazon 売れ筋ランキング: - 588,905位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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(1928-2007)兵庫県生れ。京大理学部卒。京大教授。
日本のユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。文化庁長官を務める。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。著書は『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵 夢を生きる』(新潮学芸賞)『こころの処方箋』『猫だましい』『大人の友情』『心の扉を開く』『縦糸横糸』『泣き虫ハァちゃん』など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
品物の状態も良く、予想以上に早く届きありがたかったです。
2015年12月9日に日本でレビュー済み
心理学をとりまくさまざまな境界領域に適応可能と考えられるユング心理学の草分けによる、
専門的な入門書です。
入門書とはいうものの、ある程度の臨床的知見が随所に入り込んで、
この分野の全体像をつくっているので、かなり総合性の強いものだと感じました。
まったく初学の方がこの本で学び始める場合、ある程度の前提知識があった方が読後感がよいと思いますが、
ストーリーなしのキーワード集のようなものでは、この分野の全体像が見えにくい難点もあるので、
塩梅がむつかしいですが、まずはユング派の分析なるものが、心的状態というものをどう捉え、
どんな視角・方法で分析しようとしているかを概略知っておくことをおすすめします。
その意味では、同じ精神分析という点で、フロイト派の方法にもある程度の知識や造詣が必要でしょうし、
無意識の分け方そのものが両者で若干異なる、ということも射程内でしょうか。
ユング派では、無意識をさらに個人的無意識と集合的無意識に分けるのが特徴的で、
心像のような表象の淵源を太古的な要素に探ろうとし、いわば一種の渦動の中から、
いろいろなイメージが出来してくる様相に着目しており、その生命的なありようをアニマなどと呼び、
その方向性いかんによって、気質タイプを内向対外向に分け、
個人に関するホリスティックな了解を得ようとしているかのようにみえます。
フロイト派でも初期には、かなり自由心象主義を重視していたようですが、
本ユング派でも、その点は同様かと察せられます。
因みに、心的状況に対する規定性は、根ざしている層別が可能で、
どのレベルでの規定性かをよく吟味する必要があると考えられます。
ユング派ではもともと、そうした層別を無意識の抽象段階で行っているため、
フロイト的抑圧の考え方とは少しく異なるようです。
類同性という点では、集合的無意識からの規定性の寄与度が大きいらしく、
また差異性という点では、個人的無意識からの寄与度が大きいとも考えられますが、
フロイト的弁証法に比して、ユング派の分析は、むしろタイポロジーに親和的で、
その分自己形成の分析心理学(とくに青年期)といった性格の濃いものだと感じました。
本分野に関して、ある程度の知識・経験がおありの場合には、
本書も併せておすすめしておきたく思います。
専門的な入門書です。
入門書とはいうものの、ある程度の臨床的知見が随所に入り込んで、
この分野の全体像をつくっているので、かなり総合性の強いものだと感じました。
まったく初学の方がこの本で学び始める場合、ある程度の前提知識があった方が読後感がよいと思いますが、
ストーリーなしのキーワード集のようなものでは、この分野の全体像が見えにくい難点もあるので、
塩梅がむつかしいですが、まずはユング派の分析なるものが、心的状態というものをどう捉え、
どんな視角・方法で分析しようとしているかを概略知っておくことをおすすめします。
その意味では、同じ精神分析という点で、フロイト派の方法にもある程度の知識や造詣が必要でしょうし、
無意識の分け方そのものが両者で若干異なる、ということも射程内でしょうか。
ユング派では、無意識をさらに個人的無意識と集合的無意識に分けるのが特徴的で、
心像のような表象の淵源を太古的な要素に探ろうとし、いわば一種の渦動の中から、
いろいろなイメージが出来してくる様相に着目しており、その生命的なありようをアニマなどと呼び、
その方向性いかんによって、気質タイプを内向対外向に分け、
個人に関するホリスティックな了解を得ようとしているかのようにみえます。
フロイト派でも初期には、かなり自由心象主義を重視していたようですが、
本ユング派でも、その点は同様かと察せられます。
因みに、心的状況に対する規定性は、根ざしている層別が可能で、
どのレベルでの規定性かをよく吟味する必要があると考えられます。
ユング派ではもともと、そうした層別を無意識の抽象段階で行っているため、
フロイト的抑圧の考え方とは少しく異なるようです。
類同性という点では、集合的無意識からの規定性の寄与度が大きいらしく、
また差異性という点では、個人的無意識からの寄与度が大きいとも考えられますが、
フロイト的弁証法に比して、ユング派の分析は、むしろタイポロジーに親和的で、
その分自己形成の分析心理学(とくに青年期)といった性格の濃いものだと感じました。
本分野に関して、ある程度の知識・経験がおありの場合には、
本書も併せておすすめしておきたく思います。
2010年12月19日に日本でレビュー済み
畢竟、河合隼雄(ユング?)が伝えたいこととは・・・。
「治療は患者と治療者の全人格が演ずる相互作用以外の何ものではない…
治療者は患者の人格と共に、その人格も変化を遂げる。
両者の人格のぶつかりあいのなかで治療は進んでいく。…
治療者自身の自己教育、その人格の発達ということが、治療の中心課題となってくるとさえいえる。…
治療が相当進んだ状態としては、患者が相当確固とした人生観を確立して、強力な自我を作り上げ、しかもそれは固定したものではなく、より高次の統合性に向かう可能性に対して開かれていること、
無意識の力をつねに建設的な方向に統合してゆく構えのできている状態が考えられる。」
P250‾252
「治療は患者と治療者の全人格が演ずる相互作用以外の何ものではない…
治療者は患者の人格と共に、その人格も変化を遂げる。
両者の人格のぶつかりあいのなかで治療は進んでいく。…
治療者自身の自己教育、その人格の発達ということが、治療の中心課題となってくるとさえいえる。…
治療が相当進んだ状態としては、患者が相当確固とした人生観を確立して、強力な自我を作り上げ、しかもそれは固定したものではなく、より高次の統合性に向かう可能性に対して開かれていること、
無意識の力をつねに建設的な方向に統合してゆく構えのできている状態が考えられる。」
P250‾252